【あらすじ】
セイとレイジが第7回ガンプラバトル世界大会を制して7年。ヤジマ商事が旧PPSEからバトルシステムなどの業務・技術を引き継ぎ、ルール変更を経てガンプラバトルはさらに隆盛を続けている。
ガンダムとガンプラを愛する聖鳳学園ガンプラバトル部部長ホシノ・フミナは、一つ年下の幼馴染コウサカ・ユウマ、そして彼と同じクラスの転校生カミキ・セカイ共にチーム"トライ・ファイターズ"を結成し、廃部の危機を乗り越えた。
セカイは人機一体を身につけアシムレイトを自力で会得、ユウマは失っていたバトルへの情熱をもう一度呼び起こし、そしてフミナはチームリーダーとして二人を引っ張り、第13回全日本ガンプラバトル選手権全国大会の切符を掴んだ。
ニールセン・ラボでの合宿を経て、三人はパワーアップしたそれぞれのガンプラで激戦を勝ち進み、遂に迎えたガンプラ学園・チーム"ソレスタルスフィア"との決勝戦。
ユウマにバトルに対するトラウマを植え付けた修羅のような男、"デッドエンドのサガ"ことアドウ・サガ。ハイレベルな製作技術と美麗な操縦テクニックを兼ね備えた美少女、キジマ・シア。
そして彼女の兄でセカイをライバルと見定め、四代目メイジン・カワグチ襲名を目指すキジマ・ウィルフリッド。
戦いは熾烈を極めた。ユウマとアドウ、フミナとシアが差し違え、残ったセカイとウィルフリッドの一騎打ちは延長戦までもつれ込み、最後に勝ったのはセカイだった。トライ・ファイターズが、初出場で初優勝の栄冠に輝いた。
それから2か月後、ガンプラビルダーズ・コンテスト"メイジン杯"当日────。
雨降る廃墟の街のバトルステージ。
ザクアメイジングとケンプファーアメイジングが射撃戦を繰り広げる。
両者一歩も譲らず、射撃武器を撃ち尽くした後はすかさず接近戦に移行。
ヒートナタとビームサーベルで切り結び、最後は流派東方不敗の口上を思わせるようなポーズで拳をぶつけ合う。
そして雨が上がり、雲の間から陽が差し込む。
Battle ended.
ミライ「イベントに華を添えてくれた、三代目メイジン・カワグチ! 女流名人レディ・カワグチ! お二人のエキシビションガンプラバトルでした! 皆さん、盛大な拍手を!!」
ザクを駆ったメイジン、そしてケンプファーを駆ったレディに拍手喝采が起こる。
ミライ「それでは只今より、ガンプラビルダーズ・コンテスト…メイジン杯を開催致します!!」
メイジン杯の会場、ヤジマミュージアム。
経済特区知事特別賞を受賞した、トリコロールカラーに青いサイコフレームのユニコーンガンダム。
ガンダム試作1号機のバックパックにアルビオンの船体両サイドを装着した、経済技術省特別賞の"ガンダムアルビオン"。
ジムをベースに様々な機体をミキシングしてシャア・アズナブルに見立てた、新産業連合特別賞の"それゆけ!ボクらのシャア大佐"。
作品を冷ややかに見つめる、トシヤ・ノブヤ・カズヤのシキ3兄弟。
彼らの目の前には巨大MA・ラフレシアが。
トシヤ「作品がケースからはみ出てる……これを作った奴はバカだね」
カズヤ「ああ、バカだ」
ノブヤ「バカだね」
何と審査対象外になっていた。
男子トイレで誰かがくしゃみをする。カリマだった。
カリマ「…ふふん。またギャルたちが俺の噂をしてるな?」
ラフレシアは彼の作品だった。
ジュニア部門の展示場。
デスティニーインパルスを作ったのは、シモンの弟マモル。
マヒルとケイコがそれを褒める。
マヒル「これがマモルくんの作品…いい出来ですね」
ケイコ「wktkですわ」
マモル「今の僕にできる全てを注ぎ込んで作ったよ。でも、来年の選手権用に、もっと凄いガンプラを作るからね。兄さん」
シモン「ああ。楽しみにしてるぞ。マモル」
マモル「うん」
シモン「ところで、ギャン子は一緒じゃないのか?」
マヒル&ケイコ「?」
ケイコ「カオルコ様は、そ、その…」
マヒル「…後でいらっしゃると思いますわ」
シモン「?」
一般部門の展示場。
ユウマの製作したライトニングゼータガンダム。
ヤス「!? 何という出来栄え…! 製品版と全然スタイルが違ってる…ほとんどフルスクラッチじゃないですか? これ…」
スドウとヤスが見ていた。
スドウ「流石コウサカ・ユウマ…アーティスティックガンプラコンテスト優勝者の称号は、伊達じゃないな…」
隣の作品を見ていたスガとヨミ。
なぜかヨミが必死で笑いをこらえている。
スガ「部長さん、ご友人の作品が傑作だぜ?」
スドウ「おう。どれどれ…」
ヤス「心形流のサカイ・ミナトの作品ですね」
スドウ&ヤス「…!?」
スドウ「こ…これは…!」
二人に衝撃が走る。
ミナトの作品とは…。
一方その頃、外のハロのモニュメントの前で誰かを待っているフミナは…。
フミナ「…? ラルさーん!」
ラルさんとユウマが来た。
ラルさん「待たせてしまったかな」
フミナ「いえ、私も今来たばかりです」
ラルさん「…なら入るとしようか」
フミナ&ユウマ「はい」
三人は館内へ。
フミナ「ユウ君、セカイ君から連絡あった?」
ユウマ「いいえ。ありませんけど…」
フミナ「…」
授賞式のことを思い出す。
フミナ「…授賞式にも出ないで、いきなりいなくなるなんて…」
机の上のセカイからの書置きにはこうあった。
ユウマ「思い立ったら即行動に移す奴ですから…」
ラルさん「ああ、まるで風のような少年だ」
フミナ「風というより、嵐かも…あっ」
ラルさん&ユウマ「?」
ラルさん「すごい人手だな…」
ユウマ「展示作品を見たいなら、お先にどうぞ」
フミナ「ユウ君は見ないの?」
ユウマ「サカイ・ミナトに言われたんです」
~回想~
自宅のベランダで、ユウマがミナトと電話している。
ミナト「ユウマ。表彰式まで互いの作品は見んことにしようや」
電話の相手はミナト。
ユウマ「なぜだ?」
大阪・道頓堀。
ミナトは戎橋の欄干に寄りかかりながら通話していた。
ミナト「優勝はワイとお前の作品のどちらかや。なら、ドラマティックに行こうやないか! ええな? 絶対見んなよ?」
フミナ「あはは…サカイ君らしいね~」
「あの…」
フミナ「?」
声をかけたのは一人の女の子。
女の子「ホシノ・フミナさんですよね? チーム トライ・ファイターズの…」
フミナ「え、ええ…」
女の子「選手権の活躍見てました! わたしも自分だけのガンプラを作って、ホシノさんみたいなファイターになりたいと思います!」
フミナ「ありがとう。頑張ってね」
女の子「はい!」
笑顔で走り去っていく。
ユウマ「まるで、昔の僕たちみたいですね…」
フミナ「うん」
「久しぶりだな、トライ・ファイターズ」
フミナ&ユウマ「?」
ユウマ「宮里学院の…」
スドウ「作品、見せてもらった。いい出来だ」
ユウマ「ありがとうございます!」
黙っていたヨミとヤスが、フミナを見た途端吹き出し笑いをする。
フミナ「えっ? な…何ですか? 私の顔に、何かついてますか?」
頬に手を当てる。
ヨミ「ううん…」
ヤス「何でも…」
フミナ「!?」
その時、ざわめきが聞こえてきた。
フミナ「…」
観客一同がフミナに注目し、噂話をしている。
フミナ「な…何~!?」
授賞式会場。
ミライ「間もなく、メイジン杯の授賞式を行います」
ミナト「来おったな、コウサカ・ユウマ!」
ユウマ「サカイ・ミナト…約束通り作品は見ていない」
先程の件でフミナはどんよりしていた…。
ミナト「それでええ…さあ、白黒つけよか!」
ユウマ「ああ」
ミライ「お待たせしました。ただ今より、ガンブラビルダーズ・コンテスト メイジン杯の、表彰式を行います!」
照明が落ち、色とりどりのレーザー光線が会場を彩る。
期待に胸を躍らせる出場者たち。
そして、再び照明が付く。
ミライ「まずは、ジュニアコースの発表です。プレゼンターのレディ・カワグチさん、よろしくお願いします!」
マモルの肩を抱くシモン。マモルもそれに笑って応える。
レディ「メイジン杯、ジュニアコースのチャンピオンは…」
シモン「マモルの名前を呼べ…マモルを…!」
レディ「エントリーナンバー5番! サザキ・タテオ君の作品! "ギャン"です!!」
オリジナルのビームランスを装備し、シルバーを基調に塗り替えられたギャン。
落胆するマモルを見遣るシモン、そしてマヒルとケイコ。
シモン「…サザキ?」
ラルさん「あのギャン…」
フミナ「もしかして…」
「キャー!!」
フミナ&ラルさん「!?」
弟の優勝に大喜びのギャン子ことカオルコ。
ギャン子「やったわタテオ~!! チャンピオンよ~!!」
タテオ「…当然だよギャン子姉さん」
キザな仕草で前髪をかき上げる。
シモン&ユウマ&ラルさん&ミナト「弟だぁ!?」フミナ「弟!?」
ユウマ「サザキ家には何人兄弟がいるんだ?」
レディからトロフィーを受け取り、それを掲げ嬉々として見せびらかすタテオ。
フミナ「あの子の下に、さらに美形の弟がいるらしいわ…」
ミナト「なんやそれザビ家やんか!」
ミライ「サザキ君、受賞のお言葉、聞かせてもらえますか?」
タテオ「僕の優勝は当然ですが、中々いい作品もありました! イズナ・マモル君!」
壇の下のマモルを指差す。
マモル「え!?」
タテオ「君は…僕のライバルだ!!」
マモル「!」
シモン「友達ができそうだな」
マモル「うん!」
ミライ「続きまして、オープンコースの発表です。プレゼンターのメイジン・カワグチさん、よろしくお願いします!」
懐からカードを出す。
メイジン「メイジン杯、オープンコースのチャンピオンは!」
ミナト「…来い! エントリーナンバー9番…9番やで…! 頼むでメイジン…!!」
メイジン「エントリーナンバー…9!」
ミナト「やったでぇぇぇ!! ワイの勝ちやぁぁぁ!!」
メイジン「!? 失礼!!」
カードをよく見ると、9と6が逆になっていたようだ。
メイジン「エントリーナンバー6番!! コウサカ・ユウマ、ライトニングゼータガンダム!!」
ミナト、ショックの余り石化。
ミライ「コウサカ・ユウマさん、どうぞ壇上へお越し下さい!」
そして目の前をユウマが通り過ぎた後、風に吹かれて塵になってしまう。
メイジン「おめでとうコウサカ君!」
トロフィーを受け取るユウマ。
ユウマ「ありがとうございます」
メイジン「選手権に続きメイジン杯までも…よくぞここまで精進した」
ユウマ「エールの言葉を送られましたから」
メイジン「…」
フミナ「ユウ君おめでとー!」
ラルさん「流石ユウマ君だ」
「優勝したのか!」
背後に誰かが…。
フミナ「うん! …?」
振り返るフミナ。
何とセカイが帰って来ていた。
フミナ「セカイ君!?」
鼻をこすって照れ臭そうに笑うセカイ。
フミナ「い、今までどうしてたの!?」
セカイ「書置きにあったでしょ? 修行に行くって」
フミナ「…心配したんだから! もう、戻ってこないんじゃないかって、思って…」
セカイ「戻って来るに決まってるじゃないですか! 俺はここで、先輩とユウマと一緒に、ガンプラバトルをやるんです!」
フミナ「…うん」
ラルさん「…ああ、尻が…」
尻を掻いている。相変わらずラブコメっぽい空気が苦手なようだ。
ミライ「コウサカさん、受賞のスピーチを…」
「異議あり!!」
ユウマ&メイジン&レディ&ミライ「?」
ミナト「異議あり!! 異議あり!! 異議ありや!!」
ポケットに手を突っ込み、怒りながら壇上に上がるミナト。
ミナト「何でワイやのうてユウマがチャンピオンなんや! メイジン!! あんたの目節穴ちゃうんか!?」
メイジン「厳正に審査したつもりだ」
ミナト「ならワイの作品のはずや!!」
ユウマ「ミナト、お前どんな作品を作ったんだ?」
ミナト「ああ、見せたろうやんけ! 自分の気持ちに素直に、心のままに作った! ワイの、最高傑作を!!」
驚く観客。
ユウマ「!?」
ミライ「!?」
シモン「!?」
ケイコ&マヒル「!?」
シキ3兄弟「!?」
呆然と見つめるラルさんとフミナ。逆にセカイは平然としていた。
その作品とは何と、メイド服風のスーツの上にパワードジムカーディガンを模した武装を纏った、MS少女風のフミナだった。
セカイ「あれ…先輩ですよね?」
ショックの余り真っ白なフミナ。
フミナ「な…な…なな…何よあれぇぇぇぇ!!?」
ハロのモニュメントが傾く。
ミナト「これぞ! ワイの最高傑作!! "すーぱーふみな"やぁっ!!!」
ユウマ「いつの間に…」
ミナト「見んかいこの造形美を! 角度で影付けが変わるアニメ塗りの塗装! ほとんど見えない関節の分割稼動部!! 超極細繊維の髪の毛は、フサフサでサラサラ!!」
ポニーテールが風になびく。
ミナト「胴体部には軟質樹脂を使ってフニフニプニプニ!! 何と、目パチまでするんやで~!!」
自身も目パチ。しかし…。
ミナト「…!」
背後には怒り心頭のフミナが。
フミナ「…あなた…何てモノを作ってるのよ!!」
ミナト「ええ出来やろ~? 実際のフミナちゃんよりも、ウエストを1割ほど減らしとんのがキモやで」
フミナ「おバカァァァァァァ!!!」
ミナト「メイジン!!」
フミナ「!」
ミナト「この素晴らしい作品のどこがダメなんか、はっきり言うてもらえまっか!?」
メイジン「サカイ君。ガンプラは自由だ。無限の可能性を秘めている…だが人として最低限のルールはある! 本人の許可を取っておらんとは言語道断!!」
フミナが泣いている。
ミナト「せやけど…」
メイジン「あくまでジャッジを認めぬか…」
レディ「なら…ユウマ君と決着を」
メイジン「ああ、そうだな」
レディ&メイジン「ガンプラバトルで!!」
Wメイジンの足元にバトルシステムが現れ、照明が落ちる。
GUNPLA Battle combat mode, start up.
Wメイジンのいる部分を中心にせり上がっていき、さらに観客の足元もバトルシステムに変わる。
Model damage level set to C.
Please set your GP Base.
ミナト「やるでぇ! ユウマ!!」
ユウマ「仕方無いな!」
フミナ「やめて! その機体で戦わないで~!!」
Beginning plavsky particle dispersal.
Field,1:Space.
バトルフィールドは宇宙空間。
Please set your GUNPLA.
システムにライトニングZ、そしてすーぱーふみながセットされる。
すーぱーふみな「うふっ☆」
ウインクする。
Battle start.
ユウマ「コウサカ・ユウマ、ライトニングゼータガンダム!」
ミナト「サカイ・ミナト! すーぱーふみな!!」
ユウマ「行きます!!」
ミナト「行くでぇぇ!!」
フミナ「…動くとますます嫌ぁぁぁ!!」
ミナト「…へへ…ユウマ! 自分にワイのガンプラが撃てるか!? こんなに可愛いすーぱーふみなを!!」
次々に可愛らしいポーズを決めながら挑発する。
フミナ「やめて~!! 変なポーズとらせないで~!!」
ステージの端にかじりつくヤス。座り込んで観戦しているスガ、ウヅキ、コシバ。
フミナ「下から覗かないで!!」
四人「!」
ヨミが背後からスガにスリーパーホールドをかける。
ライトニングZのビーム攻撃をかわし、分離させたシールドで防御するすーぱーふみな。
ミナト「ちなみに、被弾したらキャストオフするで~!!」
フミナ「絶対に戦わないで!!」
「大丈夫ですよ、先輩!」
フミナ&ミナト「?」
そこに現れたのは、トライバーニングとも違うセカイの新たなガンプラだった。
腰の後に下げた刀。左肩アーマーに浮かぶ「神」の文字。
セカイ「俺が取り押さえます!!」
ミナト「何やあのガンプラ!?」
ユウマ「トライバーニングじゃない!?」
フミナ「セカイ君、このガンプラは?」
セカイ「修行中に作ったんです! 俺が考え、俺が作った、俺だけのオリジナルガンプラ! その名も…"カミキバーニングガンダム"だぁっ!!」
トシヤ「自分の名前を付けてる…」
ノブヤ「お子様だね」
カズヤ「うん」
フミナ「初心者だったセカイ君があんなすごいガンプラを!?」
ギャン子「色を塗るどころか改造まで!」
「いい出来でしょ?」
フミナの隣に来たのは…。
ギャン子「まさか!」
フミナ「セカイ君が修行した相手って…」
シアだった。
シア「…うふっ」
すーぱーふみながエプロンのポケットからキャンディの包みを取り出して手のひらに載せ、息を吹きかけて飛ばすと、SDフミナのダミーバルーンが飛び出す。
それを払いのけて接近するカミキバーニング。
セカイ「こら! 大人しくしろ!!」
ミナト「いやや~! あっか~ん!!」
セカイ「…ん?」
突然何かが飛んで来る。
セカイ「攻撃!?」
かわすカミキバーニング。
攻撃の正体はスターウイニングガンダムのスタークロスと、R・ギャギャのシールドだった。
フミナ「セカイ君! どうしてキジマ・シアさんにガンプラ作りを教わったの!?」
ギャン子「私だって! フミナさんだっているでしょ!?」
セカイ「…それは、みんなを脅かそうと思って…」
フミナ&ギャン子「そんなサプライズはいらないの!!」
両機がスタークロスとシールドを同時に投げつける。
セカイ「え!?」
カミキバーニングの前にG-ポータントが現れ、粒子変容フィールドで攻撃を弾く。
シア「大丈夫? セカイ」
セカイ「あ、ああ。ありがとう」
ギャン子「ムキーッ!!」
フミナ「ムカつくぅ~!!」
嫉妬のオーラを纏ったR・ギャギャ、そしてスターウイニング。
タテオ「フン! ギャン子姉さんを泣かせるヤツは! このギャンが許さないぞぉ~!!」
ギャンの放つシールドミサイルを分散して回避するカミキバーニングとG-ポータント。
タテオ「待てー!!」
ギャンの追撃をかわすカミキバーニング。
スドウ「楽しそうだな…」
スガ「ああ!」
ヨミ「あたしもやる!」
ヤス「僕も!」
トシヤ「行こう!」
カズヤ&ノブヤ「うん!」
マヒル「カオルコ様をお助けですわ!」
ケイコ「合点承知ですわ!」
マモル「兄さん!」
シモン「ああ!」
観客「俺らも加わろうぜ!」「私もやる!」「私も!」「私たちも!」「おう!!」
次々出撃し、バトルを始める観客のガンプラ。
カリマのラフレシアも遅れて出撃。
カリマ「人が便秘で苦しんでいる間に表彰式が終わり、しかも!! 俺がチャンピオンになっていないとは、どういうことだぁ!?」
ラフレシアが花弁部分を広げ、バグを射出。
回避するヤスのパーフェクトジオング、そしてビームライフルで撃ち落とすヨミのアメジストVガンダム。
ヨミ「バグ?!」
ヤス「設定では、ラフレシアに搭載されていないはず!」
観客のガンプラたちも、バグの無差別攻撃を回避。
カリマ「ふははははは!! 落ちろ!! 落ちろぉっ!!」
シモン「勝手なことを!!」
シモンのデスティニーインパルスが、エクスカリバーをアンビデクストラスフォームにしてバグを切り払う。
ヨミ「言ってんじゃないわよ!!」
アメジストVも負けじとバグを撃墜。
ヘビーガンに迫るバグ。一機目をかわし、続く二機目をシールド防御したが、体勢を崩てしまう。
そこに現れた三機目をそれゆけ!ボクらのシャア大佐のランスが落とす。続けてバズーカを発射。
ユニコーンガンダムのビームマグナムとガンダムアルビオンの一斉射撃が、次々にバグを撃破。
カリマ「そんな! 俺の渾身の作品が!」
トシヤ「誰か知りませんが、あなたの行為は無粋ですよ」
カリマ「だから~!!」
金色のボディに生まれ変わったスナイバル・ドラゴ・ギラ。
中央の首から放たれたビームがラフレシアを貫通。
カリマ「俺は!! 神奈川本牧学園の!!」
ファンネル・ミサイルを展開し、ビームライフルとミサイルを斉射するΞガンダム。
カリマ「カリマ・ケイだってぇっ!!」
全弾命中しラフレシアが大破。
爆発を見つめる観客のガンプラ、そしてライトニングZとすーぱーふみな。
ミナト「ワイら、完全に蚊帳の外やんか…」
ユウマ「はは…」
「コウサカ君!」
振り返る二機。
ユウマ「ミライさん!?」
バグから必死に逃げ惑うミライの白いプチッガイ。
ミライ「た、助けて!!」
フライングアーマーを両腕に装着、その間にシールドをセットするライトニングZ。
プチッガイに大挙して襲い掛かるバグ。
それに対し、ライトニングZが火の鳥を象ったビーム"フェニックスバースト"を放ってバグを殲滅。救出成功。
ユウマ「どうしてバトルに?」
ミライ「だって…楽しそうだったから、つい…」
ユウマ「そうですね、楽しいですよね…あっちは、修羅場ですけど…」
スターウイニングの斬撃をかわすカミキバーニング。
振り下ろされたメガブレードを白刃取りする。
セカイ「せ、先輩! 本気でやりすぎ…」
フミナ「答えなさいセカイ君!! キジマ・シアさんとはどういう関係なの!?」
セカイ「と、友達ですよぉ!」
シア「セカイってば、恥ずかしがり屋さん」
ハートマークを飛ばすG-ポータント。
ギャン子「余裕ぶってぇ~!!」
R・ギャギャの斬撃をGNピアスソードで止めるG-ポータント。
ギャン子「ただの友達のくせに!!」
無言のシア。
その時、警告音が鳴る。
シア&ギャン子「?」
凄まじい速度で空間を駆け抜ける真紅の光。
そして爆発の中に「SK」の文字が浮かぶ。
セカイ「な、何だ?」
爆発を背に現われたのは…メイジンのアメイジングレッドウォーリア。
メイジン「見ているだけでは物足りん!! 私もやらせて頂く!!」
シモン&ヤス&ヨミ&セカイ&ユウマ&ミナト&マヒル&ケイコ&ギャン子&フミナ「メイジン・カワグチ!?」
フミナ「どうして?」
ギャン子「大人気ないわ!」
メイジン「童心に帰ったと…言ってもらおう!!」
急接近するアメイジングレッドウォーリア。
一同「え~!?」
そこに青いMSが割り込み、アメイジングレッドウォーリアと切り結ぶ。
ラルさん「空気を読まんかメイジン!!」
メイジン「!? …ラル大尉のドムR35!」
ラルさん「私はセカイ君たちの関係がどうなるか気になってる! 邪魔をしないでもらおうか!!」
メイジン「何と大人気ない!!」
離れて間合いをとる両機。
すかさず胸部ミサイルとバズーカを発射するアメイジングレッドウォーリア。
ドムR35も、ヒートソードの刃を消して発振部を握り、多目的シールドを射撃形態に変形させビームを発射。それを抜けてきたミサイルをもう片方のシールドで防御。
そして、左側のシールドのスパイク部を拳の正面に向け格闘戦形態にして突っ込む。
アメイジング・レッドウォーリアも同じく突っ込んでいく。
両機は赤と青の光となって何度もぶつかり合い、そして切り結ぶ。
メイジン「はぁぁぁぁぁっ!!」
ラルさん「はぁぁぁぁぁっ!!」
その体勢のまま回転し、2重螺旋を描きつつ宇宙を駆ける。
先程までの痴話喧嘩も忘れ、呆然と見つめるカミキバーニングとスターウイニング。
セカイ「や…やり過ぎ…」
「ホシノさん」
そこに現れた真紅のSDガンダム。
フミナ「レディさん」
レディのガンプラ、紅武者アメイジング。
アイガードが上がり、SD特有の両眼が露わになる。
レディ「約束を守るわ…かかってきなさい」
フミナ「はい!」
シア「私もレディさんとやりたい!」
ギャン子「私だって!!」
切り合う紅武者アメイジングとスターウイニング。
レディ「いいわよ。まとめていらっしゃい!」
スターウイニング、G-ポータント、R・ギャギャが紅武者アメイジングを追って飛ぶ。
セカイ「…ん?」
呆然としていたところに警告音。
「相手してくれよ、カミキ・セカイ!」
前方に現われたのはガンダムレオパルド・ダ・ヴィンチ。
セカイ「スガ・アキラか…!」
スガ「一度サシでやりたかったんだ」
セカイ「ああ! 俺もだ!!」
スガ「行くぜ!!」
右肩からミサイルを放つレオパルド・ダ・ヴィンチ。
カミキバーニングも腰の刀を抜き、炎を纏った斬撃でミサイルを切り払う。
爆煙を抜けて突っ込んでくるカミキバーニングに、レオパルド・ダ・ヴィンチがビームライフルとガトリングを斉射。
そして回避して懐に飛びこんだカミキバーニングの突きを左腕で止める。
スガ「あっははははは!! 楽しいよなぁ!! ガンプラバトルは!!」
レオパルド・ダ・ヴィンチを追うカミキバーニング。
セカイ「…後悔してる…もっと早くガンプラと出会っていたら、俺は…!」
「うらやましいよ」
セカイ「ん?」
ライトニングZが追いつく。
ユウマ「お前は初心者だから、どんなことにでも、発見や驚きを味わうことができる。その感動は、今のお前にしか持てない大切なものだ」
セカイ「ユウマ…」
「セカイ君」
セカイ「ん?」
スターウイニングも来た。
フミナ「私たちの目標は、はるか遠くにあるわ」
はるか向こうの銀河の中に、ひときわ明るく輝く星が見える。
フミナ「一緒に進んでいきましょう! 私たち三人で!!」
セカイ「先輩…!」
ユウマ「僕たちなら、なれるさ!!」
フミナ「最高のビルドファイターに!!」
アシムレイトするセカイ。
セカイ「了解!! 神樹ガンプラ流・奥義!!」
カミキバーニングのバックパックから6本の粒子が放出され、日輪のような光背を形成する。
セカイ「鳳凰!! 覇王けぇぇぇん!!!」
神樹ガンプラ流…セカイが次元覇王流をガンプラバトル用に昇華した新流派。
星めがけて放たれた火の鳥が彼方へ向かって飛び、粒子がはじけて広がる。
そして、三人は手を繋いで光に向かって飛んでいく。
それから時は流れ、春になっていた。
ガンプラバトル部部室の窓に新入部員受付の張り紙がある。
フミナの目の前にはユウマの前に詰めかけた大量の女子生徒たちが。男子も何人かいた。
困惑するユウマ。そして大量の入部希望者に喜ぶフミナ。
グラビアの撮影現場。
セーラー風のベアッガイの着ぐるみを囲む水着姿のミライとサトミ。
それを見つめるヒビキとカリン。カリンの出産は無事に終わり、水着姿で赤ちゃんを抱いている。 ズゴックTシャツを着た長男も一緒だ。
公園のベンチで、ガンプラを並べて見せ合うマモルとタテオ。
ブランコからそれを見ているギャン子とシモン。
スガの車の助手席で、その乱暴運転に引きつった顔のヨミ。
一方のスガは上機嫌。
高速道路をフラフラ運転。
自室で製作に勤しむスドウ。
京都・ガンプラ心形流総本山。
珍庵師匠の元、今日も製作に励む3人の弟子たち。
トライオン3の補修に余念が無いミナト。
とある病院。右手のレントゲン写真。
主治医の下で診察を受けるアドウと、それを見守るアラン監督。
ヘルシンキ・ヴァンター空港。
留学のためにフィンランドにやって来たキジマ兄妹を出迎えるルーカス。
ギアナ高地。
修行に来たジュンヤが礼をする。
その先の崖から太陽を見ていた、ドモン・カッシュにそっくりな師匠が振り返る。
再び聖鳳学園。
屋上で昼寝をしているセカイ。
バトル部の棚に並ぶガンプラ、そして世界大会優勝カップ。
その前に並んだライトニングFb、トライバーニング、スターウイニング。
アナウンス「これより、ヤジマ商事主催、全日本ガンプラバトル選手権、西東京予選大会を開催します!」
観客席から見守るイズナ兄弟とチーム北宋の壺。タテオも一緒だ。
フミナ「セカイ君、ユウ君、言わなくても分かっているわよね!?」
ユウマ「もちろんです! 僕たちは!!」
セカイ「チャレンジャーだ!!」
フミナ「うん! 行くわよ!! チーム トライ・ファイターズ!!」
フミナ&セカイ&ユウマ「ゴー!! ファイッ!!」
三人が拳を高く掲げる。
最終更新:2016年08月17日 17:24