正義の味方(Side選抜委員)@学園世界
学園世界には各校選抜執行委員…通称"選抜委員"と呼ばれる者たちがいる。
選抜委員…それはウィザード、武術家、軍人、冒険者、錬金術師、超能力者、魔法使い、霊能力者と言った特殊技能者から、
学園世界を守りたいという普通の生徒まで、学園世界の志ある有志たち。
彼らは、学園世界で起こる様々なトラブルから学生たちを守るべく日々活動している。
選抜委員…それはウィザード、武術家、軍人、冒険者、錬金術師、超能力者、魔法使い、霊能力者と言った特殊技能者から、
学園世界を守りたいという普通の生徒まで、学園世界の志ある有志たち。
彼らは、学園世界で起こる様々なトラブルから学生たちを守るべく日々活動している。
さて、選抜委員は多くの小部隊に分かれて活動している。
その編成は基本的には極上生徒会にて振り分けられる、そのため、よく言えば多種多様、悪く言えば雑多な人材で構成されているのが一般的である。
だが、何事にも例外はある。
その編成は基本的には極上生徒会にて振り分けられる、そのため、よく言えば多種多様、悪く言えば雑多な人材で構成されているのが一般的である。
だが、何事にも例外はある。
1つのコンセプトの元、選抜委員の中から選ばれた"特殊技能保有者"にて構成される特殊技能保有者特別選抜隊…通称"特選隊"
単機能でなら執行部にも匹敵…否、時に凌駕すると言われている彼ら特選隊は学園世界でも名の知れた部隊が多い。
単機能でなら執行部にも匹敵…否、時に凌駕すると言われている彼ら特選隊は学園世界でも名の知れた部隊が多い。
隊員全員が達人級の剣術の腕を持ち、その身に帯びた刀剣のみで悪党から物の怪までどんな敵とも戦うサムライ部隊、第7番隊『剣友会』
12歳以下の小学生のみで構成されながらその実力は特選隊でも5本の指に入ると言われるお子様部隊、第38番隊『Theチルドレン』
戦闘能力は無いが、パソコン処理なら任せとけ!な電脳部隊、第78番隊『知り合いのスーパーハカー』(目下79番隊とは対立中)
同じく戦闘能力は無いが、聞き込みや現場検証など、街中での探索に特化した第79番隊『学園世界探偵団』(78番隊とは冷戦中)
新白連合で鳴らしたファイターたちが持ち回りで参加。そのモットーがそのまま部隊名となっている"喧嘩仲裁"専門部隊、第144番隊『両成敗』
覗きや痴漢、下着泥棒まで、男子の持て余した青春のほとばしりを叩き潰す専門部隊、第209番隊『209(にーまるきゅう)』…
12歳以下の小学生のみで構成されながらその実力は特選隊でも5本の指に入ると言われるお子様部隊、第38番隊『Theチルドレン』
戦闘能力は無いが、パソコン処理なら任せとけ!な電脳部隊、第78番隊『知り合いのスーパーハカー』(目下79番隊とは対立中)
同じく戦闘能力は無いが、聞き込みや現場検証など、街中での探索に特化した第79番隊『学園世界探偵団』(78番隊とは冷戦中)
新白連合で鳴らしたファイターたちが持ち回りで参加。そのモットーがそのまま部隊名となっている"喧嘩仲裁"専門部隊、第144番隊『両成敗』
覗きや痴漢、下着泥棒まで、男子の持て余した青春のほとばしりを叩き潰す専門部隊、第209番隊『209(にーまるきゅう)』…
その中に、1つとある特選隊が存在する。その特殊性故に正体不明とも揶揄される謎多き部隊、彼らの名は…
1
学園世界において、モンスターは決して珍しい存在では無い。
学園世界中に存在するダンジョンから漏れ出したり、逆にダンジョンに子供が迷い込んだり、実験用、実習用のものが学園から逃げ出したり、
果てはこの"世界"を自らのものとしようと侵入してきたりと学園世界の平和を脅かすモンスターは後を絶たない。
そのため、このモンスター退治と言うのは選抜委員の大事な仕事の一つである。
そして、今日もまた彼らは戦う。学園世界の平和を守る、選抜委員として。
学園世界中に存在するダンジョンから漏れ出したり、逆にダンジョンに子供が迷い込んだり、実験用、実習用のものが学園から逃げ出したり、
果てはこの"世界"を自らのものとしようと侵入してきたりと学園世界の平和を脅かすモンスターは後を絶たない。
そのため、このモンスター退治と言うのは選抜委員の大事な仕事の一つである。
そして、今日もまた彼らは戦う。学園世界の平和を守る、選抜委員として。
―――モンスター退治を得意とする学園世界選抜第51番隊がモンスター出現の報を受けて出動したのは、30分ほど前のことであった。
「うりゃ!」
ズバシャッ!
何度目かの斬撃により、ようやく動きを止めたモンスターに、剣と鎧で武装した、周りより少しだけ年上の少年が安堵してふぅと息を吐いた。
「とりあえず、こっちは片付いたな」
辺りを確認する。動いているモンスターは無い。
「隊長、こちらも殲滅完了しました」
手にした拳銃の弾丸を補充しながら、紫の制服を着こんだ少女が報告してくる。
「パヴァーヌよ、癒しを…はい。これで大丈夫です」
「おう、さんきゅ。やっぱお前の"シンジュツ"ってのはすげえな」
エルフの少女の癒しの魔法で折れた腕が力を取り戻したのを確認し、鋼鉄製のナックルをはめた少年が感嘆と共に礼を言う。
「い、いえ…これもお仕事です、から…」
その屈託ない笑顔に顔を赤らめながら、エルフの少女が少年に返す。
「やれやれ。お熱いことで。だが…少し疲れたな」
そんな少年をからかうように言葉をぶつけ、額に浮いた汗をぬぐうのは杖を持ち、マントを着こんだ少年。彼の肩には1羽の小鳥…彼の使い魔が止まっている。
「油断するなよ」
緩んだ周りと自らを戒めるように声をかける。
少年たちが先ほどまで戦っていた月匣を発生させるタイプのモンスター…通称"侵魔"は厄介な相手だ。
つい最近開発部と心霊部が協力して作った退魔の護符(何でも火者とか言う連中が使ってたものを改良したものらしい)のお陰で侵魔も含め大抵の相手には無力化されなくなったが、
それでも知能があり魔法を使うこともある侵魔が厄介な相手なのは変わらない。
「…で、状況はどうなってる?」
少年は0-phoneを取り出し、この場にいない、非戦闘要員のオペレータ役のメンバーに状況を確認する。
「うん。一般生徒の避難は無事完了したよ。逃げ遅れもなし。もう、戻ってきても大丈夫だよ」
「分かった。5分で戻る」
連絡を終え、全員の方を見る。
「聞いての通りだ。任務は完了。戻…!?」
部下たちに帰還を促そうとした、その時だった。
ぞくりと。
酷い悪寒が走った。どっと汗が吹き出す。
ピィイイイイイイイイ!
「うわっ!?どうしたんだい。いきなりそんな声をあげて!?」
野生の勘と言う奴で察したのか、魔法使いの少年の使い魔が甲高い警告の鳴き声を上げる。
「うお!?何かすげえ嫌な感じが!?」
同じく、殺気や気配に敏感な格闘家の少年がきょろきょろとあたりを見まわす。
そんな少年の様子を見て、傍らにいたエルフの神術士の少女も不安げな顔になる。
「…隊長」
そして、拳銃を持った少女…この部隊唯一の"ウィザード"である少女が堅い表情で隊長に告げる。
「…侵魔か?」
一度は鞘にしまった剣を抜き放ちながら、硬い表情でウィザードの少女に尋ねる。
だが、その問いに少女は首を横に振った。
「いいえ。多分もっと危険な相手…」
学園世界に来る前、一度だけ見たことのある恐ろしい存在を思い出しながら、少女は気配の正体を告げる。
「…冥魔です」
その瞬間…
不定形の得体の知れぬ泥が固まったような姿の、3mほどの巨体が現れる。
底知れぬ悪寒と、狂気を孕んだ殺気を伴いながら。
ズバシャッ!
何度目かの斬撃により、ようやく動きを止めたモンスターに、剣と鎧で武装した、周りより少しだけ年上の少年が安堵してふぅと息を吐いた。
「とりあえず、こっちは片付いたな」
辺りを確認する。動いているモンスターは無い。
「隊長、こちらも殲滅完了しました」
手にした拳銃の弾丸を補充しながら、紫の制服を着こんだ少女が報告してくる。
「パヴァーヌよ、癒しを…はい。これで大丈夫です」
「おう、さんきゅ。やっぱお前の"シンジュツ"ってのはすげえな」
エルフの少女の癒しの魔法で折れた腕が力を取り戻したのを確認し、鋼鉄製のナックルをはめた少年が感嘆と共に礼を言う。
「い、いえ…これもお仕事です、から…」
その屈託ない笑顔に顔を赤らめながら、エルフの少女が少年に返す。
「やれやれ。お熱いことで。だが…少し疲れたな」
そんな少年をからかうように言葉をぶつけ、額に浮いた汗をぬぐうのは杖を持ち、マントを着こんだ少年。彼の肩には1羽の小鳥…彼の使い魔が止まっている。
「油断するなよ」
緩んだ周りと自らを戒めるように声をかける。
少年たちが先ほどまで戦っていた月匣を発生させるタイプのモンスター…通称"侵魔"は厄介な相手だ。
つい最近開発部と心霊部が協力して作った退魔の護符(何でも火者とか言う連中が使ってたものを改良したものらしい)のお陰で侵魔も含め大抵の相手には無力化されなくなったが、
それでも知能があり魔法を使うこともある侵魔が厄介な相手なのは変わらない。
「…で、状況はどうなってる?」
少年は0-phoneを取り出し、この場にいない、非戦闘要員のオペレータ役のメンバーに状況を確認する。
「うん。一般生徒の避難は無事完了したよ。逃げ遅れもなし。もう、戻ってきても大丈夫だよ」
「分かった。5分で戻る」
連絡を終え、全員の方を見る。
「聞いての通りだ。任務は完了。戻…!?」
部下たちに帰還を促そうとした、その時だった。
ぞくりと。
酷い悪寒が走った。どっと汗が吹き出す。
ピィイイイイイイイイ!
「うわっ!?どうしたんだい。いきなりそんな声をあげて!?」
野生の勘と言う奴で察したのか、魔法使いの少年の使い魔が甲高い警告の鳴き声を上げる。
「うお!?何かすげえ嫌な感じが!?」
同じく、殺気や気配に敏感な格闘家の少年がきょろきょろとあたりを見まわす。
そんな少年の様子を見て、傍らにいたエルフの神術士の少女も不安げな顔になる。
「…隊長」
そして、拳銃を持った少女…この部隊唯一の"ウィザード"である少女が堅い表情で隊長に告げる。
「…侵魔か?」
一度は鞘にしまった剣を抜き放ちながら、硬い表情でウィザードの少女に尋ねる。
だが、その問いに少女は首を横に振った。
「いいえ。多分もっと危険な相手…」
学園世界に来る前、一度だけ見たことのある恐ろしい存在を思い出しながら、少女は気配の正体を告げる。
「…冥魔です」
その瞬間…
不定形の得体の知れぬ泥が固まったような姿の、3mほどの巨体が現れる。
底知れぬ悪寒と、狂気を孕んだ殺気を伴いながら。
2
「くっ…やばいな…」
がっくりと膝をつきながら、他の委員の様子を確認し、顔をしかめる。
突然現れた冥魔、その強さは圧倒的だった。
長年の鍛錬に裏打ちされた確かな剣技も、本気で放てば岩をも砕く正拳突きも、ちょっとしたモンスターくらいなら一撃で焼き払う魔法の炎も効きが悪い。
逆にそのモンスター…冥魔の一撃はそれなりに戦闘経験を積んでいるはずの部隊メンバーにたやすく死を予感させるほどの一撃を繰り出してくる。
既に前衛として戦ってきた格闘家と自分はいつ倒れてもおかしくない傷を負い、後衛も怪我こそしていないものの疲労が色濃く表れている。
「隊長、大丈夫ですか!?」
膝をついた少年にウィザードの少女が駆けより、持っていたポーションを使って傷を治す。
「…ああ、今のところは、な」
だが、このままでは負けは見えている。となれば、やることは一つ。
「…幸い避難は済んでいる。全員撤退だ」
異論をはさむものはいない。5人は頷きあったあと、一気に走りだす。だが。
「…っあ!?」
5人の1人、この中では一番体力的にもろく、エルフの少女が神術の連発で溜まった疲労から足をもつれさせ、倒れこむ。
「ひぃ!?」
ぎょろりと、冥魔がその様子を見て、手を振り上げるのを見てエルフの少女が悲鳴を上げる。
「…あぶねえ!」
恐怖で固まった少女をとっさに格闘家の少年が突き飛ばす。
ドグシャア!
トラックに跳ねられたような音を立て、格闘家の少年が吹き飛ばされる。
「い、いやああああああ!?」
その様子を見てエルフの少女が悲鳴を上げる。
「おい!しっかりしろ!」
(くっ…どうする!?)
格闘家の少年に駆けより、状態を確認する。持ち前の生命力で息はあるものの、ひどい怪我だ。自力で逃げるのは無理だろう。
「隊長…すまねえ…身体が動かねえ…俺はいいから、逃げてくれ…」
にっと、何かを覚悟した笑みを浮かべて少年は隊長に告げる。
「だ、駄目!」
その言葉に反射的にエルフの少女が答える。その泣きそうな顔には仲間以上の"何か"が見え隠れしていた。
「そうだ!君を…友人を見捨てて逃げるなんて貴族の名折れだ!」
普段はおり合いの悪い魔法使いの少年が、少年に肩を貸して立ち上がらせる。運ぼうとするが、体力にやや乏しい魔法使いの身では辛そうだ。
それを見て、慌ててエルフの少女も格闘家の少年に肩を貸す。
「…分かった」
それを見て、隊長は決意を固め、立ち上がって剣を構える。
「…隊長?」
その様子に嫌な予感を覚えながら、ウィザードの少女が声をかける。
「ここは俺が食い止める。お前らは先に行け…俺もお前らが逃げ切ったらすぐ逃げる」
「「「…っな!?」」」
その言葉に3人が驚きの声を上げる。
「…そう言うと思っていました」
驚きの声を上げなかったウィザードの少女が銃を手に立ち上がる。
「私も残ります。冥魔に仲間を殺されるのは"ウィザード"として納得いきませんから」
そして3人に声をかける。
「2人は彼を安全なところへ。安心して下さい。この馬鹿は私が責任を持って引きずってでも連れて帰りますから」
「…分かった」
その言葉に、魔法使いの少年が頷く。そして納得していないも様子だが満足に動くことも出来ず、抵抗も出来ない少年をエルフの少女と力を合わせ、一緒に引きずって後方へと下がっていく。
「…お前、馬鹿とか言うなよ。一応とは言え、俺隊長だぞ?」
それを確認しながら、少年が苦笑して少女に言う。
「そう思うなら、1人で無茶な真似をしようなんて考えを起こさないでください。この馬鹿」
対する少女は涼しげな顔で拳銃を構える。
「…しゃあねえ。さっさと逃げて…2人で帰るぞ」
「言われるまでもありません」
そんな、決意を固めた2人に冥魔が拳を振り上げて…
「そこまでだ!」
少年少女の間に、1つの影が割り込み、代わりに殴られた。
がっくりと膝をつきながら、他の委員の様子を確認し、顔をしかめる。
突然現れた冥魔、その強さは圧倒的だった。
長年の鍛錬に裏打ちされた確かな剣技も、本気で放てば岩をも砕く正拳突きも、ちょっとしたモンスターくらいなら一撃で焼き払う魔法の炎も効きが悪い。
逆にそのモンスター…冥魔の一撃はそれなりに戦闘経験を積んでいるはずの部隊メンバーにたやすく死を予感させるほどの一撃を繰り出してくる。
既に前衛として戦ってきた格闘家と自分はいつ倒れてもおかしくない傷を負い、後衛も怪我こそしていないものの疲労が色濃く表れている。
「隊長、大丈夫ですか!?」
膝をついた少年にウィザードの少女が駆けより、持っていたポーションを使って傷を治す。
「…ああ、今のところは、な」
だが、このままでは負けは見えている。となれば、やることは一つ。
「…幸い避難は済んでいる。全員撤退だ」
異論をはさむものはいない。5人は頷きあったあと、一気に走りだす。だが。
「…っあ!?」
5人の1人、この中では一番体力的にもろく、エルフの少女が神術の連発で溜まった疲労から足をもつれさせ、倒れこむ。
「ひぃ!?」
ぎょろりと、冥魔がその様子を見て、手を振り上げるのを見てエルフの少女が悲鳴を上げる。
「…あぶねえ!」
恐怖で固まった少女をとっさに格闘家の少年が突き飛ばす。
ドグシャア!
トラックに跳ねられたような音を立て、格闘家の少年が吹き飛ばされる。
「い、いやああああああ!?」
その様子を見てエルフの少女が悲鳴を上げる。
「おい!しっかりしろ!」
(くっ…どうする!?)
格闘家の少年に駆けより、状態を確認する。持ち前の生命力で息はあるものの、ひどい怪我だ。自力で逃げるのは無理だろう。
「隊長…すまねえ…身体が動かねえ…俺はいいから、逃げてくれ…」
にっと、何かを覚悟した笑みを浮かべて少年は隊長に告げる。
「だ、駄目!」
その言葉に反射的にエルフの少女が答える。その泣きそうな顔には仲間以上の"何か"が見え隠れしていた。
「そうだ!君を…友人を見捨てて逃げるなんて貴族の名折れだ!」
普段はおり合いの悪い魔法使いの少年が、少年に肩を貸して立ち上がらせる。運ぼうとするが、体力にやや乏しい魔法使いの身では辛そうだ。
それを見て、慌ててエルフの少女も格闘家の少年に肩を貸す。
「…分かった」
それを見て、隊長は決意を固め、立ち上がって剣を構える。
「…隊長?」
その様子に嫌な予感を覚えながら、ウィザードの少女が声をかける。
「ここは俺が食い止める。お前らは先に行け…俺もお前らが逃げ切ったらすぐ逃げる」
「「「…っな!?」」」
その言葉に3人が驚きの声を上げる。
「…そう言うと思っていました」
驚きの声を上げなかったウィザードの少女が銃を手に立ち上がる。
「私も残ります。冥魔に仲間を殺されるのは"ウィザード"として納得いきませんから」
そして3人に声をかける。
「2人は彼を安全なところへ。安心して下さい。この馬鹿は私が責任を持って引きずってでも連れて帰りますから」
「…分かった」
その言葉に、魔法使いの少年が頷く。そして納得していないも様子だが満足に動くことも出来ず、抵抗も出来ない少年をエルフの少女と力を合わせ、一緒に引きずって後方へと下がっていく。
「…お前、馬鹿とか言うなよ。一応とは言え、俺隊長だぞ?」
それを確認しながら、少年が苦笑して少女に言う。
「そう思うなら、1人で無茶な真似をしようなんて考えを起こさないでください。この馬鹿」
対する少女は涼しげな顔で拳銃を構える。
「…しゃあねえ。さっさと逃げて…2人で帰るぞ」
「言われるまでもありません」
そんな、決意を固めた2人に冥魔が拳を振り上げて…
「そこまでだ!」
少年少女の間に、1つの影が割り込み、代わりに殴られた。
3
それは、不可思議な格好をした男だった。
全身を包むのは、生き物のような光沢の全身鎧。身体にぴったりと張り付くようにフィットしているそれは、まるで昆虫の殻を思い出させた。
「大丈夫か?」
表情が読めない…と言うより兜で覆われててそもそも顔が見えないその男は、後ろを向いて2人の無事を確認する。
…まるで冥魔に殴られたことなど、無かったかのように。
そう、冥魔の拳は確かにその男をとらえていた。確かに命中した。そして…ダメージを与えられなかったのだ。
「…あ、ああ…それよりアンタは…?」
男の鎧の丈夫さに驚愕しながら、少年は問い返す。
「その魔物…まさか、あなたは!?」
一方の少女はその姿を見て、その正体に気づく。何で"この世界"にいるのかは分からないが、少女は確かにこの男の正体を知っていたのだ!
「ああ、俺の名は…」
溜めて、名前を口にする。
「そう、人呼んで…リンカイザーだ!」
堂々と言う、その男の口調は、まるで笑っているかのように聞こえた。
全身を包むのは、生き物のような光沢の全身鎧。身体にぴったりと張り付くようにフィットしているそれは、まるで昆虫の殻を思い出させた。
「大丈夫か?」
表情が読めない…と言うより兜で覆われててそもそも顔が見えないその男は、後ろを向いて2人の無事を確認する。
…まるで冥魔に殴られたことなど、無かったかのように。
そう、冥魔の拳は確かにその男をとらえていた。確かに命中した。そして…ダメージを与えられなかったのだ。
「…あ、ああ…それよりアンタは…?」
男の鎧の丈夫さに驚愕しながら、少年は問い返す。
「その魔物…まさか、あなたは!?」
一方の少女はその姿を見て、その正体に気づく。何で"この世界"にいるのかは分からないが、少女は確かにこの男の正体を知っていたのだ!
「ああ、俺の名は…」
溜めて、名前を口にする。
「そう、人呼んで…リンカイザーだ!」
堂々と言う、その男の口調は、まるで笑っているかのように聞こえた。
「リンカイザー…アンタ、まさか特選隊の!?」
その名前を聞き、隊長を務める少年は思い出す。
選抜のいくつかの部隊は選抜委員の中から特別に選ばれて作られた、特殊部隊であること、そしてその1つ、第100番隊のメンバーに…リンカイザーと名乗る男がいることを。
その部隊の名は…
「ああ、"俺たち"は…マスクド・ヒーローズ!」
その名前を聞き、隊長を務める少年は思い出す。
選抜のいくつかの部隊は選抜委員の中から特別に選ばれて作られた、特殊部隊であること、そしてその1つ、第100番隊のメンバーに…リンカイザーと名乗る男がいることを。
その部隊の名は…
「ああ、"俺たち"は…マスクド・ヒーローズ!」
「「は~っはっはっはっは!」」
リンカイザーの言葉に応えるように、2つの声が響き渡る。
高らかに。そして、そいつらが姿を現す。音楽と共に!
リンカイザーの言葉に応えるように、2つの声が響き渡る。
高らかに。そして、そいつらが姿を現す。音楽と共に!
まず聞こえて来たのは、いかにもヒーローっぽい、聞いているだけで心が熱くたぎりそうな気がしないでもない音楽だった。
「留年してでも続けたい。そう思い通う学校が、まるごと転移し学園世界。されど平和を守るその心、それはどこでも変わらない…」
リンカイザーとは違う、青くメタリックなボディアーマーと、某M78星雲人を思わせる鉄仮面をつけた男が口上と自らの名を告げる。
「株式会社オタンコナス製造、汎用人型パワードスーツドッコイダー。通報受けてただいま参上!」
「留年してでも続けたい。そう思い通う学校が、まるごと転移し学園世界。されど平和を守るその心、それはどこでも変わらない…」
リンカイザーとは違う、青くメタリックなボディアーマーと、某M78星雲人を思わせる鉄仮面をつけた男が口上と自らの名を告げる。
「株式会社オタンコナス製造、汎用人型パワードスーツドッコイダー。通報受けてただいま参上!」
それに呼応するようにクラシカルな音楽が辺りに響き渡る。先ほどから聞こえてくる熱血ヒーロー系の音楽と混じって微妙なハーモニーを生み出す。
「私は、闇に生きる暗殺者…」
口上を挙げるのは頭をすっぽり覆う黒い覆面と赤いシャツ&マント、そして牛に乗って大きな鎌を持った少年。
「夜と契約し、昼には顔を隠し生き延びる、恐怖と悪夢の具現者!夢魔の貴族!ブラックタイガー!!」
堂々と言い切る。もうエビの名前とか言わせない。そんな気迫を感じさせる言葉だった。
「私は、闇に生きる暗殺者…」
口上を挙げるのは頭をすっぽり覆う黒い覆面と赤いシャツ&マント、そして牛に乗って大きな鎌を持った少年。
「夜と契約し、昼には顔を隠し生き延びる、恐怖と悪夢の具現者!夢魔の貴族!ブラックタイガー!!」
堂々と言い切る。もうエビの名前とか言わせない。そんな気迫を感じさせる言葉だった。
「出撃するたびに思うんだけど…何でネルロイドガールがOKでこっちはこの格好なのよ!?」
銀色のメタルアーマーを纏った青年が思いっきりオネエ言葉(CV:若本則夫)で傍らのお供に文句をつける。
「そんなこと言われても困るッチ。こっちは魔法で向こうは宇宙だからじゃないッチか?」
それに答えるのはまるで魔法少女辺りが連れてそうな可愛らしいマスコット。
「魔法と宇宙だったら思いっきり逆だろうがチキショー!?」
その掛け合いはまさにぴったりと息の合った漫才コンビと言った感じだ。
銀色のメタルアーマーを纏った青年が思いっきりオネエ言葉(CV:若本則夫)で傍らのお供に文句をつける。
「そんなこと言われても困るッチ。こっちは魔法で向こうは宇宙だからじゃないッチか?」
それに答えるのはまるで魔法少女辺りが連れてそうな可愛らしいマスコット。
「魔法と宇宙だったら思いっきり逆だろうがチキショー!?」
その掛け合いはまさにぴったりと息の合った漫才コンビと言った感じだ。
「ほれ、今のうちに離れるぞ」
そんな言葉と共にひょいとビキニアーマーを思わせるアーマーとバイザーをつけた、紫色の髪の女…エメラルドカンパニー製造の汎用人型パワードスーツ、
ネルロイドガールが少年少女を担ぎあげ、一息に距離を取る。
これから発動する"必殺技"への準備を整えるために。そして。
そんな言葉と共にひょいとビキニアーマーを思わせるアーマーとバイザーをつけた、紫色の髪の女…エメラルドカンパニー製造の汎用人型パワードスーツ、
ネルロイドガールが少年少女を担ぎあげ、一息に距離を取る。
これから発動する"必殺技"への準備を整えるために。そして。
「行くぜ!必殺のコンビネーション!」
この場に残った選抜委員の2人が距離を取ったのを確認し、リンカイザーの掛け声と共に5人は一気に動き出す!
最初に動くのはリンカイザー。
「必殺…リンカイザー相手が泣くまで四の字固め!」
身体を巧みに動かして関節技を仕掛ける。とはいえ相手は冥魔。
ちょっとした関節技程度ではダメージは与えられない。だが、その技は相手の動きを阻害する…他のメンバーの攻撃を仕掛けやすくするために。
この場に残った選抜委員の2人が距離を取ったのを確認し、リンカイザーの掛け声と共に5人は一気に動き出す!
最初に動くのはリンカイザー。
「必殺…リンカイザー相手が泣くまで四の字固め!」
身体を巧みに動かして関節技を仕掛ける。とはいえ相手は冥魔。
ちょっとした関節技程度ではダメージは与えられない。だが、その技は相手の動きを阻害する…他のメンバーの攻撃を仕掛けやすくするために。
「行くぞ!」「ああ!」
動きを止めたのを確認し、ドッコイダーとネルロイドガールが地を蹴って飛ぶ。
「ドッコイダースーパーミラクルデンジャラスエキサイティングキック!」「ネルロイドキック!」
必殺技名を叫び2人で強力なキックを放つ!
動きを止めたのを確認し、ドッコイダーとネルロイドガールが地を蹴って飛ぶ。
「ドッコイダースーパーミラクルデンジャラスエキサイティングキック!」「ネルロイドキック!」
必殺技名を叫び2人で強力なキックを放つ!
「光よ!」
いつものようにネルロイドガールのキックが炸裂し、相手の体勢が崩れたのと同時にブラックタイガーが極めて短く叫ぶ。
その声と共に放たれるのは強烈な熱を持った閃光。それはリンカイザーに技を掛けられて動けない冥魔を確実にとらえた。
ブラックタイガーが得意とする“音声魔術”に長い技名は存在しない。必要なのはただ1つ、魔術の媒介となる“声”だけなのだから。
いつものようにネルロイドガールのキックが炸裂し、相手の体勢が崩れたのと同時にブラックタイガーが極めて短く叫ぶ。
その声と共に放たれるのは強烈な熱を持った閃光。それはリンカイザーに技を掛けられて動けない冥魔を確実にとらえた。
ブラックタイガーが得意とする“音声魔術”に長い技名は存在しない。必要なのはただ1つ、魔術の媒介となる“声”だけなのだから。
「マジカル☆プリフィアー…」
トランセイザーが華麗に舞う。自らの必殺技を放つべく。そして。
「スターライトー!」
掛け声と共に腹から出るごっついビーム。言い訳無用なほどに特撮系の必殺技。
その光はブラックタイガーの閃光と共に冥魔を捉え、冥魔に大きなダメージを与えた!
トランセイザーが華麗に舞う。自らの必殺技を放つべく。そして。
「スターライトー!」
掛け声と共に腹から出るごっついビーム。言い訳無用なほどに特撮系の必殺技。
その光はブラックタイガーの閃光と共に冥魔を捉え、冥魔に大きなダメージを与えた!
グオオオオオオ
見事な4人の連携攻撃に冥魔は苦悶の叫びをあげる。だが、まだ倒れない。
そして、彼ら…マスクド・ヒーローズの攻撃も終わってはいない。
「「「「今だ(よ)!リンカイザー!」」」」
4人の攻撃を“冥魔と一緒に”受けていたリンカイザーにようやく地面から頭を抜いたドッコイダーを含めた4人が声をかける。
「ああ、行くぜ必殺…」
リンカイザーが自らの最強最大の必殺技を放つべく関節技を解除する。
鉄壁の“防御力”を誇るリンカイザーと言えども、同じ“ヒーロー”の必殺技を連発で受け、流石に相応のダメージを受けている。
だが、それこそがリンカイザーの狙い。
「《ファイナルモード》…」
リンカイザーの腕が禍々しく変化していく。宿主を守る鎧から、敵を殺す刃へ。
その刃は宿主のダメージを吸収してこそその真価を発揮するのだ!
「リンカイザー…フェニックス!」
そして掛け声と共にその最強の一撃をリンカイザーが冥魔に放った時。
見事な4人の連携攻撃に冥魔は苦悶の叫びをあげる。だが、まだ倒れない。
そして、彼ら…マスクド・ヒーローズの攻撃も終わってはいない。
「「「「今だ(よ)!リンカイザー!」」」」
4人の攻撃を“冥魔と一緒に”受けていたリンカイザーにようやく地面から頭を抜いたドッコイダーを含めた4人が声をかける。
「ああ、行くぜ必殺…」
リンカイザーが自らの最強最大の必殺技を放つべく関節技を解除する。
鉄壁の“防御力”を誇るリンカイザーと言えども、同じ“ヒーロー”の必殺技を連発で受け、流石に相応のダメージを受けている。
だが、それこそがリンカイザーの狙い。
「《ファイナルモード》…」
リンカイザーの腕が禍々しく変化していく。宿主を守る鎧から、敵を殺す刃へ。
その刃は宿主のダメージを吸収してこそその真価を発揮するのだ!
「リンカイザー…フェニックス!」
そして掛け声と共にその最強の一撃をリンカイザーが冥魔に放った時。
ぐおおおおおおおおおおおお…
冥魔は断末魔の悲鳴を残してこの世界より消滅した。
4
「良かった、無事だったんだな隊長!…いてっ!?」
治療を受け、目を覚ました格闘家の少年が詰所のベッドから起き上がり、痛みに顔をしかめる。
「まだ動いちゃ駄目です!このあと病院に連れて行きますから、ちゃんとした治療と検査を受けてください!分かりましたね!?」
「お、おう…」
いつもは気弱なエルフの少女の迫力に、思わず少年は素直に頷く。よく見るとエルフの少女の顔には涙の痕がかすかに残っていた。
「やれやれ。君たちはいつもそうだね…それより、隊長も無事でなにより。せっかくの代わりを務める覚悟が無駄になったのは残念だけどね」
口では憎まれ口を叩きながらも、魔法使いの少年も明らかにほっとした様子である。
「電話の切れ方がただならぬ様子だったから急いで特選隊に出動要請出したけど…正解だったみたいだね」
普段は詰所で仕事をしているオペレータ役の少女が隊長の顔を見てほほ笑む。
「そうですか。彼らは貴方が呼んでくれたんですか。ありがとうございます」
丁寧な口調でウィザードの少女が礼を言う。
5人でも歯が立たなかった相手を足止めのみとはいえ2人でやる自信は正直無かった。
最悪隊長だけでも。そんなことを考えていたくらいだ。本人に言うと怒りそうだから内緒にするつもりだが。
「ああ。正直彼らがいなかったら危なかった。本当にありがとう」
続いて隊長も礼を言う。あそこで2人ともと生き残る自信は正直無かったからこその心からの礼だ。
いざとなったらウィザードの少女は逃がそうと考えていた。本人に言うと多分怒るから言わないが。
「にしても特選隊かあ…俺も見たかったぜ」
格闘家の少年がぼやく。戦いを終えた後、リンカイザーの治療をするべく、彼らは早々に去って行った。
「やっぱ強かったか?」
そのため、結局特選隊と会ったのは隊長とウィザードの少女の2人だけ。
その2人に、少年は尋ねる。
「…ああ、強かった。だけど…」
少しだけ考え、隊長は言う。
「いつかは追いつける…いや、追いついて見せる」
感想と共に、決意を。
彼らは特別だから。それで片づけるのはたやすいけど、それじゃあ格好悪い。
そんな考えからの言葉だった。
「助けられた借りはきっちり返さないといけない。だから、これからも6人で頑張って行こう」
そんな隊長の言葉に。
「「「「「…ああ!」」」」」
彼の5人の仲間たちは笑顔で頷き、同意した。
治療を受け、目を覚ました格闘家の少年が詰所のベッドから起き上がり、痛みに顔をしかめる。
「まだ動いちゃ駄目です!このあと病院に連れて行きますから、ちゃんとした治療と検査を受けてください!分かりましたね!?」
「お、おう…」
いつもは気弱なエルフの少女の迫力に、思わず少年は素直に頷く。よく見るとエルフの少女の顔には涙の痕がかすかに残っていた。
「やれやれ。君たちはいつもそうだね…それより、隊長も無事でなにより。せっかくの代わりを務める覚悟が無駄になったのは残念だけどね」
口では憎まれ口を叩きながらも、魔法使いの少年も明らかにほっとした様子である。
「電話の切れ方がただならぬ様子だったから急いで特選隊に出動要請出したけど…正解だったみたいだね」
普段は詰所で仕事をしているオペレータ役の少女が隊長の顔を見てほほ笑む。
「そうですか。彼らは貴方が呼んでくれたんですか。ありがとうございます」
丁寧な口調でウィザードの少女が礼を言う。
5人でも歯が立たなかった相手を足止めのみとはいえ2人でやる自信は正直無かった。
最悪隊長だけでも。そんなことを考えていたくらいだ。本人に言うと怒りそうだから内緒にするつもりだが。
「ああ。正直彼らがいなかったら危なかった。本当にありがとう」
続いて隊長も礼を言う。あそこで2人ともと生き残る自信は正直無かったからこその心からの礼だ。
いざとなったらウィザードの少女は逃がそうと考えていた。本人に言うと多分怒るから言わないが。
「にしても特選隊かあ…俺も見たかったぜ」
格闘家の少年がぼやく。戦いを終えた後、リンカイザーの治療をするべく、彼らは早々に去って行った。
「やっぱ強かったか?」
そのため、結局特選隊と会ったのは隊長とウィザードの少女の2人だけ。
その2人に、少年は尋ねる。
「…ああ、強かった。だけど…」
少しだけ考え、隊長は言う。
「いつかは追いつける…いや、追いついて見せる」
感想と共に、決意を。
彼らは特別だから。それで片づけるのはたやすいけど、それじゃあ格好悪い。
そんな考えからの言葉だった。
「助けられた借りはきっちり返さないといけない。だから、これからも6人で頑張って行こう」
そんな隊長の言葉に。
「「「「「…ああ!」」」」」
彼の5人の仲間たちは笑顔で頷き、同意した。
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リンカイザー@ナイトウィザード!
ドッコイダー&ネルロイドガール@住めば都のコスモス荘
トランセイザー@超空転神トランセイザー
ブラックタイガー@プレオーフェン
ドッコイダー&ネルロイドガール@住めば都のコスモス荘
トランセイザー@超空転神トランセイザー
ブラックタイガー@プレオーフェン
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