ここで、話はエリスがピンクのうさぎを拾った前日までさかのぼる。
アンゼロット城、ショッピングモール内。そこに、その店はあった。
店の名は、居酒屋『ろんぎぬす』
異世界出身だと言う主人が経営するこの店の方針は、「来るもの拒まず、ただし喧嘩は外でやれ」
訪れたのがどんな人物、否生物であれ、気にせず注文に応える(お代を払わない客を除く)サービス精神。
目の前で異常な光景が起こってもスルーできる肝の太さ。
そしてやたら豊富な人生経験から出てくるアドバイス。
何故か軍人口調の美少女吸血鬼だのハードボイルドな雰囲気の絶滅社のフェレットだのどこぞの魔王の落し子だのと言った怪しげな常連たち。
訪れたのがどんな人物、否生物であれ、気にせず注文に応える(お代を払わない客を除く)サービス精神。
目の前で異常な光景が起こってもスルーできる肝の太さ。
そしてやたら豊富な人生経験から出てくるアドバイス。
何故か軍人口調の美少女吸血鬼だのハードボイルドな雰囲気の絶滅社のフェレットだのどこぞの魔王の落し子だのと言った怪しげな常連たち。
今やこの店はアンゼロット城の隠れた名所(笑)としてウィザードその他の間でもそれなりの知名度を持っている。
…もっとも、半ば怖いもの見たさといったところだが。
…もっとも、半ば怖いもの見たさといったところだが。
さて、変なもの同士は集まりやすいのか何なのか。この店に訪れる客は、変わり者が多いこの界隈でも特に変な客が多い。
その日もまた、店はそんな変な客を迎えていた。
その日もまた、店はそんな変な客を迎えていた。
「おやっさん。おかわり」
その客が店にやって来たのは、まだ日も暮れきっていない、夜の営業を開始した直後のことだった。
黙っていれば金髪碧眼で高級そうなスーツを着たナイスミドル。
およそ居酒屋には似合わないこの男がふらりとやってきて、はや2時間。
延々飲み続け、既に一升瓶を2~3本は空にしている。
「…大丈夫ですか?飲みすぎは体に毒ですよ?」
「あ~、い~のい~の」
流石に見かねて忠告する店主に男はぷらぷらと手を振って答えた。
「あいつらだってさすがにここまでは追ってこないだろ~し、ここならプリキュアとばったりなんてことも無いから酔っ払ってても問題ないの」
楽しそうにひとしきり笑ったあと。
「…それに会社も無ければ行くところもない。今さら身体気にしてもしょうがないってね。ハハハ…はぁ」
空元気だったらしく一転してどんより落ち込む。
「考えて見れば、たった1年しかたってないんだよなあ…」
真っ赤な顔をして、ポツリと呟く。
「おやっさん、私はね、ほんの1年前まで出世街道を驀進してたんだよ。文字通り身を粉にして会社に尽くして来たし、成績だっていつもトップクラスだった。
部署をひとつ任されたのだって他の誰よりも早かったし部下だってちゃんといたんだ…」
遠い目をしながら、苦しかったこの1年を振り返る。
「それがあいつらに関わるようになってから部下は次々殉職、部署は無くなってお茶くみからやりなおし、挙句に会社が丸ごと消滅…ほんと~にあっという間だった」
微妙に物騒な単語を呟きつつ彼の脳裏によぎるのは、1年の思い出。
すべてはうまく行っていた。あいつらが出てくるまでは。
「心機一転やり直そうとしたらま~た出てきて、邪魔するし。なんか1人増えてるし。私をリーダーって認めないし」
すっかり愚痴モードに入って男は喋り続ける。
「給料査定ともサービス残業ともリストラとも縁のないガキの癖に夢だの希望だのってきれいごとだけで突っ込んでくるんだもんなあ。
仕事でやってるだけのこっちはたまったもんじゃないよ。今は人間の世界には迷惑かけてなかったんだから、ほっといてくれってんだよ」
はふう~と再び溜息をつく。
辺りにどんよりと重い空気が漂う。
その時だった。
「…お客さん、どうぞ」
男の前に小鉢が置かれる。
「おやっさん?」
「私からの気持ちです。お代は結構ですから、召し上がってください。酒だけじゃあ身体に悪いでしょう」
「しかしだね。私にはもう何にも無いんだ。だから…」
「だからこそ、ですよ」
陰鬱とし始めた男の言葉に重ねるように、店主が言う。
「…私もね、この店始める前はとある組織で働いてましてね」
店主が遠い目をして、言葉を紡ぐ。目の前の、客に対して。
「ガキどもに邪魔されて出世の道がつぶれたり、左遷されたり、慣れない営業やらされたり…色々ありました」
目の前の客は、店主に嫌なことを思い出させた。
それは昔、散々飲まされた、煮え湯の味。愛だの友情だので何度でも立ち上がってくる、常識外れのガキどものこと。
「そんな待遇に嫌気がさして、裸一貫でこの世界に渡って来て…それで、分かったんです」
そう、目の前の客はどこか昔の自分に似ていた。組織を捨て、自暴自棄になってた頃の自分に。
「結局最後にものを言うのは健康な身体です。人間、それさえあれば何度でもやり直せる」
「やりなおす?無理だよ」
店主の言葉を男は自嘲を込めて鼻で笑う。
「私は、負けたんだ。負けた奴には何にも残らない。それはね、私が一番よく知ってるんだ」
そう、知っている。競争に、戦いに負けた奴の末路は、嫌ってほど。
「残りますよ」
だが、その客の言葉を店主は否定してみせた。
「そりゃあお客さんは負けたのかもしれない。けれど、今、こうして生きている。少なくとも、命は残ってるわけです」
目の前の客には頑張ってほしい。そう、素直に思えたから。
「だったら、また始めりゃいいんですよ。勝つまで、何度でも。
どうせ1回負けてるんだから、また負けたって構わない、どの道勝つまで続けるんだから、て思えば楽なもんです」
そう、客に言うと店主は黙りこんだ。
伝えたいことは、全部伝えたから。
「そうか…そうだよな」
男は心の奥から、じんわりと湧いてきた温かいものに気づく。
そうだ。前に一度だけ、感じたことがある。そう、これは。
「ナイトメアが無くなったときだって、何とかなったもんな」
あの時感じた、開放感。全部なくして、それでも生きていることへの感謝。
「…おやっさん。ご馳走さん、いくら?」
立ち上がって財布を取り出し、店主に問う。
「ツケにしときますよ」
それに店主は笑顔で答える。
「今度は元気な時に来て下さい。お代はその時にいただきます」
「そっか…ありがとう」
店主の言葉に、男は今はありがたく好意を受けておくことにした。
「おいしかった。また、寄らせてもらうよ」
店主への、誓いの言葉とともに。
その客が店にやって来たのは、まだ日も暮れきっていない、夜の営業を開始した直後のことだった。
黙っていれば金髪碧眼で高級そうなスーツを着たナイスミドル。
およそ居酒屋には似合わないこの男がふらりとやってきて、はや2時間。
延々飲み続け、既に一升瓶を2~3本は空にしている。
「…大丈夫ですか?飲みすぎは体に毒ですよ?」
「あ~、い~のい~の」
流石に見かねて忠告する店主に男はぷらぷらと手を振って答えた。
「あいつらだってさすがにここまでは追ってこないだろ~し、ここならプリキュアとばったりなんてことも無いから酔っ払ってても問題ないの」
楽しそうにひとしきり笑ったあと。
「…それに会社も無ければ行くところもない。今さら身体気にしてもしょうがないってね。ハハハ…はぁ」
空元気だったらしく一転してどんより落ち込む。
「考えて見れば、たった1年しかたってないんだよなあ…」
真っ赤な顔をして、ポツリと呟く。
「おやっさん、私はね、ほんの1年前まで出世街道を驀進してたんだよ。文字通り身を粉にして会社に尽くして来たし、成績だっていつもトップクラスだった。
部署をひとつ任されたのだって他の誰よりも早かったし部下だってちゃんといたんだ…」
遠い目をしながら、苦しかったこの1年を振り返る。
「それがあいつらに関わるようになってから部下は次々殉職、部署は無くなってお茶くみからやりなおし、挙句に会社が丸ごと消滅…ほんと~にあっという間だった」
微妙に物騒な単語を呟きつつ彼の脳裏によぎるのは、1年の思い出。
すべてはうまく行っていた。あいつらが出てくるまでは。
「心機一転やり直そうとしたらま~た出てきて、邪魔するし。なんか1人増えてるし。私をリーダーって認めないし」
すっかり愚痴モードに入って男は喋り続ける。
「給料査定ともサービス残業ともリストラとも縁のないガキの癖に夢だの希望だのってきれいごとだけで突っ込んでくるんだもんなあ。
仕事でやってるだけのこっちはたまったもんじゃないよ。今は人間の世界には迷惑かけてなかったんだから、ほっといてくれってんだよ」
はふう~と再び溜息をつく。
辺りにどんよりと重い空気が漂う。
その時だった。
「…お客さん、どうぞ」
男の前に小鉢が置かれる。
「おやっさん?」
「私からの気持ちです。お代は結構ですから、召し上がってください。酒だけじゃあ身体に悪いでしょう」
「しかしだね。私にはもう何にも無いんだ。だから…」
「だからこそ、ですよ」
陰鬱とし始めた男の言葉に重ねるように、店主が言う。
「…私もね、この店始める前はとある組織で働いてましてね」
店主が遠い目をして、言葉を紡ぐ。目の前の、客に対して。
「ガキどもに邪魔されて出世の道がつぶれたり、左遷されたり、慣れない営業やらされたり…色々ありました」
目の前の客は、店主に嫌なことを思い出させた。
それは昔、散々飲まされた、煮え湯の味。愛だの友情だので何度でも立ち上がってくる、常識外れのガキどものこと。
「そんな待遇に嫌気がさして、裸一貫でこの世界に渡って来て…それで、分かったんです」
そう、目の前の客はどこか昔の自分に似ていた。組織を捨て、自暴自棄になってた頃の自分に。
「結局最後にものを言うのは健康な身体です。人間、それさえあれば何度でもやり直せる」
「やりなおす?無理だよ」
店主の言葉を男は自嘲を込めて鼻で笑う。
「私は、負けたんだ。負けた奴には何にも残らない。それはね、私が一番よく知ってるんだ」
そう、知っている。競争に、戦いに負けた奴の末路は、嫌ってほど。
「残りますよ」
だが、その客の言葉を店主は否定してみせた。
「そりゃあお客さんは負けたのかもしれない。けれど、今、こうして生きている。少なくとも、命は残ってるわけです」
目の前の客には頑張ってほしい。そう、素直に思えたから。
「だったら、また始めりゃいいんですよ。勝つまで、何度でも。
どうせ1回負けてるんだから、また負けたって構わない、どの道勝つまで続けるんだから、て思えば楽なもんです」
そう、客に言うと店主は黙りこんだ。
伝えたいことは、全部伝えたから。
「そうか…そうだよな」
男は心の奥から、じんわりと湧いてきた温かいものに気づく。
そうだ。前に一度だけ、感じたことがある。そう、これは。
「ナイトメアが無くなったときだって、何とかなったもんな」
あの時感じた、開放感。全部なくして、それでも生きていることへの感謝。
「…おやっさん。ご馳走さん、いくら?」
立ち上がって財布を取り出し、店主に問う。
「ツケにしときますよ」
それに店主は笑顔で答える。
「今度は元気な時に来て下さい。お代はその時にいただきます」
「そっか…ありがとう」
店主の言葉に、男は今はありがたく好意を受けておくことにした。
「おいしかった。また、寄らせてもらうよ」
店主への、誓いの言葉とともに。
*
「よ~し、やるっきゃないか。いつまでも無職じゃあ、困るもんな」
店の外に出て伸びをする。
「考えてみりゃあ悪いことばかりじゃあ無いよな」
さっきまでは全然考えられなかったことだが、今は素直にそう思える。
「プリキュアのいない異世界で一からやり直し。うん、悪くない」
うんうんと頷いて見せる。
「ここもエターナルの連中でも躊躇する『閉ざされた世界』だって言うからどんな酷いところかと思ってたけど、なんのこたあない。人間の世界と同じじゃないか」
店の外に出て伸びをする。
「考えてみりゃあ悪いことばかりじゃあ無いよな」
さっきまでは全然考えられなかったことだが、今は素直にそう思える。
「プリキュアのいない異世界で一からやり直し。うん、悪くない」
うんうんと頷いて見せる。
「ここもエターナルの連中でも躊躇する『閉ざされた世界』だって言うからどんな酷いところかと思ってたけど、なんのこたあない。人間の世界と同じじゃないか」
『閉ざされた世界』…かつていた組織でも誰一人として踏み込んだものがいない魔境。
最近、何故か入れるようにはなったが今はローズパクトの没収が最優先なのと、調査に行こうと言うモノ好きがなかなか見つからなくて放置されている。
そんな話を聞いていたからこそ選んだ世界だった。彼らの追手の掛かりそうのない、逃亡先として。
最近、何故か入れるようにはなったが今はローズパクトの没収が最優先なのと、調査に行こうと言うモノ好きがなかなか見つからなくて放置されている。
そんな話を聞いていたからこそ選んだ世界だった。彼らの追手の掛かりそうのない、逃亡先として。
「ただのブンビーとして、最初から始めるにはちょうどいい世界だ」
これならやっていける。男…ブンビーはそう感じていた。
「そうなると知り合いがいないってのもいかにも新天地って感じで…」
酒で高揚した気分で歩きながら呟いた、その時だった。
これならやっていける。男…ブンビーはそう感じていた。
「そうなると知り合いがいないってのもいかにも新天地って感じで…」
酒で高揚した気分で歩きながら呟いた、その時だった。
どっごおおおおおおおおおおおおおおおおん!
唐突にすぐそばの壁が破壊され、瓦礫と一緒に、ブンビーが吹っ飛ぶ。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
空中で体制を立て直しながら、戦闘形態…蜂を思わせる外骨格に包まれた姿へと変え、着地する。
「いったい何がどうなって…ってえ!?」
そして攻撃のあった方を見て、驚きの声を上げた。
なにしろブンビーが見たもの、それは。
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!?」
空中で体制を立て直しながら、戦闘形態…蜂を思わせる外骨格に包まれた姿へと変え、着地する。
「いったい何がどうなって…ってえ!?」
そして攻撃のあった方を見て、驚きの声を上げた。
なにしろブンビーが見たもの、それは。
コワイナアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!
穴が開いてひび割れてはいるが見間違えようのない仮面をつけ、どっかで聞いたような叫び声を上げる、ある意味非常に慣れ親しんだものだったのだから。
*
話はさらにちょっとだけさかのぼる。
コワイナアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!
絶叫と共に巨体から繰り出される一撃が複数の相手…警備任務についている新米ロンギヌスをあっさりなぎ払う。
「こちらロンギヌス警備部隊34号!敵と遭遇。月匣を展開し交戦するも苦戦中!至急応援を求む!」
吹っ飛ばされる前衛を尻目に必死で本隊に連絡を取る後衛のロンギヌス。その声には恐れと焦りが入り混じっていた。
それも無理は無い。
「例の冥魔だ!強すぎる!俺たちじゃあ歯が立たない!このままじゃあ…」
ここ最近、各地で突然出現し、暴れまわっている、かぎ鼻の道化を思わせる仮面をつけた冥魔。
時間も場所も選ばず出現し、その強さは下手な魔王の写し身にも匹敵すると言う奴らの出現。
覚醒して日の浅い、警備程度の任務に回されるロンギヌスたちでは、正直歯が立たない相手だった。
「ぐわあああああ!?」
「ぐっ…強すぎる」
「…くそう、明日は俺の結婚式だってのに…」
必死に支援要請を伝えている間にも、1人、また1人とロンギヌスは倒されていく。
「頼む!このままじゃあ…」
そう言いながら状況を確認したロンギヌスが言葉に詰まる。
「ぜん…めつ?」
気づいてしまったのだ。
既にこの場で立っているのは…自分1人だけだと言う事に。
「あ…あ…」
思わずその場にへたり込む。
「こちらロンギヌス警備部隊34号!敵と遭遇。月匣を展開し交戦するも苦戦中!至急応援を求む!」
吹っ飛ばされる前衛を尻目に必死で本隊に連絡を取る後衛のロンギヌス。その声には恐れと焦りが入り混じっていた。
それも無理は無い。
「例の冥魔だ!強すぎる!俺たちじゃあ歯が立たない!このままじゃあ…」
ここ最近、各地で突然出現し、暴れまわっている、かぎ鼻の道化を思わせる仮面をつけた冥魔。
時間も場所も選ばず出現し、その強さは下手な魔王の写し身にも匹敵すると言う奴らの出現。
覚醒して日の浅い、警備程度の任務に回されるロンギヌスたちでは、正直歯が立たない相手だった。
「ぐわあああああ!?」
「ぐっ…強すぎる」
「…くそう、明日は俺の結婚式だってのに…」
必死に支援要請を伝えている間にも、1人、また1人とロンギヌスは倒されていく。
「頼む!このままじゃあ…」
そう言いながら状況を確認したロンギヌスが言葉に詰まる。
「ぜん…めつ?」
気づいてしまったのだ。
既にこの場で立っているのは…自分1人だけだと言う事に。
「あ…あ…」
思わずその場にへたり込む。
コワイナアアアアアアアアア…
冥魔がゆっくりと追い詰めるように近づいてくる。周りには冥魔の攻撃で戦闘不能に陥った他のロンギヌス。
自らの状況を理解した男は絶望し、叫ぶ。
「うわあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!だめだあああああああああああああああああああ!?」
そして、ロンギヌスを嘲笑うように冥魔が腕を振り上げた、その時だった。
自らの状況を理解した男は絶望し、叫ぶ。
「うわあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!だめだあああああああああああああああああああ!?」
そして、ロンギヌスを嘲笑うように冥魔が腕を振り上げた、その時だった。
ドシュン!
冥魔の振り上げた右腕が何かに吹き飛ばされて“消失”する。
同時に、足もとから音も無く黒い影が冥魔に迫り、冥魔の直前で飛び上がってその仮面にまっすぐ突っ込んでくる。
それを目…仮面の穴がとらえた瞬間、冥魔はほぼ反射的に残った左腕でその影振り払う。
その左腕は的確に影を捉え、影が大きくくの字に曲がったその瞬間
同時に、足もとから音も無く黒い影が冥魔に迫り、冥魔の直前で飛び上がってその仮面にまっすぐ突っ込んでくる。
それを目…仮面の穴がとらえた瞬間、冥魔はほぼ反射的に残った左腕でその影振り払う。
その左腕は的確に影を捉え、影が大きくくの字に曲がったその瞬間
ボガァン!
大爆発して冥魔をひるませる!
「今だ姫宮!」
それを確認し、冥魔から少し距離を取った影が叫ぶ。それと同時に。
「うん!任せて一狼君!」
建物の屋上から1人の少女が飛び降りて、腕を振り上げる。
「てぇぇぇぇぇぇええええええええええええい!!!!!!!!!!!!」
少女の叫びと共にその腕が爆発的に膨れ上がり、指も手の平も無い、巨大な1本の『杭』と化して、冥魔の仮面に突き刺さる!
「今だ姫宮!」
それを確認し、冥魔から少し距離を取った影が叫ぶ。それと同時に。
「うん!任せて一狼君!」
建物の屋上から1人の少女が飛び降りて、腕を振り上げる。
「てぇぇぇぇぇぇええええええええええええい!!!!!!!!!!!!」
少女の叫びと共にその腕が爆発的に膨れ上がり、指も手の平も無い、巨大な1本の『杭』と化して、冥魔の仮面に突き刺さる!
ゴヴァイナアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!??????????
その一撃に冥魔は濁った叫び声を上げ、月匣ごと通りの反対側の建物を破壊しながら倒れこむ。
どっごおおおおおおおおおおおん!
「な、何なんだ…」
わずかな時間に起こった出来事についていけず、ロンギヌスが茫然と呟く。
「安心するがいい。ついでだが、助けてやろう。仲間を抱えてすぐにこの場を離れて、後は俺たちに任せるのだ。どりぃ~む」
そのロンギヌスに答えるように、渋い男の声が聞こえる。
そこには、怪しげな恰好の男が立っていた。眼帯をつけ、ぴったりしたへそ出しの服を着た、年齢不詳の…男。
「お、お前は!」
ロンギヌスはその男のことを知っていた。そう、彼こそはウィザードの中でも屈指の実力を持つ、傭兵ウィザード。
「絶滅社の死の茄子色カブトムシ!」
「…ナイトメア、だ」
ナイトメアが渋い声で訂正した。
わずかな時間に起こった出来事についていけず、ロンギヌスが茫然と呟く。
「安心するがいい。ついでだが、助けてやろう。仲間を抱えてすぐにこの場を離れて、後は俺たちに任せるのだ。どりぃ~む」
そのロンギヌスに答えるように、渋い男の声が聞こえる。
そこには、怪しげな恰好の男が立っていた。眼帯をつけ、ぴったりしたへそ出しの服を着た、年齢不詳の…男。
「お、お前は!」
ロンギヌスはその男のことを知っていた。そう、彼こそはウィザードの中でも屈指の実力を持つ、傭兵ウィザード。
「絶滅社の死の茄子色カブトムシ!」
「…ナイトメア、だ」
ナイトメアが渋い声で訂正した。