フォモールは、ケルト神話に登場する巨人である。Fogh(略奪)とMara(海)の合成語と考えられる。

 水木しげる他はアイルランドの先住民ではないか視をしているが、健部伸明編『幻獣大全1 モンスター篇』によれば、彼らは「荒波のロッホラン(Lochlann)」という北の島を故郷とするとされ、また、モンマスのジェフリー『ブリテン列王史』に、アイルランドの巨石遺構は、「巨人たちがアフリカから運んできた」とあり、彼らがアフリカ人である可能性もある。スコットランドでは彼らは「ゲルマン民族」であるとされ、『オシァン』ではノルド人の王がロッホランに住む(スコティッシュ巨人は、「フォール」という)。他アンナ・フランクリン『図説妖精百科』によれば「クロマニョン人が見たネアンデルタール人」の可能性がある。

 馬の頭をしていたり、ヤギの頭をしていたり、体の一部が欠けているような、姿が大半である。水木しげるによれば、これは「異文化の人間」を表現したものであろう。『幻獣大全』では、JGキャンベルの「妖精たちは普通一か所、人間と違う特徴を持っている」(『スコットランド高地地方と島々の迷信』)を引き、神話時代のフォモールの姿が、悪魔や妖精のイメージに取り入れられた可能性が示唆されているとしている。

 えーと、そんなわけでケルト人には創世神話がないわけだけども、そのアイルランド、エリンへ入植に来た、パルホーロン、ネヴェズの皆さんは、やってきて、フォモールの皆さんと戦争をして一応勝利して、その後に伝染病で絶滅したり負け出たりしている。

 その後、あーフィル・ヴォルグ(皮の袋 Wikiになんかいろいろ書いてある)一族と、ガリョーン(嵐)、フィル・ドウナン(深淵)の連合(たまたまフィル・ヴォルグに名君Eochaid、ヨーヒーだかヨッキーだかエオヒドだかさんがいたので彼の一族を立てて3連合だけど「フィルヴォルグ」と呼ばれる)がやってきて、島の整備とか制度(王様とその下に戦士がなる貴族を据えるとか)とかを決めつつ、彼らはフォモール一族と婚姻関係を結んだりして繁栄の道を進む。

 さらに後に来たトゥアハ・デ・ダナーン一族は、入植当初は特に接触がなく、あっても冷戦のような状態で何年かが過ぎていたうえ、諸資料ではフォモールの王で面がイケてるフォモールの若い不死王エラハ(Elatha mac Delbaeth)が、トゥアハ・デ・ダナーンの王族の娘エリー(Eriu)を凌辱して何とかとあるが、『幻獣大全』216頁によればエラハさんがエリーさんへ愛を囁いて、両者の一族は仲が悪い状態なのだがお二人は円満に子供を作り、子供はおかんのもとでちゃんと育つし彼氏は普通に帰還している。

 後に、これによる子供ブレスはトゥアハ・デ・ダナーンの所で育ってそこの玉座に座るが、いろいろあって追い出され、帰った父方の実家で、お父さんに失政を怒られた後、トゥアハ・デ・ダナーンへ、対抗するべく、自身が最終兵器であるバロールさんにお願いして、何とかしてもらおうとするが、いろいろあってロッホランまで撤退することになる。

参考資料

健部伸明編『幻獣大全1 モンスター篇』
水木しげる『妖精大百科』

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最終更新:2021年05月28日 09:13