~次回予告~ 杏子『大変!何でミサイルの照準がこの要塞になってんのよ!?早く脱出しなきゃバーチャル空間ごと爆破されちゃう』 『だいたい乃亜一人だけモクバ君の体を借りて現実世界にいるってのもおかしいじゃない。でも、今は一刻も早くこの要塞から逃げ出さなきゃ!』 『なのに、海馬君はお義父さんとデュエルの真っ最中、お願い遊戯!早く海馬君を連れ戻して!』 『次回、「脱出!」デュエルスタンバイ!』 |
遊戯「ミサイルが・・・?」
城之内「それって、剛三郎のハッタリじゃなかったのかよ!」
御伽「ていうか、標的が何でここになってるんだ!?」
乃亜「事情を話している時間はない、すぐにゲームセンターに急いでくれ。今はそこにしか、現実世界に戻る出口はない」
乃亜は、モクバの体を奪って、現実世界に戻っていた。
杏子「・・・信じていいの?」
静香「お兄ちゃん・・・」
城之内「・・・くそっ、乃亜の野郎・・・」
本田「でも、俺猿のまま死にたくない、ウキッ!」
遊戯「・・・僕は乃亜を信じるよ」
杏子「・・・そうね」
城之内「・・・乃亜!もし嘘だったら、てめえ、ただじゃおかねえからな!」
遊戯たちはゲームセンターへ向かう。
海馬と剛三郎は、海馬コーポレーションの屋上ドームで、デュエルしていた。
海馬「モクバは無事なのか!?」
乃亜「ああ、心配ない」
剛三郎「乃亜、一体何をした!お前がミサイルの方向を変えたのか!?」
乃亜「そう、僕が変えたんだ、父上。悪いけど、バーチャルシステムは完全に掌握したよ。もう父上は何一つそこからネットを使って何一つ操作する事はできない・・・」
剛三郎「な、何だと・・・?お前まで私を裏切る気なのか?実の父親であるこの私をミサイルで消滅させようと言うのか!?」
乃亜「ごめんなさい、父上・・・」
海馬「ふん、それは懸命な選択だ。僅かだが見直したぞ、乃亜!」
乃亜「さあ、瀬人、早くしろ!時間がない!」
剛三郎「ふ、ふざけるなー!ならば瀬人、貴様の肉体を奪い、私が現実世界に戻るまでだー!」
剛三郎が怪物の様なエネルギー体となって、海馬に襲いかかろうとする。
海馬「うろたえるな!剛三郎!!」
剛三郎「!!」
しかし、海馬の一喝を受け、剛三郎は静止した。
海馬「デュエリストたるもの、一度始めたデュエルを途中で放棄する事は許さん!乃亜、あと何分ある?」
乃亜「ああ、8分40秒だ」
海馬「それだけあれば十分だ。デュエルを続けるぞ、剛三郎!
もし俺に勝ったなら、この体くれてやる!
俺か、貴様か。デュエルを制したどちらかのみが、この世界から脱出できるデスゲームだ!」
剛三郎が元の姿に戻り、デュエルリングについた。
剛三郎「今の言葉忘れるなよ、現実世界に帰るのはこの私だ!」
「いくぞ!私のターン、ドロー!エグゾディアの前にひれ伏せ、瀬人!エグゾティアクラッシュ!」
剛三郎のエクゾディア・ネクロスが海馬のブラット・ウォルスに攻撃を仕掛ける。
海馬「させるかぁ!リバースカード「攻撃の無力化」発動!エクゾディア・ネクロスの攻撃は無効!」
エグゾディア・ネクロスの攻撃は、バリアで防がれた。
海馬(思った通り。あくまで破壊されないだけであって、いかなる魔法・トラップが効かない訳ではない)
剛三郎「フン、勝てない相手に往生際が悪いぞ、瀬人。まぁいい、どう足掻いてもこの私を超える事などできないという事を分からせてやる。」
海馬「俺をなめるな、剛三郎。不死のエクゾディアとて万能ではない・・・俺はその攻略法に気づいたぞ!」
剛三郎「なんだと?」
ゲームセンターへ向かう遊戯達を、剛三郎が召喚したモンスター達が追いかけてきた。
御伽「またあいつら、追いかけて来たよ。」
城之内「くそっ!ここは俺達に任せて、早く行け!」
静香「お兄ちゃんと一緒じゃなきゃ嫌!」
城之内「馬鹿野郎!杏子、静香を連れて先に行ってくれ。」
杏子「う、うん。でも、無理しないでよ。」
静香「お兄ちゃん!」
城之内「心配するな!アイルビー・バックだぜ!」
本田「任せろウキー!」
杏子「あんた来るのよ!足手まといでしょ!」
海馬「俺のターン、ドロー!
魔法カード「収縮」発動!エクゾディア・ネクロスの攻撃力を半分にする!」
エクゾディア・ネクロス攻撃力2800→1400
海馬「さらに、ブラット・ウォルスを生け贄にエメルラルド・ドラゴン召喚!」
ブラット・ウォルスを生け贄にして、エメラルド・ドラゴン(攻撃力2400)が召喚された。
海馬「いけ、エメラルド・ドラゴン!エクゾディアに攻撃!」
エメラルド・ドラゴンがエグゾディア・ネクロスにブレスを吐く。
エクゾディア・ネクロスは破壊されないが、戦闘ダメージが剛三郎のライフを削った。
剛三郎LP1900→900
剛三郎「ぐわぁ!」
海馬「エクゾディア・ネクロスは神をも超えかねん究極のモンスターだ、だがやはり弱点はある」
剛三郎「面白い、聞こう!」
海馬「エクゾディア・ネクロスはその超攻撃的な性質から必ず攻撃表示で場に残る事になる。故に、それを上回る攻撃力のモンスターで攻撃する事が出来れば、プレイヤーへのダメージは蓄積していく事になる。」
剛三郎「だから、何だと言うのだ!」
海馬「エグゾティア・ネクロスがいかに不死であろうと、剛三郎、貴様は不死ではない。」
剛三郎「ならば倒してみろ、エクゾディア・ネクロスはさっきの戦闘によってさらに攻撃力を増したぞ!」
剛三郎「私のターン、ドロー!行け、エクゾディア・クラッシュ!」
エクソディア・クラッシュを受け、エメラルド・ドラゴンが破壊される。
海馬LP4000→2600
海馬「うわっ・・・くっ」
剛三郎「どうだ、さらにエクゾディアの攻撃力は上がる。
フハハハハハ!」
エクゾディア・ネクロス 攻撃力2800→3800
杏子達はゲームセンターに付いた。
乃亜「そこのダンスバトルゲームが出口だ!」
杏子「さぁ、静香ちゃん早く!」
静香「はい!」
杏子達がダンスバトルゲームの媒体に乗ると、何処かへ転送された。
海底要塞の一室で、遊戯達の体がカプセルに保管されていた。
その内、杏子達の体の入ったカプセルが開いた。
杏子「うっ・・・ここは?・・・移動要塞の中ね」
静香「あたし達、戻ってこられたんですね!」
本田「な、なぁ・・・よく見てくれ、俺、猿のままか?」
本田も人間の体に戻っていた。
静香「大丈夫です、ちゃんと人間の本田さんですよ」
本田「ウキー!やったぁ!」
杏子「あんまり変わってないように見えるけど?」
本田がずっこける。
本田「杏子~!」
杏子・静香「「あはははは」」
本田「モクバ!」
乃亜「よし、次は城之内達だ!」
遊戯達もゲームセンターに入っていた。
迫る敵モンスターを、遊戯のブラック・マジシャンと城之内の炎の剣士が倒す。
乃亜「ダンスバトルゲームに乗れ!」
城之内「あれか!」
城之内と御伽がダンスバトルゲームに乗る。
遊戯「御伽君、城之内君、早く!」
城之内「ああ!」
炎の剣士が消滅する。
城之内「遊戯、お前も早く!」
遊戯「うん!」
ブラック・マジシャンが敵モンスターを破壊する。
城之内「急げ、遊戯!」
城之内と御伽は、現実世界へ転送された。
乃亜「遊戯、君に頼みがある」
海底要塞で、城之内が目覚めたが、起き上がろうとしてカプセルの蓋に顔をぶつけてしまう。
城之内「!・・・戻ってきたんだ、現実世界に」
静香「お兄ちゃん!」
城之内「静香!」
「よかった、無事か。」
アナウンス「ミサイル発射まで6分18秒です」
乃亜「瀬人は海馬コーポレーションの屋上ドームにいる。父上とデュエルをしているんだ」
城之内「何ぃ!?海馬の野郎、ミサイルが発射されるって時にデュエルしてんのか?馬鹿かぁ!?」
「瀬人はデュエルの決着がつくまでは脱出をしないつもりだ。」
遊戯「海馬君…」
乃亜「だから、これから海馬コーポレーションに新たな出口を作る。
頼む、遊戯・・・瀬人を連れて来てくれ!」
遊戯「海馬君・・・うん、分かった」
城之内「遊戯、俺も行くぜ!」
遊戯「いや、僕一人で大丈夫。城之内君は皆と脱出の準備をして!」
城之内「遊戯・・・分かった。けど、必ず戻って来いよ、遊戯!
俺達のデュエリストとしての闘いがまだ残ってるんだからな!」
遊戯「うん、必ず・・・海馬君を連れて必ず帰るよ!」
乃亜「遊戯、時間がない!そこから海馬コーポレーションまでの道を作る」
遊戯の前に、扉が出現した。
遊戯「行くぞ、ブラック・マジシャン!」
杏子「何故なの乃亜?何故そこまで海馬君を・・・あんなに嫌っていたのに・・・」
乃亜「この体が・・・モクバの体が僕に訴えかけるんだ。
兄様を助けてくれって、この僕に・・・」
城之内「その・・・悪かったな、お前の事疑ってよ」
乃亜「・・・当然さ」
アナウンス「ミサイル発射まで後3分50秒です」
乃亜「!もう時間がない、君達は先にバトルシップに戻って脱出の準備をするんだ!」
城之内「分かった。行くぞ、静香」
城之内達が部屋から出ていく。
城之内「乃亜、遊戯と海馬を救えるのはお前だけしかいないんだ、頼んだぜ・・・!」
乃亜「ああ!」
海馬「俺のターン、ドロー!魔法カード「強欲な壺」発動!デッキから更に2枚ドロー!モンスターを裏守備表示、そしてリバースカードを1枚伏せ、ターン終了だ!」
剛三郎「ハッハッハ!エクゾディアの攻撃力は4800まで増大したぞ!この攻撃力を超えるモンスターが出せるものなら・・・出してみろ!」
海馬「剛三郎、貴様は所詮付け焼刃の似非デュエリスト。強力なモンスターのみに頼った愚かなデュエルがいかに脆いか教えてやる!」
扉をくぐった遊戯が海馬コーポレーションの本社ビルの前に転送されてきた。
遊戯「海馬君!」
遊戯は本社ビルの中へ走っていく。
剛三郎「私のターン、ドロー!エクゾディア・クラッシュ!」
エクゾディア・クラッシュが海馬のセットしたマジック・ランプを破壊した。
エクゾディア・ネクロス攻撃力4800→5800
剛三郎「どうだ!これで攻撃力5800だぞ!ガハハハハ!」
アナウンス「ミサイル発射まであと1分」
乃亜「急いでくれ、遊戯!」
海馬「俺のターン、ドロー!」
海馬がドローしたのは、「青眼の白龍」(ブルーアイズ・ホワイトドラゴン)だった。
海馬「・・・よし!魔法カード「死者蘇生」!マジック・ランプを墓地から蘇らせる。更にマジック・ランプの効果によりランプの魔精ラ・ジーンを特殊召喚!」
特殊召喚されたマジック・ランプの中から出てきた煙が
ランプの魔精ラ・ジーン(攻撃力1800)となった。
海馬「俺は今までエクゾディアの亡霊と戦って来たのだ。実体のない亡霊と戦っていても意味はない!倒すべきはその魂!「魂粉砕(ソウルクラッシュ)」発動!)
海馬が伏せていた罠カード、「魂粉砕」を発動させた。
剛三郎「なにっ!まさか!」
海馬「魂粉砕はカード一枚につき、500ポイントのライフを払う事で、
互いに相手の墓地からモンスターカードを一枚除外する事ができる罠カード」
剛三郎「しまった!」
海馬「ふん、俺の墓地には、エメラルド・ドラゴン、ブラット・ウォルス、スピリット・ドラゴンの3体のみ。だが、剛三郎、貴様の墓地に残るカード、それはこの5枚だ!」
5体のエクゾディアパーツが、エクゾディア・ネクロスの前に現れる。
剛三郎「くっ!おのれ!」
海馬「まず1枚目、封印されし者の左足!」
封印されし者の左足が除外されると、エクゾディア・ネクロスの左足が元のエクゾディアパーツの色になる。
海馬「封印されし者の右足!」
「封印されし者の左腕!封印されし者の右腕!」
「そしてとどめだ!封印されしエクゾディア!」
エクゾディア・ネクロスは、エクゾディアと同じ姿になり、
攻撃力が低下し、効果も失った。
海馬「ふっ」
エクゾディア・ネクロス攻撃力5800→1800
海馬LP2600→100
剛三郎「ぬぅ・・・」
海馬「更にランプの魔精ラ・ジーンとマジック・ランプを生け贄に捧げ・・・出でよ、ブルーアイズ・ホワイトドラゴン!」
2体のモンスターを生け贄にして、ブルーアイズ・ホワイトドラゴン(攻撃力3000)が召喚された。
剛三郎「ぬ・・わ・・・」
海馬「チェックメイトだ、剛三郎。食らえ!滅びのバーストストリーム!」
ブルーアイズのバーストストリームが、エクゾディア・ネクロスに直撃した。
剛三郎「うわぁぁぁ!!」
バーストストリームを受けたエクゾディア・ネクロスは、右腕が外れ、胸が焼け焦げていた。そして破壊された。
剛三郎LP900→0
アナウンス「ミサイル発射まで後10秒。これよりカウントダウンを入ります」
「10、9、8、7」
剛三郎「私が負けただと?馬鹿な!膨大なデュエルデータからはじき出した完全無欠な攻略法の筈だぞ!」
海馬「ふん、この俺はデータでは計り切れないという事を覚えておけ」
剛三郎「おのれ!許さん!」
剛三郎が先程よりも巨大なモンスターの姿になる。
剛三郎「このまま帰すと思うなよ、瀬人!!」
海馬「血迷ったか、剛三郎!」
剛三郎が海馬のいるデュエルリングを殴ろうとしたが、
デュエルリングが下がったために空振りした。
海馬「遊戯!」
駆けつけた遊戯がデュエルリングを操作したのだ。
海馬が遊戯のいる方に飛び降りる。
剛三郎はデュエルリングを破壊しながら、2人を追いかける。
アナウンス「3、2,1、イグニッション。ミサイル発射」
宇宙空間の軍事衛星からミサイルが発射された。
乃亜「ミサイルが発射された!」
剛三郎から逃げる遊戯と海馬は、屋上に来ていた。
剛三郎「ふっはははは。もう後はないぞ!」
乃亜「飛べぇ!」
海馬「しかし!」
遊戯「海馬君、行くよ!」
2人が屋上から飛び降りると、上空に扉が現れ、2人を転送した。
アナウンス「ミサイル接近中」
乃亜は、モクバの体をカプセルに入れていた。
海馬「ここは現実世界・・・」
遊戯「僕達、戻ってきたんだ」
海馬「モクバ!」
霧の中で、乃亜とモクバの意識が向かい合う。
乃亜「すまなかったね、モクバ。君の体返すよ」
モクバ「乃亜、お前はどうするんだ?」
乃亜「僕は父上の所に戻るよ」
モクバ「だって!お前・・・」
乃亜「少しの間だけでも、また生身の体でいられて、嬉しかった」
モクバ「行くな、乃亜!」
乃亜「僕は人の心を取り戻すことができた。君のおかげだよ、モクバ。ありがとう」
モクバ「乃亜・・・」
乃亜「僕は人間だ。機械なんかじゃない・・・」
乃亜がモクバから遠ざかっていく。
モクバ「乃亜!乃亜!!」
海馬「モクバ、目を開けろ!起きるんだ!!」
現実世界で、モクバが目を覚ました。
海馬「モクバ・・・」
モクバ「兄様、乃亜が!」
剛三郎「おのれ逃がすかぁ、瀬人!!」
乃亜「無駄だよ!父上!」
剛三郎の元に乃亜が現れた。
乃亜「出口はもう消してしまったんだ。だから、ここからは出られないよ。」
アナウンス「ミサイル接近中、ミサイル接近中。」
モクバ「乃亜はまたバーチャル世界に戻って行ったんだ!剛三郎を見捨てる事はできないって!!」
要塞のデッキ上で飛行船バトルシップが離陸準備をしていて、
城之内達は遊戯達を待っていた。
杏子「もう、何やってんのよ?遊戯達!早くしないと、ミサイルが!」
城之内「急げ遊戯!」
アナウンス「ミサイル接近中、ミサイル接近中」
闇マリク「急げ急げ・・・みんなくたばっちまうぞ」
剛三郎「どういうつもりだ、乃亜!早く出口を開けろーー!
剛三郎が乃亜を握り締めていたが、乃亜は剛三郎の背後に移動する。
乃亜「僕には分かったんだ。瀬人にはモクバが、遊戯にはたくさんの仲間達がいる。だけど、僕は一人ぼっちだと思ってた。でも違ったんだ」
剛三郎「そんな話を聞いている暇はない!」
乃亜「僕には父上がいる」
剛三郎「黙れ!早くここから出すんだ!」
乃亜「たった一人の家族・・・」
モクバ(だって俺達、兄弟だもんな!)
乃亜「父上、もう終わりにしよう。ずっと僕が側にいてあげる」
乃亜の足元からデータの奔流が浮き出て、剛三郎の動きを封じた。
剛三郎「な、何をする乃亜!?放せ!私はまだやらねばならん事がある!」
乃亜は、剛三郎の肩に一体化した。
乃亜「僕達はもう死んでしまったんだよ、父上」
剛三郎「ええい、放せえぇ!」
要塞から、バトルシップが離陸しようとしていた。
そこへ遊戯達が駆け込んで来た。
「来た!」
「遊戯!」
城之内「おーい、遊戯!」
城之内、御伽、本田達が乗り込み口から手を伸ばす。
遊戯と海馬は走り続けるも、モクバが疲れで足を止めかけていた。
海馬「!」
海馬は、モクバをつまみ上げ、乗り込み口へ放り投げた。
御伽「!」
モクバは、御伽にぶつかりながら、乗り込み口へ入った。
海馬も、乗り込み口へ飛び込んだ。
城之内「遊戯!」
遊戯「城之内君!」
城之内が遊戯の手を取って、遊戯を乗り込み口の中へ引き込む。
バトルシップが完全に離陸した直後に、
ミサイルが要塞に着弾した。
バーチャル童美野町が爆風に飲み込まれ、消滅していき、
剛三郎と乃亜のいる海馬コーポレーション・本社ビルにも爆風が届いた。
剛三郎「い、嫌だ。私はまだ死にたくなぁい!うわぁぁぁ!!」
乃亜は全く動じないまま、剛三郎と共に爆風に飲まれ、消滅していった。
バトルシップが着弾の余波を受け、揺れていた。
モクバ「うわぁぁ!!」
乃亜(さよなら、モクバ・・・)
モクバ「・・・乃亜!」
海馬が操縦室に入る。
船員「瀬人様!船が、船が衝撃に耐えられません!」
海馬「システムを寄越せ!」
爆風が剛三郎の顔の形となって、バトルシップを飲み込んだ。
剛三郎(ぐわぁぁぁ、瀬人ぉぉぉぉ!!)
海馬「剛三郎!貴様などに屈するこの俺ではない!」
海馬が緊急用ボタンを押した。
炎の中で、バトルシップの外装が剥がれ落ちていき、
ジェット飛行艇となったバトルシップが加速して、
爆風を完全に振り切っていった、
破壊された要塞の上をバトルシップは飛行していた。
城之内「・・・乃亜か。考えてみりゃ、あいつも可哀想な奴だったな」
杏子「・・・ただ、お父さんに愛されたかっただけだったのよ」
遊戯「結局、乃亜も犠牲者だったんだね」
モクバ「乃亜・・・・」
モクバは百合の花束を、海へ放り投げた。
海馬「ふん、剛三郎も乃亜も愚かな存在に過ぎん。
とんだ邪魔が入ったが、俺達の闘いはこれからだ。最終決戦の地、アルカトラズが待っているぞ!進路をアルカトラズに取れ!全速前進だ!」
船員「は!」
バトルシップは飛び去っていった。
海の上に、モクバの投げた花が浮かんでいた。
乃亜(僕は人間だ、機械なんかじゃない)
最終更新:2023年08月09日 11:54