■アリス11
本編とは関係ないよ。
幻想郷に似つかわしくない電子音。
複数の炊飯器から発せられたものである。
蛸足配線されたの炊飯器は保温マークを点灯させて戦いのときを静かに待つ。
『ククク・・・・・・完成』
朝っぱらから変なスイッチが入ってるおっさんの呟きが湖畔に吸い込まれていく。
今日はバレンタイン。
戦である。
「なんなのよこれ・・・・・・」
アリス・マーガトロイドがそう呟いてしまうのも無理は無い。
いつもなら○○洋装店と書かれている看板は男のケーキ屋に変わっており、辺りには甘い匂いが漂っている。
またスキマの仕業だろうか?
不穏な考えが頭を過ぎる。
まずは中の様子を探ろう
十分に警戒しつつ扉を開ける。
『いらっしゃいませお嬢様』
扉→閉める→Go Home.きっとそれがいい。
脳は最善の解を導いたのだが生憎と体は動いてくれなかったようである。
ドアを開けたままフリーズしてしまう。
『なんだよノリ悪いな嬢ちゃん・・・・・・せっかく衣装までこしらえたのに。まあいいや一名様ごあんなーい』
飾り気の無いエプロンドレスにフリルの前掛けというあれな格好で少女を連れ込む姿は間違いなく有罪だろう。
扉が閉まると辺りには静寂と甘い香りだけが残される。
ここは男のケーキ屋・・・・・・
『おーい嬢ちゃんそろそろ戻ってこーい』
意識が飛んでいるのをよそにピタピタと頬を刺激したりむにっと引っ張ったりやりたい放題である。
『かくなる上は・・・・・・はい、あーん』
ショートケーキのイチゴを突き刺して口元に突きつける。
どう見ても女装したおっさんが尋問しているようにしか見えない。
やがて少女の目に光が戻る。
「はい、あーんじゃ無いでしょ?! 朝っぱらからなに寝ぼけた事してんのよ」
システムエラーから再起動を果たしまくし立てる一人の哀れな少女。
当の本人はこいつなに怒ってんだみたいな顔で答える。
『嬢ちゃん、今日はバレンタインだろ』
諭すような仕草が激しくウザい
「それがどう繋がると女装ではい、あーんになんのよ! 」
こんな時は乗ったら負けなんだが連れ込まれた時点で遅かったのかもしれない。
後にそう少女は答えた。
『はい、あーん』
再度イチゴを突きつける。
「やんないわよ!! 」
盛り下がるマインド、盛り上がるSAN値。
最初からクライマックスの展開にくらくらしてくる少女。
『そうか・・・・・・ショートはダメか・・・・・・ならチョコレートケーキで』
尚もはいあーんを敢行する女装を前になす術も無い少女・・・・・・
炊飯器から取り出される数々のケーキ、悪夢である。
「種類とか関係ないから!」
この状況を打破できる猛者は居ないのか?
少女を絶望が支配しようとしたその時
「じゃまするぜってじゃましたな・・・・・・ 」
期待の救世主は現れた。
「まってまって!魔理沙まって!○○を止めて!! 」
わらをも掴む勢いで援護要請。
「なんだか判らないがそういうことなら・・・・・・悪いな○○!! 」
取り出したるはまじっくなぱーむ
救世主は少女ごと吹き飛ばす。
「まったく私まで吹き飛ばさないでよ」
「一発までは誤射だぜ・・・・・・で、なんの騒ぎだ? 」
「どこから説明したもんかしら・・・・・・ 」
「なるほど○○が女装してはい、あーん。新世界の夜明けだな」
「開けなくていいわよ、そんなもん」
げっそりして呟く少女。
「でもどうしてそんな事になったんだよ? 」
「それが判れば苦労しないわ」
いまだ容疑者はは昏倒中。
テーブルにはケーキ。
少女げんなり中。
「まあ私に任せろ!こういうのは現場に手がかりが有るはず!! 」
家捜しを開始する救世主という名の野次馬ひとり。
そして
「原因は・・・・・・ 」
「ああ、こいつだな」
キッチンには一冊の本。
《ナウラのケーキ屋 これで貴方もはい、あーん》
「どっからこんなもん見つけてきたのよ・・・・・・ 」
題名こそ可愛らしいがその存在感は禁書レベルの禍々しさにドン引きの少女。
「まあこれは私が報酬代わりに処分しといてやるよ」
戦利品片手に去る救世主。
後には女装○○と少女が残される。
~後日~
『昨日なんか有ったか? 嬢ちゃん』
「と、特になにまないわよ」
『そうなのか? 家中ケーキだらけなんだが・・・・・・ 』
女装セットや看板は昨日のうちに爆破処理済み。
だがケーキを爆破するのは躊躇われた。
○○が何故ケーキを作っていたのか思い至ったから・・・・・・
「思い出したわ!○○はケーキ作ってたのよ」
『そういえばそんな気も・・・・・・』
「そうなのよ! 」
『じゃあ一日遅れだがなあ。知ってるか外国じゃあ男女で送りあうんだぜ』
『はい、あーん』
「!! 」
それは見事な平手打ちだった。
チラ裏
皆さんお元気ですか
私は元気です。
仕事が忙しくてちょっと遠ざかっていました。
本編の続きは近いうちに
>>新ろだ320
───────────────────────────────────────────────────────────
目が覚めた。
一瞬、何で起きてしまったんだろうとまだ起動していない頭で考えるのと、自分の視界が真っ白に塗りつぶされるのは同時だった。
「……ん」
眩しさに目を細めたところで、カーテンの隙間から日差しが自らの顔に容赦なく差し込んでいることに気付く。
どうやら、太陽が完全にその姿を現す時間になったらしい。もぞもぞと体を動かして、上体だけを起こす。
「さぶっ」
上半身を包む部屋の空気に身震いしながら、なぜこんなに寒いのか、なんてぼんやりと考えて、その原因はすぐに判明した。
上半身を包むものが何もなかった。
そこでようやく、思考と記憶が現実味を帯びてくる。
「ああ、そうか。昨日アリスと……」
「私がどうかした?」
独り言に答える、澄んだ軽やかな声音。
声の方に視線を向けると、美しい金髪の少女が、両手にカップを持って、部屋の入り口に立っていた。
「……おはよう、アリス」
「おはよう」
少女──アリス・マーガトロイドは白い足を惜しげもなく晒し、その肌の色に溶け込むようなカッターシャツを羽織っただけの姿で、
ベッドの上で寝ぼけたような顔をしている青年の傍に寄り、縁に腰掛けた。
「あなたにコーヒー、淹れてきたわ」
「……ありがとう」
礼を言い、白いマグカップを手に取る。口をつけると、珈琲の香りと苦味、熱が口の中に広がった。
「もう、その、体の方は、大丈夫か?」
寝起きの霞が頭から抜け、完全に色を取り戻した記憶に心臓が少し早打つのを自覚しながら、彼はだとだとしく口を開いた。
目の前の少女に誘われ、家で夕食を共にし。
夜も更けたので泊まっていくといいという彼女の好意に甘え。
お酒を口にしながら、話し込んでいるうちに酔いが回り。
そのまま少女に、ベッドに押し倒され──
そこでアリスに視線をやると、頬を紅く染めながら、俯く彼女が目に入った。
聞いているほうも恥ずかしいが、聞かれるほうも相当なものらしい。
「え、ええ。もう、痛みもないし」
涙を浮かべながら、堪えるような表情を含ませながらも、微笑んで彼を受け入れようとするアリスの姿を思い出し、青年の心拍がさらに早くなった。
寝室に気まずいような、小恥ずかしいような甘い沈黙が流れる。二人とも何も言葉を発さず、魔法の森のざわめきや鳥の鳴き声が、微かに空気に溶けていた。
「な、なあ、アリス」
無言の空間に耐え切れなくなったのか、先に口を開いたのは青年のほうだった。
「俺なんかで、本当にいいのか?」
この美しい種族魔法使いとの甘味な一夜を過ごしながらも、ずっと心に引っかかっていたもの。
手が届くはずなんて無い、と半ば諦めかけていた想いが、突然これ以上無い形で叶った戸惑い。
それがごちゃごちゃになり、彼の口をついて出る。
「空も飛べない、弾幕も撃てない、何の力も無い。顔だってお世辞にも良いわけじゃないし、それに」
「それでも、貴方がいいの」
自分の言葉を遮られ、はっと顔を上げると、昨夜のような、あの儚い微笑みを浮かべた彼女が、こちらを見ていた。
「意地っ張りで、どこか抜けてて、でも一生懸命で。そんな貴方に、心奪われちゃったんだから」
ずい、と顔を青年に近づけて。
「……責任、取ってよね」
二人の唇が、静かに重なった。
その後、この会話を出歯亀していた魔理沙によって二人の仲は幻想郷中に知れ渡り、 逆上したアリスと青年に一晩かけて性的に戴かれることになる。
>>新ろだ336
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初めはただの好奇心だったのだと思う。森で行き倒れていた外来人を介抱し、しばらく面倒を見るうちに彼の人と也を知り
しだいに情が移り一緒に過ごす時間が長くなり私たちは恋人どうしとなった。
彼は里で仕事をし、私は部屋で研究や人形作りにつきっきりで顔を合わせることは少なかったがそれでもうまくやっていた。
そう、あの日までは……。
その日私は珍しくパチュリーにお茶を誘われて紅魔館にお邪魔していた。当然のような顔をして魔理沙も席についていた。
「にしてもアリスに彼氏ができるなんて思わなかったぜ」
「たしかに。出不精の私が言えることじゃないけれど新聞を読んだときにはついにこんなガセを載せるようになったかと思ったわ」
「二人とも私を何だと思っているのよ。これでもれっきとした女なんだから」
多少不機嫌なふりをしてカップに口をつける。しかし、そんな私を見て魔理沙はニヤニヤ笑いをやめようとはしない。
「しかしなー、意外にあいつは里じゃ人気があるんだぜ。案外お前には内緒で浮気でもしてたりしてな」
「なっ!? そんなことあるわけないじゃない!!」
「分からないわよ? 生活時間があまりにも違い過ぎるし、最近顔を合わせたのはいつ?」
……確かに最近私は人形作りに夢中になり眠るのは明け方という状態が多く、彼が仕事に行く時間に眠りにつき、彼が眠る時間に起きるということを繰り返している。
いつ顔を合わせて声を聞いたことも思い出せないことに私は愕然とした。
「彼だって聖人君子じゃないのよ。魔が差すことだってあるわ。それを許すことはできるの?」
「もう手遅れだったりしてな」
「……ごめん、今日はこれで帰らせてもらうわ」
足早に図書館を立ち去る私の心の中には黒い何かが巣食い始めていた。
少し生活習慣を改めて彼と顔を合わす機会も多くなったが○○の行動が全てあやしく見えてしまった。
そして彼の部屋を訪ねたとき、○○がとっさに何かを机の引き出しに隠したのを見たときについに私は全身に湧きあがる黒い感情に支配された。
次の日に私は彼の部屋の引き出しを調べようとした。しかし……
「なによっ!? この鍵はっ!」
その引き出しに鍵穴はなく、ダイヤルのようなツマミがついていた。確かあのスキマ妖怪に聞いたことがある外の世界である鍵の一種なのだろう。
「ふざけないでっ! 開ける! こんな鍵すぐにでも開けてやるんだからっ!」
鍵の解除に躍起になっていた私だがふと目に映った姿見に映った私はは嫉妬に狂う鬼の姿だった。
仕事から帰ってくると真っ暗な部屋の中でアリスが泣いていた。何かあったのかと心配して駆け寄ろうとしたその前にアリスに強い口調で止められた。
「だめっ! こないで!」
「いったいどうしたんだよ。そんな目が赤くなるくらいまで泣いて平気じゃないことくらい分かるよ」
「こわいの……○○が浮気しているんじゃないかって思ったら、私が私じゃなくなっていて……○○が信じられなくなって……こそこそ人の部屋の中漁って、なんで私、好きな人のこと疑ってるのよぉ……」
その言葉で何となく俺はアリスが何を気にしているかを察した。落ち込み、沈んでいるアリスの頭をぽんと叩き、引きだしの鍵を開けて中のものを取り出してアリスに見せた。
「えっ、なにこれ……」
アリスが手にしたスケッチブックには俺が描き留めていた彼女の寝顔のスケッチが大量に描き込まれている。ほんのささいな変化でもどれ一つとして同じ寝顔はない。
パラパラとページをめくるアリスはだんだんと顔を赤くしていき、パタンとノートを閉じると戸惑うように口を開いた。
「……どうして、こんな私の寝顔ばっか描いてあるの?」
「さびしかったから」
「え……」
「だって俺の一番好きな人の寝顔だもの。ずっと残して置きたくて。最近ずっと話もできなかったからせめてその顔だけでもいつでも見ていたいから」
またアリスはぽろぽろと涙を溢し始める。
「大好きだよ。アリス」
そう言いきる前に胸に飛び込んできたアリスに口を塞がれてそのままの勢いで押し倒された。
久しぶりに一緒の布団で眠る。彼の胸に顔を埋め仄かな匂いを堪能する。
そんな私の頭をやさしく撫でてくれている○○の表情はやさしい。
「居心地のよさに胡坐をかいてお互いのこと知ろうとしなかったのが悪かったんだろうね」
「うん……しばらくはちょっと人形作りも控えるわ」
「ん。それとさ、明日休み貰って一日アリスと居たいんだけど、どこか出かける?」
「……いいわ、どこにも行かない。ずっと傍にいて」
そう告げて私は彼にすがりつくようにして目を閉じる。
……さすがにもうあんな恥ずかしい寝顔を見せたくないし、逆に早起きして○○の寝顔を見てやるんだから――
>>新ろだ372
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「結論的に俺が言いたいのは」
ここは紅魔館の地下にある大図書館。そこでは三人の魔女と一人の男が静かに本を読んでいた。読んでいる種類はまちまち。
知識と日陰の少女ことパチュリー・ノーレッジは精霊術の魔道書
七色の人形遣いことアリス・マーガトロイドは裁縫の上級者編
普通の魔法使いこと霧雨魔理沙はアザカ・クリスティ著、『そして誰もいなくなった』
外から来た一般人である○○は佐野洋子著、『100万回生きたねこ』
確かに四人は静かに本を読んでいた。別に雰囲気は剣呑でも気まずくもない。むしろ心地よい感じの沈黙。音は時折出るベージを捲る音と、耳を澄まさないと聞こえないくらいの呼吸の音くらいだろう
そんな沈黙を破ったのは、
「俺はアリスのことが好きだってことだ」
○○の放った爆弾発言だった。
パチュリーは持っていた本を落とし、魔理沙は思いっきり吹いていたが、当人であるアリスと○○はいつもの変わらぬ顔で椅子に鎮座していた。
「そう……」
いや、アリスの顔が若干赤みを帯びていた。しかし、いつもの澄まし顔で、
「私も貴方の事が好きよ」
と返事をした。
それを聞いた○○は「よかった……」と呟き、本に目を下ろした。アリスも少し微笑んで目を下ろす。そんな二人を奇妙な目で見ている二人の魔女。
(オイオイオイオイなんなんだよいきなり)
(知らないわよ……というかなんでこんなに冷静なのよ……)
(まったくだ……慌ててる私たちが馬鹿みたいだぜ……)
(という地味に空間が甘いなような……)
紅茶の時間となったのか、色々と乗せたワゴンを押して現れた完全で瀟洒なメイドこと十六夜咲夜曰く、
「何処となく甘い空間と慌ててる二人と落ち着いている二人が、随分シュールな光景でした」
と語る
>>新ろだ412
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本編とは関係ないよ。
幻想郷に似つかわしくない電子音。
複数の炊飯器から発せられたものである。
蛸足配線されたの炊飯器は保温マークを点灯させて戦いのときを静かに待つ。
『ククク・・・・・・完成』
朝っぱらから変なスイッチが入ってるおっさんの呟きが湖畔に吸い込まれていく。
今日はバレンタイン。
戦である。
「なんなのよこれ・・・・・・」
アリス・マーガトロイドがそう呟いてしまうのも無理は無い。
いつもなら○○洋装店と書かれている看板は男のケーキ屋に変わっており、辺りには甘い匂いが漂っている。
またスキマの仕業だろうか?
不穏な考えが頭を過ぎる。
まずは中の様子を探ろう
十分に警戒しつつ扉を開ける。
『いらっしゃいませお嬢様』
扉→閉める→Go Home.きっとそれがいい。
脳は最善の解を導いたのだが生憎と体は動いてくれなかったようである。
ドアを開けたままフリーズしてしまう。
『なんだよノリ悪いな嬢ちゃん・・・・・・せっかく衣装までこしらえたのに。まあいいや一名様ごあんなーい』
飾り気の無いエプロンドレスにフリルの前掛けというあれな格好で少女を連れ込む姿は間違いなく有罪だろう。
扉が閉まると辺りには静寂と甘い香りだけが残される。
ここは男のケーキ屋・・・・・・
『おーい嬢ちゃんそろそろ戻ってこーい』
意識が飛んでいるのをよそにピタピタと頬を刺激したりむにっと引っ張ったりやりたい放題である。
『かくなる上は・・・・・・はい、あーん』
ショートケーキのイチゴを突き刺して口元に突きつける。
どう見ても女装したおっさんが尋問しているようにしか見えない。
やがて少女の目に光が戻る。
「はい、あーんじゃ無いでしょ?! 朝っぱらからなに寝ぼけた事してんのよ」
システムエラーから再起動を果たしまくし立てる一人の哀れな少女。
当の本人はこいつなに怒ってんだみたいな顔で答える。
『嬢ちゃん、今日はバレンタインだろ』
諭すような仕草が激しくウザい
「それがどう繋がると女装ではい、あーんになんのよ! 」
こんな時は乗ったら負けなんだが連れ込まれた時点で遅かったのかもしれない。
後にそう少女は答えた。
『はい、あーん』
再度イチゴを突きつける。
「やんないわよ!! 」
盛り下がるマインド、盛り上がるSAN値。
最初からクライマックスの展開にくらくらしてくる少女。
『そうか・・・・・・ショートはダメか・・・・・・ならチョコレートケーキで』
尚もはいあーんを敢行する女装を前になす術も無い少女・・・・・・
炊飯器から取り出される数々のケーキ、悪夢である。
「種類とか関係ないから!」
この状況を打破できる猛者は居ないのか?
少女を絶望が支配しようとしたその時
「じゃまするぜってじゃましたな・・・・・・ 」
期待の救世主は現れた。
「まってまって!魔理沙まって!○○を止めて!! 」
わらをも掴む勢いで援護要請。
「なんだか判らないがそういうことなら・・・・・・悪いな○○!! 」
取り出したるはまじっくなぱーむ
救世主は少女ごと吹き飛ばす。
「まったく私まで吹き飛ばさないでよ」
「一発までは誤射だぜ・・・・・・で、なんの騒ぎだ? 」
「どこから説明したもんかしら・・・・・・ 」
「なるほど○○が女装してはい、あーん。新世界の夜明けだな」
「開けなくていいわよ、そんなもん」
げっそりして呟く少女。
「でもどうしてそんな事になったんだよ? 」
「それが判れば苦労しないわ」
いまだ容疑者はは昏倒中。
テーブルにはケーキ。
少女げんなり中。
「まあ私に任せろ!こういうのは現場に手がかりが有るはず!! 」
家捜しを開始する救世主という名の野次馬ひとり。
そして
「原因は・・・・・・ 」
「ああ、こいつだな」
キッチンには一冊の本。
《ナウラのケーキ屋 これで貴方もはい、あーん》
「どっからこんなもん見つけてきたのよ・・・・・・ 」
題名こそ可愛らしいがその存在感は禁書レベルの禍々しさにドン引きの少女。
「まあこれは私が報酬代わりに処分しといてやるよ」
戦利品片手に去る救世主。
後には女装○○と少女が残される。
~後日~
『昨日なんか有ったか? 嬢ちゃん』
「と、特になにまないわよ」
『そうなのか? 家中ケーキだらけなんだが・・・・・・ 』
女装セットや看板は昨日のうちに爆破処理済み。
だがケーキを爆破するのは躊躇われた。
○○が何故ケーキを作っていたのか思い至ったから・・・・・・
「思い出したわ!○○はケーキ作ってたのよ」
『そういえばそんな気も・・・・・・』
「そうなのよ! 」
『じゃあ一日遅れだがなあ。知ってるか外国じゃあ男女で送りあうんだぜ』
『はい、あーん』
「!! 」
それは見事な平手打ちだった。
チラ裏
皆さんお元気ですか
私は元気です。
仕事が忙しくてちょっと遠ざかっていました。
本編の続きは近いうちに
>>新ろだ320
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目が覚めた。
一瞬、何で起きてしまったんだろうとまだ起動していない頭で考えるのと、自分の視界が真っ白に塗りつぶされるのは同時だった。
「……ん」
眩しさに目を細めたところで、カーテンの隙間から日差しが自らの顔に容赦なく差し込んでいることに気付く。
どうやら、太陽が完全にその姿を現す時間になったらしい。もぞもぞと体を動かして、上体だけを起こす。
「さぶっ」
上半身を包む部屋の空気に身震いしながら、なぜこんなに寒いのか、なんてぼんやりと考えて、その原因はすぐに判明した。
上半身を包むものが何もなかった。
そこでようやく、思考と記憶が現実味を帯びてくる。
「ああ、そうか。昨日アリスと……」
「私がどうかした?」
独り言に答える、澄んだ軽やかな声音。
声の方に視線を向けると、美しい金髪の少女が、両手にカップを持って、部屋の入り口に立っていた。
「……おはよう、アリス」
「おはよう」
少女──アリス・マーガトロイドは白い足を惜しげもなく晒し、その肌の色に溶け込むようなカッターシャツを羽織っただけの姿で、
ベッドの上で寝ぼけたような顔をしている青年の傍に寄り、縁に腰掛けた。
「あなたにコーヒー、淹れてきたわ」
「……ありがとう」
礼を言い、白いマグカップを手に取る。口をつけると、珈琲の香りと苦味、熱が口の中に広がった。
「もう、その、体の方は、大丈夫か?」
寝起きの霞が頭から抜け、完全に色を取り戻した記憶に心臓が少し早打つのを自覚しながら、彼はだとだとしく口を開いた。
目の前の少女に誘われ、家で夕食を共にし。
夜も更けたので泊まっていくといいという彼女の好意に甘え。
お酒を口にしながら、話し込んでいるうちに酔いが回り。
そのまま少女に、ベッドに押し倒され──
そこでアリスに視線をやると、頬を紅く染めながら、俯く彼女が目に入った。
聞いているほうも恥ずかしいが、聞かれるほうも相当なものらしい。
「え、ええ。もう、痛みもないし」
涙を浮かべながら、堪えるような表情を含ませながらも、微笑んで彼を受け入れようとするアリスの姿を思い出し、青年の心拍がさらに早くなった。
寝室に気まずいような、小恥ずかしいような甘い沈黙が流れる。二人とも何も言葉を発さず、魔法の森のざわめきや鳥の鳴き声が、微かに空気に溶けていた。
「な、なあ、アリス」
無言の空間に耐え切れなくなったのか、先に口を開いたのは青年のほうだった。
「俺なんかで、本当にいいのか?」
この美しい種族魔法使いとの甘味な一夜を過ごしながらも、ずっと心に引っかかっていたもの。
手が届くはずなんて無い、と半ば諦めかけていた想いが、突然これ以上無い形で叶った戸惑い。
それがごちゃごちゃになり、彼の口をついて出る。
「空も飛べない、弾幕も撃てない、何の力も無い。顔だってお世辞にも良いわけじゃないし、それに」
「それでも、貴方がいいの」
自分の言葉を遮られ、はっと顔を上げると、昨夜のような、あの儚い微笑みを浮かべた彼女が、こちらを見ていた。
「意地っ張りで、どこか抜けてて、でも一生懸命で。そんな貴方に、心奪われちゃったんだから」
ずい、と顔を青年に近づけて。
「……責任、取ってよね」
二人の唇が、静かに重なった。
その後、この会話を出歯亀していた魔理沙によって二人の仲は幻想郷中に知れ渡り、 逆上したアリスと青年に一晩かけて性的に戴かれることになる。
>>新ろだ336
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初めはただの好奇心だったのだと思う。森で行き倒れていた外来人を介抱し、しばらく面倒を見るうちに彼の人と也を知り
しだいに情が移り一緒に過ごす時間が長くなり私たちは恋人どうしとなった。
彼は里で仕事をし、私は部屋で研究や人形作りにつきっきりで顔を合わせることは少なかったがそれでもうまくやっていた。
そう、あの日までは……。
その日私は珍しくパチュリーにお茶を誘われて紅魔館にお邪魔していた。当然のような顔をして魔理沙も席についていた。
「にしてもアリスに彼氏ができるなんて思わなかったぜ」
「たしかに。出不精の私が言えることじゃないけれど新聞を読んだときにはついにこんなガセを載せるようになったかと思ったわ」
「二人とも私を何だと思っているのよ。これでもれっきとした女なんだから」
多少不機嫌なふりをしてカップに口をつける。しかし、そんな私を見て魔理沙はニヤニヤ笑いをやめようとはしない。
「しかしなー、意外にあいつは里じゃ人気があるんだぜ。案外お前には内緒で浮気でもしてたりしてな」
「なっ!? そんなことあるわけないじゃない!!」
「分からないわよ? 生活時間があまりにも違い過ぎるし、最近顔を合わせたのはいつ?」
……確かに最近私は人形作りに夢中になり眠るのは明け方という状態が多く、彼が仕事に行く時間に眠りにつき、彼が眠る時間に起きるということを繰り返している。
いつ顔を合わせて声を聞いたことも思い出せないことに私は愕然とした。
「彼だって聖人君子じゃないのよ。魔が差すことだってあるわ。それを許すことはできるの?」
「もう手遅れだったりしてな」
「……ごめん、今日はこれで帰らせてもらうわ」
足早に図書館を立ち去る私の心の中には黒い何かが巣食い始めていた。
少し生活習慣を改めて彼と顔を合わす機会も多くなったが○○の行動が全てあやしく見えてしまった。
そして彼の部屋を訪ねたとき、○○がとっさに何かを机の引き出しに隠したのを見たときについに私は全身に湧きあがる黒い感情に支配された。
次の日に私は彼の部屋の引き出しを調べようとした。しかし……
「なによっ!? この鍵はっ!」
その引き出しに鍵穴はなく、ダイヤルのようなツマミがついていた。確かあのスキマ妖怪に聞いたことがある外の世界である鍵の一種なのだろう。
「ふざけないでっ! 開ける! こんな鍵すぐにでも開けてやるんだからっ!」
鍵の解除に躍起になっていた私だがふと目に映った姿見に映った私はは嫉妬に狂う鬼の姿だった。
仕事から帰ってくると真っ暗な部屋の中でアリスが泣いていた。何かあったのかと心配して駆け寄ろうとしたその前にアリスに強い口調で止められた。
「だめっ! こないで!」
「いったいどうしたんだよ。そんな目が赤くなるくらいまで泣いて平気じゃないことくらい分かるよ」
「こわいの……○○が浮気しているんじゃないかって思ったら、私が私じゃなくなっていて……○○が信じられなくなって……こそこそ人の部屋の中漁って、なんで私、好きな人のこと疑ってるのよぉ……」
その言葉で何となく俺はアリスが何を気にしているかを察した。落ち込み、沈んでいるアリスの頭をぽんと叩き、引きだしの鍵を開けて中のものを取り出してアリスに見せた。
「えっ、なにこれ……」
アリスが手にしたスケッチブックには俺が描き留めていた彼女の寝顔のスケッチが大量に描き込まれている。ほんのささいな変化でもどれ一つとして同じ寝顔はない。
パラパラとページをめくるアリスはだんだんと顔を赤くしていき、パタンとノートを閉じると戸惑うように口を開いた。
「……どうして、こんな私の寝顔ばっか描いてあるの?」
「さびしかったから」
「え……」
「だって俺の一番好きな人の寝顔だもの。ずっと残して置きたくて。最近ずっと話もできなかったからせめてその顔だけでもいつでも見ていたいから」
またアリスはぽろぽろと涙を溢し始める。
「大好きだよ。アリス」
そう言いきる前に胸に飛び込んできたアリスに口を塞がれてそのままの勢いで押し倒された。
久しぶりに一緒の布団で眠る。彼の胸に顔を埋め仄かな匂いを堪能する。
そんな私の頭をやさしく撫でてくれている○○の表情はやさしい。
「居心地のよさに胡坐をかいてお互いのこと知ろうとしなかったのが悪かったんだろうね」
「うん……しばらくはちょっと人形作りも控えるわ」
「ん。それとさ、明日休み貰って一日アリスと居たいんだけど、どこか出かける?」
「……いいわ、どこにも行かない。ずっと傍にいて」
そう告げて私は彼にすがりつくようにして目を閉じる。
……さすがにもうあんな恥ずかしい寝顔を見せたくないし、逆に早起きして○○の寝顔を見てやるんだから――
>>新ろだ372
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「結論的に俺が言いたいのは」
ここは紅魔館の地下にある大図書館。そこでは三人の魔女と一人の男が静かに本を読んでいた。読んでいる種類はまちまち。
知識と日陰の少女ことパチュリー・ノーレッジは精霊術の魔道書
七色の人形遣いことアリス・マーガトロイドは裁縫の上級者編
普通の魔法使いこと霧雨魔理沙はアザカ・クリスティ著、『そして誰もいなくなった』
外から来た一般人である○○は佐野洋子著、『100万回生きたねこ』
確かに四人は静かに本を読んでいた。別に雰囲気は剣呑でも気まずくもない。むしろ心地よい感じの沈黙。音は時折出るベージを捲る音と、耳を澄まさないと聞こえないくらいの呼吸の音くらいだろう
そんな沈黙を破ったのは、
「俺はアリスのことが好きだってことだ」
○○の放った爆弾発言だった。
パチュリーは持っていた本を落とし、魔理沙は思いっきり吹いていたが、当人であるアリスと○○はいつもの変わらぬ顔で椅子に鎮座していた。
「そう……」
いや、アリスの顔が若干赤みを帯びていた。しかし、いつもの澄まし顔で、
「私も貴方の事が好きよ」
と返事をした。
それを聞いた○○は「よかった……」と呟き、本に目を下ろした。アリスも少し微笑んで目を下ろす。そんな二人を奇妙な目で見ている二人の魔女。
(オイオイオイオイなんなんだよいきなり)
(知らないわよ……というかなんでこんなに冷静なのよ……)
(まったくだ……慌ててる私たちが馬鹿みたいだぜ……)
(という地味に空間が甘いなような……)
紅茶の時間となったのか、色々と乗せたワゴンを押して現れた完全で瀟洒なメイドこと十六夜咲夜曰く、
「何処となく甘い空間と慌ててる二人と落ち着いている二人が、随分シュールな光景でした」
と語る
>>新ろだ412
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