La ragazza che vola in giù al primo paradiso provvisorio ◆hGYPnjbaTY
届かぬ愛に火を灯す。
星と成った彼の人を見ずに済む様に。
哀しみに此の幼き喉を裂かれぬ様に。
「次は誰に愛をあげようかなぁ……?」
混沌より舞い下りた無垢なる堕天翅が、夜天の夜空を滑るが如くに翔ぶ。
胸に秘めたる想いは、血の様に赤く、されど骨の様に白く。抉り取り撒き散らした五臓六腑の如くに赤黒いが、然し其れで居て月を射抜く吐息の如くに白く清廉なる此の想いを、人は愛だと云う。
最初に其れを教えてくれた人はもう居ない。さよならを言う時間は与えられなかった。
カオスは今も、心の中で彼女にさよならを言う。さよならを言い続ける。二度とは来ない再会を夢想して、さよならを言う練習を繰り返す。たった四文字程度の其の言葉を、少女は只執拗に飾り立てる。
其の言葉すらも無慈悲なる愛の業火に焼き尽くされたと知っていながら。其れでも少女は只執拗に磨き上げる。言葉も想いも焼き尽くされると知っていながら。
恐ろしいのだ。恐ろしいのだ。焼き尽くされる貴女の姿が、貴女の髪が――。
嗚呼。心に残る貴女の髪も、爪も。其の姿は皆宝物の様に美しく飾り立てるのに、何故貴女の身体から切り離され焼き払われただけで汚く不気味な物と成ってしまうのだろう。
愛を求めて遥か彼方を目指し続ければ、何時かは其の答えに辿り着けるのだろうか。
軋みを上げる心を潰し、少女は独り、遥か彼方へと踏み入る。
心に潜んだ暗き影~イ=ド~を振り切り、数多の骨を蹴散らし、其の血肉を啜った翼を鳴らして、少女は当て所も無く翔び続ける。
私に愛をくれるのならば、私は貴女の為に飛ぼう。
譬えば此の大地の全てが混沌たる冥府の闇に沈もうとも。
私に剣をくれるのならば、私は貴女の為に立ち向かおう。
譬えば此の空の全てが貴女を儚き闇に呑み込むとしても。
「おねぇちゃんが……皆が教えてくれたことだから」
人を美しいとは思わないけれど。愛を美しいとは思う。
人が美しくなれる瞬間が在るとするなら、其れが暖かな
愛の炎に焼き尽くされて倒れる刻。命の華を炎と咲かし、散って零れる姿にこそ、人は真に美しき愛の輝きを見出すのだと思う。
之は一種の救済とも言える。仮初の平和に身を窶し、堕落してゆくのみの醜き人に与える、堕天使による黒き救済なのだ。
「でもね……まだ、届かないんだ……」
雲を払い、空を貫き、其れでも幼き少女の手は真実に届かず。
美しきを愛に譬うは、愛の真の姿を知らぬが故に。
こんなにも幼く、こんなにも未熟だから――。
当て所も無く手を伸ばす。
其の先に待つ爆発音を少女は聞いた。
大気が軋む。心が踊る。其れは贖罪の炎。
不揮発性の悪意を前に、少女は首を擡げる。
誰かが、此の先で戦って居る。
駄目だ。此のカオスを差し置いて、自分等だけで好き勝手に戦い、好き勝手に散って逝く事は、赦されるべき行いでは無い。
愛を与えるべき対象が減ってしまっては、愛を識ると云うカオスの欲望は充たされぬ。
心在るが故に愛を欲し、心在るが故に手を伸ばす。
愛のままに、我儘に、地獄の業火で罪人の群れを焼き払わねばならぬ。
「待ってて……直ぐ、そっちに行くから……!」
仮にキャッスルドランと名付けられた仮初の楽園に、地獄の福音を鳴り響かせん。
混沌を齎す堕天使の翼が三度地に触れし刻、彼女は愛の炎によって黒き救済~アクタ・エスト・ファーブラ~を与えし舞台~オペラ~と化すのだ。
――愆つは、愛を知らぬが故に。
焼き尽くし、喰らい殺すは混沌少女――。
【一日目 夜中】
【D-5/キャッスルドラン付近】
【カオス@そらのおとしもの】
【所属】青
【状態】精神疲労(大)、火野への憎しみ(無自覚・極大)、成長中、全裸
【首輪】170枚(増加中):90枚
【装備】なし
【道具】
志筑仁美の首輪
【思考・状況】
基本:"あったかく"して、殺して、食べるのが愛!
0.ありがとう、おじさん!
1.キャッスルドランに向かい、みんな纏めて"あったかく"してあげる。
2.みんなに沢山愛をあげて"あったかく"してあげる。
3.
火野映司(
葛西善二郎)に目一杯愛をあげる。
4.おじさん(井坂)の「愛」は食べる事。
【備考】
※参加時期は45話後です。
※制限の影響で「Pandora」の機能が通常より若干落ちています。
※
至郎田正影、左翔太郎、ウェザーメモリ、
アストレア、
凰鈴音、甲龍を吸収しました。
※現在までに吸収した能力「天候操作、超加速、甲龍の装備」
※ドーピングコンソメスープの影響で、身長が少しずつ伸びています。現在は14歳の身長にまで成長しています。
※憎しみという感情を理解していません。
※彼女が言う"あったかい"とは人間が焼死するレベルの温度です。
※キャッスルドランでの戦いによる爆発音を聞きつけました。
最終更新:2013年11月13日 00:18