現状に不満を持つ者達を集めて数だけは揃っていたようだが、瞬く間に鎮圧され豪族らは追われる身に。
そして命からがら大陸を南下し、決死の覚悟で
サイレヌス海を渡り、ようやく西桜の北の沖にある小さな無人島へと辿り着く。
この頃には既に千人未満の集団であったが、安住の地を見つけたりとこの島を勝手に国としたのである。
しかし未開の無人島には何も無く、一から開拓する術も知らない。
そこで近くを通りかかった薫桜国の
漁師に支援を求める書簡を渡し、それがお上の手に渡った。
そんな憐れな彼等を最初は寛大な心を持って付き合っていた光道。
だが次第に薫桜を冊封国かのように扱う態度が目立ち始め、無茶な要求や命令口調の催促についには無視を決めこむ事に。
薫桜側のこの対処に豪族改め『皇帝』は大激怒。
愚か者に懲罰を与えると言いだして、西桜を強襲し略奪を行うべく出撃する。
だが不幸にも、彼等の上陸した場所は西桜の北端である
墨染墓石群…。
彼等はここで引き返せばよかった。
だがなんとこの皇帝、この地を支配する『
ヨモツマガツチノミコト』の存在を知るなり子分になるように書簡を送りつけたのである。
ヨモツマガツチノミコトも最初は此方を怒らせ判断を誤らせる作戦か何らかの外交術かもと深読みしたが、幾度かのやり取りの末に相手がただの『身の程知らずの馬鹿』であると理解した。
結果として、哀れな皇帝とそれを戴く国は屍竜将軍の魔法によって小さな無人島ごと姿を消す事となったのである。
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最終更新:2024年08月19日 06:33