マモット様

薫桜ノ皇国のとある寒村にて"守り神"として扱われる存在。
マモット様と呼ばれるそれは全高およそ10メートル、愛嬌すら感じられる表情を持つ"丸い像"である。
山の中腹にある巨大な祠に『御神体』として大切にされており、村人達の手により清掃が行われているようだ。

伝承では『昔、この地に黒い化け物がやってきた。村の娘がマモット様に祈りを捧げるとたちまち巨大な魔神となり黒い化け物を打倒した』というものがある。

『マモット様』という名称であるが、『守り人様』がなまって『マモット様』になったという事も判明している。

…この神様、やっぱり?



昔な、この桜の国がまだたくさんの国に分かれていた頃の話だ。
国同士で争ったりするのが普通だった頃、この国に突然どこからともなく黒い化け物がやってきた。
そいつは山程もある巨大な化け物で、全身から毒を放っていて近づくだけで死んじまうんだ。
そんな化け物、どうやって倒せばいいかと村人、いや、国の者全てが悩んでいた。

そんなある日な、この村で巫女をやっていた娘が、昔から天気を思うように変えたり雷や炎を扱ったりと不思議な娘だったんだが、その娘が山の中の神様に祈りを捧げたんだ。
そうするとな、丸っこくて大きな神様がたちまち山をひとまたぎする程もある背丈のでっかい魔神に変わっちまったんだ。

そしてその神様は黒い化け物と七日七晩に渡って戦い続けて、ついにその化け物を追っ払ったんだ、
戦いに疲れたんだろうな、その神様は山の中に戻ってまたあの丸っこい姿に戻ったんだ。
戻る前にその神様はな、「あの化け物のようなものはいつかまたやってくるだろう、そうしたら私を眠りから覚ませ」と言って寝ちまった。

だからオラ達はな、万が一のときにいつでも神様が元気に戦えるようにこうやって掃除したりお祭りしたりしてるんだよ。

村の伝承より-


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最終更新:2022年06月07日 11:02