夢魔(むま)

1.悪夢を見せて危害を及ぼす悪魔、悪霊、妖怪の類。
2.淫らな夢を見せて堕落させる悪魔、悪霊、妖怪の類。淫魔?サキュバス?インキュバス等。
3.1になってしまう人間。

西洋において、1は主に、小鬼や馬の姿をしたものが知られており、寝ている人間の胸に乗って悪夢を見せる(ナイトメア)。これに取り憑かれると、死に至る。その正体は魔女の呪い、使い魔であったり、3の人間の仕業であったりする。

3の場合、夢魔になるのは女性が多く、人狼と同じように本人の意思に関係なく夢魔になってしまうケースが多い。霊魂が1になるので、その間に残された体が移動したりすると、永久に夢魔になってしまう。

ピーター・ヘイニング『世界霊界伝承事典』165 にイギリスのドルード(Drude)と呼ばれる夢魔(女性らしい)が紹介されている。アト・ド=ヴリースは、ロバート・グレーヴスの書を引き、「白い女神の恐ろしい部分」で岩の裂け目などに住むという説を紹介した後、Mare(牝馬)だけにヘカテと関連する、血を吸うとしている。

 白川静『字統』によれば、漢字の「夢」の字そのものが、夢を見させる何かを表しているという。

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最終更新:2021年07月12日 07:20