はじめに
相加相乗平均の不等式を使いこなせる人ってかっこいいですよね!(ね!)
特に, これは不等式の中でも基礎の不等式なので, 不等式分野をこれから学ぶ人はまず相加相乗平均の不等式を抑えておきましょう!
特に, これは不等式の中でも基礎の不等式なので, 不等式分野をこれから学ぶ人はまず相加相乗平均の不等式を抑えておきましょう!
相加相乗平均の不等式ってな~に
相加相乗平均の不等式とは次のような不等式です.

+ | 証明1 |
+ | 証明2 |
正の実数でないと使えないことに注意して下さい. 実際, (-4)+(-8)/2 < 2√(-4)×(-8) となってしまいます.
使用例
いきなりですが, 次のような問題を考えてみて下さい. 実はこれは相加相乗平均の不等式を使うことで解くことができます.

+ | 解答 |
等号成立条件の確認を忘れないようにしましょう.
このような問題では, 積が定数になることが重要です.
このような問題では, 積が定数になることが重要です.
次数を合わせる
さて, 数オリ・OMCでは次のような問題も頻出です. これは知らないと少し厳しいかもしれません.

+ | 解答 |
この問題では積が定数にならず, 2変数の相加相乗平均の不等式が上手く使えません.
そこで,解答では「次数を合わせる」ということを行っています.積がちゃんと定数になるのがミソです.
そこで,解答では「次数を合わせる」ということを行っています.積がちゃんと定数になるのがミソです.
一般に, ax^m + bx^{-n} (x > 0) の最小値はこのように求めることができます.
(重み付き相加相乗? 聞いたことない名前ですね...)
重み付き相加相乗平均の不等式
上でもちょっと触れましたが, 実はこんな不等式が成り立ちます.


+ | 証明 |
式はごついですが, やっていることは「次数を合わせる」です.これを使うと上の問題を自然に解くことができます.
+ | 解答 |
重みの和を1にしています.少なくとも筆者はこれが簡単だとは思いませんが...
problems
中には難しいものもあるかもしれませんが,根気強く考えてみて下さい! (概ね難易度順です.)
1.
xが任意の正の実数を動くとき,x³+12/x の最小値を求めよ.
+ | 解答 |
2. (OMC136 - A)
面積が 1000 である長方形について,周長のとり得る最小の整数値を求めてください.
+ | 解答 |
3. (OMC143 - A)
xが任意の正の実数を動くとき,(x + 20/x)(x + 500/x) の最小値を求めて下さい.
+ | ヒント |
+ | 解答 |
4.
xが任意の正の実数を動くとき,x + 16/(x+1) の最小値を求めて下さい.
+ | ヒント |
+ | 解答 |
5. (OMC138 - D)
正整数 n について,n²/5 + 200/n のとりうる最小値を求めてください.
+ | ヒント |
+ | 解答 |
6.
任意の正の実数の組 (x,y) について,x+y か 4/x + 4/y のうち,少なくとも一方は 4 以上であることを示せ.
+ | ヒント |
+ | 解答 |
7.
正の実数の場合のCauchy-Schwarzの不等式を,相加相乗平均の不等式を用いて証明せよ.つまり,任意の2n個の正の実数 a_1,a_2,...,a_n,b_1,b_2,...,b_n について,次の式を示せ.
(a_1² + a_2² + ... + a_n²)(b_1² + b_2² + ... + b_n²) >= (a_1b_1 + a_2b_2 + ... + a_nb_n)²
+ | ヒント1 |
+ | ヒント2 |
+ | 解答 |
+ | 余談 |
8. (OMC132 - E)
実数 x,y が 3x² + 2xy + 2y² = 100 を満たすとき,(2x² + xy - y²)² のとりうる最大値を求めて下さい.
+ | ヒント1 |
+ | ヒント2 |
+ | ヒント3 |
+ | 解答 |