「……派手にやってくれたもんだ」

灼けつくような陽光が、黒塗りの外壁に熱を跳ね返すように反射していた。
不気味な静けさの中に、異様な存在感を放つ巨大施設――ブラックペンタゴン。

欧州の裏社会を統べ、いまや世界の支配に手を伸ばさんとする闇の皇帝――ルーサー・キング。
その男は、施設の北西入口にたどり着いていた。

軽くくゆらせた煙草の先が、熱風に揺れて赤く瞬く。
キングは険しい目つきで、眼前の光景を見据えた。

崩れた出入口――それは、明らかに内側からの爆破によって破壊されたものだった。
キングは煙草を咥えたまま、足元のコンクリ片を軽く蹴る。
破片が乾いた音を立てて転がった。

その破壊を誰がやったのか、キングには思い当たる節がある。
朝方、草原で出会った享楽の爆弾魔――ギャル・ギュネス・ギョローレン。

別れ際、彼女はサムライを追ってブラックペンタゴンへ向かっていた。
位置関係からすれば、この北西入口こそ彼女が選ぶ突入地点だろう。

奴ならやりかねない。
能力的にも、性格的にも。
この程度の爆破は、まさに朝飯前といったところだろう。

煤と鉄の匂いはもう薄れ、瓦礫の角は乾ききっている。爆破から数時間は経過していると見ていいだろう。
恐らくキングと別れてからすぐに実行したのだろう、昔から思い切りの良さだけは群を抜いていた。

「相変わらずだな、爆発狂め」

まるで爆発そのものを感情にしたかのような、暴走列車のような女。
それがキングのギャルに対する評価である。

投げ捨てた煙草を靴の踵で踏み潰す。
運営による入口の封鎖が行われたのか、これでは判別不可能である。
その仕草に怒りはない。ただ、いつものことだという呆れがあった。

視線を南へ移す。崩れた北西口はもはや使えない。
残る侵入ルートは、南東か南の二択。
現在位置から南の玄関口へ向かうのが筋だろう。

漆黒のスーツの裾を翻し、キングは歩き出した。
瓦礫を踏み越え、再び照りつける太陽の下を南へ向けて。

キングは黒い外壁に沿って、ゆっくりと南下を続ける。
歩きながら、ふと思いついたように指を鳴らし、超力で鋼鉄の槌を生成する。
そして、無言のまま、それを壁面へと叩きつけた。

――しかし、まるで手応えがない。
黒光りする外壁には、ヒビひとつすら残っていない。
槌は触れた先が溶けるように霧散している。

「……システムA、か」

低く呟き、目を細める。
ブラックペンタゴンの外壁には、超力対策の絶対防壁が張り巡らされていた。

超力による攻撃を一切通さず、発動後の物質すら触れた瞬間にキャンセルする。
つまり、超力で生成した武器や弾丸は壁に触れた時点で消え失せる。
破壊どころか干渉すら許されない。
発動自体を封じる枷型の子機とは異なる防壁型の仕様だ。

ハヤトに使用権を与えられていた時点で『システムA』がこの孤島にある事は分かりきっていた。
チンピラ一人を小間使いにするために、こんな孤島に新たなシステムをわざわざ配備するとは考えにくい。
むしろ、元から用意していたシステムを流用したと考える方が自然だろう。

システムAの発動には、親機となる中枢装置が不可欠だ。
順当に考えれば、このブラックペンタゴンそのものが『中枢』ということになるだろう。
もっとも、あの看守長がそんな単純な設計をするとも思えないが、これに関しては考えたところで仕方がない話である。

少なくとも、この外壁は超力による破壊は不可能。
この壁を破壊するには、超力に頼らない純粋な物理攻撃が必要となる。
だが、一見しただけでも外壁の単純な硬度と分厚さは尋常ではない。
素手でこれ程の分厚い壁を破るのは、あの烈女でも不可能だろう。

重要施設にこの程度の備えがあるのは当然だ。
あの看守長が、その部分で手抜かるとは思えない。
そう当然の施策だが、見方によっては超力者を閉じ込める檻そのものでもある。

黒き五角形の輪郭をなぞるように歩きながら、ルーサー・キングは思索を続けていた。
そして、いつの間にかその足は南端へと辿り着いていた。
そこにあるのは――北西入口よりも一回り大きいブラックペンタゴンの正面玄関。

漆黒の外壁に鋭く縁取られた、威圧的な出入口を前に、キングは足を止める。
しばしの沈黙。その沈黙には考えを整理するような意味合いはあったのかもしれない。

「……何もなし、か。予想が外れたな」

誰に聞かせるでもなく、独り言のように呟く。
外れたのは、事前に立てていた二つの予測である。

一つ目は、禁止エリアの発動について。
キングは、ブラックペンタゴン全体が禁止エリアに指定される事を想定していた。
すなわち、内部に侵入した者を閉じ込めるための罠が仕掛けられている可能性だ。

だが、今現在、第二放送からすでに二時間以上が経過している。
にもかかわらず、施設と同じエリアに立っていても、警告音は一切鳴らない。

もちろん、猶予時間が変更された可能性もある。
だが、少なくとも今の時点では、ブラックペンタゴンは禁止エリアではない、この一点は事実だ。
施設全体を囚人たちを閉じ込める罠とする可能性は低下したと見るべきだろう。

二つ目は、道中で誰とも遭遇しなかったこと。

奇妙なほどに、人気がない。
この事実をどう捉えるべきか。

放送を聞き逃したため正確な数は把握できていないが、生存者はせいぜい20人前後と踏んでいる。
数は少ないとはいえ、小さな島だ。誰一人として視界にすら入らないと言うのは、やや不自然に感じられる。

道中、外壁への攻撃という目立つ動作を敢えて見せたのもその確認のためである。
あれは『システムA』の挙動を確かめる意図もあったが、周囲の反応を見るための撒き餌でもあった。

だが、返ってきたのは沈黙のみ。
人の気配は感じられなかった。

もちろん、偶然である可能性も否定できない。
だが、もしこの沈黙に偶然以外の必然性があるとするならば。
それはつまり、既に多くの受刑者がこの施設へと突入しているということだ。

「……よほど、考えなしばっかりなのかねぇ」

吐き捨てるように呟いたが、侮蔑の響きはなかった。
ただ、困惑と、やや皮肉めいた感嘆が込められている。

これ程目立つランドマークだ、ある程度の人間は集まっているのは予想していた。
だが、これほどの罠の気配を漂わせる施設に、恐れもせず突っ込んでいった愚者たちがそこまでいようとは思いもよらなかった。
しかし、それを愚かと一蹴できないだけの合理性が、このブラックペンタゴンにはある。

ここは、最も効率の良い地獄。
情報、物資、秘密、人材、恩赦、そしておそらく真実までも。
ここは全てが一点に集中するまさに渦の中心だ。
命を賭けてでも突入すべきだけの価値が、ここにはあるのだろう。

問題は――自分も、その地獄に身を投じるべきか否か、という一点。

情報は欲しい。
誰が生きていて、誰が死んでいるのか。
どこに火種があり、どこが不発だったのか。
情報収集と言う一点においては、人が集まる鉄火場に突入するのがベストなのだろう。

中に誰がいるかは分からないが、少なくともギャルがいるはずだ。
入りさえすれば情報収集のあてはある。
無駄な脅しや取引の手間が省けると言うのは大きい。

だが、入れば戻れない可能性がある。
何かしらの致命的な罠が待ち構えていることも、ほぼ間違いない。
それが、いつ・どこで・どう発動するのか――それが分からない。

状況は進行中、刻一刻と動いている。
あらゆる選択肢を吟味するには、情報が足りない。
そして、その情報を得るためには――中に入るしかない。

「……やれやれ。つくづく因果なもんだ」

情報を最も重んじ、武器としてきた男が今まさに、情報の欠如という最大のハンデに振り回されている。
すべては、小娘たちの計略によりあの放送を聞き逃した一瞬の失策から始まった。

あの時の立ち回りは見事だった、少女たちにしてやられたことを認める。
キングは誰よりも結果を重んじる男だ。失敗した己に言い訳などしない。
だからこそ、その落ち度を取り戻す必要がある。

そして、スーツの襟を正す。
その仕草は、これから向かう地獄に対する正装のようでもあった。

「さて――行くとするか」

短く呟き、ルーサー・キングは歩を進めた。
正面玄関の扉は、鍵がかかっているわけでも、閉ざされているわけでもなかった。
それでも、そこを越えるには覚悟が要る。

その扉を、彼は迷いなく押し開ける。
そして、自ら混沌と死の渦中――ブラックペンタゴンへと、足を踏み入れた。


ブラックペンタゴンに足を踏み入れるルーサー・キングの姿を、ひとつの影が静かに見つめていた。

真昼の強烈な日差しの下、かろうじて生まれたわずかな陰。
岩と雑草が層をなす小丘の段差に伏せるようにしてバルタザール・デリージュは潜んでいた。

身体を斜めに構え、残された右腕で鎖の先端を静かに握る。
視線はわずかに上向き、正面入口を正確に捉えていた。

この場所は、ブラックペンタゴン正面に存在する死角だった。
緩やかな斜面が視線を遮り、出入口に出入りする者からは見えにくい。
さらにバルタザールは、周囲の草木や瓦礫を利用して簡易の偽装工作を施していた。
そのおかげで、こちらからは正面入口を見据えながら、向こうからは気配を感じさせない。

この地形の選定はもちろん偶然ではない。
亡国の王子セルヴァインとして軍事と戦術を取り仕切ってきた知識が、記憶の復活とともに、今のバルタザールに狩人の視点を取り戻させていた。

ブラックペンタゴンに群がった愚かな獲物たちが、命からがら逃げ出してくる。
その瞬間を叩き潰す――それが、彼の狙いだった。

だが、バルタザールが真っ先に警戒したのは、逃げる獲物ではなかった。
自分と同じように狩りを企てる別の者がいる可能性だ。

考えれば、すぐに分かることだった。
ある程度状況を読む頭があれば、バルタザールと同じ結論に至るはずである。

狩人同士の潰し合い。
それこそ、仕掛けられたもう一つの地獄である。

だからこそ、バルタザールは地形を選び抜いた。
ブラックペンタゴンから飛び出した相手を単純に狩るだけでなく、
後からやってくる別の狩人からも身を隠せる、攻撃と退避の両方が可能となる場所。
この潜伏位置こそ、かつて軍議を指揮し、包囲網や奇襲の配置を定めたセルヴァイン本来の戦略眼の賜物だった。

そうして、バルタザールが地形を確保し、伏せながら待機していた――その時だった。

不意に、遠くで響いた金属音。
誰かが壁を叩いたのか、意図的に響かせるような音。
それに続いて、重厚な足音が地を踏む。

一歩、また一歩。
隠密という概念を鼻で笑うかのような、堂々たる足取り。
足音だけではない。空気そのものが違う。
この場の空気が、その者の存在を受けて密度を変えるのがわかる。

そして――陰から覗き見るバルタザールの視界の端に、その男が姿を現した。

黒い肌。漆黒のスーツ。老いを感じさせぬ巨躯。
逆光の中でなお、存在を主張する圧。
遠目からでも一目で分かる威圧感と風格がその男にはあった。

バルタザールの眼がわずかに細められる。
その顔を、知らぬはずがない。

欧州裏社会を牛耳り、『キングス・デイ』を率いる闇の帝王――ルーサー・キング。

長きにわたり鉄仮面に記憶を封じられてきたセルヴァインにとって、この男の外界における正確な影響力までは測れない。
だが、アビスという監獄の中にあっても、彼の名と存在感は嫌でも伝わってきていた。

バルタザールは岩陰に身を伏せたまま、静かに息を殺す。
鎖の先端を軽く握り、鼓動すら抑えるように身体の動きを止めていた。
草のざわめき、風の流れにすら自らの気配を溶かしていく。

もし相手が半端な獲物であれば、迷いなく鎖を振るっていた。
狩る。それがここに潜む意味であり、彼の選んだ立場そのものだ。

――だが、不用意にこの男に手を出すのは、愚者の所業だ。

様子見に徹する。それが最善だ。
こちらに気づかぬまま通り過ぎるなら、それでいい。
仮に気づかれて仕掛けられたなら――その時は、その時だ。
無益な戦いを望むつもりはないが、戦う覚悟ならば常にある。

そして、キングはバルタザールに一瞥もくれることなく、正面扉を押し開けて、堂々と中へと消えていった。

その背中を、岩陰から見送りながら、バルタザールは静かに息を吐いた。
それは安堵でも恐れでもなく、潜伏に成功したという事実を噛みしめる深呼吸。

それを可能にしたのはセルヴァインとバルタザール、二つの人生が交わった結果だった。

かつて軍を統べ、地形と戦術を熟知していたセルヴァインの戦術眼。
そして、地の底の監獄で三十年にわたり耐え抜いてきたバルタザールの忍耐。

どちらか一方だけでは足りなかった。
世間より隔絶され知識なきバルタザールでは、適切な地形を見抜くことすらできなかっただろう。
激情に駆られるセルヴァインでは、この沈黙を保ち続けることは叶わなかった。

二つが合わさったからこそ、あのルーサー・キングにすら気づかれぬほどの潜伏を成し遂げられたのだ。

「……正面から、とは。流石だな」

呟きは、どこか感嘆に近い。
告知された罠を物ともせず、真正面から突入していくその胆力。
破格のポイント目当てに送り込まれた被験体を狩るつもりか、それとも別の意図があるのか。
いずれにせよ、己の力を疑わぬ者の行動だった。

流石は、闇の皇帝と言ったところか。
陰に潜んで獲物を狙うハイエナとは一線を画している。
その姿に、わずかばかりの羨望と敬意が滲む。

だが――それでも、バルタザールは彼のようになろうとは思わない。

王の形は、それぞれに異なる。
力を誇示し前に出る王もいれば、手段を選ばず背後から喉笛を噛み千切る王もいる。
どちらが正しいかではなく、どちらが自分の王道かだ。

バルタザールが求めるものは、ただひとつ。
失われた尊厳の奪還と、自由への到達。

ならば、自らにとって最も確実で効率的な手段を取るまで。

バルタザールは再び身を低くする。
鎖の先端を手元へ引き寄せ、筋肉の動きすら封じる。
呼吸の音すら消すように、風の流れにさえ気配を溶かしていく。

――来るべき収穫の時を、ただ静かに待ち続ける。

【E-5/草原/一日目・午後】
【バルタザール・デリージュ】
[状態]:記憶復活(断片的な喪失あり)、鉄仮面に破損(右頭部)、左腕喪失、頭部にダメージ(中)、腹部にダメージ(中)、
[道具]:なし
[恩赦P]:100pt
[方針]
基本.恩赦ポイントを手にして自由を得て、逆臣どもに報いを
1.ブラックペンタゴンの正面で待ち構え逃げてきた連中を狩る。
2.エネリットを探す
※記憶を取り戻しましたが、断片的な喪失があります


キングが扉を押し開けた瞬間――世界の密度が変わった。

境界を跨いだとたん、空気が一変する。
まるで別の世界に足を踏み入れたような、現実そのものが断絶したかのような感覚。

ルーサー・キングの息が、不覚にも止まる。
息をすることすら拒まれるかのような異常なまでの重圧が、全身を圧し潰すようにのしかかっていた。

その視線は、まるで磁力に引き寄せられるように、目の前の一点へと定まる。
この威圧感は、施設そのものが放っているものではなかった。

この異様な空気の発生源が、そこにいた。

広大なエントランスホールの中心。
照明の真下に――まるで壁がそのまま歩き出したような巨体が佇んでいる。

巨体のキングが見上げるほどの高さだ。
堂々たる体躯は優に三メートルを超えるだろう。
その全身は装甲のように硬質な筋肉に覆われている。

岩を削り出したような四角い顔に、深く沈んだ双眸。
表情らしきものは皆無。それでも、そこには狂おしいまでの理性が潜んでいた。

静止しているというのに、その周囲には何かが蠢いていた。
それは筋肉の放つ熱気か、それとも濃密な殺気か。
あるいは、それら全てが混ざり合った何かが、ひとつの圧として空間を歪ませていた。

その首に巻かれた、漆黒の首輪。
通常の囚人とは明らかに異なる特別仕様のそれは、この男がただの囚人ではない事を示していた。

一目見ただけで、キングは悟った。
いや、これ程の異物を見れば誰でも理解できるだろう。

――――被験体:O。

これこそがヴァイスマンがこの地獄に放った、死の番犬。
逃げる者を殺し、通る者を咎める、黒き監獄に配置された門番。

そして、まるであらかじめプログラムされていたかのように、巨体の足が、一歩、前へと踏み出された。

次の瞬間――


――Oの姿が、掻き消えた。


否。消えたのではない。
それは、突進だった。

咆哮も予備動作もない。
ただ、轟音と風圧だけが空間を切り裂いた。

音が遅れる。風圧が遅れる。
視認を許さぬ速度で、黒い弾丸のように放たれる。

三メートルの巨体が質量をそのまま殺意へと変換し、一直線に叩き込んでくる。
ただ、近づいて、殴る――その単純な行動の全てが、人間の領域を逸脱していた。

それは知覚よりも早い死。
常人であれば、攻撃されたことに気づく前に肉塊となっているだろう。

だが、それに応じたのは――圧倒的な鋼鉄の奔流だった。

それはルーサー・キングの超力。
彼の意思に呼応するように放たれた黒鉄の津波。
黒い巨体を押し返すべく、濁流のごとくうねる鉄が空間を埋め尽くすように膨れ上がる。

これは突進に対する反応ではない。
視て動いたのではなく、読んでいた。
これは、多くの修羅場を越えてきた経験から導き出された行動予測である。

真正面から敵を押し潰す圧倒的質量による広範囲の制圧。
単純かつ効果的な、キングの行える最も大規模な攻撃である。

彼が初手でこれを出すなど異例中の異例――だが、今回は特別だった。
何故なら本能が告げていた、ここで切らねば、死ぬと。

そうせねば止められないという直感。
同時に、そうしても止められないという予感がある。

この技を喰らったジャンヌ・ストラスブールは、波に飲まれ押し流された。
ドン・エルグランドは、この波すら乗りこなした。

ならば、目の前のコイツは――?

「…………怪物めッ!」

空間を埋め尽くす鋼鉄の奔流に飲み込まれながらも――その怪物は止まらなかった。

押し寄せる鉄の津波を砕き、粉塵を撒き散らしながら、一直線に突き進む。
まるで自らが砲弾であるかのように、何一つ省略せず、破壊し、貫く。
その激突は空間を軋ませ、まるでこの建物が悲鳴を上げているかのようだった。

それでも――止まらない。
この黒き番犬は、質量も圧力も、あらゆる物理法則を無視するかのように、ただひたすら前進を続ける。

その姿を見たキングの脳裏を過ったのは、悪夢じみた一人の漢女。
闇の皇帝たる自分を、拳一つで追い詰めた烈女、大金卸 樹魂。
あの災厄と同等、いや、それ以上の異物が、今まさに眼前に迫っていた。

「……二度と御免だと言ったはずなんだがなァ……!」

奥歯を噛み締め、毒づくように吐き捨てる。
人知を超えた体術を扱う規格外の怪物。
そんな相手に二戦連続で当たるとは、どんな因果だ。

理不尽の連続に、思わず天を仰ぎたくなる。
だが、ここは戦場。嘆いている暇などない。

鋼鉄の奔流はOの動きを完全に止めきれなかったが、突撃の速度は僅かに鈍った。
そこに生まれた刹那の空白に、キングはすかさず次の一手を差し込む。

崩れた鉄の残骸がまだ空を舞う中、キングの右手が素早く掲げられる。
空間に歪みが走り、鉄の杭が次々と生成される。
まるで逆さに生えた森のように、天井・壁・床の三方向から無数の鉄槍が迫り出す。

空間そのものが殺意と化す。
逃げ場のない無数の鉄槍が、Oを貫かんと一斉に迫る。
全方位からの刺突、普通なら防御は間に合わない。

だが――Oは『普通』の枠にいない。

瞬間、その両腕が唸りを上げた。
鉄槍群の目前で、交差させた腕を振り払うように一閃する。
刺突の槍群は、子枝をへし折るように、ことごとく弾き飛ばされた。

砕けた鉄槍の残骸が宙を舞い、鉄粉が霧のように広がる。
視界がわずかに遮られる――その瞬間、

赤黒い飛沫が、鋼の霧に混ざって弾けた。

Oの右足。
足元から突き出された一本の槍が、正確にそれを貫いていた。

本命は下。
エントランスホールの床には、これまでの激戦により生じた細かな亀裂が走っていた。
そこへと、液体化させた金属を流し込み、地下から刺突させたのだ。

鉄槍の乱打はただの陽動。
狙いは仕留めることではなく、足を止めること
まずは足を潰し、この怪物の機動力を奪う。

狙いは上々、だが。
Oはまるで痛みを感じていないかのように、足を振り上げて槍を引き抜く。

赤黒く濡れた肉が、うねり、盛り上がり、
裂けた皮膚が繋がり、血が止まり、数秒と経たずに完全に再生していく。

キングの口から、自然と舌打ちが漏れた。

「……チィッ」

問題は怪物じみた身体能力だけではない。
生半可な傷など無意味に思えるほどの恐るべき再生力。
即死級のダメージでなければ、足止めにすらならないだろう。

ならば、と。
キングは後退しつつ、片腕を高く振り上げた。

杭、斧、盾、ハンマー、etc。
形状も用途も異なる鉄製の兵器が、次々と虚空から生み出されていく。
鋭利で、美しく、致命的な殺意の華。その群れは、まるで戦場に咲いた鋼鉄の花畑である。

そして、後退の足が地を踏み締めると同時に、キングが手を振り下ろす。

号令一下。
鉄の兵器が、雨あられと降り注ぐ。

形状も、弾道も、速度も異なる、多種多様の鋼鉄散弾。
だが、その全てが一撃で命を刈り取るに足る、質量と殺傷力を持つ。
敵を斬り、貫き、叩き潰す――まさに、殺意で編み上げた戦術の網だった。

しかし、その鉄の嵐に向けて、Oの右腕が手刀のように振るわれた。

弾丸もかくやという速度で鋭く飛来する斧を空中で掴み取り、返す刃で迫る巨大な杭を粉砕。
相打つように砕け散る斧と杭。その破片を雨粒のように受けながら、次に迫る槌を掴んで鉄球を叩き壊す。

一切の無駄がない。
最小限の動作で、確実に自分に当たる武器だけを選んで迎撃する。
まるで弾道解析を行っているかのような的確な取捨選択。

巨体からは想像もできない精緻な判断力だ。
その間隙を縫って仕掛けた床下からの奇襲ですら、寸前で感知して回避した。

キングの目が細められる。
学習している――同じ手は通じない。
この怪物は理性なきただの殺戮兵器ではない。

鋼鉄の乱舞をすべて凌ぎ切ったOは、最後に飛来した大剣を手にしていた。
それを大きく振りかぶり、台風のような勢いでぎゅるりと身体ごと旋回する。
剛腕が振るわれ、大剣がキングめがけて振り下ろされた。

空間そのものを削り取るのではないかと危惧するほどの一撃。
それは避けることも、防御することも不可能な速度と質量の奔流。

だが――その一撃を受けてなお、キングは無傷だった。

大剣が叩きつけられる刹那。
キングは自らの超力を解除し、生成した大剣そのものを消し去っていた。
一瞬でも判断が遅れていれば、その剣は確実にキングの身体を真っ二つに裂いていただろう。

必殺を空振ったOは、まるで動じる様子もない。
無音の殺気をまとったまま、巨体が次なる攻撃へと移行する。
巨体が沈み、拳と脚が重戦車のような圧力と共に押し寄せる。

突き、打ち下ろし、薙ぎ払い。
ただの殴打ではない。そのすべてが、かすっただけで人間の骨格ごと吹き飛ばす威力を孕んでいた。

キングは咄嗟に両手で盾を生成。
攻撃を受けた盾が砕けるより早く、背後に杭を生み出して反動で前方へ転がり回避。
苦し紛れの回避。だが、それでようやく一撃を凌げる程度。

すかさず追撃が来る。

足払い、肘打ち、膝蹴り。
避ければ逃げた先に、既に打撃がある。
一手読み違えれば死――その極限の選択を、連続して迫られる。

――ルーサー・キングが、防戦一方に追い込まれている。

その光景は、彼を知る者にとっては信じがたい現実だろう。
アビスが送り込んだ生体兵器と、単独で戦闘が成立しているだけで驚異的なことである。
だが、現実は冷酷だ。健闘など実戦において何の慰めにもならない。
そして、その現実の冷酷さを、誰よりも理解し体現してきたのがキング自身だった。

速度、剛力、精度。それらを兼ね備えた圧倒的な怪物。
だがキングもまた、幾多の修羅場を生き延びてきた老練の猛者。
ただ逃げるだけでなく、一瞬の機を見て反撃に転じる。

後退の最中、鉄の槍を生成し、全身を捩じって鋭く投擲。
それは流星のように走り、Oの胸板を貫いた。
赤黒い鮮血が、飛沫となって弾ける。

だが――止まらない。

胸に槍を受けたまま、固めた拳を弓のように引き絞る。
それは躱せなかったのではなく、分厚い筋肉と再生力を使って攻撃のためにあえて受けたのだ。

――――放たれる正拳突き。

それは、あの大金卸の打撃を耐えたキングですら、直撃すれば死ぬと直感する一撃だった。

キングは即座に鉄盾を生み出して迎撃に転じる。
一枚では砕かれると判断し、三枚重ねにしたがしかし。

そのすべてが、一瞬で砕け散った。

だが、それでいい。
狙いは防御ではなく、間の創出。
盾が砕けるまでに生まれたその一瞬に、キングは身を翻し、拳の軌道から身体を外す。
紙一重の回避。だが、その一瞬がなければ肉体は霧散していた。

粗製の鋼では、Oの打撃には耐えられない。
場当たり的な鉄の生成によって凌いでいるが、それは明らかにじり貧の戦法だ。
このままでは、いずれ押し潰されるのは目に見えていた。

三メートルを超える体躯がもたらす圧倒的なリーチは脅威だ。
ただのデカいだけのデグならば対処も容易いが、目の前の怪物は一切の隙がない。

巨体に似合わぬ俊敏さ。それを制御する精緻な打撃技術。
そして、回避と防御を不要とするほどの再生能力。

まともな人間では、近接戦そのものが成立しない。

この怪物と真正面から白兵戦でやり合える者など、多くの超力者を知るキングですら片手の指で数えられるほども挙げられない。
同じ領域の怪物であるドン・エルグランドや大金卸樹魂。あるいは拳闘を極限まで昇華したエルビス・エルブランデスくらいのものだろう。

このまま戦い続ければ、敗北は必至である。
本来ならば、キングにはここで切るべき切り札がある。

――超力第二段階、『Public Enemy』。

漆黒の装甲を纏い、三メートル級の黒鉄の魔人へと変貌する。
それはまさに、超力という概念を生きた兵器として昇華させたキングの最終形態。

発動すれば錬鉄の精度も高まり、生物兵器の攻撃にも耐えうる鋼鉄を生み出すこともできるだろう。
これならばOとすら正面から殴り合える――否、発動せねばそもそもまともに戦う土俵にすら立てない。

しかし、問題は――発動の隙がないことだった。

Oの動きには一切の『遊び』がない。
迷いも、揺らぎも、情動すらも存在しない。
まるでプログラムされた戦闘兵器のごとく、流れるような連撃が絶え間なく押し寄せる。

あの烈女ですら闘争を楽しむと言う余分な『遊び』があった。
だが、Oにはそれすらない。性質としては使命に殉じる聖女に近い。
この怪物が殉じているのは与えられた任務を遂行するという使命感だ。

変身の動作一つ取っても、命取りになる。
発動に必要な猶予すら、この怪物は与えてくれない。
そうなると、嫌が上でももう一つの選択肢が脳裏をよぎる。

――撤退。

それは、キングにとって何よりも屈辱的な判断だった。
目的を果たすことなく、この地を退くなど、闇の皇帝の名が泣く。

裏社会は、そのくだらない沽券で食っている世界だ。
引いた瞬間、下に見られる。舐められる。
そしてそれは、命よりも重くなることもある。

だが、それでも。
生きてさえいれば、次がある。

生れ落ちた瞬間から黒。はなから華麗な道など歩いていない。
キングはどんなに泥を啜ってでも這い上がってきた男だ。
手段は選ばず生き残る。これがキングの基本方針だ。

Oの連撃は続いている。
問題は、この猛攻の中、どうやって撤退のルートを辿るかどうかだ。

振りかぶった左のフック――かと思わせての、右アッパー。
真正面からの圧殺だけではない。
ここに来て、Oはフェイントのような小技すら織り交ぜてきた。

風圧だけで顎を砕きかねない一撃。
キングは足元に用意していた鉄の台座を突如せり上げ、自らを上空へと弾き飛ばす。
鋭風が耳を裂き、拳が虚空を裂く。回避は成功。

だが、高く跳ね上がったキングの体を追って、Oが跳んだ。

一切の溜めも助走もない。
重力など嘲笑うかのような加速で、巨体が宙を舞った。

空中で、その巨体が飛燕のように回転する。
放たれる回し蹴り。それはまるで、巨大な鉈が宙を裂いて襲いかかるようだった。
キングは反射的に鉄盾を生成して受け止めにかかる。

だが。Oの蹴りが空中で軌道を変える。

もはやそれは、人間技ではない。
この怪物は、宙に在りながら完全に肉体を制御していた。

変幻自在の蹴りがギュンと盾を避けるような軌跡を辿る。
宙に浮かび、身動きが取れない状況では、回避は絶望的だった。

だが、敵が空中に浮いたこの状況こそがキングの狙いだった。

蹴りが届くよりも早く、自らが生み出した鉄骨で自身の体を弾き飛ばす。
肉が裂けるような衝撃に内臓がきしむが、加減している余裕はない。
あの蹴りを喰らうよりははるかにマシだった。

そしてそのまま、キングの身体は弾丸のように出口へ向かって吹き飛んだ。

ブラックペンタゴンの出入口。
彼が入ってきた、唯一の脱出ルートだ。
宙に浮いたOに、それを妨げる術はない。

――そのはずだった。

跳躍が頂点に到達し、その身が天井に届かんとする。
瞬間、Oの体がくるりと宙を反転した。
そして、両足で天井を蹴る。

爆発するような轟音。
天井が陥没し、粉塵が降る。
その衝撃を推進力に、Oの巨体が流星のように落下する。

無駄のない、一直線の軌道。
計算された角度、制御された質量。
キングが着地するよりも早く――Oが、床を砕きながら出口の前に着地する。
唯一の出口は絶望的に封鎖された。

「……なるほどな」

ルーサー・キングは静かに呟いた。
その声音に、絶望の色はない。
むしろ、皮肉とも取れる微かな笑みが混じっていた。

天井を蹴り砕いて落下してきたO。
空中から不意を突くことも、落下の勢いを利用して叩き潰すこともできたはずだ。
だがOは、キングを攻撃するよりも出口を塞ぐことを優先した。

一度施設に侵入した者を、決して外へ出させない。
それが、この生体兵器に組み込まれた最優先命令。
そこまで分かってしまえば、いくらでも立ち回りようはある。

再び、Oが距離を詰めてくる。
殺意は研ぎ澄まされ、着実に、確実に、加速していた。

距離を取るようにキングが、後方へ跳ぶ。
跳躍と同時に、足元に仕込んでいた鉄をバネ状に形成し、踏みつけて弾き出す。
その反動で、一段階跳ね上がった急加速が、視界をブレさせるほどの速度を生む。

しかし、それでも――Oの方が速い。

間合いが、みるみる詰まる。
このままいけば数秒も保たずに追いつかれるだろう。

だが、それで構わない。
Oを出口から引き剥がすことこそが、キングの狙いだった。

間合いがゼロに近づいた、その刹那。
キングは無造作に、丸い鉄球を放った。

砲弾のような勢いもなければ、特別な軌道もない、まるで素人が投げたかのような、平凡すぎる軌道。
あまりに普通な投擲が互いの中心に浮かぶ。
だが、Oの反射神経は的確にそれに反応し、当然のように打ち砕く。

瞬間――鉄球の内部が炸裂する。

砕かれた鉄球の内部から、黒い霧が爆ぜた。
極限まで微粒子化された鉄粉が、霧のように空間を覆い尽くす。
Oの視界が遮られ、キングの姿が見失われた。

たった数秒の目くらまし。
だが、それで充分だった。

一瞬の判断を迫られる中でOが取った行動は、最優先任務の遂行。
すなわち――出口の封鎖である。

キングの位置を探るよりも、逃走経路を潰す判断が優先された。

Oは黒霧の中を一直線に走る。
黒き巨体が生む風圧が、霧を吹き飛ばし、視界を切り裂いていく。
一瞬で出口の前まで到達して振り返る。

だが――霧が晴れたその地点に、キングの姿はなかった。

だが、出口はOが塞いでいる。
キングが先に出口に到達することなどあり得ない。
瞬間移動のような超力でもない限り、Oの移動速度を先んじるのは不可能だ。

だが――キングは、最初から出口を目指してなどいなかった。

Oが出口へ向かっている間に、キングは別の扉へと向かっていた。
それは、ブラックペンタゴンの内部へと通じる扉である。
外ではなく、内側への緊急避難。
敵が門番ならば、門から逃げなければいい。

そして、それをOは追ってこなかった。
彼に課せられた任務は、禁止エリアの発動までの6時間、脱出を阻止すること。
内部へ侵入する者を追跡することではない。

通路へと逃げ込んだルーサー・キングは、背後からの気配がないことを確認し、小さく息を吐いた。
まだ油断はできないが、少なくとも今は、死地から一歩退いた。

戦闘によるダメージは、自らを鉄骨で弾き飛ばした際の打撲と骨への衝撃程度。
Oの攻撃は、一撃たりともまともには喰らっていない。

――というより、一撃でも喰らえば終わっていた。

その証拠に、直撃は避けたはずなのに、スーツは風圧だけでズタズタに裂かれていた。
もし真正面から拳を受けていたなら、骨どころか身体ごと粉砕されていたに違いない。

それほどの綱渡りだった。
ルーサー・キングをして精神を削られるタフな戦いだった。
よもや、この年になってチャレンジャーのような、戦いを強いられようとは。

尋常ならざる戦闘能力を有した生体兵器。
怪物染みた外見からして正確な年齢推定は難しいが、見た目は少なくとも三十路を越えているように思えた。
仮にそうだとすれば、デザイン・ネイティブにしては高齢すぎる。

かといって、ハイ・オールドのような不安定さは見受けられらなかった。
むしろ異常なほど安定していた。判断も、動きも、全てが完璧すぎた。

そして――何より、戦闘能力が異常だった。
全てにおいて、第二世代(ネイティブ)の水準を凌駕していた。
あれは、第三世代(ネクスト)の領域に踏み込んでいる。

凡庸な超力者では、影すら踏めない。
奴が通常の参加者とは異なる存在であるのは明らかだった。
あの出口封鎖に徹する行動パターンから、この施設全体が仕掛けられた罠の中身も凡そ察せられた。

だが、推察で終わってはここまで来た意味がない。
必要なのは、裏付けとなる情報だ。

ひとまず初志に立ち返る。
リスクを冒してまでこのブラックペンタゴンに来た目的は情報収集のためである。
他の受刑者に接触し、現状を確認する。
中でも、顔見知りであるギャル・ギュネス・ギョローレンを見つけられればベストだ。

だが、最終的に脱出を目指すのであれば、再びOと相対する必要がある。
その時は、迷いなく最初から第二段階で突入する必要があるだろう。

残り少なくなったタバコを咥え、火をつける。
そうして、黒の皇帝は漆黒の箱の奥に進んでいった。

【E-4/ブラックペンタゴン1F南・南西ブロック連絡通路/一日目・午後】
【ルーサー・キング】
[状態]:疲労(大)、精神疲労(中)、肉体の各所に打撲(大)、腹部にダメージ(大)。左脇腹に裂傷と火傷、右足首に刺し傷(いずれも応急処置済み)
[道具]:漆黒のスーツ(ボロボロ)、私物の葉巻×1(あと一本)、タバコ(1箱)、応急処置キット(幾らか残量あり)
[恩赦P]:7pt
[方針]
基本.勝つのは、俺だ。
0.情報を得る為に他の刑務者と接触する
1.生き残る。手段は選ばない。
2.使える者は利用する。邪魔者もこの機に始末したい。
3.ドン・エルグランドを殺ったのは誰だ?
4.ルーサー・キングを軽んじた以上、りんか達もいずれ潰す。手段手法は問わない。
5.ジャンヌ・ストラスブールも、第二段階に到達しつつあるのか?

※彼の組織『キングス・デイ』はジャンヌが対立していた『欧州の巨大犯罪組織』の母体です。
多数の下部組織を擁することで欧州各地に根を張っています。
※ルメス=ヘインヴェラート、ネイ・ローマン、ジャンヌ・ストラスブール、エンダ・Y・カクレヤマは出来れば排除したいと考えています。
※他の受刑者にも相手次第で何かしらの取引を持ちかけるかもしれません。
※沙姫の事を下部組織から聞いていました

※超力の第二段階を既に体得しています。
全身に漆黒の鋼鉄を纏い、3m前後の体躯を持つ“黒鉄の魔人”と化す超力『Public Enemy』が使用可能です。
※アビス内でラバルダ・ドゥーハンと面会し、彼女からシエンシアについて聞き出していました。

【E-5/ブラックペンタゴン1F エントランスホール/一日目・午後】
【被験体:O(オーク)】
[状態]:健康
[道具]:なし
[恩赦P]:0pt
[方針]
基本:受刑者の殲滅。
1.エントランスホール内に来る標的を破壊する。
※夜上の右足を捕食したことで身体能力が強化されました。
 現在12倍まで倍率を引き上げる事が可能です。

127.風を吹くおれはひとりの修羅 投下順で読む 129.[[]]
126.鮮血のステージ 時系列順で読む
Red pine バルタザール・デリージュ [[]]
ハーダー・ゼイ・カム ルーサー・キング [[]]
傍観者 被験体:O [[]]

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2025年10月07日 22:21