地球外生命体・インベーダーの陰謀で邪神と化した究極のゲッターロボ「真ドラゴン」は、新・旧ゲッターチームの死力を尽くした戦いにより人類の手に取り戻され、地球全土を覆っていたゲッター線は真ドラゴンに吸収された。しかし、その代償に全ての力を使い果たした新ゲッターチームの一人・
號が息絶えてしまう。
一方、旧ゲッターチームとの戦いに敗れながらも難を逃れていたインベーダーの首魁・コーウェンとスティンガーは木星圏に脱出。偽ゲッターロボGのゲッター炉心を使って木星の核融合を促し、ゲッター線を放出する「ゲッター太陽」に変える。
さらに木星の衛星
ガニメデを地球に衝突させようとするコーウェンとスティンガー。これを食い止めるため、旧ゲッターチームは真ゲッターロボで宇宙に上がった。
ガニメデ破壊を阻もうとするインベーダーの大軍団が人類軍を襲う。そして、新ゲッターチームの
車渓がインベーダーの猛攻に晒され絶叫した時、號と真ドラゴンも復活を遂げようとしていた……!
宇宙空間。
真ゲッターロボ(真ゲッター1)が迫り来るガニメデと対峙している。
竜馬「っ…… くそぅ! 表面からではダメだ……」
隼人「竜馬! オープン・ゲットしろ」
弁慶「何をする気だ、隼人!」
隼人「ゲッター2で中に突入してから、ストナーサンシャインを撃つ!!」
それを聞いた竜馬が不敵に笑う。
竜馬「フッ、乗ったぜ。オープン・ゲットッ!!」
隼人「チェンジ・ゲッター2!!」
真ゲッター1が三機の真ゲットマシンに分離し、真ゲッター2に再合体。
隼人「ドリルハリケーン!!」
右腕に備わったドリルを回転させてガニメデに突っ込み、そのまま掘り進んでいく。
激しい衝撃に耐えながら、ガニメデの中心核に到着したところですかさず真ゲッター1にチェンジ。
ガニメデの中心核は、ほとんどインベーダーの卵巣の如き状態と化している。
竜馬「チェーンジゲッタァ──ッ、1!!」
真ゲッター1の両掌の間にゲッターエネルギーの光球が発生し、どんどん肥大化していく。
竜馬「行くぜぇ!! ストナァァァ──ッ・サ────ンシャインッ!!!」
インベーダー目掛けてストナーサンシャインを投げつける真ゲッター1。
だが、ストナーサンシャインはインベーダーの一匹にたやすく受け止められ、逆に撃ち返されてしまった。
竜馬「なんだとっ!?」
ストナーサンシャインの直撃を受け、真ゲッター1がガニメデの中から吹き飛ばされる。
ゲッターチーム「うわああああーっ!!」
人類軍宇宙基地「ブレインズ・ベース」。
女性オペレーター「二尉! 真ゲッター1が、凄まじいスピードではじき返されてきます」
山崎二尉「何!?」
男性オペレーター「まもなく、大気圏に突入!」
女性オペレーター「突入角、52.4°!」
山崎二尉「深すぎる、燃え尽きてしまうぞ!」
真ゲッター1が大気圏に突っ込んでいき、やがて見えなくなる。
女性オペレーター「真ゲッター1、消失」
山崎二尉「神司令……!!」
目を伏せて感情を押し殺し、全軍に指令を出す山崎二尉。
山崎二尉「ロボット軍はフォーメーションを組みなおし、スタンバイ……」
だが、それを遮るかのように男性オペレーターが驚きの声を発した。
男性オペレーター「なんだこれは……」
山崎二尉「どうした!」
男性オペレーター「地球から…… 巨大な物体が…… 上昇してきます!」
直後、雲海を切り裂き、巨大な龍が姿を現した。
龍の頭にはゲッタートマホークを抱えた真ゲッター1が乗っている。
龍の胴体には、真ゲッター1よりもさらに大きなゲッターロボの上半身が。
そして、それに乗っているのは──號。
山崎二尉「ゲッター……」
真ゲッター1を乗せた真ドラゴンが、龍の口からゲッタービームを吐き出す。
極太の光線はインベーダーの群れを一瞬で吹き飛ばし、そのままガニメデを貫いた。
ガニメデ内の無数のインベーダーが光の中に消えていき、そしてガニメデそのものも爆発・消滅する。
山崎二尉「衛星が一撃で……! これは……!?」
シュワルツ「こ、これが最終形態……!!」
大道凱「なんだって!? それじゃあ…… それじゃあ!!」
渓「號──っ!!」
真ドラゴンが、渓と凱の乗った小型ロボットを体内に迎え入れる。
それぞれのコクピットに移動する渓と凱。
渓用コクピットのモニターに號の顔が映る。
號「渓」
渓「號……! 號、生きてたのね!?」
號「オレはお前を守ると言ったろう」
渓「ほんとに…… ほんとに良かった!」
微笑む號。渓の瞳が潤む。
號「木星へ一気にジャンプするぞ。六人の力を合わせるんだ」
渓「六人?」
旧ゲッターチームと凱の顔がモニターに映し出された。
弁慶「渓!」
渓「親父…… みんなも!」
再びブレインズ・ベース。
男性オペレーター「た、大変です! 木星が膨れ上がっています」
女性オペレーター「このまま赤色巨星化していくと、やがて爆発。質量から言って、ブラックホールになってしまいます」
山崎二尉「ブラックホールだと!?」
山崎二尉が隼人に通信を入れる。
隼人「どうした」
山崎二尉「木星の重力バランスが不安定です。これを」
真ゲッターロボのモニターに土星の映像が送信される。
だが、そこに映っている土星の様子は何かおかしい──土星の輪が消えかかっている。
竜馬「土星の輪が!!」
弁慶「どういうことだ!?」
隼人「木星だ。木星に引き寄せられてる」
渓「ちょっと待ってよ! じゃあ、地球は…… 太陽系はどうなるの!?」
山崎二尉「すでに、アステロイド・ベルトの半分が飲み込まれました!」
號「!!」
凱「なんだとぉ!?」
隼人「インベーダーは、太陽系だけでは飽き足らず、この銀河系全体を手に入れる気だ!!」
そうこうしているうちに、真ドラゴンの攻撃から生き残っていたインベーダーの一匹がブレインズ・ベースに取り付き、融合しようとしていた。
スタッフの悲鳴──。
渓「ブレインズ・ベースが!」
その時、ブレインズ・ベースを覆うインベーダーにミサイルが炸裂。
シュワルツのステルバーを始めとする、人類軍・スーパーロボット軍団だ。
渓「シュワルツ!」
シュワルツ「渓! ここは俺たちに任せろ!」
いくらかの犠牲を出しながらも、スーパーロボット軍団の総攻撃が続く。
シュワルツ「渓、何してる!! ゲッターチームの力で、木星を安定させろ!!」
渓「シュワルツ…… ──號っ!!」
號「ゲッターエネルギーを収束させ、ワームホールを作るぞ!」
渓、凱、竜馬、隼人、弁慶「おうっ!!」
真ドラゴンの胴体にあるゲッターロボ部分の頭から放出されるゲッターエネルギーが、その右手に握られた超巨大ダブルトマホークに移っていく。
山崎二尉「木星の軸線上から、ロボット軍は退避せよ。繰り返す。木星の軸線上から──」
真ゲッター1も、黄金の光を放ちながら準備を整えていた。
竜馬「いつでもいいぜ、號!!」
號「うおおおおお────っっ!!!」
號が
大リーグボール2号の構えからダブルトマホークを全力投擲!
さらにそのトマホーク目掛けて──
竜馬「ゲッタァァァ──ッ・ビィィィ────ッム!!!」
真ゲッター1が腹からゲッタービームを発射。ビームはゲッターエネルギーを纏ったトマホークに見事命中し、そこを基点として空間にワームホールをこじ開けていく。
全速力でワームホールに飛び込む真ドラゴン──。
ワームホールを抜け、新・旧ゲッターチームが木星圏に到着。その眼前には真っ赤に燃えるゲッター太陽と無数の小惑星群が。
刹那、真ドラゴンの横をアメリカの国旗が刻印された機械の破片のようなものが通り過ぎていく。それを見やる渓。
渓「今のは?」
凱「
バイキングだ……」
渓「……って、まさか!?」
號「火星だ。木星の重力で引き裂かれたんだ…… 思ったより巨星化が進んでいる!」
凱「くそぉ、まるで掃除機だぜ!」
竜馬「バカヤロォ! オレたちゃゴミじゃねぇ!!」
真ゲッター1がゲッター太陽に突撃。
それを地球で戦ったものよりもさらに巨大なインベーダー群が迎え撃つ。
隼人「来たぞ! 九時方向だ」
竜馬「来やがれぇ!! うおおおお──っ!!」
真ゲッター1が腕の刃「ゲッターレザー」を伸縮させて薙ぎ払い、巨大虫型インベーダーの一匹を両断する。
竜馬「ゲッタァァァ──ッ・ビィィィ────ム!!!」
続けて額からゲッタービームを放ち、インベーダーの群れを一掃していく真ゲッター1。
しかし光線を弾く外皮を持つ巨大ヒトデ型インベーダーにゲッタービームを逸らされ、さらに体当たり攻撃を受けてしまう。
竜馬「隼人!!」
隼人「おう!! ドリルッ、ハリケ──ン!!!」
すぐさま真ゲッター2にチェンジし、右腕のドリルで巨大ヒトデ型インベーダーを次々とぶち抜いていく。
號「ダブルッ・トマホォ──ゥク!! ブゥ────メランッ!!!」
真ドラゴンは二本のダブルトマホークを合体させて投げつけ、インベーダーの群れを攻撃。
一方、なおも突き進む真ゲッター2の前に、今度はさらに巨大なインベーダーが立ちはだかるが──
弁慶「大雪山おろし!!!」
今は亡き先輩・巴武蔵直伝の大技が炸裂。
上方向に吹き飛ばされたインベーダーに、真ゲッター3が駄目押しのミサイル斉射を喰らわせる。
弁慶「ミサイルスト──ウム!!!」
ミサイルストームを受けたインベーダーが爆発する。
一方で、ゲッター太陽の中から真ドラゴンよりもさらに長大なミミズ型インベーダーが現れ、ゲッター太陽に突撃を図る真ドラゴンを飲み込もうと迫る。
真ドラゴンは額からゲッタービームを放ち、巨大ミミズ型インベーダーを真っ二つに両断──と思いきや、敵は二つに分離しただけであり、真ドラゴンは逆に挟まれ、体内に取り込まれてしまった。
渓「號! あたしに任せて──チェーンジ・真ライガー!!」
真ドラゴンのゲッターロボ部分が回転しながら胴体の中に引き込まれ、龍の首も回転しながらドリルに変形していく。
巨大ミミズ型インベーダーの体内を突き破って出現したその姿は、巨大なドリルに申し訳程度の足と推進器とゲッターライガーの頭が付いているだけという異容だ。
渓「ドリルミサイ──ル!!!」
真ライガーのドリルがインベーダーの群れ目掛けて放たれ、大爆発を起こす。
その直後、巨大ヒトデ型インベーダーの群れが真ライガーにまとわりつき、覆い隠していった。だが──
凱「ゲッタァァァ、エレキ──ッ!!!」
巨大ヒトデ型インベーダーの体を突き破って野太い腕が現れ、群れ全体に高圧電流を見舞い、爆裂させる。
腕の正体は真ライガーのドリルが変形したものだった。推進器(真ドラゴンの尾)部分は先端がトゲ付き鉄球になった腕に変わり、やっぱり申し訳程度の足とゲッターポセイドンの頭が胴体から伸びてくる。
凱「真ポセイドン、参上!!」
真ゲッターロボも3から1に戻り、ゲッタービームでインベーダーの群れを攻撃し続けるが、インベーダーの数は一向に減らない。
さすがの號にも焦りがにじみ始めた。
竜馬「號! これじゃきりがねぇ!!」
號「二つのゲッタービームを合わせて木星に撃ち込み、核を安定させるんだ!」
竜馬「よし、行くぞぉ!! ゲッタァァァ──・ビィィィ────ム!!!」
號「ゲッタービ────ム!!!」
真ゲッター1の腹からのゲッタービームと、真ドラゴンの竜の口からのゲッタービームがゲッター太陽に炸裂。
だが、ゲッター太陽の
紅炎が触手のように伸びて、二体のゲッターロボに巻き付き、締め上げていく。
ゲッター太陽の中から、高笑いと共に姿を現すコーウェンとスティンガーの巨大な顔──。
コーウェンとスティンガーが何らかの力で二体のゲッターロボを侵食していく。
喘ぐ新・旧ゲッターチームの脳裏にコーウェンとスティンガーの哄笑が響く。
コーウェン「ふふふふふ…… さぁ、心の扉を開き我らと
交わるのだ」
スティンガー「今こそ、ゲッター線の本当の意味を知るがよい!」
弁慶「本当の意味だと……?」
コーウェン「そう。ゲッター線はただのエネルギーではない。“それ”は生命体に進化を促す神の如きエネルギー」
渓「進化……?」
スティンガー「人類の進化とは、ゲッター線の恵みによる進化!」
コーウェン「太古の昔、地球が──いや、太陽系がまだ形成されたばかりの頃、
オールトの雲から多数の彗星が降り注いだ」
スティンガー「その彗星に含まれた有機物質、それが生命の源だ。しかしそれだけでは命は生まれない!」
コーウェン「気まぐれな旅人のように宇宙を漂うゲッター線が降り注いだ時、“それ”は最初、海で生まれ、やがて陸に上がってきた。その後、いくつかの生命が繁栄と没落を繰り返した──周期的に訪れるゲッター線のなせる
業だ」
スティンガー「飽くなき人類の欲望は、ついにゲッター線を手にするに至った。お前たちが弄んだゲッター線によって、我らは知性を持つことができた!」
コーウェン「そして知ったのだ。人類と我々は、オールトの雲を起源とする同種族なのだ」
コーウェン、スティンガー「さぁ受け入れるのだ、我らの魂を! そして、さらなる高みへと進化の階段を共に
上ろうではないか!!」
渓「……違う。たとえお前たちと同じ起源だろうとも…… たとえ、ゲッター線を浴びたからとしても…… あたしたち人類は、自らの意思で進化したんだ!! ゲッター線に頼り、寄生しながら突然変異を繰り返した、バケモノとは違うんだ──っ!!」
渓の叫びを受けて、號、凱、竜馬、隼人、弁慶も自分を取り戻し奮起する。
二体のゲッターロボが緑色に輝き始めた。
スティンガー「ば、馬鹿な!? 何故拒む!!」
號「ゲッタービ────ム!!!」
紅炎の拘束から解き放たれた真ドラゴンが、龍の口からのゲッタービームでコーウェンとスティンガーを攻撃。
直後、ゲッター太陽の中から、今までのどのインベーダーよりも巨大で禍々しい、コーウェンとスティンガーの顔を持つインベーダーが姿を現す。
竜馬「なっ、なんだこいつぁ!?」
スティンガー「お前たちに勝ち目はない!」
コーウェン「宇宙のチリと化すがいい!」
竜馬「黙れ! チリになるのはてめぇらだ!!」
スティンガー「ハハハ、ほざけぇ!」
コーウェンの口の中から大量のインベーダーが出撃し始める。
竜馬「同じことを! ゲッタァァァ──・ビィィィ────ム!!!」
真ゲッター1がインベーダーの群れめがけてゲッタービームを照射。
だが、インベーダーたちはゲッタービームを吸収し、さらに巨大に成長した。
竜馬「ん!?」
弁慶「逆効果だ!」
隼人「飽和状態までいかない!」
竜馬「なら直接ぶっ潰す!! おお──りゃあ──っ!!!」
ゲッタートマホークを取り出し、巨大虫型インベーダーを両断する真ゲッター1。
渓「チェンジ・真ライガー!!」
真ライガーも体当たりでインベーダーを撃破していくが、巨大ヒトデ型インベーダーの拘束ビームに捕らえられ、動きを封じられてしまう。
隼人「プラズマドリルッ、ハリケ──ン!!!」
すんでのところで真ゲッター2のドリルから放たれたゲッターエネルギーの竜巻が拘束ビームを遮断。脱出した真ライガーは真ポセイドンにチェンジする。
凱「ゲッタートリプルサイィ──クロン!!!」
弁慶「ゲッターホーミングミサイ──ル!!!」
真ポセイドンの首と両腕が回転して放たれる、より強力なゲッターエネルギーの竜巻が巨大ヒトデ型インベーダーを引き裂き、真ゲッター3の肩口からの大型ミサイルがインベーダーの群れを焼き払う。
スティンガー「なんだ!? 一体何がこれほどまでに奴らを動かすというのだ!!」
號「うおおおおお──っ!!」
咆哮する號。それを受けて、竜馬の脳裏にいくつかのビジョンが流れ込む。
竜馬「記憶? 思い出……? これが、號のエネルギーの源…… 進化の源だったんだ!!」
弁慶「號だけじゃない! 過去を未来へとつなぐために現在を生きる…… それが人間ってやつなんだ!!」
隼人「そうか。あの時、敷島博士が見たものは…… ゴールとブライに欠けていたもの…… そして、早乙女博士が目指し、オレたちに託したこととは……」
渓「ゲッター線を捨て去り、自らの力で未来を切り拓くこと!!」
コーウェン「フン、何をたわごとを!!」
スティンガー「ならばゲッター線に抱かれて死ぬがよい!!」
コーウェン&スティンガーがゲッター太陽の中から三つの小惑星を出現させる。
竜馬「あれは!?」
隼人「
イオと
カリストと、
エウロパだ」
凱「飲み込まれたんじゃ……」
竜馬「物理法則もあったもんじゃねぇな」
コーウェン、スティンガー「いかにも! 我らが究極の進化を見よっ!!」
どういうメカニズムであろうか、コーウェン&スティンガーの口から放たれた光線が衛星によって増幅され、二体のゲッターロボを襲う。
真ゲッター1の顔面が砕ける。
竜馬「くそっ、このままじゃバラバラになっちまう!!」
號「竜馬! 六人の力を合わせるんだ!!」
竜馬「何っ!?」
號「真ドラゴンの頭に乗れ!!」
竜馬「っ…… よし! わかった!!」
竜馬が壊れたヘルメットを脱ぎ捨てる。
號「真ゲッターに、エネルギーを集中させるんだっ!」
渓「了解!」
凱「おおおお──っ!!」
真ドラゴンの竜の頭に乗った真ゲッター1に、ゲッターエネルギーが流れ込んでいく。
弁慶「す、すげぇエネルギーだ!」
隼人「フッ、機体がもつかどうか……!」
竜馬「死なばもろともよ!! ゲッタァァァ──・トマホゥク!!!」
真ゲッター1の肩にあるトマホーク射出口から長大な光が伸びていき、ゲッター太陽と同等のサイズのゲッタートマホーク「ファイナルゲッタートマホーク」になる。
竜馬「うおおおお────りゃあ!!!!!」
そして、そのトマホークを一気に振り下ろし、三つの衛星もろともコーウェン&スティンガーを両断した!!
コーウェン「うおお、これで終わったと思うなよ……」
スティンガー「我が種族は永遠なりぃ……!」
コーウェン&スティンガーが大爆発──!!
凱「終わった…… 俺たちは勝ったんだ!」
だが、それもつかの間、激しい振動が新・旧ゲッターチームを襲う。
渓「っ、何!?」
隼人「時空震だ。冥王星方向に時空の裂け目が!」
時空の裂け目は、巨大な口のような何かに変わっていく。
竜馬「なんだ、あれは…… まるで生き物じゃねぇか……」
隼人「どうやら本命がお出ましのようだ」
凱「なんだと……!?」
渓「どんどん広がってるわ!」
弁慶「でかすぎる……!」
その何かに冥王星がどんどん引きずり込まれていく。
渓「冥王星が!」
凱「なんて食欲だ…… 太陽系を食いつぶす気か!?」
竜馬「っ、くそっ! 手がこれじゃあ、ストナーサンシャインも撃てねぇ!」
真ゲッター1は先ほどのファイナルゲッタートマホークの反動で両腕を喪失していた。
隼人「竜馬!」
竜馬「んっ?」
隼人「“あれ”を使うぞ。真ドラゴンがゲッタードラゴンの集合体だとしたら……」
竜馬「……そうだ、ゲッタードラゴンなら!」
弁慶「おう! 早乙女博士なら必ず……」
竜馬「號! わかってるな?」
號「ダメだ…… ゲッター炉心のパワーが上がらない」
竜馬「炉心ならここにもあるぜ!」
真ゲッター1の左胸が開かれ、ゲッター炉心があらわになる。
號「しかし、それを使ったら……」
隼人「號! 他に方法はない!」
渓「ちょ、ちょっと! 一体なんの話をしてるの?」
弁慶「渓、いいから黙って聞け。真ゲッターをエネルギーの増幅炉にして…… 真ドラゴンの最終兵器を使う!」
渓「最終兵器!?」
凱「大将! 無茶だ!! そんなことをしたら、真ゲッターは……」
竜馬「心配するな! ──オレたちが死ぬわきゃねぇだろ?」
凱「……竜馬さん……」
真ゲッター1のゲッター炉心からケーブルが伸びて、真ドラゴンに接続される。
隼人「力を貸してくれ、渓、凱!」
弁慶「みんなの意識を一つにして、號に託すんだ」
渓「親父……」
渓、しばし瞑目して──
渓「わかった! やってみる!!」
號「──行くぞ!!」
真ドラゴンから放たれるゲッターエネルギー光が、真ドラゴンを黄金に染め上げる。
竜馬「おお──っ!!」
隼人「うおおっ!!」
弁慶「ぬおお──っ!!」
凱「ああ──っ!!」
渓「うお──っ!!」
號「……シャァ──イン!!!」
六人「スパ────ク!!!!!」
1200万パワーの光の矢となった真ドラゴンが、時空の裂け目に飛び込む。
時空の裂け目の中に広がっていたのは、何もかもが真っ赤に染まった別次元の空間だった。
そこでは、真ドラゴンが豆粒に見えるほどに巨大な、無数のゲットマシンとインベーダーらしき怪物たちが睨み合っていた。
凱「な…… なんだ、こいつらは!?」
渓「これって、ゲッターロボ!?」
その中でもひときわ巨大な、ゲッター1の顔に酷似したゲットマシンの中には、竜馬にそっくりな男が乗っている。
男「待っていたぞ、ゲッターチーム」
真ゲッター1がついに限界を迎え、崩壊していく。
竜馬「……そうか。オレたちは……」
隼人「そうだ。この未来永劫の刻の狭間で戦うために……」
弁慶「ここから先はオレたちだけで十分だ。渓、お前たちは──」
そして、時空の裂け目は消滅した。
機能を停止し、骨格だけになった真ドラゴンが宇宙空間を漂っている。
その中で、“こちらの世界”に戻ってきた新ゲッターチームの三人が目を覚ます。
本当の太陽の光が、祝福するかのように彼らを照らしていた──。
最終更新:2020年08月10日 19:04