5.インガオホールール

■■■インガオホールール■■■
 これから解説するのは、このゲームにおける最もエキサイティングなルールだ。
 このルールをうまく運用することで、ニンジャスレイヤー:theチャブRPGのポテンシャルは最大限に発揮される。熟読して欲しい。

■■ワザマエカウンター■■
 インガオホールールの中核を為すのがこの「ワザマエカウンター」と、後述する「インガオホー値」である。
 「ワザマエカウンター」はGM、PLから、素晴らしい演技や、忍務に沿った演技をしたPCのPLへ配布されるチップのような物である。
 巻末にはこの「ワザマエカウンター」として使用出来るチップを用意した。厚紙等にコピーして使用して欲しい。

■ワザマエカウンターの配布■
 「ワザマエカウンター」は無制限に、誰もが配布出来るものではない。
 「ワザマエカウンター」を配布する権利を持つのは、GMと、「ジャッジ」と呼ばれるPLのみである。
 「ジャッジ」とは基本的に最も多い「ワザマエカウンター」を所持しているPLのことであり、GMによって任命される。「ワザマエカウンター」を三枚配布する度に次のジャッジをGMが指名する。
 ただし常にこれを守らなければならないわけでなく、GMは臨機応変に「ジャッジ」PLを変更するべきだ。(見せ場でジャッジに任命されても、困ってしまうだろう?)
 セッション中にどれくらい「ワザマエカウンター」を配布すればいいのか、想像がつかない人もいるだろう。
 その疑問への答えは、「カッコイイと思ったのなら好きなだけ投げろ。物語が盛り上がるのなら何枚でも投げろ」だ。
 誰かにほめられるというのは、とても嬉しくなることだ。
 いい演技をしたPLには惜しみない「ワザマエカウンター」を与えて欲しい。
 また、「ジャッジ」はGMに対しても「ワザマエカウンター」を配布出来る。
 敵を強化してしまう行動はしたくない? 大馬鹿者!
 素晴らしい悪役には、最大限の賛辞を送るべきだ!
 君がこれから倒す悪役は、小指一本で倒れてしまう程弱々しいやつなのか?
 敵が強くなることを歓迎したまえ。それでこそ、君のキャラクターは輝くのだ。

■ワザマエカウンターの使用■
 受け取った「ワザマエカウンター」を消費することで、様々な効果を得ることが出来る。
 ただし、いかなる場合でも、「ワザマエカウンター」を一枚消費することで「現在インガオホー値」が1上昇する。忘れないで欲しい。
 また、以下の行為はいつでも行うことが出来る(割り込み行動や、判定ダイス操作は特定のタイミングが指示されている。それを守ること)
 また、以下の選択肢全ては「タツジンカウンター」を用いることでも効果を使用出来る。「タツジンカウンター」は、「現在インガオホー値」が上昇しないということ以外、「ワザマエカウンター」と同様に使用出来る。
 以下に使用方法のリストを紹介する。

▼割り込み行動――ワザマエカウンター3枚消費▼
 他PCの行動宣言に刹那タイミングで割り込み、行動順番に関わりなく行動宣言を行うことが出来る。
 また、この「割り込み行動」では行動完了状態にはならず、未行動状態のまま行動することが可能である。
▼判定ダイス操作――ワザマエカウンター2枚消費▼
 「判定」を行った直後に、自分の「判定」の出目を5%だけ増減することが出来る。
 この時プラスを選択しても、マイナスを選択しても良い。
 ただし、自分の判定の"直後"にしかこの効果は使用できない。
▼シーンに登場する――ワザマエカウンター1枚消費▼
 それが如何なるシーンであれ、即座にその場に登場することが出来る。
 また、この効果を使用するよりも前からその場にいたことにしても良い。
 この効果は主に「お前達の話は聞かせてもらった!」という演出の為に用意されている。
 絶対に「このシーンには最初からいたんだから、10分前に行った命中判定に割り込ませろ」という最低な行為は行なってはいけない!
 一度過ぎた時間を巻き戻す行為は、必要以上にダイスロールをする行為以上に物語を破壊する、唾棄すべき行いだ!
▼DLを上昇させる――ワザマエカウンター5枚消費▼
 即座にDLを1上昇させる。
 この効果を使用することで、DLの上昇が発生する。(つまり、攻撃の威力が1d10増加するし、ニンジャスタイルをひとつ取得するし、それによって初期インガオホー値が変更される)
 新たに取得するニンジャスタイルをその場で宣言し、特技をふたつ取得し、ニンジャスタイルによって指定された技能の数値を上昇させ、技能初期インガオホー値をニンジャスタイルによって指定された値だけ上昇させる。
 この時、「現在インガオホー値」も上昇することに注意すること。(使用したワザマエカウンターによる上昇、さらに初期インガオホー値の上昇による追加の上昇である)
 この効果は著しく時間を消費する可能性がある。否、言い切ってしまおう。この効果はまず間違いなく時間を大幅に消費する!
 その為、シナリオ中にカッコよく、ディセンションする演出をしたいPLは、
 「キャラクターシートを最初から二枚用意しておくこと!」
 さらに、セッション中にニンジャとしての能力が上昇する演出をしたいPLも、
 「キャラクターシートを最初から二枚用意しておくこと!」
▼忍務を書き換え、現在インガオホー値を減少させる――ワザマエカウンターを5枚破棄する▼
 ワザマエカウンター、もしくはタツジンカウンターを5枚捨て、忍務を書き換えることで、「現在インガオホー値」を2d10減少することが出来る。
 "破棄"であり、使用したわけではないのでインガオホー値が上昇することはない。
 ひとつの忍務は1シナリオに一度しか書き換えることは出来無い。
 忍務とはそのキャラクターが譲れない何か、である。それを書き換えるのだから、そこに物語を存在させるべきだ。
 また、「シークレット忍務」を書き換えた場合は、書き換える前の「シークレット忍務」も書き換えた後の内容も、全てのPLに公開すること。
 ※例えば、「幼馴染の少女を守る」という忍務を持ったキャラクターがいたとする。もしその少女が、そのキャラクターを裏切ったとしても、そのキャラクターは「幼馴染の少女」を守るだろう。
 それが忍務のあり方だからだ!
 しかし、忍務の書き換えによってこの内容を書き換える場合は別だ。「幼馴染の少女を守る」という忍務を、「幼馴染の少女を殺す」に書き換えたのなら、彼のあり方はその瞬間に切り替わるのだ。

 この中で、特殊な状況が発生するのはひとつ目の効果だ。
 「割り込み行動」に対して、他のキャラクターが「割り込み行動」を宣言した場合、両者の「割り込み行動」は互いに打ち消され、使用したワザマエカウンターは破棄され、二人共インガオホー値が上昇することはない。
 これは即ち、互いの高速行動が拮抗しあい、傷を負わせることが出来なかったことを表している。
 打ち消された直後に、再び「割り込み行動」をすることも可能である。
 より多くのワザマエカウンターを消費した方が、1回の「割り込み行動」を手にする。
 ひとつの「行動宣言」に対して「割り込み行動」を複数人が行った場合のみ発生する特殊な状況である。覚えておいて欲しい。
 無論、「割り込み行動」の処理が完了し、改めて本来の行動順のキャラクターが「行動宣言」を行った際に「割り込み行動」を宣言することは可能だ。


■■インガオホー値■■
 インガオホールールのもうひとつの柱、それが「インガオホー値」だ。
 「インガオホー値」には二種類存在する。
 「初期インガオホー値」と「現在インガオホー値」だ。
 「初期インガオホー値」とはセッション開始時の「インガオホー値」となる値のことである。
 この値はHPの最大値となる値である。
 「現在インガオホー値」とは、即ち現在の「インガオホー値」の値だ。
 「現在インガオホー値」は行動順の決定に使用される。
 「インガオホー値」は特技のコストによって上昇し、「ワザマエカウンター」の使用によって上昇し、戦闘不能の解除によって上昇する。

■戦闘不能の解除■
 DL個のダイスを振り、合計分「現在インガオホー値」を上昇することで、戦闘不能を解除し、HPを合計分の値まで回復させることが出来る。
 つまり、ニンジャでないキャラクターは通常、戦闘不能となった場合行動できなくなるのだ。

■リアルニンジャショック■
 DL0のキャラクターは、ニンジャと遭遇した時(その相手があきらかにニンジャだとわかる状況の時)【精神】能力値+【反応】能力値を【判定値】とした判定を行う。
 これに失敗した場合、即座に「現在インガオホー値」を1d10上昇させる。

■現在インガオホー値が100を超えた■
 これはまずい! 現在インガオホー値が100以上になった瞬間に、DL0のキャラクターは死亡し、DL1以上のキャラクターは爆発四散する!
 この時点でそのキャラクターの物語は終わりだ!

■ゴウランガ状態■
 ……しかし、これには抜け道がある。
 東洋の神秘……梵我一如……悟り……ゴルコンダ……とてもスピリチュアルな、言葉では言い表せない一種の超人状態。
 これをこのゲームでは「ゴウランガ状態」と呼称する。
 「現在インガオホー値」が100以上になった瞬間に、そのキャラクターのPLはみっつの選択肢を迫られる。

  • しめやかにキャラクターをロストする
  • 忍務を書き換え、現在インガオホー値を減少する
  • ゴウランガ状態になる

 前者ふたつは既に説明した通りだ。
 それでは三番目の選択肢の説明をしよう。

  • 「ゴウランガ状態」となったキャラクターは、「ゴウランガ状態」となった直後に、未行動、行動完了に関わらず、一度行動宣言を行える。これによって行動済みにはならない。
  • 「ゴウランガ状態」となったキャラクターは、全ての【判定値】を、本来よりも30高いものとして扱うことが出来る。
  • 「ゴウランガ状態」となったキャラクターは、即座にDLの3倍の個数のダイスを振り、合計値分最大HPを上昇し、現在のHPを同じ値だけ回復する。
  • 「ゴウランガ状態」となったキャラクターは、ウカツを全てタツジンとして扱う。
  • 「ゴウランガ状態」となったキャラクターは、「インガオホー値」を減少することが出来無い。
  • 「ゴウランガ状態」となったキャラクターは、「インガオホー値」が上昇することで戦闘不能になることはない。
  • 「ゴウランガ状態」となったキャラクターは、そのセッションが終了するまでの間に必ず「死亡」する。

 お分かりいただけただろうか。
 必ず死亡、つまりキャラクターをロストする代わりに、ほんの少しの悪あがきが可能になるのだ。
 また、インガオホー値が100以上となった時だけでなく、「戦闘不能」となった時にも「ゴウランガ状態」となる宣言を行うことが出来る。
最終更新:2012年05月07日 18:16
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