万太郎「ライトニング~~~ッ!」
サンダー「ライトニング~~~ッ!」
実況「ああ~~~~っと、ライトニング、万太郎の放ったトロフィー球根の欠片を拒否、自らの敗戦を恥じ、富士山火口へ身を投げ自害した~~~~っ」
サンダー「ヌワアア~~~ッ」
サンダーがコーナーポストに身を乗り出した。
キッド「ああ~~~~っ、サンダーのやつ、ライトニングの後を追って自害するつもりだ-―――っ」
万太郎「やめろ―――っサンダ―――ッ、そんなことしたってライトニングは喜ばない!」
サンダー「だ・・・だけど、オレだけがトロフィー球根を食らい復活しちまった・・・こんな生き恥を晒すくらいなら・・・」
ケビン「サンダー、おめえも無粋な男だな。あの不良野郎は最後まで悪行超人としての美学を貫き通し、たったひとりで死んでいきたかったんだよ。それを追うってのはあまりにひとりよがりってもんだ」
万太郎「おまえは行方不明のママを探すんだ!」
サンダー「ヌウオオオ~~~ッ、オ・・・オレはどうすればいいんだぁ~~~~っ!」
万太郎「さあ~~~っ、この528チーム、1056人の古代の最強超人たちの超人遺伝子が作り上げた・・・完全無比球根をどうするか・・・」
万太郎は完全無比球根の先端の一つを折った。
実況「万太郎、トロフィーの土台に生える完全無比球根の一部をまたしても折る――――っ」
ケンタ「ま・・・万太郎とケビン、あれを食って完全無比超人となるつもりなのか~~~っ」
万太郎はスパッツからマッチ棒を取り出した。
ミート「マ・・・マッチ棒・・・」
真弓「な・・・何をする気じゃ、あいつは・・・」
万太郎「たしかにこのトロフィー球根を口にすれば、史上最強の完全無比超人になれるかもしれないけど、でもこんなものがあるからその力を奪い合い、いつまでたっても超人同士が無駄な血を流し合う、無益な闘いがなくならないんだ」
万太郎はマッチ棒で、トロフィー球根に火を付けた。
委員長「1億4000万年の歴史ある先人の最強超人遺伝子を燃やしてしまうとは~~~っ」
万太郎「こんなものはいらない・・・ボクたち正義超人は親から受継いだ遺伝子を、日々のたゆまぬ修練によって磨き上げ強くなっていけばいいのだから」
ケビン「ウム」
サンダー「あ・・・あれだけ・・・ほ・・・欲しかった、完全無比超人になれる・・・トロフィー球根だったのに・・・い・・・今はこれぽっちも興味はねえ・・・ラ・・・ライトニングと組んで数々の強敵と闘い合った思い出があればそれでいい。そ・・・それだけやつとのタッグは充実した闘いができたってことなんだ・・・」
真弓「わが息子も相当なアホじゃが・・・孫はそれに輪をかけてのアホ」
トロフィー球根は燃え尽きた。
万太郎「これでなくなった、すべての争いの、禍の根源が・・・」
スグル、テリー、ロビンが拍手を送った。
スグル「よく言ったぞ息子たち。そうだ、強さというものは己で修練し勝ち取るものだ!」
万太郎「ち・・・父上」
ケビン「ダディ・・・」
ラーメンマン「見事に時間超人の魔手から、人類、正義超人界の未来を救ったな、ケビン・・・」
ケビン「ラ・・・ラーメンマン」
ラーメンマン「もうおまえたちは私たちが見守っていなくても大丈夫、未来の超人界は任せたぞ!」
ラーメンマンの幻影が消え、弁髪がケビンのからから離れ、浮かび上がっていく。
万太郎「そしてこの残りを」
万太郎は残ったトロフィー球根の欠片を5つに割った。
万太郎「蘇れ―――っ、`生ける伝説`(リビングレジェンド)たち――――っ!」
万太郎が投げた3つの欠片が、富士KO超人病院に飛んでいき、
タッグ戦での負傷で入院していたブロッケンJr、ジェロニモ、バッファローマンの口に入った。
看護師たち「・・・・」
「バ・・・バッファローマンの角が再生していきます!」
「おお~~~っ、ブロッケンJr.の右腕も」
「ジェロニモさんの腹部の巨大な傷も跡形もなく消え去っていく―――っ」
万太郎「カオスごめんよ、ボクが2週間前お台場より時空船で、21世紀から旅立つとこ蹴っ飛ばした墓標こそはおまえのものだったんだ」
万太郎が投げた4つめの欠片は、第六台場のカオスの墓に落ちた。
ケビン「最後の球根のひとかけらで、あの方も蘇らせなければ・・・」
ケビンは最後の欠片を、ラーメンマンの弁髪に投げ与えた。
万太郎「うんこれでいい、この21世紀の地でボクたちに残された仕事はあとひとつだけ」
実況「お――――っと、万太郎とケビン、タッグトロフィーを手にトーナメント・マウンテン頂上より降りてきた――――っ!」
観客「万太郎―――っ、ケビーン」
アリサ「ケビン・・・」
ビビンバ「万太郎・・・」
ケビン「マム~~~~ッ」
万太郎「母上!」
ケビンと万太郎は互いの母親と抱き合った。
スグル「よくやったな、ふたりとも!」
万太郎「父上~~~っ」
万太郎とケビンはタッグトロフィーを、スグルとテリーマンに差し出した。
万太郎「こいつを受け取ってくれ、ザ・マシンガンズ!」
スグル「し・・・しかしこれは・・・」
万太郎「悪行・時間超人により歴史が変えられていなかったら、この宇宙超人タッグトロフィーは、ヘル・ミッシェネルズを破ったキン肉マンとテリーマンのものだからね!」
ケビン「なぁに、未来でオレたちが返してもらうことになるだろうが・・・」
ザ・マシンガンズはタッグトロフィーを受け取った。
スグル「ようし、それではしばし私らが預かるとしよう」
スカーフェイス「お――――い、万太郎にケビン、何をしている、早く来い――――っ」
万太郎「それじゃあ行くね、父上、母上!」
ケビン「ゲッバイ、ダディ、マム」
新世代正義超人たちは、時空船ケビンマスク号に乗り込んだが・・・
キッド「ダメだ・・・この20世紀へ来るときはライトニングとサンダーの魔時角が出す反物質エネルギーを源としてタイムワープしてきたが・・・その反物質エネルギーがゼロ状態だ!」
ジャクリーン「それじゃあ私たちは21世紀へ、帰れないっていうことなの~~~~っ!?」
ジェイド「おっ!?」
スカーフェイス「おっ!?」
キッド「エ・・・エンジンが起動した」
バリアフリーマン「け・・・計器類も完全に復活しておる~~~~~~~~っ」
凜子「やった――――っ、これで帰れるのね~~~っ」
キッド「反物質エネルギー値も上がっていく・・・」
実況「なんと~~~っ、新世代正義超人たちの乗り込む時空船が、エキゾチック物質の覆われている―――っ!」
ミート「ああ~~~~っ」
「噴出しているのはトーナメント・マウンテン・・・決勝ウォーキューブからだ――――っ!」
サンダー「ヌオアア~~~~ッ!」
サンダーが額からエキゾチック物質を出していた。
真弓「サンダ―――ッ」
サンダー「オ・・・オレたちは誇り高き時間超人だ。ゆえにわが友ライトニングは正義超人の施しをそのまま受け入れず、自らの態度は自らで決める最期を選んだ・・・そ・・・・そして・・・こ・・・これがオレの選んだ誇りの、こ・・・答えだ・・・」
「まだ甘っちょろい考えかな?兄弟ライトニングよっ、で・・・でも今のおまえなら賛同して・・・くれる・・つ・・・な・・・」
サンダーが倒れた。
ミート「サ・・・サンダーが自分の生命と引き替えにタイムシップを・・・」
ケビンマスク号が発進していく。
万太郎「わぁ~~~~っ、待って待って~~~っ」
ケビン「ほら相棒!」
乗り遅れかけた万太郎の手をケビンが掴んだ。
そのままケビンマスク号は21世紀へ帰ろうとしていた―――
「ふたりというものはいいものだ。楽しい時は2倍楽しめる、そして苦しい時は半分で済む―――」
最終更新:2024年07月13日 13:48