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雛2

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orz1414

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外から見えることのない 不思議な不思議な世界です
御伽噺に現れる 妖精 妖怪 棲んでいる
僅かなのではありますが 人間たちも住んでいる
それはどこかと尋ねたら もちろんお答え致しましょう
僅かな人と妖怪が 色とりどりの弾幕を
ごっこ遊びと言いながら 明るく楽しくぶつけあう
不思議で儚い楽園を 幻想郷といいました



幻想郷にそびえ立つ 大きな山がありました
そこには実にたくさんの 妖怪たちが棲んでいる
発明大好き人見知り 流されちゃった河童さん
噂話が大好きな 鴉天狗に気をつけて
白狼天狗の千里眼 見えないものなどありゃしない
他にも色々いるらしい 稗田のお嬢さん知っている
知りたきゃ彼女に聞いてごらん



ところがここに棲むモノは 妖怪だけじゃあございません

秋を司る秋姉妹 穣子様と静葉様
穣子様は豊穣神 皆に豊穣届けます
穣子様のお姉さん 綺麗な紅葉の静葉様

守矢神社の八坂様 信仰途絶えた外を去り
幻想郷にやって来た 信仰求めてやって来た
ミシャグジ様は祟り神 そんな雰囲気どこへやら
ケロちゃん風雨に負けません 土着神の頂点 漏矢様
二柱に仕える風祝(かぜはふり) 海を割るなどお手の物
人の身にして祀られる 奇跡を起こす東風谷さん



そしてここにももう一人 素敵な神様おられます
厄を司る厄神様 鍵山 雛といいました

そんな雛様のお役目は 人を厄から護ること
厄が人に憑かぬよう 集めて溜め込み管理する
そのため彼女は人を避け 独りぼっちになりました

厄が憑いたら一大事 仕方が無いと言い聞かせ
必死に寂しさ押し隠し 彼女は独りになりました

今日も彼女は一人だけ 今日も彼女は独りだけ
そんなある日に雛様へ 若者一人近づいた
厄を何とか押し留め 彼の話を聞くことにゃ
外の世界から流れ着き 道に迷ってしまったと

雛様だって神様です 困った人を見捨てるは
神様の名を穢すこと やってはならないことだから
若者の手を引っ張って 無事に人里着きました
彼は喜び微笑んで お礼を言います ありがとう
若者の笑顔に雛様も どういたしましてと応えます
彼の笑顔は値千金 送り届けた甲斐もある



彼女は今日も一人きり 彼女は今日も独りきり
人の気配を感じ取り 立ち去ろうかと思ったが
放っておく事出来ないと 止む無くそこへ行きました

そこにいたのはいつぞやの 迷い子だった若者で
どうしてここへ来たのかと 雛様 尋ねてみたならば

雛さん探しに来たんです ここで逢えると思ったから
神社の巫女から受け取った 御守りあるから大丈夫
お土産持ってきたんです お口に合うといいですが
言わせてくださいもう一度 あの時どうもありがとう

雛様 彼の行動に 呆れましたがそれよりも
まっすぐな気持ちが嬉しくて こんな気持ちは初めてで
どう応えればいいのやら 返す言葉が浮かびません
一生懸命考えて 雛様 笑顔で応えます

ぼくは雛さん大好きです また逢いに来てもいいですか

これまた何ともまっすぐな 恥ずかしくなることを言う
雛様 少し考えて 微笑みながら言いました

貴方がよければ 喜んで

ある日彼女に素晴らしい ボーイフレンドできました
ニブイところもあるけれど とっても優しい素敵な人



それから毎日若者は 雛様の元を訪れます
嬉しい日々が続くけど ある日雛様 考えます
こんなに幸せでいいのかな 何だか不安になってきた

ある日彼は雛様に 自分の想いを伝えます

そうだ私は厄神だと ある日突然気づかされる
彼に厄が憑いたなら きっと不幸になってしまう
そうなったなら私のせい 私の我侭のせいなんだ
取り返しがつく今の内 彼を離してしまおうと
雛様 泣く泣く決めました

私なんかに近づくと 溜め込んでいる厄が憑く
貴方を不幸にしたくない だからここには来ちゃ駄目よ

何度も警告したけれど 彼は決して離れません
できたら使いたくないが これも彼のためだから
実力行使に踏み切ろう 雛様 唇噛み締めて
スペルカードの宣言を 涙を流して行います

ところが彼は雛様の 両手をしっかと掴み取り
いつも以上に真剣な 瞳を向けて言いました

どんなに厄が憑こうとも 雛さんならば構いません
ぼくの事なら大丈夫 おそばにいさせてくれますか
寂しい顔する雛さんを 放っておいたりできません

至近距離から不意打ちを もらってしまった雛様は
一瞬きょとんとしたけれど すぐにも表情硬くして
振り解こうと試みる ところがどっこいどうでしょう
掴み取られた両の手は ぜんぜん離れてくれません
最後の抵抗するように 自分に言い聞かせるように
想いを必死で押し殺し あえて冷たく吐き捨てる

寂しくなんて思わない 私は独りだったから

それでも若者 離れません 何を言われても動じない
彼女の想いを酌むように いたわるように語ります

雛さん嘘は言わないで ほんとに寂しくないのなら
泣いたりなんかしませんよ 涙が流れるそのわけは
あなたが一番知っている 離れたくなどないんです
ぼくもあなたと一緒です 離れたいとは思いません

雛様を優しく抱きしめて あの時のように微笑んで
若者そっと囁いた

雛さん独りで泣かないで いつでもぼくが一緒です
愛するあなたのそばにいたい ぼくの望みはそれだけです

雛様 彼の告白に 涙浮かべて微笑んで
ありがとうと言いながら 優しさに包まれ泣きました
嬉しさが溢れ泣きました 愛しさが溢れ泣きました

厄神様の通り道 雛様 今日も厄集め
彼女のそばに人一人 厄神様の想い人
想いは人を強くする 想いが神を強くする
百万人の信仰も この想いには敵うまい

厄神様の通り道 雛様 今日も笑ってる



寂しさ消えた雛様の 表情いつでも蒼い空
雲ひとつ無く透き通る 宝石のような爽やかさ

幸せ溢れた生活は 飽きることなどありません
御食事終わってお茶淹れて 一息ついたその頃に
若者 雛様にこう言った

雛さん雛さんいいですか 聞きたいことがあるんです

それはいいけど 何かしら

雛さん厄を取るときは どのようにして取りますか

びっくり仰天大慌て 驚き桃の木不思議な木
それを聞かされ雛様の 頬が真っ赤に染まります
雛様だって女の子 聞かれたくないこともある
厄を集めるだけならば 難しくなどありません
ところが厄を取るならば これがとっても恥ずかしい

ああどうしよう恥ずかしい こんなことなど言い出せない

恥ずかしさのあまり雛様の 視界がくるくる廻ります
雛様よろけて倒れそう 彼女をしっかと支えます

雛さん雛さん大丈夫 どこか具合が悪いのですか

彼は雛様の身を案じ 不安そうに見つめます
雛様 彼の顔を見て いくらか落ち着き取り戻す
大丈夫だと応えても 彼の不安は拭えない
彼の不安を拭うには どうしたら良いかと考える

若者の腕に抱えられ 考えること一分半
何やら思いついたのか 微笑みながら言いました

厄を取り出す方法を 貴方に教えてあげましょう

雛様ゆっくり起き上がり ゆっくり顔を近づける

ちゅ

雛様のお顔は真っ赤っか 彼の顔も真っ赤っか
いったい何をしたのでしょう おそらく答えは文字通り
神のみぞ知ると言うのでしょう



うpろだ1202、1204
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