まず最初に目を通したほうが良いものOracle公式のドキュメントセットは膨大で読む通すのが大変。Solaris 10以前の知識を持っている人には、以下の資料が手頃で読みやすい。
インストールでの注意点単体でPC機にインストールする場合、方法の選択肢はテキストインストールとLiveインストールの二つ。Liveインストールはインストール時点から日本語のGUI操作で分かりやすいが、DHCPクライアントとしてネットワーク設定が自動化されてしまっているので、サーバーとして固定IPで立てる場合は後から設定変更が必要。テキストインストールは、英語のコマンドライン操作のインストールだが難しくはない内容、ネットワーク設定もマニュアルで指定できるが、インストール内容にGUI環境が含まれない。おすすめなのは、テキストインストール。テキストインストールの詳細手順は、SPARC版ではあるが以下のドキュメントが日本語化された画面内容で参考になる。
インストール途中で、セキュリティー情報を受け取る用途でメールアドレスを入力しなければならない。My Oracle Support passwordはサポート契約を結んでいた場合に使うもので、サポート契約なしの場合はパスワードを未入力とすること。メールニュースの受信や無償ダウンロードなどに用いているOracle.comプロファイル(OTNアカウント)ではないことに注意。同様に、メールアドレスも未入力(デフォルトで入力されているアドレス「anonymous@oracle.com 」は削除)でも、[F2]_継続を押下で出る警告メッセージを無視することで、インストトールはできるようだ。
テキストインストール後、GUI環境が必要な場合は、コンソールから以下のコマンドを投入する。ただし、さまざまなデスクトップアクセサリーやFirefoxブラウザー、Thunderbirdメーラーなどまで入れられてしまうので、本当にGUIが必要なのかどうかよく考えたほうが良い。
Solaris 11では、インストール時にzfsのミラー構成が指定できなくなった。ミラー構成にしたい場合は、インストール後に実施する必要がある。
NICの設定は、従来のifconfigやhostname.*ファイルを置く方法からレイヤ別の設定コマンドへと大きく変更になった。設定コマンドを実行するとコンフィグファイルが書き換わり、実行結果は再起動後も有効になるので、rc.*で叩く必要はない。NICの状態確認やVLANなどデータリンク層(レイヤ2)に関する設定は、dladmコマンドを使う。NICの状態確認 # dladm show-link
NICの物理インターフェース確認 # dladm show-phys
IPアドレスなどIP層(レイヤ3)に関する設定は、ipadmコマンドを使う。NICのIPアドレス確認 # ipadm show-addr
NICの有効化(例) # ipadm create-ip net1
NICのIPアドレス設定(例) # ipadm create-addr -T static -a local=192.168.1.23/24 net1/v4
インストール時に自動割当てされたIPv6アドレスを削除(例) # ipadm delete-addr net0/v6
ネタ元 Oracle Solaris 11を使ってみよう 構築・運用ガイド (PDF) @ 富士通 の18ページ「3. ネットワークの設定」
初期状態ではtelnetやrlogin、rshは閉じているので、リモートログインにはsshを使う。セキュリティリスク承知で有効化するには、svcadmコマンドで設定変更する。ネットワークサービスの状態確認 # svcs svc:/network/*
telnetサービスの有効化 # svcadm enable svc:/network/telnet:default
rloginサービスの有効化 # svcadm enable svc:/network/login:rlogin
rshサービスの有効化 # svcadm enable svc:/network/shell:default
ネタ元 Oracle Solaris 11を使ってみよう 構築・運用手順書 (PDF) @ 富士通 の22ページ「3-2. (2) ネットワークサービスの有効化」
rootユーザのホームディレクトリが/から/rootに変わった。そのため、root権限でrloginやrshを実行したい場合、.rhostsファイルは/ではなく/rootディレクト下に置くこと。
初期状態ではsnmpも閉じている。solaris 11からはnet-snmpに代わった。/etc/net-snmp/snmp/snmpd.confを編集
# svcadm -v enable net-snmp
アップデート用ローカルレポジトリはオンラインで取得できるが、9GBほどダウンロードして20GB以上に展開されるため、時間と容量を覚悟しなければならない。インターネットに常時つながっている環境の場合は、都度、必要なパッケージをOracleのサイトからダウンロードしてくれるので、敢えてローカルレポジトリを作る必要はない。
Oracle SolarisのバージョンアップOracle Solaris 11.1→11.2のバージョンアップは、以下の手順で実行する。
最終更新:2015年05月16日 12:14