KUNIMORI

KUNIMORI


新しいオフィスや店舗と共に、昔ながらの雰囲気も残す下町。
亡くなった伯母から譲り受けた部屋に住み、伯母がオーナーをしていた
貸しスタジオで働く武原耕太の前に、伯母を頼って次々と人が現れる。
夜逃げ同然に人の消えた会社では一体何が行われていたのか。
祖父の消えた少年の境遇を救うことは出来るのか。



(2009年5月 中央公論新社 / 2012年6月 中公文庫)
※残念ながら現在は絶版となっています


主要人物


武原耕太(タケハラコウタ)

都築由江の一番下の妹の子供。高校のときに両親が離婚
伯母の財産を引き継ぎ、それまで勤めていた電力会社を退職
4ヶ月前からメゾンAsakusabashiの1201号室に住む
貸しスタジオ『リバーサイド』のオーナー兼マネージャー

都築由江(ツヅキヨシエ)

耕太の伯母。聡明で穏やかな気性。
定年まで大手証券会社勤務(渉外担当)
退職してからは地域活動に積極的に参加していた
ガンで死亡。財産の全てを耕太に残した

大下潤(オオシタジュン)

日焼けした気の強そうな、でもあどけない顔をした中学2年
祖父を探してほしくて由江のマンションに来た
ツール・ド・フランスが好きで、菊嶋家からもらった青いマウンテンバイクに乗る

中瀬治充(ナカセハルミツ)

中瀬探偵事務所の所長兼所員。ヤモリのナカセ
菊嶋幸広の紹介で「デプラ」の調査を頼む

音屋月子(オトヤツキコ)

JR秋葉原駅から少し離れた場所にある「音屋商店」で働く長身の女性
他人を緊張させない不思議な雰囲気があり、相手の心を上手に摑む



デプラの関係者


大下ヨウヒ(オオシタヨウヒ)

潤の祖父、1ヶ月前から留守にしている
市ヶ谷にある由江のマンションに潤と住んでいた(契約者は大下鶴子)
北朝鮮から韓国へ情報収集員として派遣、その後日本へ

ソジン

30代後半の朝鮮半島出身の男。通信部隊にいた軍歴あり
リンに電話をかけてくることがあった。潤の父

デプラで働いていた。交通事故で死亡

リン

デプラで働いていた。ヨウヒと古い知り合い、パズルが得意

ハッカク

デプラで働いていた。脱北者

香西太二(カサイタイジ)

『国為研究所』代表
防衛庁時代に朝鮮半島関係の仕事していた
デプラで情報を集め売っていた



その他の登場人物


安西(アンザイ)

「東京の下町をよくする会」
人の好さそうな初老の男、カメラが趣味

大引友子(オオビキトモコ)

メゾンAsakusabashi 201号室に住む59歳。アパレル会社勤務

音屋陽太郎(オトヤヨウタロウ)

月子の10歳ほど上の兄、神田にある大型ディスカウントショップ内の
「音屋商店」の担当コーナーにいる
やや丸みを帯びた身体つきの物腰の柔らかそうな穏やかな人物

菊嶋透(キクシマトオル)

伯母が元気だったころにリバーサイドのアルバイトをしていたという、
近所の船宿の三男坊の大学生。
またリバーサイドでアルバイトをはじめる

菊嶋幸広(キクシマユキヒロ)

菊嶋家の長男、電機メーカーに勤める30歳
実家の稼ぎ時には屋形船を操縦する

ケイコ

イの通ってたスナック"ポプリ"で働く女性

高橋敬一(タカハシケイイチ)

耕太が相続した葛飾区の高砂にあるマンションを借りている
2年前に結婚して住みはじめる

趙(チョ)

由江の通っていた外国語学校の恩師

中川

メゾンAsakusabashiが管理業務を委託している赤田メンテナンスの従業員
昔は相撲取りで100キロ近くある。顔つきも気も優しい

美月拓也(ミヅキタクヤ)

歌舞伎町にあるブルー・ダンディの韓国人ホスト
ヨウヒとは家族ぐるみの付き合い

村上日出子(ムラカミヒデコ)

40年以上前から由江と手紙のやりとりをしていた老女
証券会社時代の同僚

森沢仙一(モリサワセンイチ)

「東京の下町をよくする会」
有限会社緑の代表取締役。しばらく仕事で日本を離れていた

山下(ヤマシタ)

メゾンAsakusabashi 502号室に住む。現在骨折で入院中

楊(ヨウ)

スタジオの近くにある中華料理店の従業員
明るい青年

吉川リア(ヨシカワリア)

父が日本人、母はベトナム人の女子大生
リバーサイドの新人アルバイト










最終更新:2023年02月19日 15:22
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