クリオック族内においても一際突出した好戦的な性質の持ち主。
破壊衝動に飢えており、商会の下で『より凶暴に暴れられる為の研究』という名目で様々な商品を開発。
ブラックシープ商会の秘密兵器たる
デビルゴブリンを生み出す危険薬物『
獄界への招待状』を作ったのも他ならぬ彼である。
研究職ではあるが強靭な脚力で屋内を跳び回り、相手が目で追いきれない程の速度で蹴り続ける戦法を得意としていたようだ。
『ブラックシープ商会討伐作戦』においては戦場と化した
アジトに危機感を持つどころか、自らが待ち望んだ闘争の瞬間が来たと大興奮。
研究室近辺の警護に当てられていた
用心棒と共に無数のデビルゴブリン達を従え、城内を駆けあがってきた
ジークルーン率いる
グリル帝国の兵士達を迎え撃った。
ジークルーンをローゼ・ベルに任せて一般兵達をデビルゴブリンと共に圧倒している最中、遅れてやって来た
剣闘士アレクサンドラが参戦。
剣一本でデビルゴブリン達を切り倒していくアレクサンドラに対し、ギロスは床や天井を跳ね回りながら襲い掛かる。
目視すらも難しい速度の攻撃であったがアレクサンドラはその攻撃全てを紙一重で見切り、返す刀でギロスの肩口に一撃を叩き込んだ。
だがギロスは興奮気味に笑うと“
原種覚醒”を発動、同時に手元にあった『獄界への招待状』を全て自分へと投与したのである。
肉体は膨張し、魔物の如くな体躯の巨大コオロギと化すギロス。
そして理性の無い咆哮と共に跳躍すると、周囲のデビルゴブリンを踏み潰しながら石壁や天井を破壊しつつ城の中庭へと飛び出した。
崩落する研究所の瓦礫によってジークルーンとローゼの戦闘は中断。
双方悪態をつきつつも混乱に乗じてローゼは戦場を離脱、取り逃がしてしまったようだ。
暴れ狂いながら古城の壁という壁を足場に飛び跳ねるギロス。
瓦礫から這い出たジークルーンを押し潰さんとしたその寸前、
一本の蔓がジークルーンの腰に巻き付き空中に引っ張られると同時、ギロスの眼前に放り投げられた爆弾が爆発する。
駆けつけた
タムリンが間一髪でジークルーンを救ったのだ。
ボムブレスを喰らい動きが止まったその瞬間にアレクサンドラが足の一本を斬り落とし、更に城の上空で戦っていた
ヴュルガー夫婦も加わっての一斉攻撃。
トドメにジークルーンが振り下ろした大剣によって頭を叩き割られ、遂にギロスは絶命した。
死体は獄界への招待状の副作用によって黒い灰となり、跡形もなく崩れ去ったと言う。
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最終更新:2024年06月02日 22:37