概要 『蒼穹のレギオン』の主要人物の一人。 エルドラ共和国陸軍・第7機動大隊、通称「蒼穹部隊」を率いる若き指揮官。物語開始時の階級は少佐。 旧エルドラ帝国時代に力を持った貴族「ベルゲ家」の血を引いている。共和国の成立に伴いベルゲ家は没落しており、ガーナはその末裔として複雑な立場に置かれながらも、共和国軍人としての道を選んだ。
愛機は、共和国が開発した最新鋭の蒸気駆動型魔導兵器「シュトルムヴィント」。高い操縦技術と戦術眼を持ち、部下からの信頼は厚い。 物語の序盤では、規律を絶対視する冷徹なエリート士官として登場し、主人公アルト・シュヴァイツァーが所属する義勇兵部隊とは対立関係にあった。しかし、共和国を巡る動乱の中で、アルトたちと利害が一致し、やがては共和国の未来のために共闘する道を選ぶことになる。
生い立ち ***ベルゲ家の没落と共和国 ガーナの家系であるベルゲ家は、かつてエルドラ全域を支配した旧帝国の有力貴族であった。 約100年前に発生した「独立戦争」において、ガーナの曽祖父にあたる当時のベルゲ家当主は、帝国軍の将軍として独立を目指す共和国軍と最後まで敵対した。結果、帝国は崩壊しエルドラ共和国が樹立されると、ベルゲ家は戦争責任を問われ、爵位も領地も全て剥奪された。 以降、ベルゲ家は「旧帝国の亡霊」「共和国の裏切り者」として歴史に名を刻まれ、その一族は共和国政府の厳しい監視下で、首都の片隅で細々と暮らすことを余儀なくされた。
士官学校への道 ガーナは共和国時代に生まれたが、幼少期からその出自によって周囲からの差別と冷遇を受けて育った。 彼の父親であるリディア・ベルゲは、没落した家系の再興と旧帝国への復帰を強く望んでおり、ガーナにもその思想を植え付けようとした。しかし、ガーナ自身は父親が語る旧帝国の栄光に何の共感も抱いていなかった。 彼が目にしていたのは、独立を果たしたはずの共和国が、独立戦争の功労者や産業革命によって台頭した新興資本家たちによる新たな階級社会を生み出し、腐敗しつつある現実だった。ガーナは、共和国が掲げた「万人の平等」という独立の理想を取り戻すことこそが、自らの成すべきことだと考えるようになる。
自らの力で共和国を内部から変革し、同時に「裏切り者」の家系という汚名をそそぐため、ガーナは父親の猛反対を押し切って共和国陸軍士官学校への入学を決意する。 ベルゲ家の人間が、かつて敵対した共和国軍に入隊することは前代未聞であり、入学後も教官や同級生からの風当たりは極めて強かった。しかし、ガーナはあらゆる逆境を実力で跳ね除け、魔導兵器の操縦技術と戦術理論において類稀なる才能を発揮し、首席で士官学校を卒業した。
作中での活躍 ***第1部「首都動乱編」 正規任官後、ガーナは最新鋭の実験部隊である第7機動大隊(蒼穹部隊)の隊長に抜擢される。 彼は法と規律を絶対視し、軍規を無視しがちな主人公アルトの義勇兵部隊とは、任務の管轄を巡って幾度となく衝突した。 当初、ガーナはアルトたちの掲げる理想を「規律を知らない者の甘え」と断じ、アルトはガーナの冷徹な指揮を「人の心を持たない」と非難するなど、両者の溝は深かった。
しかし、旧帝国残党による首都での大規模テロ計画が発覚した際、事態は急変する。 軍上層部が政治的判断から部隊の出動をためらう中、ガーナは「市民の危機」を前に、初めて正規軍の命令系統を無視して蒼穹部隊を率いて出撃する。 現場で交戦していたアルトたちと一時的に共闘し、被害を最小限に食い止めることに成功した。この功績により、ガーナは少佐へと昇進するが、同時に独断専行の危険分子として軍上層部から強く警戒されることとなった。
第2部「東部戦線」 共和国東部の鉱山地帯で、重税に苦しむ住民による分離独立運動が激化。ガーナの蒼穹部隊は、この鎮圧任務に派遣される。 しかし、現地に入ったガーナは、この独立運動の背後に、軍上層部の一部が関与している証拠を発見する。軍内部の腐敗した派閥が、東部の資源を独占するために意図的に混乱を煽っていたのである。 さらに、独立運動の指導者が、ガーナの士官学校時代の旧友であったことが判明し、彼は任務と友情の間で苦悩する。
腐敗の証拠を掴んだガーナを危険視した軍上層部(ゼノン准将)は、ガーナに「独立派と内通した」という反逆の汚名を着せ、蒼穹部隊ごと抹殺しようと画策する。 絶体絶命の窮地に陥ったガーナであったが、彼らの危機を察知したアルトたちの義勇兵部隊によって救出された。 この一件により、ガーナは共和国軍の規律と秩序を守るだけでは、国に巣食う根本的な腐敗を正すことはできないと痛感する。彼は軍人としての階級と身分を捨て、共和国を内部から浄化するため、アルトたちと合流し、行動を共にすることを決意した。
第3部「帝国再臨編」 ガーナたちが軍内部の腐敗を追う中、水面下で力を蓄えていた旧帝国残党が、古代の魔導技術を用いて「帝国の再臨」を宣言し、共和国全土への侵攻を開始する。 旧帝国残党の指導者となっていたのは、ガーナの父親であるリディア・ベルゲであった。 ガーナは、自らのルーツである「ベルゲ家」が、旧帝国の崩壊と共和国の腐敗にどのように関わってきたのか、その全ての真実と向き合うことを迫られる。
最終決戦において、ガーナは愛機シュトルムヴィントを駆り、父親リディアが操る旧帝国の決戦兵器と対峙する。 彼は父親との対話と戦闘を通じて、ベルゲ家という過去の呪縛を完全に断ち切り、「共和国軍人ガーナ・ベルゲ」として未来を選ぶ道を歩みだした。