春のおどり

春のおどり』は、大正15年(1926年)4月1日、松竹座開場満3周年記念として上演されたレビュー公演。このタイトルは、松竹創業者で社長の白井松次郎氏が考案。旧仮名遣いでは「をどり」が正しいところ、意図的にひねったネーミングであり、「の」を「乃」に見立てたロゴと共に、昭和42年(1967年)まで、「春だ!おどりだ!おどりだ!春だ!」のキャッチコピーと共に、大阪中心部で大々的に興行し、42回を数えた。昭和前期の「モダンな大阪」「豊かな戦前」の薫りを今に伝えている。

派生して『秋のおどり』『夏のおどり』等。なお春を冠したタイトルでは、宝塚や旧SKDでは「をどり」「踊り」表記が混在しているのに比し、OSKは一貫して「おどり」表記を使用している

特に現在は、近鉄グループ時代のOSK日本歌劇団が2003年に一旦解散し、劇団員が新たにNewOSK日本歌劇団として再スタートした後のメイン公演の一つ。毎年春(3-4月頃)に、大阪の松竹座で行われ、劇団員(と研修生)、合計40名前後が出演している。

松竹時代のOSKの伝統を復活させたとも言え、日本物・洋物の二部構成を基本に、華やかなレビューが繰り広げられている。

ポスターを並べてみると、改めてOSKのスターシステムは、「男役トップスター」を核としつつ、男役・娘役スターが対等に近い並びになっており、他方トップコンビの概念が希薄なことが分かります。

松竹主催『レビュー 春のおどり』復活について

近鉄傘下のOSKで、平成14年(2002年)に1年後の解散予定が公表されるや、劇団員は署名活動やスポンサー探しに奔走。また創業者の孫である白井信彦氏は、解散を知り松竹主催のレビュー公演を決心する。

同年冬、同社の永山武臣会長が車中から袴姿の劇団員の署名運動の姿を見、ここで白石が永山会長に打診して承諾を得た。平成15年(2003年)3月、松竹側が『存続の会』の主力メンバー大貴誠らと面会し、彼女たちの熱意を確認すると、その場で翌春の『春のおどり』公演が決定した。

存続活動においても、またOSK日本歌劇団研修所の設置・育成再開においても、近い将来に松竹系大劇場での公演が存在することの意義は、非常に大きいものだった。

(第1回)レビュー春のおどり(平成16/2004年)

横澤 英雄 作・演出
※近鉄OSKより残存の23名の団員+81期生9名。横澤氏は宝塚歌劇団の演出家だが、日本歌劇団(当時)からの正式な要請により、長年にわたりOSKの演出も手掛けていた。1990年代に引退したが、OSK存続の窮地に復帰し、この後、亡くなるまで精力的にOSKレビュー作品を手掛けた。

第1部「桜咲く国」

第2部「ルネッサンス」


(第2回)春のおどり(平成17/2005年)

第1部「平安☆レジェンド」(横澤 英雄 作・演出)

第2部「ダンシング・フォーリーズ」(中村 一徳 作・演出)


第3回 レビュー春のおどり(平成18/2006年)

第1部「義経桜絵巻」(横澤 英雄 作/山村 若 演出)

第2部「ハッピー・ゲーム」人生は素晴らしいゲーム!(横澤 英雄 作・演出)


4月末に、名古屋:名鉄ホールにて続演。

(第4回)レビュー春のおどり 〜桜咲く国2007 輝く未来へ〜(平成19/2007年)


この年の秋、残念ながら民事再生法適用となる等、劇団存続の危機を迎えました。こうした経営や内部事情の厳しさもあり、この作品のDVDは発売されていませんが、有志により枚数限定で制作されたものが存在しています。

なお、ポスターには「第四回」の記載はありませんが、パンフレットには記載があります。

第1部「桜・舞・橋(さくら・まう・はし)」
山村 若 構成・演出

第2部「桜ファンタジア」
横澤 英雄 構成・演出/名倉 加代子 構成・演出補


第5回 レビュー春のおどり(平成20/2008年)


第1部「お祝い道中」 ~浪花ともあれ桜花爛漫~ (桃井 文 作・演出/西川 蓑乃助 演出・振付)

第2部「Dream Step!」(中村 一徳 作・演出)


(第6回)レビュー春のおどり(平成21/2009年)

ttp://www.shochiku.co.jp/play/shochikuza/090314/index.html
※松竹座の春公演として定着し、この年から「第○回」の表記が無くなる。

第1部ミュージカルロマン「桜彦 翔る!」~必ず戻る 恋と友情のために~(北林佐和子 作・演出/伊瑳谷門取 振付・演出)

  • 桜彦 - 桜花昇ぼる
  • ラバーナ - 高世麻央
  • 瀬戸 - 桐生麻耶
  • アリアンローザ - 朝香 櫻子
  • ゼノビア - 牧名 ことり
遥か昔、ラセツ国の人質として何年も幽閉されていた隣国、天標国(あめしるしのくに)の王子、桜彦(さくらひこ)はラセツ国の先王の娘ゼノビアの新女王の即位式で舞を披露することになった。囚われの身でも凛とした桜彦の美しさに心動かされるゼノビア。密かに王位とゼノビアに深く執着していた大臣ラバーナは舞に乗じて桜彦の命を狙うが、ゼノビアが窮地を救う。国の宿命を背負う桜彦とゼノビアであったが、いつしか互いに意識し始める。そんな二人の様子にラバーナは怒り、魔女アリアンローザ(朝香櫻子)と共に桜彦を謀殺し天標国を滅ぼす事をたくらむ。
そんな折、親友の瀬戸が桜彦の父である国王が急死し、その上相次ぐ天変地異に国民が疲弊している事、そして今またラセツ国が戦いの準備を進めているなど天標国の危機的状況を知らせに来た。果たして天標国は・・・。そして桜彦の運命は?
今春、OSK日本歌劇団、渾身のミュージカルロマン!どうぞご期待ください。

第2部グランドレビュー「RUN&RUN」(横澤英雄 作・演出)

第2部は横澤英雄作・演出による「レビュー RUN & RUN」です。
幕開きは琉球が舞台、2009年7月におこる皆既日食をモチーフに“太陽”と“月”そして“地球”と“人間”の関わりを力強く謳い上げます。そして一転、洋舞レビューに変わり新チェリーガールズの弾けるダンスから始まり、エレガンスなパリ、スタイリッシュなNY、そして総踊りでのエネルギッシュな南米と世界の各地を魅力溢れるダンスで表現します。
まさに“走って走って走り続ける”OSKらしい躍動感あふれるステージをお楽しみ下さい。

(第7回)レビュー春のおどり(平成22/2010年)

ttp://www.shochiku.co.jp/play/shochikuza/1004/index.html

第1部 「桜彦翔る!エピソードⅡ」 ~黄泉へ 桜ふたたび~ (北林佐和子 作・演出/伊瑳谷門取 振付・演出)

二人の結婚というかたちで、長年にわたる天標国(あめしるしのくに)とラセツ国の戦争を終結させた桜彦(桜花昇ぼる)とゼノビア(牧名ことり)は幸福の絶頂にあった。国は平和に栄え、二人のあいだに芽生えた新しい命が間もなく生まれようとしていた。
ところが突然、ゼノビアが息を引き取った。失意の桜彦の前に不思議な少女ヴィヴィ(朝香櫻子)が現われ囁く。
ゼノビアは生きながらにして死の国、黄泉へ連れ去られ、そこを支配するグリッソム王(桐生麻耶)は人間世界の征服を目論んでいるのだと…。
再び待ち受ける運命の嵐。桜彦はゼノビアとまだ見ぬ我が子を求めて黄泉を走る。
しかし、そこにはかつての宿敵ラバーナ(高世麻央)が待っていた…。

第2部 「JUMPING TOMORROW!」(中村 一徳 作・演出)


Hop!Step!Jump!とOSKの魅力を歌と踊りに託し、まさに明日に光り輝き、未来に飛び立つパワフルな舞台をご覧頂きます。
OSKと共に明日に、未来に、そして夢に向かって『JUMPING!』。

(第8回)レビュー春のおどり(平成23/2011年)

ttp://www.shochiku.co.jp/play/shochikuza/110403/

第1部 〜撩乱〜「 さくら・桜・サクラ 」(山村若 作・演出・振付)

我が国の春に欠かせない物。それは、さくらです。特にOSKにとっては、本当に大切な花かと。古来、我々のまわりには非常に親しい桜と、神秘的なサクラが共存しています。この桜を、トップスター桜花昇ぼるとともに道頓堀・松竹座に満開に咲かせ、御覧頂く皆様に贅沢なお花見を楽しんで頂きたく思っております。|

第2部「 STAR LEGEND 」〜DANCE DANCE DANCE〜(大谷盛雄 作・演出・振付)

明年いよいよ90周年の佳節を迎えるOSK、これまでに数多くのスターを輩出し、皆様に愛され支えられ、輝かしい歴史と伝説を刻んで参りました。華やかな主題歌による幕開きから、躍動感溢れるジャズ・ワイルドロック・ラテンナンバーや情感豊かなタンゴなど、進化し続けるこれぞOSK!と言える、伝説に残る最高のステージをお届けいたします。

(第9回)OSK日本歌劇団創立90周年記念公演 レビュー春のおどり(平成24/2012年)

第1部 「桜舞う九重に」 ~浪花の春にいざ舞わん~ (山村若 作・演出・振付)

第2部 「GLORIOUS OSK」 ~リズム・コレクション~ (大谷盛雄 作・演出・振付)




(第10回)レビュー春のおどり(平成25/2013年)

※90周年記念公演のラストを飾り日生劇場(東京宝塚劇場のすぐ隣)で初演後、松竹座で続演。

第1部『桜絵草紙』(山村若 構成・振付 / 吉峯暁子 演出)

第2部『Catch a Chance Catch a Dream』(名倉加代子 作・演出・振付)



(第11回)レビュー春のおどり(平成26/2014年)

第1部 桜花抄

第2部 Au Soleil ~太陽に向かって




(第12回)レビュー春のおどり(平成27/2015年)

第一部:道頓堀開削400年「浪花今昔門出賑」 構成・演出・振付:山村友五郎

第二部:Stormy Weather 作・演出:荻田浩一


(第13回)レビュー春のおどり(平成28/2016年)

第一部「花の夢 恋は満開」作・演出・振付:花柳 基

ここは花の仲ノ町。毎日さまざまな人が行き交い、最新の音楽やファッションを発信する華やかな街を舞台に、OSKならではの和物のレビューを描き出します。あちらこちらでドラマチックに恋の花が咲き、めくるめく人間模様を描いた作品。春の季節にぴったりな世界観をお楽しみいただきます。OSK日本歌劇団が大阪松竹座を桜満開にいたします!

第二部「Take the beat !」作・演出・振付:名倉加代子

湧き上がるリズムに乗せ、スピード感あふれる世界感!思わずその世界に引き寄せられ、自然と身体が動き出す!人々を突き動かす熱い想いを、溢れだす音楽に乗せ、おしゃれに広がる世界を描きます。迫力あるOSKの魅力が詰まったステージです!

(第14回)レビュー春のおどり(平成29/2017年)

第一部「桜鏡 ~夢幻義経譚~」(作・演出・振付 尾上菊之丞)

第二部「Brilliant Wave ~100年への鼓動~」(作・演出 中村一徳)


(第15回)レビュー春のおどり(平成30/2018年)

ttps://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/osk2018_shochikuza/

第一部 桜ごよみ 夢草紙  (西川箕乃助 構成・演出・振付)

第二部 One Step to Tomorrow! (名倉加代子 作・演出・振付)


(第16回)レビュー春のおどり(令和元/2019年)

ttps://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/osk2019_shochikuza/

第一部 春爛漫桐生祝祭(作・演出・振付 山村友五郎)

第二部 STORM of APPLAUSE(作・演出・振付  平澤 智)


中止:令和2/2020年

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言発令により中止。
演目は翌年に繰り越し。

(第17回)レビュー春のおどり(令和3/2021年)

ttps://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/shochikuza_202102/
ttps://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/enbujyo_202103/

第一部 ツクヨミ〜the moon〜

第二部 Victoria!


(第18回)レビュー春のおどり(令和4/2022年)

ttps://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/shochikuza_202202_osk100/
ttps://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/enbujo_202203/

第一部『光』:演出・振付 山村友五郎・尾上菊之丞・藤間勘十郎

第二部『INFINITY』:作・演出 荻田浩一


(第19回)レビュー春のおどり(令和5/2023年)

ttps://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/202302osaka/
ttps://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/202302_osk_enbujo/

第1部ミュージカル・アクト『レ・フェスティバル』作・演出・振付 上島雪夫

第2部『未来への扉~Go to the future~』作・演出・振付 上島雪夫


(第20回)レビュー春のおどり(令和6/2024年)

ttps://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/shochikuza202404/

第1部 春楊桜錦絵 (山本友五郎 構成・演出)

第2部 BAILA BAILA BAILA(荻田浩一 構成・演出)


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最終更新:2024年02月03日 06:48