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神奈子1
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orz1414
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「良いな、祝いの宴というものは 神代の頃から希望に満ちたこの雰囲気が好きで仕方ない」
花嫁と花婿が古式に則り、婚姻の義を進めてゆく
早苗さんも手慣れた様子で淡々とこなしてゆく
「幻想郷で行う婚姻第一号だ。 何かスペシャルなおまけでもつけるべきかな?スポットライトとか」
「八坂様、早苗さんに怒られますよ」
あ、ちょっと残念そうだ。
「アレはいいものなのに…」
「神様なのですから、我儘言わないでください」
「心外だな、神ほど我儘な奴はいないぞ。 人のように怒りや悲しみ、恋だってする。 昔、諏訪子は結婚したこともあるしな」
「ははっ、八坂様も白無垢が着てみたいですか?」
「それはいいな。 〇〇、私をもらってくれ」
ぶっ! ちょ 嬉しいけどちょっとまてっ!
「…………ひょっとして、私では不満か……?」
「満足ですっ! これ以上ないほど満足ですから潤んだ目で見上げないでっ」
「そうか、おーい早苗ー! 今日はもう一件結婚式やるから用意してくれー」
決断も日取りも早っ!
「さて、子供の名前はどうしようか……」
気も早っ!!!
9スレ目 >>970
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妖怪の山の頂上にありし湖。
佇まいし守矢神社におわすは、八坂の神。
八坂、神奈子。
その力の源たる信仰を集め、神としての再起するがために幻想郷にやってきた。
しかし、幻想郷なりともやすやすと信仰心が戻らず。
苦労の耐えぬ日々は依然として継続中である。
「そもそも、なにを信仰すればいいんだよ?」
「山、そして私。恐れは敬いを生み無知は夢を生む。全てを知った気になって手に入れた気になっては危うい事になる。だから信仰が必要なの」
「確かな道しるべが必要だってことか。しっかし、その道しるべに立候補するのはいいけど、あんまり威厳が足りないんじゃないのか?」
「厳かにしていればいいというものじゃない。時節の気風もある。友達感覚の方が信仰を集めやすいのよ」
「なるほど、だからまた、こんなシュールな状況に陥ってるわけだな」
かつて大勢を極めた神なれど、信仰なくしては存在し得ない。
最後の賭けにやってきた幻想郷で辛苦を強いられる状況なればこそ、その神様当人が先に言うようにフランクな態度を取るに至っているわけである。
「かと言って、何で俺に言う? 何度か断ってると思うんだけどな」
神奈子が彼に信仰を勧めたのは、何も初めての事ではなかった。
「信仰を否定していた者が信仰するようになれば、その心の頑健さは一転して頼もしいものになるでしょう」
「頑固者を口説き落とそうとしてるわけか。難儀な話だな」
「そういうことよ。それに、知ってもらう事こそが信仰への一歩。信じる信じないを口約束だけで行うのは無為な事。けれど、あなたの信仰が零だとしても、知っている分だけ、窮地に祈る信仰は私に有利になる」
「選挙活動かよ。知らないやつよりかは知っているやつに投票するからな」
いい加減な事だが、窮地に立ったときに思い出せる神が一人しかいないなら、否応もなしにその神に祈る事だろう。
「けど、結果が伴わなかったら神様とやらを信じなくなるぞ」
今わの際に願った言葉が届かなかったら、それは背信につながる。
人間は利己的なものだ。何もしてくれないものに期待できるほど都合よくは無い。
「順番が違うわね。あなたの信仰がなければ私としても神徳を与える事が出来ない。祈りたければ強く信仰する事ね」
「なるほど。そういうことなら納得できる」
「じゃあ、信仰してくれるかしら?」
「それとこれとは話は別だね」
宗教ではあるまい。
入門せよ改宗せよとせがむような声では、素直に頷けるものではない。
「信じれば救われる。って言葉の意味は分かったけどな」
「それを拒絶するっていうことは、救いが欲しくないということかしら?」
「甘えだろうよ。信じてれば救われて、何もしないじゃダメだろうが」
信仰するが故に己の怠惰への免罪とするなら、神は悪魔ともいえるだろう。
誘惑と欲望に忠実であればこそ、人は魔が刺すものなのだ。
「それは違うわね。普段に精進を怠らぬ者にこそ、神徳は与えられるもの。精進する事が信仰する事も同義なのよ。なぜなら、努力が報われると思うことこそ信仰の一つだから。報われなかったときにこそ、その者は神を信じなくなるでしょう」
「闇雲に信じてもダメだってことか。それも難儀だね」
「ええ、そうね。その点、あなたは怠惰な人間ではないようね。実にけっこう」
「そりゃどうも」
神奈子の言葉からすれば、彼に対していくらかの信用があるようだ。
また、これ以上話さずとも、結論は出ているも同然だ。
「だったら普段どおりに努力してればいいってことだろ。それで、俺はあんたを知ってる。信じるとか細かい事は知らないけど、もしかしたら最後に祈る神はあんたになるかもな」
「それが信仰よ。でも、あんた呼ばわりはいただけないわね。私は八坂神奈子。何度も名乗ったはずだけど」
「それはこっちも同じことだっての。代名詞で呼ばれてるんだ。あんたと呼ぼうが神様と呼ぼうが、それと変わらないだろ」
「それはえらく違うね。信仰の対象が名も知れぬ誰かと言うんじゃ、顔と名前が一致してるのとはぜんぜん違う。いつでもどこでも思い出せるようにしてもらいたいのよ」
「なんだかぞっとしないね」
「失礼だよ」
いつ何時であろうとも思い出せるような対称になるなら、心を奪われているのも同然だろう。
それを正しく信仰と言えるかは、違うかもしれない。
「それで、今日はここらでメシ食いに行くんだけど、あんたもくるかい?」
「あんたはやめてほしいわね。八坂神奈子よ」
「じゃあ、あんたも名前を呼びな」
「じゃあ、○○。食事でもいかがかしら?」
「誘ったのは俺なんだけどな。ホントに馴れ馴れしい神様だな」
「親しみやすいって言いなさい。それと代名詞も」
「そいつは悪い。んじゃ行くか、神奈子」
「ええ、そうしましょう」
神と人とが並び歩く。その親しみやすさは客観的にも好意的に映る事だろう。信仰には欠かせない事なのかもしれない。
しかし、好意的に映るためにも、並び歩く者は本当の意味で好意的でなくてはいけない。
「それで、信仰してくれる気になったかしら?」
言の葉を悪戯に変えれば、告白を待つ言葉にも思えるかもしれない。しかし、邪推である。
「さあね。少なくとも、悪い気はしてないってことで勘弁してくれ」
悪しからず。それが今。
急いてもことは無し。故に、日々の積み重ね。信仰もまた、時と想いの積み重ね。
「まあいいわ。ちゃんと信仰してくれるようにしてあげるわ」
さらに想いの積み重ね。
「まあ、神様は信じないけど、神奈子は信じてもいいけどな」
着実に前へ、
まずは一人の信仰を。
11スレ目>>333
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●●:なぁ神奈子
神奈子:なにかしら?
●●:諏訪子のように好きな人がいたらいいなとおもってる?
神奈子;それは……まぁ、私も一応女だし、思ってないわけでもないわ。 けど、私なんて。
●●:好きな人なんて出来ない、とでもおもったか?
神奈子:そりゃそうよ。 諏訪子以外と比べてもおばさんに見えるし、背中のしめ縄がごついし、某所じゃガンキャノンなんてよばれて……。
●●:そう自分を過小評価するんじゃない。 だって……
神奈子:……何が言いたいの?
●●:神奈子、お前が好きだからさ。
神奈子:……!! ど、どうして私なのよ。 他にもかわいい子がいるじゃない。
●●:神様言えども、ばかだなぁ~。 確かにかわいい子がたくさんいるし、俺は熟女好きでもない。 けど、『姉さん』っぽいとこがすきなんだよ。
神奈子:……●●。
●●:まったく……、初めて会ったときの厳格なところはどこにいったんだよ。
神奈子:馬鹿、私だって女らしくなりたい時だってあるのよ。
●●:そうですかい。 ……まぁ、これからもよろしくな。
神奈子:え、えぇ……。
11スレ目>>391
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「神奈子様。俺は、好きですよ?」
「え、……ええ!?」
「皆敬遠してるけど、俺は好きだなぁ」
(えぇそんな私この年になってやっと二人目の夫がぐへへおっといかんいかん心の涎が)
「かっこいいじゃないですか、ガンキャノン」
「……え?」
「え? そういう話じゃなかったんですか?」
「……○○の」
「ちょ、スペカは、やめ」
「馬鹿ー! 神祭「エクスパンデッド・オンバシラ」!」
アッー
10スレ目>>662
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東方喜恋譚 ~You are my オンバシラ編~ 第1話『出会い』
「もう大丈……あとは2~3日安静に……問題は無……」
「……ありがとうござい……八意先……」
少年の耳にうっすらと声が聞こえる。
一人は年端もいかない少女の声。
もう一人は艶やかな大人の女の声。
そして、障子が開く音が聞こえ、それっきり、何も聞こえなくなる。
けれど、そんな彼女たちの声をきっかけに少年の意識は浮上していった。
「ん……」
「あら、目が覚めたかしら?」
落ち着いた女性の声が聞こえ、少年は目を開く。
ゆっくりと焦点が定まってくると、少年の目に注連縄を背負った女の姿が目に映った。
「ここは……」
「身体の調子はどう? 痛いところは無い?」
少年は、ぎこちなく身体を起こす。
少し気だるさは残るものの、動けないというほどのことはなく、苦痛を感じる個所も無い。
「あ……大丈夫です……あ、その…こ、こんにちは……」
少年は女にぺこりと頭を下げた。
いきなり挨拶をされて女は一瞬呆気に取られる。
「……ふふ、もう夜だけど?」
「あ……ご、ごめんなさい……こんばんは」
女は僅かな驚きを隠しなが らからかうように少年の揚げ足を取り、少年は恥ずかしそうに頭を下げた。
そして、そのまま沈黙してしまう。
落ち着かないのか、少年は周囲をきょろきょろと見回していた。
「ふふふ、そんなに怯えなくてもいいわ」
「は、はい……」
少年は、ちらちらと上目遣いに女を見つめる。
その姿は、少年の可愛らしさも相まって、さながらリスかネズミのような小動物そのものだ。
「あ、あの……」
「?」
「そ、その……ここは、どこですか?」
「ここは守矢の神社よ」
聞き覚えの無い場所だったのか、少年は不安そうな表情を強める。
「僕……どうしてここに?」
「……覚えていないの? ぼうやは森の中で倒れていたのよ?」
「え、あの……じゃあ、お姉さんが……助けてくれたんですか?」
「いいえ、ぼうやを助けたのは私の身内よ。私はついさっきまで ぼうやの可愛い寝顔を眺めていただけ」
「えっ……ぁ…ぅぅ……」
とたん、少年は頬を赤く染めて俯いてしまう。
寝顔を見られるのが恥ずかしかったのか、そのまま押し黙ってしまった。
女も、少年の反応が意外だったのか少し面喰ってしまい、苦笑しながら呟いた。
「おかしな子ねぇ、貴方」
トントン
「神奈子ー! その子の具合はどう……って、もう目が覚めたみたいね」
障子を叩く音が聞こえ、目玉のついた帽子をかぶった少女が入ってきた。
少女は、少年が目を覚ましていることに気づき、その顔に優しげな頬笑みを浮かべる。
そして、トコトコ歩いてくるなり、どっか! と、勢いよく少年の目の前に座った。
そのまま、彼をまじまじと見つめる。
「ふーん……」
「あ、あの……何か……?」
少女は、まるで品定めをするかのようにジロジロと少年を見つめる。
そのまま、しばらく眺めていたが、突然 目を輝かせながら少年に詰め寄った。
「ねえねえ、君の名前は? 年は幾つ? どこから来たの? 」
「え? ええ?」
マシンガンのように尋ねられ、少年は驚き慌ててしまう。
あまり女の子と喋るのは慣れていないのか、それとも少女に怯えているのか
どちらかは定かではないが、少年の身体は少しずつ後ずさりはじめていた。
けれど、帽子の少女は、少年の服を掴んで逃がさない。
「やーん! オドオドしちゃって! 可愛いわー!!」
そう叫ぶや否や、少女は少年に両腕を回してしがみ付いた。
「わ、わあああっ! はっ、はなしてくださいぃっ!」
「ん~~~!! 可愛い可愛い可愛い~~♪」
そのまま、少年の頭を胸に抱き抱え、その頭に頬を擦り寄せる。
少年は 恥ずかしさから少女から逃れようともがくが、少女の力には敵わなかった。
「……諏訪子様、少し落ち着いてください」
少年の耳に少女の声が聞こえる。
諏訪子に抱擁されながら、声の方向に目をやると緑色の髪の少女が立っていた。
緑髪の少女の顔には呆れ気味な表情が浮かびあがっている。
「こ、この声……ふぁ! や、やめて! くすぐったいですよぉ!!」
「やめてあげないわよ~ふふっ♪」
先程 夢心地の中で聞いた若い少女の声。
それが、早苗と呼ばれた少女のものだったことに少年は気づいた。
……が、少年にとってはそんなことよりも 擦りよってくる諏訪子を何とかする方が先だった。
「早苗! 今日からこの子は私の弟よ!」
「え、ええっ?」
「な、何言ってるんですか諏訪子様! そんなこと――――」
「ああ、可愛すぎる……この可愛さは正義よ……」
「諏訪子様、ちょっと落ち着いてくださいってば!」
ムチャクチャなことを口走りながら、うっとりと頬を緩ませて、ますますヒートアップする諏訪子。
早苗は、少年から諏訪子を引きはがそうとやっきになっている。
そして、渦中の少年は、嵐のように迫る刺激に放心状態になってしまっていた。
「落ち着きなさい二人とも。ぼうやが困っているでしょう」
「神奈子様……」
落ち着き払った声がその場に響く。
今まで黙っていた 注連縄の女――――神奈子が動いたのだ。
神奈子は、立ち上がると いきなり、むんず! と諏訪子の襟を掴み上げる。
「あ~~ぅ~~~」
そして、恨みがましい声を上げる諏訪子を 少年からあっさりと引きはがしてしまった。
そのまま、神奈子は自身の目線を少年のそれに合わせる。
「ぼうや、私の名前は八坂神奈子……そっちの子は諏訪子、こっちの子は早苗よ」
「は、はじめまして……」
「はじめまして……それで、ぼうやの名前は?」
「あ……○○…です」
「○○は、どこから来たのかしら?」
「え…と、日本の――――」
少年は自分が住んでいた所の名を告げる。
すると、神奈子は納得がいったというふうにゆっくりと頷いた。
「……なるほど、やはり外の世界から来たみたいね」
「え……?」
外の世界と聞き、怪訝な顔をする少年に、神奈子は話し始める。
この世界が“幻想郷”と呼ばれる異世界であること。
そして、森の中で倒れていた○○を通りがかった諏訪子が拾ったことも。
「幻想…郷…? …で、でも、どうして僕が……?」
訳が分からないと言った表情を浮かべ、少年は3人に尋ねる。
何故、幻想郷に連れ込まれたのかと聞かれてもわからない。
ただ、少年を幻想郷に連れ込んだ主犯については、3人には大体予想がついていた。
「大方、冬眠中のスキマ妖怪が寝ぼけて攫ったんでしょうね。
……ああ、気にしないで。貴方が幻想郷に連れ去られたのは、別にあなたが悪いわけでは無いから」
「?? は、はい……」
「早苗、明日にでも博麗の巫女のところに連れていって、元の世界へ帰してあげなさい」
「え――――!! 弟ができたと思ったのにー……」
諏訪子は落胆……というよりも絶望の叫び声をあげる。
3人の中で一番幼い(ように見える)諏訪子が弟を欲しがっても無理はないのかもしれない。
「安心しなさい、ぼうや。明日には帰れるわ」
神奈子は、そんな諏訪子の落胆など完全に無視して少年に語りかけた。
「あの……神奈子様、それが無理なんです」
「え、どうして?」
「博麗の巫女は今 病で床に臥せっています」
「は?」
そして早苗は、里に買い出しに出たときに仕入れた情報を話し始めた。
なんでも、今里の方では流行り病が蔓延しているらしく、博麗の巫女もその病に倒れたこと。
その流行り病は、命に別条はないが一ヶ月は寝たきりになる程に厄介な病らしいことを。
「とすると参ったわね……この子、しばらく帰れないのかしら」
「じ、じゃあ、○○君! 博麗の巫女が治るまで、ここで暮らしたら!?」
さっきまで落胆して部屋の隅でうずくまっていた諏訪子が 水を得た魚の如く喰いついてきた。
はっきり言って下心が丸見えである。
「事此処に至っては仕方ないわね……こんな幼い子を放り出すわけにもいかないし、諏訪子もこんなだし
どうかしら、○○。あなたさえ良ければ、此処でしばらく暮らしてもらってもいいんだけれど。」
「暮らすわよね、ね、ね!?」
「落ち着きなさい諏訪子、目が怖いわよ」
諏訪子の期待の視線に気圧されながらも、照れながら少年は頬を赤く染める。
「は、はい……よろしくお願いします」
「やったぁ!!」
「ふふ、では○○君の部屋を用意してきますね」
早苗も、この幼い少年が同居することは嬉しく思っていたようだ。
その証拠に、彼女の表情には笑みが浮かんでおり、新しい同居人の為に嬉々として部屋を用意しようとしている。
「あ、あの……!」
「どうかした?」
少年が、部屋から出ていこうとする早苗を呼びとめる。
けれど、その後が続かない。
少年は俯いたまま、しばらく黙ってしまった。
そんな少年を、神奈子は窘める。
「○○、言いたいことがあるのならはっきりと言いなさい」
「は、はい……ごめんなさい……」
「どうしたの? どこか痛いところがあるの? それともお腹がすいたの?」
「そうじゃなくて……その…あ、ありがとうございましたって、お礼を……」
『…………』
「よ、よろしくお願いします……神奈子お姉さん、早苗お姉ちゃん、諏訪子……お姉ちゃん? かな?」
おずおずと……少年は助けてくれたことに対するお礼を告げた。
しばし、3人は硬直する。
どこかズレている この礼儀正しい少年にある意味で驚かされたのだ。
そして、最初に硬直が解けたのは諏訪子だった。
「やーん! 可愛い――――!!」
「わ、わああっ! やっ、やめ……!」
少年のいじらしい姿に、諏訪子は再び少年に抱きついて頬ずりする。
「ふふ、どういたしまして」
早苗は、そう少年に言い残して障子を開き、部屋から出て行った。
「ほらほら、病みあがりの子供に無理させないの」
「あーうー……」
そして神奈子は……少年と諏訪子を引きはがし、諏訪子から恨みの視線を投げられていた。
・
・
・
『いただきます』
一刻ほどの時間が流れ、守矢神社の食卓には美味しそうな匂いが漂っていた。
○○を囲っての初めての食卓。
「お、美味しいです……すごく」
「ふふ、ありがとう。いっぱい食べてね」
けれど、それっきり○○は一言も喋らなくなってしまった。
否、時折何か喋ろうと努力しているようには見える。
けれど、その内向的な性格が災いしてか喋ることができないようだった。
3人にも、○○が口下手で 喋ることが得意では無いことはわかっている。
ゆえに……誰かが、この内気な少年の緊張を解してあげなければならなかった。
「はい、あーん」
突破口を開いたのは諏訪子だった。
箸で白米を摘みあげ、手を下に添えながら少年に差し出す。
少年は、諏訪子が意図しようとしていることを一瞬で悟り、またもや赤くなってしまった。
「……あ、あの……自分で…食べれますよぉ………」
「ダメ! 幻想郷にはね、女の子から差し出された物は 残さず食べなければならない決まりがあるの!」
「そ、そうなんですか?」
「そうなのよ~♪」
「じゃあ……あ、あーん……」
真顔でなんてバカな大ウソを付いているのだろう。
しかも、○○はそれを真に受けてしまったようだ。
羞恥に頬を赤く染めながら差し出された白米を食む。
「あの……あ、ありがとうございます……」
「いいのいいの、じゃあ次ね!」
「え、ええっ?」
ヤル気だ。
彼女は自分の茶碗の中にあるご飯全部を○○に食べさせるつもりだ。
諏訪子が本気だということを悟ると、○○は困り果ててしまった。
女性に食べさせてもらうということへの羞恥に、顔を手で隠しながら照れてしまっていた。
「ふふ、今時珍しいくらい純な子ね……ねえ○○、ちょっと酒を注いでちょうだい」
「は、はい」
神奈子は神奈子で晩酌を仰っており、既にほろ酔い気分で少年に手酌を求める。
少年は神奈子の側に座り、盃に酒を注いだ。
「神奈子様……飲み過ぎですよ」
「いいじゃない、たまの客人なんだし。ねえ、貴方も飲んでみる? 注いであげるわ」
「あ…ありがとうございます……」
「神奈子様! 未成年にお酒を勧めないでくださいっ!! って、○○君も飲んじゃダメ!」
早苗が神奈子に詰め寄った一瞬の隙。
その間に、○○は神奈子の手酌で注いでもらった酒を一気に飲み尽してしまった。
「ふふ、なかなかいい飲みっぷりね」
「はぅ……ぁぅ……」
神奈子の飲んでいた酒は幻想大吟醸『神殺し』。
名前の通り、アルコール度数は非常に高い。
そんな強い酒を、一気飲みした子供がどうなったか――――
「う~……きゅぅ……」
――――敢えて、語るまでもないだろう。
「○○君、しっかりして! か、神奈子様! いくらなんでも冗談が過ぎ――――」
「安心なさい早苗、急性アル中には ならないようにしているから大丈夫よ」
客人をみすみす危険にさらすような真似を、神奈子がするはずもなかった。
既に、神通力を使い少年の身体のアルコール分解を早めている。
「本当に愉快な子ね……」
少年……というよりもまだ子供。
しかも、性格も内気でとても大人しい。
そんな○○は、神奈子もあまり見たことのないタイプの男の子だった。
12スレ目>>109
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東方喜恋譚 ~You are my オンバシラ編~ 第2話『カミカゼ! テングマン♀参上!』
○○が幻想郷に来てから、数日後――――
「○○君」
「あ、早苗お姉ちゃん……」
早苗は、神社の境内の掃除をしている巫女服姿の○○に話しかけた。
すると、○○は恥ずかしそうに早苗の方を向く。
「どう、ここの生活には慣れたかしら?」
「は、はい……」
今では○○の体調も元に戻り、彼はよく神社の手伝いをしている。
病み上がりの身体で手伝いをしなくてもいいと3人は言ったが、
世話になっているのに 何もしないのは気が咎めるという○○の意思により
簡単な手伝いを行ってもらっていたのだった。
……なお、巫女服は諏訪子の趣味では無い。
ましてや早苗の趣味でもない。
○○の身体に合うサイズの着替えが、早苗のお古しかなかっただけだった。
だが、そんな○○の姿は、彼が持ち合わせている可愛らしさも相まって
誰がどう見ても見目麗しい少女にしか見えない。
「そう、よかったわ。諏訪子様や神奈子様とも仲良くしている?」
「……は、はい……す、諏訪子様は……優しいですし……」
諏訪子は、例によって○○をベタ可愛がりだ。
しかも、完全にからかっている節がある。
朝、○○が諏訪子を起こしに行ったら 布団に引きずり込まれてしまっていたり、
昼、食事のときに○○にあーんさせて食べさせたり、
夜、○○の入浴中にアクシデントを装って入りこんだり――――
どちらかといえば、からかって楽しんでいるのと、愛でているのが半分半分といったところだろうか。
そんな諏訪子の行動は、○○をこの上ないほどに恥ずかしがらせている。
それでも、諏訪子は ○○が早く自分たちに馴染むために あえて積極的に行動している節がある。
早苗も、それが わかっているので敢えて強く止めることはしない。
「神奈子……様は……」
それに対し、神奈子はオドオドとしている○○にしょっちゅう手を上げていた。
手を上げているといっても小突く程度で、神奈子は神奈子で○○が嫌いというわけではない。
けれど、言いたいことをはっきり言わない○○の態度は、ハッキリしている性格の神奈子にとってはもどかしいのだろう。
「神奈子様は?」
けれども、そんな神奈子の態度が○○を怯えさせているのではないかと、早苗は危惧していた。
そして、もし○○が神奈子のことをあまりよく思っていなければ――――
自分が間に立って二人を仲良くさせればいい……そう早苗は考えていた。
「えっと……その……」
○○が神奈子をどう思っているのかを告げようとした、その時――――
バサァッ――――!!
「記事のネタ、はっけ――――ん!!!」
突如として鳴り響く羽音。
続いて、神社の境内に若い少女の声が響き渡った。
「な! まずいわ、この声は!!」
「え?」
スタンッ!!
「わぁっ!!」
突如として、天空から○○の目の前に黒い影が降り立った。
○○は驚き、その場に尻餅をついてしまう。
「どーも、こんにちはー!」
○○が、黒い影の姿を見ると――――
黒い髪と翼をもった少女が、右手にペンを、左手にメモ帳を携えて○○を覗きこんでいる。
「び、びっくりしたぁ……あ、あなたは?」
「よくぞ聞いてくれました! 私は文々。新聞の記者……射命丸 文と申します!!
どーぞよろしく! まずはお近づきのしるしに写真をパシャ! っと。」
パシャ!パシャ!パシャ!
○○の都合など関係ねぇ! とばかりに、文は彼の姿をカメラに数枚収める。
「では、早速インタビューにご協力ください お願いします!」
「え、え? はい……」
「うーん、この初々しさ……実にイイ! 今までにないタイプですね!!
というわけでインタビューを――――」
戸惑いと困惑に頭を悩ませながら、○○は文から一歩後ずさる。
対し、文は大人しく内気な○○に何やら感銘を受けていた。
「はい、そこまで! いい加減にしなさい!!」
それまで黙っていた早苗が文と○○の間に割って入る。
「あなた、またあること無いこと適当に書き散らすつもりでしょう!?
あの時のように!! そうはいきませんよ!」
「ぇぇー」
「ぇぇー、じゃありません!」
過去に文と守矢神社の間に何かがあったのだろう、早苗は苦虫を噛み潰すような表情で叫ぶ。
おそらくは、彼女たちが幻想郷に来た時も同じようにインタビューされたのだろう。
そして、記事にとんでもないデタラメを書かれたのだろう。
今度はそうはさせないとばかりに、早苗はダンコとした態度で文を追い返そうとしていた。
早苗という保護者の登場に、文はがっくりと膝をつく。
「ああ……私の記事を待っているたくさんの人が悲しむ姿が見えます……
そして、私は新聞の記事が書けずに 路頭に迷い、飢え死にしてしまうんですね……ぐすん」
そして、そのまま両手で顔を覆い、オイオイ泣きはじめる。
ちなみに、どこからどう見ても嘘泣きにしか見えない。
……だが、○○には本当に泣いているように見えたようだった。
「あ、あの……インタビューくらい、いいですよ?」
「○○君、あの記者に甘い顔をすると痛い目を見るわよ」
「だって……テングさんが可哀想じゃないですか……」
「しくしく……○○先生……インタビューがしたいです……」
「な、泣きやんでくださいよぉ……インタビューしてもいいですから……」
そう言いながら、○○は文にハンカチを差し出す。
「○○君……」
この子には少し人を疑うということを教えたほうがいいかも知れない。
早苗はそう考えたが、その前に嘘泣きをやめた天狗が○○に喰いつくほうが速かった。
「ぃ良しッ!! ありがとうございます! では、まずあなたのお名前は!?」
「え? ええ? あの……」
ハンカチを受け取ることもなく、文は○○に詰め寄る。
○○は、文のその豹変に驚き、慌ててしまう。
「What is your name? あなたのお名前は!?」
「○○……です」
「ふむふむ、年は?」
「×歳です……」
「一桁ですか……○○さん、若いですねぇ。
ん? そう言えばさっき緑巫女が○○君って……クン?
えーと、あなた性別は?」
「え? 男……です、けど……」
○○がそう答えると、文は信じられないと言わんばかりに○○の姿を見つめた。
続いて、文は何とも言えぬ微妙な視線を早苗の方に投げかける。
それは、困惑と憐れみが入り混じった複雑な顔。
「貴方……男の子にこの恰好は……」
「し、しかたないじゃない! ○○君の身体に合うサイズはそれしかなかったんだから!!」
「ふむ、そう言うことにしておきましょうか。では、次の質問ですが――――」
「ち、ちょっと――――」
ああ、また妙なことを新聞に書かれてしまうのかと、早苗は頭を抱える。
そんな早苗の苦悩など全く無視して、文はサクサクとインタビューを終わらせていった。
「ふむ、基本的なインタビューはこんなところですかね。じゃあ――――」
ここからが本番と言わんばかりに文は続ける。
「じゃあ、ここからが本番ですよ。ふふふ……ぶっちゃけ、早苗さんのことはどう思いますか?」
「え……」
「こ、こら、何聞いてるんですか!」
「さあ! 早苗さんのことをどう思われますか? 答えてください!!」
「え、あの……その……」
「さあ!」
結局、文に押し切られる形で○○は早苗をどう思っているかを告げた。
「さ、早苗さんは……優しくて、温かくて、奇麗な人です」
照れながら、恥ずかしそうに○○は言った。
そんな彼の姿に、早苗はドキッとさせられてしまう。
「ふむむ……では、諏訪子さんは?」
「す、諏訪子様は……明るくて、楽しくて、かわいい人です……ち、ちょっと強引で恥ずかしいですけど」
○○は嘘がつけるタイプの人間では無い。
だから、本心からそう思っているはずだ……と早苗は考えた。
それが、早苗にとって何よりも嬉しく、彼女の頬も緩んでくる。
「うーん、なんだか記事にするにはパンチが足りないなぁ……ではでは、神奈子さんは?」
「神奈子……様は……」
「神奈子様は?」
「え……と、その……神奈子様は……」
「神奈子様は?」
「え、さ、早苗さん……どうしたん――――」
『神奈子様は?』
そして、早苗が聞こうとしていたことも、天狗は尋ねようとしている。
かたや、家族の絆をより強くするために――――
かたや、いい記事を書くために――――早苗と文の声は見事にハモった。
結局、二人に押し切られる形で、○○は神奈子をどう思っているかを告げた。
「……あ、あの人は……すごく素敵だと思います……」
つづく
12スレ目>>255
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東方喜恋譚 ~You are my オンバシラ編~ 第3話『神罰と憧憬』
「……あ、あの人は……すごく素敵だと思います……」
○○は、はにかみながら、頬を朱に染めて 箒を胸に抱える。
もともと顔立ちが可愛らしいこともあり、さらに巫女服装備中。
そのため、見た目が女の子のようにしか見えない。
『う……』
その姿に、早苗も文も言葉を詰まらせてしまう。
二人はほんのちょっぴりジェラシーを感じてしまった。
この子、女の私よりも可愛いんじゃないか、と。
「ほうほう、理由はわかりませんが ○○さんは年増の色気にメロメロ……と!!」
「え、ええっ!? そ、そんなこと言ってないですよぉ!」
「大丈夫です、秘密は洩らしませんよ……新聞をバラ撒くまではね」
「結局、皆にバラすんじゃないの……」
「だ、ダメですよぉ! そんな嘘、皆に言わないでくださいぃっ!」
涙目になって焦りながら、○○は文に泣きつくが、鬼の皮をかぶった天狗は一顧だにしない。
対し、いい記事のネタが見つかったとばかりに、文ははしゃぎまくる。
けれど、彼女は気付いていなかった。
その背に迫る黒く獰猛な影に――――
「ノンノンノン! ノープロブレムです! 年増趣味なんて普通じゃないですか!!
世の中にはロリ閻魔や、加齢臭漂うスキマや、毛玉がラブな人だっているんですよ!?
それに比べたら、オバサン臭い人が好みなことなんて――――」
「ほーう……誰がオバサン臭いですって?」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!
文の背後から恐るべき殺気が迫る。
その殺気が誰のものかは、賢明な読者諸君には語るまでもないだろう。
「……あややややや」
(まずい……まずいです……これは振り返ったら殺される)
ガシッ!
神の腕が文の首を掴む。
「折角来たんだから、楽しんで行ってちょうだい」
「えー、と……その……神奈子さん落ち着いてください! 今のは、言葉のアヤというものがですね!! 」
「ふふふ、すぐに終わるわよ。縛り付けて、たっぷりとオンバシラを喰らってもらうだけだから」
「あややややややや……!!」
「雪舟の如く、涙で己の走馬灯を描くがいいわ……」
「ひ……ひいいいいいいっ!!」
(雪舟が描いたのはネズミの絵なんですけど……)
首根っこを掴まれて引きずられる文を眺めながら、早苗は冷静に心の中でツッコミを入れていた。
ただ、流石の早苗も、今の神奈子に突っ込みを入れるほど間抜けでは無かった。
下手に口を挟めば、巻き添えを食うのは目に見えているからだ。
もはや、神の怒りの渦中にある文の命は風前の灯と言えるだろう。
神の逆鱗に触れた少女を助けることは絶対に不可能だった。
「あ、あの……」
「ん?」
「……暴力は……その……」
オドオドとした態度で、○○は言葉を紡ぐ。
神奈子に『暴力はいけない』と言うつもりなのだろう。
けれど、そんな姿が神奈子を苛立たせる。
「言いたいことがあるなら、はっきり言うようにと 言ったはずだけれど?」
「………」
「何もないのなら、私はもう行くわよ」
神奈子は、文を引っ掴んだまま○○に背を向けて歩き出そうとした。
その時――――
「……ぼ…暴力はダメで――――わぁぁっ!!」
「え?」
突如として、○○が叫んで神奈子を止めようと走り出した。
しかし、その脚に何かが引っ掛かり、途中で転んでしまう。
なお、○○の足を引っかけたのは空間の裂け目から伸びていた傘だったことには、誰も気づかない。
ふにっ
「…………え」
「なっ…………」
神奈子は、胸に違和感を覚えた。
○○は、掌に柔らかい感触を覚えた。
何が起こったのかを要約すると、○○は神奈子の胸を背後から引っ掴んでいた。
「………あ、あれ?」
「……あ……う」
「Oh my God!!」
「おお、ナイス○○さん♪」
四者四様の反応を示す。
なお、どの反応が誰かは、やはり言うまでも無いかもしれない。
○○と神奈子は状況を認識していくごとに顔が赤くなっていっている。
早苗はアッチョンブリケとばかりにムンクの叫びを披露し、文は○○の命がけの行動に敬意を表していた。
ちなみに、元凶のスキマはもういない。
「わ、わわわわわわ………」
「~~~~~ッ!!」
声にならない叫びをあげて神奈子は頬を朱に染めて、○○を引きはがそうと身をよじる。
けれども、○○は神奈子以上に抜き差しならぬ状態に追い込まれてしまった。
「あわわわわ!! ご、ごごごごごめんなさい~~っ!!」
「ちょ、やっ、揉む、なぁ…っ!!」
「わ、わぁぁっ!! 動かないでぇ! 落ち着いてくださいぃ!!」
なお、○○は神奈子の胸を揉んでいるわけでは無い。
ただ、神奈子にしがみ付いていないと、身をよじる神奈子によって吹っ飛ばされてしまうのだ。
必然的に、○○は転んでしまうことを恐れてより強くしがみ付いてしまう。
なんという悪循環だろうか。
そして、そんな光景を敏腕新聞記者が逃すはずもない。
「おお! これはいいシーンです! ってことで、パシャっと撮りましょう」
パシャパシャパシャパシャ!!!
「と、撮るなバカぁぁ!!」
羞恥に顔を朱に染めながら、神奈子は絶叫する。
けれど、いっぱいいっぱいなのはむしろ○○のほうだった。
文が写真を撮っていることすら気付く余裕がなく、既に耳まで真っ赤になって――――
ボンッ!!
「●×△■○×▽◆……」
意味のない呻き声を上げながら、頭から煙を吹いてしまった。
その時、神奈子の身体から振りもぎられて倒れてしまう。
「ちょ、ちょっと○○君 大丈夫!?」
「…………さすがに、怒る気すら失せるわね」
○○に神の怒りを下そうとした神奈子も、○○のあまりの純な性格に毒気を抜かれてしまう。
「やれやれ……」
しかし、それで神奈子の腹の虫がおさまるはずがない。
その怒りの矛先がどこに向かうかは――――
「いい写真も撮れましたし、いい記事が書けそうです! それではみなさん、また来しゅ――――はぐわ!」
――――語るだけ無駄というものであろう。
「さて、貴方には○○の分もあわせて神の裁きを受けてもらいましょうか」
逃走を図ろうとした文を、オンバシラで撃墜。
そして、再び文の首根っこを引っ掴む。
……文の命が風前の灯だったのは変わらないようだ。
「な、なんで私が!? ○○さんも暴力反対って言っていたじゃないですか!!」
「その○○の敵討ちよ……おとなしく、そこに直りなさい」
「ちょ、勝手に殺さないでください! ○○さん死んでないですよ!?
や、ちょっとやめいやですそんな所にオンバシラはやめて許して――――
アッ――――AAAAAAYYYYYAAAAAAAA――――!!」
合掌。
・
・
・
一刻後――――
神奈子はすべてを終わらせて、神社の廊下を歩いていた。
「あー、もう……あの子ったら……」
神奈子の手の中にはフィルムが握られていた。
その元の持ち主がどうなったかは、推して知るべし。
「あら?」
ふと、視線を感じ振り返ると――――幼い少年が、柱に半分身を隠しながら チラチラと神奈子を見つめていた。
それと同時に、神奈子は○○から不思議な感情を受け取っていた。
これまでに、○○から幾度となく受け取ってきた感情。
そして、その想いはとても強い。
けれども、神奈子にはその感情がわからない。
悪意でも恐怖でも無い。
信仰心とも少し違っていた。
「○○、どうかしたの?」
「あ……あの……その………」
相も変わらず言いたいことが言いだせない○○に、流石の神奈子もイライラが限界に達してしまった。
「だから何度も言ってるで――――」
「ご、ごめんなさい!!」
○○が叫んだ。
それも、今までにないくらい大きな声で。
その激しい剣幕に、神奈子も押し黙ってしまう。
「ご、ごめんなさいって?」
「さっき、その……神奈子様の……おっぱ……ぁぅぅ……」
どうやら、律儀にも神奈子に謝りに来たらしい。
呆れてしまうほどに礼儀正しい性格に、神奈子は呆れながら苦笑するしかなかった。
「安心なさい、怒っていないから」
「よ、よかった……それじゃ、し、失礼します……」
「待ちなさい」
神奈子が○○の肩を掴む。
彼の身体は、緊張で硬直してしまっていた。
「……私は、貴方を怖がらせているだけなのかしらね……」
「え?」
「正直に言ってくれてかまわないわ。私は恐い?」
真剣な表情で、神奈子は尋ねる。
○○は少し沈黙した後、何故か頬を赤く染めて神奈子に言う。
「そ、そんなこと…ないです……神奈子様は…か、かっこいいです……すごく」
「かっこいい?」
「は、はい……いつも落ち着いていて、大人っぽくて……」
○○のその言葉で、ようやく神奈子は理解した。
(なるほど、憧憬……ね)
○○が神奈子に向けていた感情は、自分もこうなりたいという強い想いだったのだ。
○○自身、内気であまり喋れない自分自身が、もどかしくてならなかったのだろう。
「○○、私のようになりたいのなら もっと自分を出してみなさい」
「……自分を……出す?」
「そう、言いたいことや伝えたいことは 勇気を持ってはっきり言うこと。
大丈夫よ、貴方を頭ごなしに否定する者は此処にはいないわ。
まずは、それから頑張ってみなさい」
「……は、はい!」
「……ふふ、いい返事ね」
けれども、神奈子はまだ気付かない。
また、○○自身も 幼すぎて気付いてはいなかった。
○○が神奈子に対して抱いていた感情の名は、確かに憧憬だった。
けれど、○○の目に、憧憬とは別の……温かい感情がこもりつつあったのだ。
そして、○○が神奈子の側にいる時に、身体を緊張させていたのは――――
つづく
12スレ目>>449 うpろだ831
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神奈子様に告白された、どうしよう。
「いよっしゃあ!早苗に告白するぞ!」
「まあまあ待て待て」
「おやどうしたんですか神奈子様」
「早苗に告白なんてしちゃいかん」
「え、何故ですか恋愛は自由じゃないですか?」
「お前は私のオンバシラだ」
顔真っ赤にする訳でもなくえらく真剣な顔で言われたから硬直するしかなかった・・・orz
11スレ目>>901
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か、神奈子様・・・
今日こそ打ち明け様、僕の思いを・・・
諏訪子様と早苗さんが外出したせいで境内を退屈そうにうろついてる神奈子様・・・
もう僕が、そんな思いはさせません!
神奈子様に向かって走っていったけど、
眼が合った瞬間に恥ずかしくて僕は眼を閉じてしまった。
そのまま、神奈子様に抱き着く。
「○○・・・!?これはどういう事だ?」
「ずっと前から貴女が好きでした!
僕と・・・ずっと一緒に居て下さい!」
「な・・・
いや、分かった。他人の趣味に干渉するつもりは無い。
毎日新しい奴を君の家まで送ってやろう」
え・・・何か変だぞ?
異変を感じた僕は抱き着いたまま目を開いた。
「それは私のオンバシラだ」
あるぇー?
11スレ目>>905
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「だから・・・ねえちょっと、諏訪子、聞いてるの?」
いや聞いてない、
聞こえるが耳から入ったのを全部聞き流す。
「ちゃんと聞いてるよー・・・それで?」
最近神奈子は里から来た少年にご執心だった。
何でも今年は里で気象が酷く荒れたらしく、
・・・いや、まあ荒れた理由は知ってるよ?
山に住む厄神が回収を怠ったんだよね・・・今の神奈子と同じ様な理由で。
神奈子の怠惰により、現在守矢神社は深刻な信仰心不足に陥っている。
直接的な理由は神奈子にあるのだが、
とりあえずは件の少年について説明しておこう。
少年は里から生贄として捧げられた。
外からの来訪者らしく、神学に興味があるとやらで快く生贄を引き受けた様だ。
というか生贄って普通畜生を殺して捧げるんだけどね、
どっちかっていうと彼は人柱だね。
ともかく、彼から里の有様を聞いた私達は大急ぎで里へ行き、
奇跡を起こしたり土地開拓したりでなんとか里を元通りに戻した。
信仰心も大幅にアップ・・・する所だったんだけど、問題が一つできた。
生贄の少年、○○だ。
神に捧げられた身である以上神社から引き離す訳にはいけないし、
生贄を里に返すと色々と問題がある。
・・・供物のルール的な意味で誤解されて信仰が下がりかねないのよね。
そこで仕方がなく、彼を此処に置く事になった。
外から来た彼は早苗の良い話し相手になり、
神学を学ぶ彼は神奈子や私の話し相手にもなる。
家事は上手くこなせなかったが、猫の手程度にはなる。
・・・そう、彼を迎え入れるまでは良かった。
そして彼自身も変わる事は無い。
全ての元凶は彼にあるけど、
全ての原因は神奈子にあるのだ。
さて、神奈子が話す○○の良さだが、
まず神奈子は優しい事を挙げたがる。
ガンダム(って私には分からないが)の話を真剣に聞いてくれるし、
早苗に虐められた(原因が神奈子なのは置いといて)時に慰めてくれるし、
私や早苗と違って(御役目なので)ずっと神社に居てくれる所、らしい。
なんだか神奈子が不憫になってきたわ・・・
ところで私は何度か「もう告白したら?」と聞いてみた事がある。
すると体をくねらせながら頬を染めて。
「でも~、断られたら嫌だし~、プライドが許さないし~」
とか言ってきたのを覚えている。
外の世界の早苗と同年代の子があんな感じだったなぁ。
もう少し歳を弁えて欲しかった。
と言ったら帽子を盗んで投げられた、あーうー。
「神奈子様ー、ただいま帰りましたー」
「あらお帰り○○、図書館は楽しかった?」
「はい、それとあそこの庭で取れた人参を貰いましたよ」
「それは良かったわね、早苗に頼んで今夜の煮物に入れてもらいましょう?」
「はい!そーですね!」
バスケット一杯の人参を持って○○は台所へ駆けて行った。
同時に、神奈子の頬が緩む。
「くは~っ、あの反応堪らないわね、眼福眼福」
・・・その切り替わりの速さは同じ神として尊敬するよ全く。
こないだなんか○○に膝枕してね、
○○がそのまま寝付いたら凄い嬉しそうな顔でずっと○○の頭を撫でてたのよ・・・
なんか私、この神社が本気で心配になってきた・・・
「・・・成る程、最近はこんなのが流行ってるのね」
神奈子は、早苗が外から持ってきた雑誌を読んでいた。
今日は○○が居ない。
つまりあれなのだ、神奈子が変貌するのだ。
正直あのデレデレっぷりを見ていると神社が心配になってくる。
ちなみに頼みの綱だった早苗は、
・・・コタツに引きこもって凄まじい勢いで携帯電話を使ってたので諦めた。
○○はというとまた図書館に行っている。
従順な子だからあそこの魔女や小悪魔に唾付けられないか心配ね・・・
いやいや、私は別に良いんだけど・・・あらゆる意味で暴走した神奈子に巻き込まれたくない。
「ただいま帰りましたー」
「お帰りー」
私が挨拶する瞬間に神奈子は雑誌をコタツの中に放り込み、
早苗も手品の様な一瞬の動きで携帯電話を隠す。
「おやつの時間に頂いたお菓子なんですけど、
皆の分もってお土産に包んでくれたんですよー」
今日バスケットに入っていたのは外で食べたバウンドケーキとかいう物だった。
「おぉー、凄いスイーツですね」
え、何語。
それは何語なんだ早苗。
それはさておき、
「いつもありがとね○○、
こっちは材料揃えるのが大変だからね」
「和スイーツなら作れますけどねー」
だからスイーツって何語。
「ほら、神奈子様もいかがですか?」
さっきから立ち上がらない神奈子の側に○○が近づき、
目の前にケーキを差し出した。
「ふざけるなよ」
あろう事か、
神奈子はそのケーキを手で払いのけた。
「なんで私がお前如きの施しを受けなきゃならいんだ」
その場の全員が、驚愕した。
神奈子の顔は、侮蔑と憎悪に溢れていた。
「・・・ごめんなさい」
○○は頭を下げ、
部屋から去って行った。
そしてあろう事か一瞬の内に豹変した神奈子は、
「どうだったかしら!私のツンデレは!」
・・・駄目だこの神、早くなんとかしないと・・・っ!
「神奈子様、それデレが無いです」
「あぁっ!」
何普通にツッコミ入れてんだうちの巫女は。
「はぁ・・・そんな事より、
○○、きっと悲しんでると思うよ。
神奈子に嫌われたと思ってるんじゃない?」
「う・・・」
「それに原因は神奈子様ですから慰めには行けませんねー」
またカタカタと携帯電話を打ち続ける早苗。
「素直に謝ってきなさいよ、
○○は優しいんだから、ね?」
「う・・・ぅぇぇぇん!諏訪子~!」
はいはい、悪かったって自覚はあるのね。
「怖いよ~!○○に嫌われたら嫌だよ~!」
一瞬カシャと言う音がしたのだがブン屋は見つからなかった。
早苗がニヨニヨ笑ってたがいい加減神奈子に毒されたのだろうか。
え、神奈子?
仲直りしたよ、もう。
え、何?
仲直りに当たって神奈子がうっかり告白して仲が進展したんじゃないのか?
嫌だなーw
神奈子にそんな度胸ある訳無いじゃないw
謝って、元気付けて、それでおしまい。
まあでも、あれだけ泣いてたのに○○の前では平常でいれたってだけでも・・・
いや、それじゃ駄目だったな・・・素直に告白しないと。
ともあれ、神奈子はあの一件以来素直になっていた。
○○がお土産を持って帰ったら喜んで頭を撫でる。
・・・まあそれは○○が恥ずしがる顔を見たいだけなんだろうけど。
ん、最近あった出来事?そうだねー・・・
この間、図書館が休みでね。
○○が珍しく日中神社に居たのよ。
ずっとコタツに入ってたんだけど、
んー・・・やっぱり暖かいから?座ったまま寝てた訳。
それでその隣でみかん食べてたんだけど。
「諏訪子ー、はさ・・・」
絶句だったね。
視線は○○に注がれみるみる内に表情が変わっていったよ。
「はさみなら台所に」「黙れ蛙」
いや、別に怒られても何とも無いよ、うん。
決して悲しい訳なんかなくてあくびしたから涙が出てるだけなんだよ?
神奈子は口の端を痙攣させながらゆっくりと○○に近づいていった。
そんなに嬉しいか、その顔怖いんだけど。
そしてそのまま・・・眠ってる○○を後ろから抱きしめた。
あ、待って。
恋愛ドラマみたいなシーンを想像した?
あのね、残念だけどこのスレ読み返した後鏡見てみなよ。
ニヨニヨした顔ってなんか変でしょ?
あの顔のまま○○に抱き着いて背中にほお擦りしてるんだよ、神奈子。
それも半角カタカナでハァハァ言いながら。
カリスマが0ってていうかもうカリスマの概念ぶっ飛ばしたって程に・・・
あれ、なんか説明したら涙が出て来たよ?
いやいや、眠いからあくびだよね・・・?
いいもん・・・早苗が居るからいいもん・・・
寂しいなあ・・・
11スレ目>>913>>942>>952
12スレ目>>14
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「お前が神なら俺は関白だ」
11スレ目>>984
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「・・・寒っ!」
吐く息が白い。
先日の白黒の参拝・・・じゃなくて襲撃により、
唯一の暖房器具であったコタツが破損。
さらに弾幕ついで神奈子様が発射したオンバシラがとどめを刺し、
結果、何とかして寒い冬を暖房無しで越さないといけないようになった。
そして、奇跡的に修理出来る人を見つけた早苗さんがコタツの残骸を持って行ってる間、
境内の掃除等雑務を僕がこなす事になったのだ。
「よう少年、頑張って掃除してるかい?」
ニヨニヨしながら神奈子様が出て来た。
全く・・・コタツ壊した本人なんだからもう少し反省して欲しいんだが。
「どうしたんですか神奈子様、外は寒いでしょうに」
「いやまあ、○○が寒い思いをしてるんじゃないかと思ってね」
「はぁ、まあそりゃあ現代っ子の自分にゃあ堪えますね」
「だから暖めてあげようと思って」
「お~、是非お願いしますよ」
「うんうん、素直で宜しい。
んじゃ、目を閉じて手を上げて・・・」
・・・こう、かな?
「うわ・・・!神奈子様何やってるんですか!」
「後ろから抱き着いてるんだけど?」
「なんでいきなり!」
「暖めてあげてるんじゃない?」
「で、でもこんな」「ん~?」
「ひ・・・顎で肩をぐりぐりしないで下さい!」
「ほれほれ、此処が弱いのか~?」
「うあ・・・力が・・・」
「顔が真っ赤じゃないか。
暖まってきたんだろう?」
相変わらずニヨニヨと・・・
「あら?何かしらその顔は~」ぐりぐり
「んあ・・・止めて下さい・・・」
無理ぽ・・・腰が・・・
その後、背丈的に危ないポジションから諏訪子様が抱き着いてきて、
さらに帰って来た早苗さんにも抱き着かれたのは別の話・・・
12スレ目>>61
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早苗のいわく、
外界では自分の胸で型取りをしたチョコレートをバレンタインにプレゼントする輩がいるらしい。
いやまあ漫画やドラマと言う事は分かっているがあんな熱い物を体に垂らしてまで早苗や諏訪子は恋人にプレゼントをした訳だ。
・・・まあ、渡された側が一瞬引いていたのには目をつむろう。
とにかく、私も真似して体の一部を使ってチョコを型取りしてみたんだ。
だ、だって男はあんなのも好きなんだろう?
君は不衛生と言うかもしれんが、
私の愛情が詰まってるんだ、是非食べて欲しい。
私の・・・オンバシラチョコレート。
感想:でけえ
12スレ目>>509
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「で、どうだい、早苗は?」
「またその話か。その気は無いと言っているだろう」
「あんたが早苗と一緒になってくれると、こっちは先の心配しなくて済むんだけどねぇ」
俺は今、守矢神社に来ている。
ここで売っている絵馬や破魔矢は、俺が作って納めているのだ。
もちろん、その後しっかり祈祷を行ってから売っているが。
「さすがに歳が違いすぎて、妹にしか思えないんでな」
「いいじゃないか、成長する様も楽しめばお得だよ?」
「あんた本当に神様か?」
ここに来るたびに、ここの神様…八坂神奈子は俺と早苗ちゃんをくっつけたがる。
「俺にこだわる必要はないだろう。
里には、歳も近くて早苗ちゃんに気のある男が腐るほどいるぞ」
「そのへんは見てみたさ。
でもね、男として一番見込みがあるのはあんただったからね」
「それ自体は光栄だけどな、こっちにはその気が無いんだ。
他を当たってくれ。」
「つれないねぇ。
まあ、仕方ない、とりあえず一杯やろうか」
「おう」
納品の度に、ここで酒を飲んでは早苗ちゃんと結婚しろ、としつこく迫る。
軽く一回りも下の、まだ幼さの残る子と一緒になれと。
「ほら早苗、○○にお酌しなよ」
「おい、風祝は召使じゃないだろ」
「おやおや、嫁が旦那に酌をするのは当然じゃないか?」
「そ、そんな、嫁だなんて…」
「神奈子~あんまり早苗困らしちゃ駄目だよ?」
「そうそう、一回り以上上のおじさんとくっつけられて喜ぶ女なんかいないぞ?」
「自分でおじさんとか言うんじゃないよ…」
「ふぅ、ちょっと酔い覚ましに散歩してきますね」
「私もいってくるね~」
早苗ちゃんと諏訪子は、夜風で目を覚ましに出て行った。
酒に弱い早苗ちゃんと、それを見守る諏訪子、毎度の光景だ。
「ああ、気をつけろよ」
「なあ、前から聞きたかったんだが」
「なんだい、改まって」
「俺のどこに見所がある?
少なくとも、気に入られるようなことをした覚えがないんだが」
「あんたの持ってくる絵馬やらなにやら見れば、すぐに分かるさ。
木目にも気をつけて、丁寧に磨かれた絵馬。
白くて綺麗で、乱れの無い破魔矢の羽。
これだけ気を遣っても、誰もあんたを誉めやしない。
でも、あんたは手にする者を思って作りつづけてくれている。
そんな生真面目で優しいところが、あんたの魅力さ」
「下手な物を納めたら、あんたの名前に傷が付くだろうに」
「はは、違いないね」
「惚れた女の名を汚すほど、俺は馬鹿じゃないからな」
「今…何て」
「あ…」
酒の魔力を甘く見てはいけない。
酒は、心の扉をいともたやすく開く。
それと同時に、何が飛び出すかは人それぞれだが。
「普段のカリスマにあふれたお前が好きだ。
時折見せる、物憂げな顔をしたお前が好きだ。
こうして飲んでいるときの、大人の色気のあるお前が好きだ。
俺はお前のことを思いながら、毎日縁起物を作っているんだ」
俺の場合は、信じられないほどの度胸と愛の告白が飛び出した。
「あ、あんたねぇ、神様に向かってよくもまぁ…」
「好きだ、神奈子。俺と一緒になってくれ」
「なっ何言い出すんだい!神様と人間が一緒になるなんて出来るわけ…ないわけじゃないけど!」
「俺じゃ嫌か?」
「…その言い方は卑怯じゃないか…嫌なはずが無いさ…でも…」
「早苗ちゃんには俺から話す。さんざん引っかき回した詫びをしなきゃな」
「本気、なんだね?」
「ああ、本気だ。俺の嫁になってくれ、神奈子」
「…はい」
「照れると可愛いな、神奈子は」
「ば、馬鹿…」
すぱぁぁぁぁぁぁぁぁん!
ものすごい勢いで襖が開いた。
「「やったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁばんざぁぁぁぁぁぁぁぁい!」」
「な、何だおまえら!いつからそこにいた!」
「最初からですよ」「ね~」
「え、あ、あんたたちはぁ~!」
「照れると可愛いな、神奈子は~」
「ちょ、ちょっとやめておくれよ!」
「お二人の気持ちは分かってたんですけど、なかなか進展しなくて困ってたんですよ?
毎回毎回、気を回して二人にしても、ちっとも進まないんですから!」
「毎回だと!?っていうかいつからバレてた!?」
「ずいぶん前。そりゃ~毎度毎度神奈子ばっかり見てれば、チルノでも分かるよ?」
「神奈子様は神奈子様で、○○さんのことを話すときは『乙女』の顔になってるし…」
「そ、そんな顔してたのかい!?」
「ま、仲良くしなさいお二人さん♪」
「参ったね、これは…」
「でも、嫌な気分じゃないよ、私は…
ありがとう、二人とも」
ちょっとした後日談
「ああ、早苗の旦那の話はどうしようかねぇ…」
「神奈子様、それなんですけど…」
「なんだい?好きな男が出来たとか?」
「いえ!そこまではいってませんけど…出来れば、年下の男の子がいいなー、と」
「と、年下!?」
「はい、やっぱり、年上よりも年下の可愛い男の子の方がいいですもの!
できれば半ズボンが似合う、目のくりっとした子がいいなー。
神奈子様、誰か知りません?」
神奈子は幻想郷に来て、本当に正解だと思った。
(外だったら犯罪だよ、早苗…)
13スレ目>>126 うpろだ949
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住み込みで働いている守矢神社の庭を掃き終え、縁側でひなたぼっこしていたはずが、
いつのまにかそのまま眠ってしまったらしい。
まだまぶたも開かないぼんやりした意識でそう思い出す。
少しぞくりとした外気を感じ、如何これは日が暮れてしまったかと考えた所で
嗅ぎなれた煙の香りと、何か温かいものが頭の下にあるのを感じ取る。
「…おや、ようやくお目覚めかい?」
見上げるとそこには夕焼けに照らされながら、
音も無く煙を吐いている神奈子様が居た。
っていうか、膝枕されていた。
キセルを持っていない右手は俺の頬に置かれている。
「…すみません、今退きます。よっ」
身を捻り腹筋の要領で起き上がる。
「待ちなよ」
ぐきり。
動く瞬間を抑え込まれおかしくなる俺の首。
「――っ!!うぐがが……」
「何やってんだい………ふぅ」
悶える俺を膝元に、一服キセルをふかす。
「動かないで、そっと足元をみてみな?」
言われて自分の足先を見ると、
「おわ……早苗さんに、諏訪子様」
丸めた座布団を枕に、二人が俺同様寝転がっていた。
なるほどこれは動けない。
迂闊に勢いよく起き上がればケロちゃ・・・もとい諏訪子様を踏みかねなかった。
いくら蛙キャラとはいえそれは無いだろう。
「できればあんたにも座布団をやりたかったんだよ?でもさ、ほら」
しょうがないよなぁ、という笑顔で神奈子様が視線を向ける。
二人がそれぞれ二枚ずつ座布団を枕にしている。
そしてここには、家族用の座布団は4枚しかなかった。
「ははは、なるほど」
「ったく、〇〇に一枚持ってくるとかしないで自分らも一緒に寝ちまうってんだから」
「かえって二人らしいですよ」
「はん、そいつはまったく同意だね」
そいじゃそろそろ二人を起こすか、そう言うと神奈子様は俺の頬から手を離した。
「ですね、っと。…膝枕、温かかったです。ありがとう神奈子様」
「いやいや、婆様の古枕で悪かったねぇ、
安心しな、次こそはちゃあんと座布団置いてやるよ」
「そんな、これ以上無いってくらい素敵な枕でしたよ。
よければまたお願いしたいくらいです」
「勘弁しとくれ、足が痺れてたまんないったら。
どうしてもあたしにして欲しいってんなら、そうさね次はオンバシラでも」
「縁側壊す気ですか」
「だったらオンバシラ五本で」
「壊す気まんまんですね」
「しょうがないなぁ、特別サービスオンバシラ100本だ!持ってけ泥棒!」
「ジェンガみたいになっちゃうでしょうが!!!駄目です!!!」
あああ、やっぱりボケとツッコミに。
少しくらい神奈子様に意識してほしくて頑張るも、だいたいこんな感じになるのが常だ。
偶然にも夕暮れとかシチュエーションばっちりだってーのに、俺のへたれ!
「あーもうっ。いいからもう起こしましょう、二人を」
「っはっは、いい加減日も暮れちゃったし、そうするかね」
中身を受け皿に出してキセルを置くと、よっこいせと立ち上がる。
掛け声はアレだが、スラリと立ち上がる動作の優雅さについ見惚れてしまった。
「ふふふ、どうやって起こしてやろうかね」
顎に手をあてにやにやする神奈子様、すげぇ悪そう。でもその笑顔も素敵です。
「せっかくですから、俺はむき出しの脇に落ち葉を乗せてみます」
「そいじゃああたしは諏訪子の帽子の目に乗せようか」
「むー、起きませんね」
「早苗の髪を紫色にして、額に『W』って書いてみるとか?」
「真っ白い服来てダイブしたら諏訪子様中に入るんじゃないでしょうか」
「それだと洗濯のたびにあーうーうるさそうだから却下」
「早苗さんを塗ると博霊も黄色にしないといけないのでやめましょう」
「ここはひとつ、オーソドックスに鼻でもつまんでやれ」
「王道ですね。じゃあいきますよ、せーのっ!」
その日の夕飯、ぷんすか不機嫌なケロちゃんは
俺や神奈子様の箸につままれたおかずに食らいつくという暴挙に出ました。
文句を言おうにも帽子の目はすっげぇ睨んでるしケロちゃんは可愛いしでどうにもなりませんでした。
神奈子様もまんざらでもなさそうだたので、おっけーね。まる。
13スレ目>>266
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「ん?○○、何を描いているんだ?」
「あ、神奈子様。
守矢神社のことを里の人にもよく知ってもらえるように、
パンフレットを作ろうかと思いまして。
流石に写真だと威厳が損なわれそうなので、
神奈子様の絵を描いて載せようと思ったんですが……」
「ほう、『守矢神社祭神絵姿』か……
うん、なかなかよく描けているじゃないか」
「神奈子様にそう言ってもらえると、がんばったかいがあります」
「……あの、諏訪子様。○○さんの絵ですけど」
「……あーうー。神奈子はああ言ったけど、ちょーっと、若いというか……
美化されてるよねー。恋は盲目っていうけど……」
「八坂様、全然気付かれませんよね。
側で見ている私にさえ、○○さんの気持ちが手に取るように
わかるんですが」
「神奈子もそっちの方は初心というか、鈍いからねー。
……気付いた時が見ものだね」
13スレ目>>308
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「○○、私はお前のことが好きよ」
「神奈子様……」
「ずっと側にいてほしい」
「あの、嬉しいですけど後ろの一際でかいオンバシラは?
伝説の樹じゃあるまいし」
「伝説ならある。昔これで蛙を吹っ飛ばした」
「いやそうじゃなくて、下で告白すると幸せになれるとか」
「そういうのは、ない」
「ないんですか」
「だがお前は私が幸せにする。私は、○○がいてくれればそれで幸せよ」
「……神奈子様」
「私の気持ちに応えてほしい」
黙って、神奈子様を抱きしめた。
14スレ目>>57
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「おーい○○ーただいまー」
「お帰りなさい神奈子様…ってなんすかそのボロボロな格好は」
「いやー、宴会の帰りに麓の巫女と弾幕で勝負したら負けちゃってねー」
「まったく、着替え用意するからお風呂でも入っててくださいよ…」
「はいはい、じゃあ入ってくるよっと…」
「はい行ってらっしゃい…ってここで脱がないでください神奈子様!」
「えー、そのくらいいいじゃないか○○ぅー」
「こっちはそういう経験ないんすから勘弁してください!こっちが恥ずかしいですって!」
「わかったよ、ちゃんと風呂場で脱ぐから落ち着いてくれ…」
「まったく…神様なんだからもうちょっと威厳のある行動を取ってください」
「最近はこういう方が信仰が集まるのよ」
「まったく、信仰してる俺の立場が無いと言うか…」
「おや、あまり信仰してるようには見えないけど、そうなのかい?」
「最大限の信仰をしていますよ、神奈子様は鈍感と言うか…」
「そうかい、ありがたいね。ところで最大限の信仰ってどんなものなんだい?」
「愛してる、って事ですよ、神奈子様」
「え?…か、神様の前で冗談は良くないよ○○」
「冗談なんかじゃありませんって。」
「そ、それじゃあ…」
「神奈子様、俺は神ではなく一人の女性としての貴方が好きです。」
「そ、それはその…プロポーズとして…受け取っていいの?」
「…もちろんです、神奈子様。実は恋愛経験とか無いのでは?」
「あ、あはは!あるに決まってるじゃないか!」
「その反応からして無いんですよね?」
「あー・・・ぅー」
「諏訪子様みたいにごまかさないでください。それで、答えを頂けると嬉しいんですが」
「あ…その、これから…よろしくね…」
「ああ、よかった。断られたらどうしようかと。しかし、本当に威厳が無いというか」
「な、何を言うんだ…威厳の無い私は好きじゃあないか?」
「どんな神奈子様でも俺は好きですって。こちらこそ、よろしくお願いします」
「あぁ…その、神様としては非常に情けないんだが…よろしく…」
「さて、とりあえずお風呂に入ってきてください。今、早苗さんが料理作ってますから」
「あぁ、わかった。でも、その前に…その、キス していいか?」
「はいはい、わかりました。神様の仰せのとおりに」
おしまい
うpろだ1148
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洩矢神社の縁側に私は酒を持って座る
あの三人組は寝ているだろうか
特に早苗は家計が苦しいだの、少しは節約だのとうるさくてかなわん
反して諏訪子も神様の癖に10時にしっかりと寝る癖をつけておるしな
……んくっ、はぁ……今日も酒は美味い
今日はちょうど良く満月だ
……月見酒といったところか、なかなかの趣があるな
はぁ……
……後は○○だけだな
あいつがここに住むようになってから私は変わってしまった
○○が早苗の手伝いをしているとき、諏訪子と遊んでいるとき
私は○○の姿を目で追ってしまう
目が合ったときなんてどうしようもなく恥ずかしくなってきて、すぐに目をそらしてしまう
その後あいつは、○○はこう言うのだ
「神奈子さんどうしたんですか?」
彼は彼なりに私を気遣ってくれているのがわかる
その気持ちがとても嬉しいのだ
だが、いつも私は何も答えられずにいる
……○○は私のことをどう思っているのだろうか
ただ一つの神様として、それとも……?
はぁ……どうも一人になると弱気になってしょうがない
……これじゃあ神様失格だな
「こんな夜遅くに一人で晩酌ですか?」
「……起きていたのか○○」
「ええ、こんな良い満月の日には外にでも出ようと思いまして」
「ああ、今日は良い満月だ」
「……神奈子さん」
「何だ○○」
「俺は神奈子さんのこと神様失格だと思ってませんよ?」
「……」
「人でも神様でも弱くなるときがあるんだと思います。それをどう向かっていくか。それが大切じゃないんですか?」
「……お前も弱くなるときがあるのか○○よ」
「はい」
「……そうか」
「俺も一杯貰っていいですか?」
「ああ、だが早苗に怒られるときは共にだぞ○○」
「わかってますよ。それではいただきます」
「……ぷはー。こんな美味いお酒を独り占めで飲むなんてずるいですよ神奈子さん」
「そうか?なら次からはお前を起こしてから呑むとしよう」
「それはありがたいです、こうして神奈子さんと一緒にいられる時間が増えますから」
「……一つ聞いていいか?」
「ええ、どうぞ」
「そのだな、お前は私のことをどう思っているのかと思ってな」
「神奈子さんのことですか?それはもちろん……」
あーうー……
むにゃむにゃ……
「そ、そうか。それは野暮なことを聞いたな」
「そんなことないですよ。俺もこうして気持ちを伝えることができたんですし」
「う、うむ」
「それで……神奈子さんのご返事はどうなんでしょうか?」
「むっ!……」
「……どうなんですか~?俺だけ言うなんて不公平ですよ~?」
「むぅ……お前わかってて言ってるだろ」
「さぁ~?それは神奈子さんのご返事しだいで」
「わ、私もだな……その○○のことが!」
あーうーあっ!
ごんっ!!
う~んうるさいですよすわこさまぁ……むにゃむにゃ……
「な、なんか言われると恥ずかしいですね!」
「そ、そうだな!」
「そ、そろそろ寝ませんか?お酒も尽きたことですし」
「あ、ああ」
「それじゃあ俺はこれで」
「ま、待ってくれ○○」
「?どうしたんですか?」
「その……今日は……お前の布団で一緒に寝てもいいか?」
「えっ!!そ、それは……」
「!べ、別にやましいこととか考えてないから大丈夫だ!単に寝付くまでお前と一緒にいたいんだ」
「そ、そうですか……それなら……いいですよ」
「ありがとう○○」
翌朝、抱き合って寝ていた私たちを見て早苗に弾幕の嵐を食らったのはいうまでもないな
ちなみに諏訪子は頭に大きなたんこぶができていたが……まぁ大丈夫だろうさ
まぁそのなんだ○○とは両思いになったということだ
その○○は早苗の手伝いから開放されて今は私の膝でぐっすりと寝ている
「むにゃむにゃ……神奈子……さん……好きです……」
「ふふっ、私も大好きだぞ○○」
うpろだ1417
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