八十嶋叶

八十嶋 叶(やそしま かない、1990年8月30日 - )は、熊本シルフィードに所属したプロ野球選手(投手)。


概要

所属 熊本シルフィード
背番号 41
国籍 日本
出身 北海道札幌市
生年月日 1990年8月30日
身長 165cm
体重 60kg
投打 左投左打
血液型 AB型
プロ入り 2014年ドラフト2位
PL Nega
球歴 札幌東女子高等学校→小樽体育大学→室蘭第四製鉄大阪ナイトブレイカーズ(2015-2017)→札幌ホワイトエンジェルス(2018-2019)→熊本シルフィード(2020-2022)

経歴


プロ入り前

アマチュア時代から一貫して投手である。高校時代は弱小校、部員不足といった状況もありエースであった。しかし味方の貧打・拙守、自身の制球難からくる不用意な失点などで成績は芳しいものではなく、地区大会優勝も叶わなかった。大学進学後は高校時代と比べ格段に良い環境の中で三年次からエースとして活躍。卒業後はプロ志望届は出さずに室蘭第四製鉄へ進む。製鉄所勤務という肉体労働の中でスタミナを更につけ、速球の重みも増したところでプロへ進むことを決意。ドラフトでは大阪ナイトブレイカーズに二位指名を受け入団。

プロ入り後


2015年


入団に際して、背番号は「34」を希望し受理される。理由は34番をつけた左の速球派の先発投手に名選手が多いことから、自身もそれに名を連ねられるようにというものである。
ルーキーイヤーとなった2015年は7試合に先発として登板。2勝(2敗)を挙げオールスターにも選出されたが、9月からは絶不調に陥り最終的には規定投球回未到達、防御率6.69、WHIP2.03など、首脳陣の期待を大きく裏切る成績に終わった。また18四球・3死球・3暴投はいずれもチーム内ワーストであり、懸念されていたコントロールの悪さが浮き彫りになる形となった。

2016年


2015年オフ、シーズンの結果から力不足を感じ海外武者修行へ参加。シーズン途中から練習していたシュートを習得、七隈英子コーチの指導により球速も上昇した。
この成長によって投球に幅が出たのか、防御率を前年の6.69から4.34へと改善。決して良いと言える数字ではないものの、味方野手陣の援護もあってチームトップの5勝(2敗)を挙げて最多勝争いに加わったほか、投球回数56イニングもチームトップであり、イニングを食える投手として一定の信頼を得た。一方で制球に関しては相変わらずであり、投球回数が増えたとはいえ両リーグワーストの25与四球を記録している。

2017年


シーズン開幕から打ち込まれることが多く、被本塁打は減少したが連打で点を失う場面が多く見られた。
結果としてぎりぎりで規定投球回には到達するものの1勝3敗という自己ワーストの成績に終わり、
プレーオフやチャンピオンシップでもベンチを温めるに留まった。
自身の至らなさを痛感、オフにトレードを直訴。
地元の札幌ホワイトエンジェルスへと移籍することとなった。
背番号は尊敬する沢渡知美の41番に変更している。

2018年


前年に比べると奪三振は減少したものの、シーズンを通して被本塁打0など前年よりも良化。
また8月5日の熊本戦では通算10勝を達成している。

2019年


オープン戦は3月6日に登板し完封を記録するなど好調。
その後美祢眞銀とバッテリーを組んだ4月10日の試合でプロ五年目にして初の公式戦完投・完封勝利を達成した。


プレースタイル

投球

帽子を振り落さんばかりのダイナミックなフォームのサイドスローから投げ込まれる球威・球速ともに優れた速球を武器とする。また、製鉄所勤務で培ったスタミナは無尽蔵であり完投能力を十分に持つ。そのほか、速球に近い速度で小さく変化する高速シンカー・SFFを持ち球としており、相手に関わらず躊躇せずに内角攻めを行うマウンド度胸も備える。しかし、その一方でサイドスローでありながらコントロールは非常に悪く、四死球・暴投が多いのが欠点である。ヒット・四死球によってランナーを溜め込むと苛立ちを見せ、余計に制球を乱す悪癖がある。クイックは「フォームが窮屈になるから」という理由から行わない。ちなみに、そのフォームは元巨人・阪神の小林繁氏を意識したもの。
2016年からシュートを、2019年からはスローカーブも投げるようになっている。

人物

マウンド上では感情を表に出して投げるタイプであり短気な一面も見られるが、普段はむしろ礼儀正しく大人しい方である。しかし、自身の目つきの悪さも相まって普段から不機嫌であるように勘違いされることも多い。趣味は楽器屋巡り、特技は料理と溶接である。一人の時間を好む傾向はあるものの、決して他者を拒絶しているわけではない。生真面目な性格で、やや天然気味。練習に関してストイックさを見せるものの、自身の身体が丈夫なことも相まってオーバーワークになりがちである。

詳細情報

年度別投手成績

年度 所属 規定 試合 S H 完投 完封 先発 QS 完了 防御率 投球回 打者 被安 被本 奪三 与四 与死 敬遠 失点 自責 WHIP
2015 大阪 × 7 2 2 0 0 0 0 7 1 0 6.69 35 173 50 5 28 18 3 0 26 26 2.03
2016 大阪 9 5 2 0 0 0 0 8 4 1 4.34 56 239 56 7 38 25 3 0 27 27 1.45
2017 大阪 8 1 3 0 0 0 0 8 4 0 6.20 45 217 53 4 49 22 1 1 34 31 1.67
2018 札幌 8 2 4 0 0 0 0 6 2 2 4.60 43 191 45 0 23 24 3 0 23 22 1.60
2019 札幌 7 2 3 0 0 2 1 6 3 0 3.35 43 190 36 1 34 28 3 0 18 16 1.49
2020 熊本 9 0 5 0 0 1 0 8 4 0 5.83 54 263 69 5 39 38 4 0 37 35 1.98
2021 熊本 × 12 1 4 0 2 0 0 5 2 3 5.61 33 2/3 169 40 3 30 26 4 0 29 21 1.96
2022 熊本 8 3 3 0 0 2 1 7 6 0 2.82 54 1/3 240 43 2 50 27 5 0 18 17 1.29
通算:8年 68 16 26 0 2 5 2 55 26 5 4.82 364 1682 392 27 291 208 26 1 212 195 1.65

表彰

記録

初記録

  • 初登板・初先発:2015年4月12日 対福岡クローネ1回戦(阪神甲子園球場) 6回3失点で敗戦投手
  • 初奪三振:同上、一回表に四之宮真帆から
  • 初勝利:2015年5月6日 対東京フレイズ4回戦(明治神宮野球場) 6回5失点
  • 初完投・初完封勝利:2019年4月10日 対熊本シルフィード2回戦(札幌ドーム) 9回無失点5四死球

節目の記録


背番号

  • 34(2015-2017)
  • 41(2018-2022)

登場曲

  • Hydrangea/LIGHT BRINGER(2015)
  • Fantasy /Insania(2016)
  • Standing Alone /In This Moment(2017)
  • Open Your Eyes /Alter Bridge(2018)
  • Make Me Wanna Die / The Pretty Reckless(2019)

能力推移

年度 速球 球威 変化 制球 体力 守備 ピン/特1 対左/特2 打強/特3 クイ/特4 総合
2015 16/B 16/B 11/D 5/F 18/A 9/D 2 4 3 1 98/C
2016 17/A 15/B 14/C 5/F 18/A 9/D 2 4 3 1 105/C+
2017 17/A 15/B 16/B 5/F 18/A 9/D 2 4 3 1 107/C+
2018 17/A 15/B 16/B 5/F 18/A 9/D 2 4 短気 暴れ球 107/C+
2019 17/A 15/B 16/B 5/F 18/A 9/D 対左○ 暴れ球 短気 クイ× 107/C+
2020 17/A 15/B 16/B 5/F 18/A 9/D 対左○ 暴れ球 短気 クイ× 107/C+
2021 17/A 15/B 16/B 5/F 18/A 9/D 対左○ 暴れ球 短気 クイ× 107/C+
2022 17/A 15/B 16/B 5/F 18/A 9/D 対左○ 暴れ球 短気 クイ× 107/C+

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最終更新:2023年01月20日 05:23