たけふ菊人形は、旧・武生市→越前市で行われているイベント(
たけふ菊人形・越前市公式サイト)。菊人形を飾ったお祭り。幼稚園・小学校や高齢者施設からの団体客も多く、地元向けの、のどかなイベントである。土日祝日には企画イベント多数。近隣住民に愛されて、平成23年(2011年)に60周年を迎えた。
概要
現在、松竹座『
春のおどり』公演とともに、時期場所が固定されている数少ない公演となっている上、1ヶ月にわたり本格的レビューの長期公演ができる、極めて貴重な機会となっている。劇団もたけふ公演を重視し、例年新作が上演される。
長年、菊人形イベント自体が大河ドラマや歴史を題材にしており、OSKもこのテーマに沿った演目を披露することが多かった。また、武生は紫式部ゆかりの地であり、源氏物語も複数回題材になっている。
しかし、会場の武生中央公園が、市出身のかこさとし氏の作品をテーマにした再整備を経て、ファミリー層の人気スポットに変化したことから、令和元年(2019年)より、菊人形展示は屋外となり、童話や昔話を中心としたファミリー向けの夢のある題材にリニューアルされた。
元々、戦後レビュー黄金期である1950年代以降、各地の菊人形では少女歌劇レビューが開催されていた。OSKも、大阪の枚方大菊人形(平成17年で終了も、規模や形を変えて存続)でレビューを披露。武生でもOSKやSKD関連団体がレビュー公演を行っていた。
そして昭和55年(1980年)以降、OSKは武生で継続して公演を行っており、近年では「第○回たけふレビュー」の名称も用いられ、OSK公演単体のポスターも制作される。平成22年(2010年)に30周年(通算31回)を数え、令和2年(2020年)に40周年を迎えるはずだったが、新型コロナ肺炎感染拡大防止対策として菊人形イベントそのものの規模が縮小となったため公演が行われなかった(短期間のミニショーのみ)。
サイン会・撮影会、野外イベント(年による)もあり、OSKファン必見の行事である。別途OSK観劇料が必要で、座席は自由。菊人形会場に隣接する越前市文化センター大ホール(固定座席1000名強)で、例年新作レビューを上演する。菊人形イベントにおけるOSK公演の扱いは大きく、主力アトラクションの一角をなす。
長らく定員684名の武生大劇場(現:中ホール)で、公演していたが、平成28年(2016年)以降は、前年に改装された大ホールに場所を移している。
かつては菊人形イベントの入場料があり、OSK観劇料は無かった(つまり一日中観劇可能)。しかし、平成29年(2017年)から、まず入場料が無料(菊人形展示のみ有料)となり、令和元年(2020年)には菊人形展示も屋外になって無料となり、よりリピートしやすくなった。一方、OSK観劇料金は有料となったが、OSKファン用に、OSK観劇回数券も用意されている(15回分の値段で16回観劇可能)。
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越前市文化センター 大ホール入口(令和6年撮影) |
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菊人形会場からは分かりやすいが、少し歩く(同) |
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毎年恒例トピアリー(満開だと赤紫の花です)(同) |
※近年、大幅な改革が繰り返されているため、回数券、前売りチケット等の情報は、必ず公式サイトをご確認ください。
実施内容
平成後期の公演時間は2部構成1時間強。休憩が無い分、日舞レビュー(または菊人形題材≒NHK大河ドラマに因んだ日本物ミュージカル)と洋舞レビューの間に若手劇団員がトークと『やんしき節』で会場を盛り上げる。しかし、平成26年(2014年)以降は、洋舞のみ1部構成が続いている。
『やんしき節』だけでなく、「越前和紙」「朽飯八幡神社」「劔神社」等の地元の有名な事物、『だんね~ざ』『イッチョライ節(福井音頭)』等のご当地ソングが織り込まれることが多い。OSK秋公演のイメージソングは『ビロードの夢』で、昭和24年(1949年)発表。平成以降は、公演ではほとんど使用されていなかったが、平成22年(2010年)に約20年ぶりに用いられた。
撮影会は、劇団員2名(主に男役&女役ペア)が舞台上でポーズをとり写真を撮れる。サイン会は、1000円でサイン色紙の購入が必要。その場で名前・メッセージ入りのサインを手書きしてくれる上、色紙には500円で販売されているブロマイドが貼ってある。
OSKの序列/スターシステムにより、娘役が座長(主演)となることもあるが、男役は例外なくトップスター又はその候補スターが主演。
越前市との関わり
平成22年(2010年)にはOSKたけふ公演30周年ということもあり、菊人形ポスターにトップスター桜花昇ぼるが起用された。翌年もたけふ菊人形60周年を記念し、菊人形ポスターに桜花&朝香の写真が起用。
映画館もない、北陸の小さな町だが、レビューが庶民の娯楽として愛されている。また、平成15年(2003年)に『OSK存続の会』が菊人形公演を行うことができたことで、OSKレビューの歴史が途絶えなかったため、歌劇文化継承に果たした貢献も、極めて大きい。一方、OSKの越前市への功績が認められ、令和元年に「市政功労表彰」を受けている。
このように越前市(旧武生市)との縁も深く、令和4年(2022年)を目標とした連続テレビ小説の誘致計画もあった(※なお同年、OSKOGの笠置シヅ子を題材に、大阪と香川を舞台とした『
ブギウギ』が制作予定と発表)。
歴史
近鉄時代
年度 |
タイトル |
主な出演者 |
昭和55 |
華麗なるファンタジー |
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56 |
歌と踊りのグランド・ショー |
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57 |
世界のまつり |
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58 |
'83ビバ!OSK |
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59 |
ザ・レビューOSK'84 |
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60 |
紫式部と越前の四季・レッツ・ダンシング |
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61 |
グランドレビュー'86 |
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62 |
娘道成寺絵巻・ゴールデンレインボ |
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63 |
金色に日は昇る |
美園かおる 煌みちる 奈美ちはる |
平成元 |
三つの恋の物語 |
東雲あきら 雅 都貴 |
2 |
愛・花と夢 |
美影ひとみ 水穂ゆう紀 |
3 |
夢讃歌 |
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4 |
栄光の宴 |
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5 |
紅葉に舞う |
美園かおる 英 みち 雅 都貴 恋香うつる |
6 |
星に願いを |
煌みちる 友美 愛 |
7 |
はばたけ夢の翼 |
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8 |
秋のプレリュード |
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9 |
秋のシンフォニー |
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10 |
イッツ・ミラクル! |
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11 |
シンデレラ・ラブ~味真野恋唄伝説~ |
那月 峻 若木志帆 |
12 |
落ち葉のシンフォニー~味真野恋唄伝説~ |
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13 |
シャイニング・オータム~源氏物語~ |
沙月梨乃 瑞木彩乃 波輝一夢 |
14 |
Arcenciel~大空に架ける!~ |
大貴 誠 沙月 梨乃 |
現在
年度 |
タイトル |
主な出演者 |
ポスター |
平成15 |
愛…。そして、美しき旅立ち |
大貴 誠 北原 沙織 |
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16 |
ルネサンスOSK |
北原 沙織 高世 麻央 |
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17 |
秋空にジャンプ!NewOSK |
大貴 誠 朝香 櫻子 |
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18 |
秋のコンチェルト |
若木 志帆 桜花 昇 |
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19 |
越前ファンタジア~こしの都 夢と情熱と華の物語~ |
北原 沙織 高世 麻央 |
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20 |
越前に咲いた華~夢と幻想の物語 第1部 光源氏~紫式部絵巻~ 第2部 カレードスコープ |
高世 麻央 桐生 麻耶 牧名 ことり |
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21 |
ファシネーション〜魅惑と情熱の炎〜 |
桐生 麻耶 牧名 ことり |
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22 |
Love Force~龍馬の夢~ ※OSK30周年記念公演 |
桜花 昇ぼる 牧名 ことり |
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23 |
信長疾風伝 戦国の絆/パッショーネ ※菊人形60周年記念公演 |
桜花 昇ぼる 朝香 櫻子 |
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24 |
グランドレビュー2012 第1部 清盛疾風伝~大いなる武士~ 第2部 DIAMANTE |
桐生 麻耶 折原 有佐 |
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25 |
グランドレビュー2013 第1部 武生の鼓太郎~愛と友情のレジスタンス~ 第2部 Wrapping! Clapping! |
桜花 昇ぼる 朝香 櫻子 |
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26 |
グランドレビュー2014「愛の翼~Aras Del Amore~」
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折原 有佐 真麻 里都 |
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27 |
紅に燃ゆる〜真田幸村物語 |
悠浦あやと 楊琳 |
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28 |
グランドレビュー2016「レジェンド 愛の神話」
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高世 麻央 折原 有佐 |
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29 |
第38回たけふレビュー ~OSKシンフォニー~
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楊 琳 舞美 りら |
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30 |
第39回たけふレビュー ~GERSHWIN NIGHT~
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桐生 麻耶 城月 れい |
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令和元 |
40周年記念公演 たけふレビュー Viva La Vida!!
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桐生 麻耶 城月 れい |
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2 |
新型コロナ肺炎対策のため、中止(ミニレビューショーのみ上演) |
3 |
第70回「たけふ菊人形」記念公演 たけふレビューBe The Spark!~輝く未来に~
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楊 琳 舞美 りら |
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4 |
OSK日本歌劇団創立100周年記念 第42回たけふレビュー The Diamond Quality |
翼 和希 舞美 りら 千咲 えみ |
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5 |
第43回たけふレビュー Calling Moon |
桐生 麻耶 城月 れい |
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6 |
第44回たけふレビュー DREAM SCAPE |
天輝 レオ 唯城 ありす |
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7 |
第45回たけふレビュー |
椿 りょう |
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OSKガチャガチャ
カプセル自販機にOSKグッズが入っている。1回300円のたけふ名物。
- 2008年 - 缶バッチ
- 2009年 - ストラップ(クリーナー部分に団員の顔写真入り)
- 2010年 - 缶バッチ(スチール赤ver/龍馬-桜花/沖田-高世/土方-桐生/ブルーパンサー/チェリーガールズ)
- 2011年 - ドームシール(スチール白ver/信長-桜花/江姫-朝香)
- 2012年 - ストラップ
- 2013年 - 絵馬
- 2014年 - ?
- 2015年以降 - 缶バッチ
アクセス
「武生駅」から菊人形会場は徒歩20分程度で、週末は例年無料シャトルバス運行があります。徒歩の場合、菊人形会場より駅に近い側に文化センターがありますので、OSK→菊人形会場の順だと無駄なく楽しめます。
例年10月はJR全線乗り放題となる「鉄道の日記念きっぷ」が発売されるため、特急を利用せず、在来線のみで安く旅行することもできます(※注:北陸新幹線延伸に伴い旧JR北陸本線が第3セクター移行されたため、武生駅での途中下車はできなくなりました。同きっぷ活用に際しては、旅程をよくご検討下さい→第3セクター3社による「北陸3県乗り放題2dayパス」の活用等)。
下記の他、各主要都市↔武生IC経由で福井駅間の高速バスもあります。「福井駅」から「武生駅」は、ハピラインふくいで約20分です。
東京方面から
- 北陸新幹線で「越前たけふ駅」へ
- 北陸新幹線で「福井駅」経由、ハピラインふくいで「武生駅」へ
- または名古屋・京都方面経由
- 埼玉経由の高速バス路線あり(夜行、1万2000円台~)
名古屋方面から
- 「名古屋駅」経由、特急しらさぎで「敦賀駅」経由、ハピラインふくいで「武生駅」へ
- 高速バス路線あり(昼行、3000円台~)
関西方面から
- 「大阪駅」「新大阪駅」「京都駅」経由、特急サンダーバードで「敦賀駅」経由、ハピラインふくいで「武生駅」へ
- 高速バス路線あり(昼行、3000円台~)
OSK団員ゆかりの飲食店情報
和風レストラン瀧雅(福井県越前市)
居酒屋ななお(石川県小松市)
外部リンク
最終更新:2024年10月27日 19:20