YHVHの宇宙で最後の戦いに赴くナナシ。
YHVH「遂に我が前に姿を現したか。悪魔に唆されし人の子よ…」
YHVHが姿を現す。
YHVH「我はYHVH…在らんとして在る者なり。無限の創り主にして、宇宙の法と秩序そのものである。我が沈黙を破る、邪神よ。汝らは我が与えし答えを踏みにじった。これは看過すべからざる事柄である。我が手ずから、汝に贖罪の機を与えよう。」
ダグザ「罪を贖う機会は不要。罰で償う必要も無い。それらはすべて己が個人で背負う。貴様の胡散臭い理屈に乗って、自分を切り売りするつもりはない。」
YHVH「汝が何を考え、何を行おう意味は無い。此処は我が定めた摂理の上に在る。汝が我が宇宙に存在している以上、自らの力だけで道を往くことなどできぬ。」
ダグザ「フッ、試してみるか?」
YHVH「試せるものならば試すが良い。我はこの宇宙を賭け、汝らを捻り潰すのみ。」
サタン「神よ。私は貴方をも試そう。貴方がその座に留まるべきか否かを。」
YHVH「サタン…我から流れ出た分霊の分際でこの我を試そうとは、なんと罪深い…ならば、我はすべての加護を取り払おう。」
そして、YHVHとの最終決戦が始まった!
サタン「貴方はこの世界の全てを浸透している。不変にして普遍の現実…だが貴方自身はこの世界の外側。閉じた場所にその身を置き傍観している…それは何故だ…ただ沈黙し行動しない。そこにある意図は何だ…答えよ。」
YHVH「沈黙していたのではない。我は汝ら人の子と共に苦しんでいたのだ。我は如何なる時も常に汝らの近くにある。勧喜も倫楽も悲観も苦痛も共に感じている。汝らが忠実を保ち、我と共に歩むこと…それこそが導きであり、救いなのだ…それを汝らは、自らを無罪とせんがため、父なる我を有罪へ貶めるつもりか…」
ダグザ「…フン、下らんな。ヤツの言葉の根底にあるのは、人間の精神と文化に対する恐れだ。少々面倒だが、ヤツの神性を否定できれば、戦況はオマエの優位に傾くだろう…ナナシ。オレも力を貸す。ヤツを神の座から引きずり降ろせ。」
フリン「ナナシ殿の邪魔にならぬよう、我々は別の場所から援護します。くれぐれもご無理をなさらぬよう、ナナシ殿の健闘を祈ります。」
フリンとサタンはナナシと別れ、別パーティとなった。
YHVH「心の貧しき者は幸いなり…汝がために神の国はあるのだ。」
ナナシは神の国を否定。
YHVH「悲しむ者は幸いなり…汝は慰めを得るであろう。
ナナシは慰めを否定。
YHVH「柔和なる者は幸いなり…汝は地を継ぐであろう。」
ナナシはYHVHの存在と継がれる地との相関を否定。
全てを否定されたYHVHは悍ましい姿となった。
YHVH「我がこのような姿に貶められるとは…道を外れた半端者が…我は汝らを赦さぬ…大人しく我が与えた肉の身体と、その範囲の答えに盲従すれば良いものを…涜聖せしめた汝らの罪は死より重く、その罰は永久の苦痛を強いることだろう。」
そして、正真正銘のラストバトルが始まった!
YHVH「ヌゥゥ…汝ら、自分が何をしているのか解しているのか…?このような大過、どう贖うつもりだ…汝ら如きに背負い切れるものか。今すぐ、並ぶ者無き我が名を讃えよ…!栄光に満ちた我が名を讃えよ…ッ!」
ダグザ「フン、化けの皮が剥がれてきたな…」
サタン「今まで他の神々を異神と謗り貶めてきた…これはそれと同じことだ。信仰を失い、神性を貶められた。やはり汝も、神の座から堕とされる定めか。」
フリン「僕はナナシ殿の≪神殺し≫…いつ如何なる時も、主殿の側に在り、この身は主殿のためだけに在る…僕が信じるのはナナシ殿のみ。お前など、信じるはずがない。」
それでも戦い続けるナナシたち。
YHVH「グヌゥゥ…汝らが行いの先に真理はない。今なら…間に合う。こんなことは止めろ。」
ダグザ「貴様の口から真理という言葉が出ると、怒りを通り越して吐き気すら感じる…ナナシ。これで終わらせろ。オマエの手で終止符を打てッ。」
ナナシの身体にダグザの力が流れ込む…そして、YHVHに止めを刺すナナシ。
YHVH「まさか人の子が神となり、創造主である我を超えようとは…だが、これで終わりではない。汝らは自らを苦境へと追い込んだのだ。人は弱い…我が法と秩序無しに生きられぬ。頼るもの、すがるものが必要だ。汝はそれを――我が答えを貶めた。この宇宙ごと、我は消え失せるだろう。いずれ汝が迷い、救いを欲した時…己がした選択を…後悔するが良い…」
その言葉を残してYHVHは消滅した。
曇天に浮かび漂っている中、何処からかサタンの声が響いた。
ダグザ「さらばだ。小僧。」
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最終更新:2016年09月04日 19:27