「~~詩で遊ぼう! 投稿梁山泊 7th edition ~~」の533-625
533 名前:たもい@アバレテスミマセン [] 投稿日:03/05/15(木) 00:50 ID:a1fyB0mj
次のお題は「中」でお願いします。
534 名前:激辛正当派 ◆PmUYNHN29Q [sage] 投稿日:03/05/15(木) 00:55 ID:hOw3smi2
>>532
早く来やがれ!!
次回は放っといてやる。
撫子さん蘇生したんか。。。
チャンプ残念だったねえー。(チッ
8位か。。。。。
___________________
>>533
はい、お題でました。
お題は「中」です。
投稿〆切は22日いっぱい。
ルール>>2-3を読んで、がんがん投稿お願いします!
535 名前:彼(1/2) [sage] 投稿日:03/05/15(木) 13:31 ID:l9GGygyF
暗い 死の淵ほども暗い ここは暗い
痛い 種の発芽ほども痛い ここは痛い
早い 雲の流れほども早い ここは早い
俯いてうずくまる
回転する
毛穴のすみずみまで行き渡る 水
空気の泡が 深淵から逃げ出そうと 弾ける
いる場所は ここしかない
男の選択肢は ここしかない
生きる目的のために ここしかない
かれこれ4年 彼は ここにいる
四季はない
雨も無い
晴れもない
風も無い
人もいない
暗闇と 恐怖と 倦怠と 監獄の心地よさだけ
目は光に耐えられない
耳は泡の弾ける音しか聞き取れない
骨は 折れすぎた
もう慣れた
揺れる 揺れる 揺れる
536 名前:彼(2/2) [sage] 投稿日:03/05/15(木) 13:31 ID:l9GGygyF
彼は彼を知らない
彼は彼の居場所を知らない
かれこれ4年 彼は こうしている
いつか この中に落ち込んだときのこと
それは 春の日だった 穏やかな日だった
そんなことは もう忘れた
熱い 砂漠の彼方ほども ここは熱い
冷たい 氷山の一角ほども ここは冷たい
回る 人生ほどにも ここは回る
ほとほと息苦しくなった
もう出よう
そういって彼は扉を開く
ひかりの眩しさ 風の音 春の匂い
ぴかぴかに磨かれた彼は
破れた服から するりと抜けて
飛んだ
蝶になったのだ
何百匹もの蝶に
美しい 人間は美しい 涙が止まらない 人間は美しい
洗濯機の中から 色とりどりの蝶が 羽ばたいた
537 名前:心優しきいじめられっ子 [] 投稿日:03/05/15(木) 22:01 ID:Rw7dYYNQ
そんなにお腹を
殴ったりしないで
それ以上お腹を
蹴ったりしないで
ぼくの
「中の人」が死んじゃう
538 名前:メッセージ [sage] 投稿日:03/05/15(木) 23:13 ID:MF7IrsU9
出ておいで
あなたを待っているよ
今の君の心の中で眠っているあなたを
早く出ておいで
危険な人はもういなくなるから
あなたを責めたり傷つけたりする人は
もう
いなくなるから
怖がらなくていいよ
おそれなくていいよ
疑わなくてもいいよ
出ておいで
あなたを待っているよ
今の君の身体の中で眠っているあなたを
だってもういなくなるから
あなたを傷つけた私は
いなくなるから
539 名前:クリィム [sage] 投稿日:03/05/16(金) 01:40 ID:NmB69Vi3
俯いた額ほどの誠実さで あの人は
赤裸々に妄想を 歌う
雨音ほどの正確さで あの人は
愛と憎しみを繰り返し 歌う
奥へ奥へと闇を畳み掛けるその咽喉へ
甘いクリィムを詰め込めないか?
それが私の名を甘くするなら
蝙蝠たちの憩うその咽喉へ
甘いクリィムを詰め込めないか?
私がデコレーションされる前に
綺羅を纏ったあの人の
中は 私という虚ろ
両の手に握り締めたこの執着を
クリィムの代わりに捻じ込んで
きれいに指を舐めたら終わりなのに・・・
540 名前:名前はいらない [] 投稿日:03/05/16(金) 21:45 ID:5T+kRcpB
詩板のみなさま~
週末の夜は、マターリ感想でも書きませう~
541 名前:なかデラ [] 投稿日:03/05/16(金) 23:51 ID:6DOuJ0x8
こんなものを
あの可愛い少女たちが読むのかと
いつも書店で横目にこびりついていた
平積みにされた「なかだしデラックス」
恥ずかしい
女性用下着売り場よりも恥ずかしい
少年にはけっして近づけなかった乙女の聖域
すっぱい花の中に置かれていた「なかだしデラックス」
いま、大人になったから
僕は大人の勇気で、その雑誌を買える
弁当箱よりもブ厚くて、未知の少女の香り漂う
その雑誌の中で、あの、月の名をもつ美少女戦士たちが
あの、光、海、風の名をもつ魔法騎士たちが
どんななかだしをしていたのか
いまこそ、僕は、濡れた手で
ティッシュを片手に、それを開き
そして、すぐに閉じた
な か 「よ」 し デ ラ ッ ク ス じ ゃ ね ぇ か !!!!!
十二年前の、勘違いした春の、青い僕が、トンでいった
542 名前:ドン亀 ◆YdTp8oxx7. [] 投稿日:03/05/17(土) 00:26 ID:IrS0ZUp3
>>536
うーん、なんつーか、シュールな。。。のか!!!?
2/3くらいまでがくどい。とも思えるが、待たされたオチがなかなか
幻想的なので、「やっと出た感」みたいなんがあって、いいのかもしらん。
オチが単に洗濯機の中でした~だけだったら、間違いなくくどかったんだがな。
寓話ともナゾナゾともつかない、ミョ~な世界ではあるな。
>>537
タイトルがストレートすぎて、つまらんな。
「中の人」も、いい加減飽きた気が。。。
>>538
優しい身の引きかたっつーのか。。。それともやっぱり、それほどまでに
相手を苦しめた奴のメッセージであるからには、嘘ついて騙して、
相手に気を許させようとしているのか。。。まぁ、素直に改心だと見るとするる。
いや、それにしても、あっさりしすぎてて、信用ならねぇ!!!
「怖がらなくて」「おそれなくて」と重複してるところに、必要以上に
相手を安心させようとしている不気味さが窺えた。ブルルッ!
>>539
どうにも不必要にわかりにくい感じだな。いきなり「赤裸々に妄想を」とか
いわれても、俺は説明を欲しがるだけだぜ。そいつはうつむいてるのに、
いきなり「闇を畳み掛けるその喉」って、それ、見えねぇだろ。
まずは顔あげさせろよ!!! クリィムを詰め込みたがってんのに、
後のほうでは「クリィムの代わりに捻じ込」みたがってんのとか、混乱する。
他にもいろいろ「?」なところあるが、最後の行は、ステキスキー☆
>>541
素晴らしいな。チャンプ候補だ。。。
543 名前:ドン亀 ◆YdTp8oxx7. [] 投稿日:03/05/17(土) 00:29 ID:IrS0ZUp3
お題は「中」。
投稿締切は22日いっぱい。
ルールは>>2-3を一応読んどけ。
さっき、階段踏みはずして足ケガした俺。
痛いよ、ママ。
544 名前:酸っぱさを越えて [] 投稿日:03/05/17(土) 02:40 ID:R5+Ip2bQ
紅玉
輝いて見えたから
僕はそれをかじった
酸っぱかったなあ
それに懲りて今度は
つがる
甘かったなあ実に
見た目だって悪くないし
ほのかな幸せって
これなんだなあって思ったよ
思ったんだけどやっぱり
紅玉が忘れられなかった僕は
駄目男なんだろうなあ
フルーツの女王はラフランスらしいです一般に
でも僕にとっての女王は紅玉だよ
あんただよ
見た目で選ぶのは悪い
でもその輝きは内面から搾り出した結果だって知ってるから
僕は紅玉が好きだ
545 名前:国士無双 [] 投稿日:03/05/17(土) 08:13 ID:OF/JAG4X
一 一九 一九 一九 東南西北 白発 あれ?
待ち牌なんだっけ? 取り合えずリーチ
牌で積み木 思い出せず飛び出る逝き
右からロンの一声 時を越え 気づいたときには丸裸
追い剥ぎか? 分かる筈がない
マンズ ソウズ ピンズ 字牌 食い尽くすポークピッツ
タバコの煙も充満 思い出せずどーすっか?
困った 負け確定で股間が 疼く ドラ周辺に中 集中
547 名前:もののことわりB(1/2) [sage] 投稿日:03/05/17(土) 14:03 ID:UV+W6aFq
私の当面の目標は
完璧な講義ノートを作ること
片山教授の物理Bは格別だ
相対性理論が導かれる過程
その数式が省略なしで
端正な線で板書きされる
私は複雑な積分式を大急ぎで書き写す
スライド式の黒板計4枚が埋まると
偉大な歴史はあっというまに
チョークの粉に帰ってしまう
90分で約2巡半
教授は数式ですべてを語り
数式がすべてを語っていた
私は頭を空にして写経する
是故空中無色
無無受想行識
548 名前:もののことわりB(2/2) [sage] 投稿日:03/05/17(土) 14:04 ID:UV+W6aFq
悪友は陰口をたたく
「あいつは板書きロボットだね
部屋に戻ったらズボンの裾をまくって
膝の蓋をぱかっと開けて
脛にガソリンかなんかを入れてるね」
ある日私は迂闊にも
生協食堂で教授の斜め向かいに座った
私と同じシチュー付きAランチ
「あなたは私の講義に出ていますね。どうですか難しいですか」
「ノートを取るのに精一杯です」
教授はシチューの味を微分するだろうか
「片山教授とこないだ一緒に食べちゃったよ」
「へえ。食べる振りができる仕様なんだな はははは」
彼を笑わないでと言いかけて
適当に笑うことにした
教授のご意志をわかっているのは
私だけでいい
中身は理解できないけど
549 名前:内側 [sage] 投稿日:03/05/17(土) 14:36 ID:Uxl8kMH/
内側から突き上げてくるものは何でしょう
人々の視線に日々怯えながら
内側から突き上げてくるものは何でしょう
もうそれ以上言わないで
内側から突き上げてくるものは何でしょう
怖い怖い怖いコワイコワイ
内側から突き上げてくるものは何でしょう
痛い 痛 い イタ
内側から突き上げてくるものは何でしょう
それはすっぱい液体 赤くどろどろしたもの
後悔
550 名前:中なかなか [age] 投稿日:03/05/17(土) 22:49 ID:Bb7MZh8x
内の対は外ですが
中の対はなんでしょう
上中下というくらいなので
中の対はないのでしょうか
これは、内や上をプラス、外や下をマイナスとしたとき
中はゼロであるということでしょうか
また「中国」という国名が世界の中心であるということに由来するということ
などを鑑みれば、やはり中=ゼロ=中心(例えば数直線上においても)と言えるとおもいます
はて中心とはなんでしょう(なかなか良さげな言葉です)
中心:1まんなか 2ひじょうにたいせつな・こと(ところ) 3ものごとの集まるところ
By 三省堂国語辞典第四版
(この辞典は僕が高校生のころに終業式の三日くらい後に学校に荷物を取りにいったら自分の辞典がなくなっていて代わりに担任の先生が図書室から取ってきてくれたものです)
ゼロは最強の数です
「おれ、49146までいった」
「おれはまだ三万までいかんわ」
「お前らレベル低い争いしてんじゃねぇよ、まず十万いこうぜ、なっ」
などという奴らもゼロに交わればゼロなのです
551 名前:中なかなか [age] 投稿日:03/05/17(土) 22:49 ID:Bb7MZh8x
中心とは無視できない存在です
「おれ、ちょっとマイナスいってくるわ」
「あいつん家プラスなんだよな、かったりぃ」
「じゃあ、まん中で待ち合わせね」
と人々は中心を中心に生活しているのです
ああ、交わりたい
孤高でありたい
内にも外にも居れない僕は
世界の中の中でありたい
なのに東京は
ひとが多すぎる!
552 名前:中とは [] 投稿日:03/05/17(土) 23:10 ID:8znh+9qi
上では奢る
下では失礼
だから中が丁度良いのだ
554 名前:ドン亀 ◆YdTp8oxx7. [] 投稿日:03/05/17(土) 23:25 ID:YrRTa8KS
>>541
よく読んでみたら、ダメだな。三連目最終行が致命的だ。
そこが「どんななかだしをされていたのか」だったら、3千点はやれてたのに。
>>544
凄いな。。。! 紅玉に対するその執着ぶりに、感動すら覚えた!
もう一表現、紅玉に対する恋心が掘り下げられていたら、素晴らしい詩に
なったかもしれねぇ。。。ところで、フルーツの王様はバナナだ
って、アニメ映画「おもひでぽろぽろ」ん中でタエ子ちゃんがいってたぞ。
>>545
麻雀の「中」か。出やがったな!!!
うむ。作者の頭の中のヴォケっぷりがよく表現されている。
脳味噌の代わりにタバコの煙が充満してんだろ? 吐けや。
>>547-548
完壁な講義ノート、か。相対性理論の本を丸写しするよりも完璧なんかな。
ともかく、それをつけている時には、頭の中が空になるのか。どんな境地だ、それ。
徹底的に理論の人、という印象の片山教授は、なぜだかハゲているような気がした。
プラスティックみたいにつるつるの頭だ。うむ、流行の癒し系ロボットではなく、
硬派な産業用ロボットはハゲでなくては。
で、最後にどんでん返しというか、それまでを無意味化するようなオチだが、
ちとこれでは味気ないと思った。具体的に感じるような言葉でオトしたほうが
いいんじゃねぇかな。
>>549
うん。「内側から~」の繰り返しが、刑事に激しく尋問されているような
切迫感を出している。主人公の憔悴した顔がマジックミラー越しに見えるようだ。
最後の二文字、種明かしか? だったら不要かと。。。
555 名前:葡萄の季節 [] 投稿日:03/05/18(日) 03:48 ID:yNezqLr3
初めて葡萄がなりました。
濃い紫色のぷっくりとした葡萄です。
だけど一粒食べたらすっぱかったんです。
それでも、それがおいしかったんです。
だれもこの葡萄をおいしいとは言いません。
ただひとり、僕だけが、
おいしいおいしいといって食べているのです。
それでも、葡萄の枯れる季節がくるんです。
僕の葡萄が枯れる季節が来るんです。
僕はあんまりにも葡萄が愛らしくて、
葡萄の皮を取っておいてありました。
自分の部屋の壁一面に張り、
僕の部屋は濃い紫色でした。
僕は壁から、葡萄の皮を引っぺがし、
僕の体に張り付けて、
地球の中にもぐりこみ、
葡萄の季節を待つんです。
556 名前:名前はいらない [sage] 投稿日:03/05/18(日) 16:00 ID:+FOZZbNM
ドン亀さん、寸評ありがとうです。
557 名前:名前はいらない [sage] 投稿日:03/05/18(日) 18:42 ID:w6PZA5Gd
中々皆と仲良しになりたくともなれないで中立的立場を保つ自分がいてその心
の中にまた仲良くなりたい自分と仲良くなりたくない自分と中立的な立場の自
分がいてその中立的立場にいる自分が仲良くなりたい自分と仲良くなりたくな
い自分の真ん中で見ていてまたさらにその中に仲良くなりたいのかなりたくな
いのかよくわからない自分がいるのでこれまた中々どうにもならずに仕方なく
仲本工事の体操演技でもビデオで見ながら悶々と家の中にいるのでした。
558 名前:名前はいらない [] 投稿日:03/05/19(月) 00:13 ID:w4TtduGG
「中」というお題は、人体(の中)とか、生命の……イメージが強いんですね。
ちゅんはマージャン一発で、積もれないのが、つらいところですね。
山の中だったのかな?
559 名前:名前はいらない [] 投稿日:03/05/19(月) 01:00 ID:vqgv8CwI
>>555
あなたは自分の才能に気がついていませんね
他者とは違う作風ですから、目立ちます
自分の才能を安売りしないで下さい
周囲の人間はあなたの能力に気がついていないのですか?
自分の才能を自覚せず、あなたが人生を終えるのは
悲しすぎると思います
生かすべきです、あなただけが持つ才能を
人生、短いのですから頑張って下さい
560 名前:名前はいらない [] 投稿日:03/05/19(月) 01:03 ID:vqgv8CwI
>>555
追記
あなたの詩や文を公の場で読んでみたいですね
561 名前:名前はいらない [sage] 投稿日:03/05/19(月) 01:05 ID:JJ6WCDDk
>>559
そのようなレスは、雑談スレに書きましょう。
>>1-3をよくお読み下さい。
562 名前:名前はいらない [] 投稿日:03/05/19(月) 01:08 ID:vqgv8CwI
>>561
すまん
563 名前:鳥が空を飛んでみたら。~1~ [] 投稿日:03/05/19(月) 18:09 ID:WwsWhSDS
「自由になりたいんだ。」
その小鳥は思う
「出来るなら
毎日窓の外の青い空を
自由自在に
どこまで求んで行きたいんだ。」
小鳥は思う
ある暑い夏の日
その日は風が強かった
部屋の中を吹き抜ける風とともに
小鳥のカゴはゴトンっと倒れた
564 名前:鳥が空を飛んでみたら。~2~ [] 投稿日:03/05/19(月) 18:13 ID:WwsWhSDS
小鳥の視界には
加護のわずかな脱出口が見えた
その穴が小鳥にどう見えたかは知らないが
鳥は飛び立った
まだ見ぬ希望へと向かって。
燃え尽きることのない太陽
果ての見えることのない大地
どこまでも青かった空
小鳥には全てが新しく見えた
565 名前:鳥が空を飛んでみたら。~3~ [] 投稿日:03/05/19(月) 18:17 ID:WwsWhSDS
小鳥は飛んだ
そりゃもう自由奔放に
そのうちドコからか
「アイツどこの野郎だよ?」
「見たことねぇなぁ」
「何ぃ?ダッサ~」
こんな様な話し声がちらほら小鳥の耳に
小鳥は耐え切れなくなり
また戻った
自分の居場所に
束縛から自由を求めた小鳥
小鳥の目に自由はどう映ったのか
小鳥はそれからカゴから出てない
566 名前:六年間の呼吸 [] 投稿日:03/05/19(月) 22:30 ID:iiY0uxpx
この錆び付いた鉄棒を握った 数え切れない腕
この渇いたグラウンドを駆けた 数え切れない脚
この色褪せた風景を映した 数え切れない目
きっとあの頃は最も愚かで 最も研ぎ澄まされていました
なにもかもがたいてい形を変えていきました
世界の中心とその広さの定義を 何度も塗り替えては 何度も塗り替えていました
それは空気のように柔らかくて いつでも満ち溢れています
けれど誰が 己の呼吸などを意識することでしょうか
ほとんど気にもせず 少しづつ世界を吸い込み 取り入れては
また 少しづつ吐いては 世界に混ざっていくのです
今のわたしには 今の生活があります
「絶対に、自分とは絶対でありたい」
頑なに線を引き 寸々になるまで身を引かなかったあの頃
きっと裏切られたと思うかもしれません
ただ それでもすこし 許してくれるような気がするのは
今でもすこし わたしのなかに あの頃のわたしが残っているからでしょうか
真夜中に忍び込んだ見慣れたはずの校舎は
もう朝を迎えないかのように いちだんと静まり返っています
567 名前:六月の旅人 [sage] 投稿日:03/05/19(月) 22:39 ID:rKJRv3Gg
雨がやんだら
屋根を強くたたくこの雨がやんだら
彼方にけむる荒野をめざして
歩いていこうと心に決めていた
雨の中の山小屋はぼくの城で
ぼくは(ひとりで)すべてを築きあげた
ぼくのあらゆる理想や夢や欲望や
あきらめや妥協がそこには詰まっていて
それはそれで ぼくは快適だった
雨がやんだら
屋根を強くたたくこの雨がやんだら
彼方にけむる荒野をめざして
歩いていこうと心に決めていた
ぼくの城は ほどよく強固であり ほどよい広さであった
ほどよい湿気をたもち ほどよく友の訪れがあった
ほどよく幸福な幼年時代を過ごし
肉親の愛情を都合よくもまだ覚えていた
ほどよく不自由のない経済状況で
ほどよい友情や愛を確かめあい
若干の恥や挫折や苦痛を味わって
ほどよい位置で卒業写真におさまった
暇を持て余しては 何か面白いことない?
と言って 皆で笑いさんざめいていた
568 名前:六月の旅人:続き [sage] 投稿日:03/05/19(月) 22:40 ID:rKJRv3Gg
雨がやんだら
小屋の屋根を強くたたく この雨さえやめば
雨に遠くけむる 山のむこう 海のむこうへ
今度こそ 歩いていこうと心に決めていた
そう
いつの間にかぼくの体は大きくなって
頭はすっかり天井を越えて
小屋を壊すまいと必死に身を縮める
降り続く雨に屋根はすっかり腐って
ずぶぬれで洟をすすりながら
ぼくは まだ
ここにいる
雨がやんだら
屋根を強くたたく この雨さえやめば
彼方にけむる荒野をめざして
歩いていこうと 心に決めていたのに
569 名前:振動 [] 投稿日:03/05/19(月) 23:17 ID:FvXliO7f
立ち込めた黒いガスに周りを見失った。
遠くに輝くのは無数の点
来た道を振り向けば青い星が目に映り
僕は旅立とうとしていた。
この世界の果てでなく、この世界の下でもなく
はるか上へと目指した。
持っていくのは思い出の鉛筆と
写真は・・・やめておこう、どうせ一人で行くんだし。
この世界に興味があった。
果てにも下にも、上にも
でも僕は上を選んだ。ふと見上げた青さが気になったから。
どこまで行くのか、それは僕にも。
ただまっすぐ進み、負けないように鉛筆を見て、
わかるのはもう戻れないこと。
一歩踏み出し止まれずに
疑問は最後にとっといて今は進む。
気がついたら揺れていた。揺れというほどもないけど、
細かに、まるで自分の星の息吹のように
忘れていたあの感触を映して鉛筆を動かして。
遥か先に吸い込まれてゆく
鉛筆の映した すべての原点へ
570 名前:へへへ 1 [] 投稿日:03/05/20(火) 00:46 ID:lRA/Xmm9
ののなかには なにがあるのか
のを穿ち中を見ると めになる
めはしかし
つかんだ真実をぬと
かくしてしまう
おいこら なにがあったんだと問い詰めても
知りたいかい? ひひひ
とワラわれると 何かもう知りたくもなくなった
あんただって交わる よくあることです
あんなナカのこと 知りたがるなんてバカですよ
ただ交差するだけですよ ハハハ
と笑われると
最初の疑問が干からびて
どうでもいい 感じになった
571 名前:へへへ 2 [] 投稿日:03/05/20(火) 00:49 ID:lRA/Xmm9
ただ
おい
あんたも
穿ってみることはできる
とどこかで言っているような気がしたのは
干からびて
まだ残っている疑問から開放された 生気が
オレのまわりで揺れているのかもしれないが
でも干物はもう
ほしくない
つ^^*うか 干物の生気のナカで
がんばろ
と思ったのだが この
ののなかには 何があるのだろう
のぞいてみようか
これからの
ことだしと思った
なにもないよともう一度 生気の言う声が聞こえそうだが
へへへ
と笑っておこう
572 名前:撫子さん ◆ikeEr7LE3I [] 投稿日:03/05/20(火) 00:50 ID:nV4YQ9hV
>>550-551
長ぁ~い前置き☆がなかたら、最後二連わけわかないよね★
「中」は孤高であり、交われば相手をゼロにしてしまうものなのかぁ☆おもちろい♪☆
んでも最終連なんか見ると、「中流家庭」なんて言葉も連想したりして★
>>552
みゃぅ!☆ 心得ておきまつ☆ 相手を上にあげても、下にさげても、いけないのでつね☆
んで? んで~? 先生、なにか具体的なお話で、もっと詳しく聞かせてほしいですぅ~★
>>555
わけわかめ~★ って、なんかそっくりな詩を前に見てるよーな??★
とりあえず、やりすぎでついて行けないっすぅ!★ 変態さんぢゃん~!★
「それでも」とか、文体もカタいよ~★ 葡萄の味とか表現してほちかったな★
>>557
ロシアのなんとか人形みたい~☆ あるいは、なんとか箱? なんだっけ。。。
あの、開いても開いても、中から箱が出てくるやつぅ~☆
仲よし関係と敵対関係の中間でどちらにも決めきれずたゆたっているヒトが
結局は家の中にいるのね。仲本工事って、ドリフの中でも「中」な存在って感じするぅ~☆
573 名前:「スラッシュ・ドット・スラッシュ」 1/2 [sage] 投稿日:03/05/20(火) 23:32 ID:xLESavJ/
<html>
<head><title>
スライドしたあとの空
</title></head>
<!--それはスライドするためのものではなく,または止まったままの
どうでもいい空-->
<body>
<h3>その鮮やかな糸の上で</h3>
<p></p>
<p>
いつもそうやってある空を目指していた誰かが<br>
ある雨の日に走って帰ろうとしたことも<br>
見上げた山の近さに忘れられないと叫んで<br>
何も返ってこなかったその寂しさを抱えているなら</p>
<!--実際その風景があったところは背景も何もなく
語られる対象もいつも霧の中にいるような空想である-->
<p>
なぜか雲のなかった今日の青空に向かって<br>
すらりと立ち上がっていた煙突の鮮やかさのように<br>
テンポを速めていく足音を追いかけていったのは</p>
<!--その願いだけ叶えられてしまえばいいと思うのにも関わらず
語り語られる主体という存在をあれだけ過信して人々は饒舌になっているのだが-->
574 名前:「スラッシュ・ドット・スラッシュ」 2/2 [sage] 投稿日:03/05/20(火) 23:33 ID:xLESavJ/
<p>
どの時間を向いても途切れない気持ちの後で<br>
その先だけを見すえるような目の<br>
欠片だけ集めてしまって今日は<br>
もう一度あくびだけをしたのです</p>
<!--その次の朝目覚めて,彼はさっきまで自動筆記されたらしいものを破り捨てた
感傷が明らかに文字に干渉していくその光景を見なかったことに
ある意味で安心を覚えつつも,ちょうどひとりでに歩き出した神輿のような
場違いさと恥ずかしさを今は気づき過ぎてしまった,ということのようだ。-->
<p>
その先にはきっとスライドしてしまった空<br>
散らばる真っ白な糸の向こうの 青い空</p>
<!--以上,ある時点での記憶と引用からの再構成でこのファイルをお送りすることとした。-->
</body>
</html>
<!--なお,このファイルは3日後に自動削除されることとする。アーメン。-->
575 名前:たまごのきみ(1) [sage] 投稿日:03/05/21(水) 01:25 ID:ASGAQFft
(1)
殻は、白くて岩みたい
なのに、その中に
きみがあることを知っている
(2)
白色蛍光灯の下で、きみは
白いお皿の上で、何度もわたしと逢ったことがある
見慣れたきみは、スマイリーみたい
そんな風に
絵に描ける、きみだった
(3)
もっときみを知りたいと思った、何気ないお昼に
殻、そのてっぺんに
手動ドリルで、穴を開けた
チックン、ギルリと、穴を開けた
576 名前:たまごのきみ(2) [sage] 投稿日:03/05/21(水) 01:27 ID:ASGAQFft
覗く、と中は
透けた肌のように、意外に明るくて
どろりとろりとした原初のスープに馴染んで
きみがぼんやりと、居もしない魚たちを目で追っていた
わたしはそれを絵のように記憶して
しかしわたしはそれを絵に描けない
それは、きみのぼんやりが
ぼんやり複雑すぎたから
きみの明るさも
きみの哀しみも
きみの誕生も
きみの終焉も
きみの、きみの、きみの数えきれないすべてが
そこにあったから
わたしは、きみに呼びかける
そっから産まれておいでよ
こっちへ、おいでよう
きみは、顔じゅうに目のくっついた蜘蛛の表情で
ボクヲ、知ッテクレルノ?
ボクヲ、ワカッテクレルノ?
ボクヲ、ボクヲ、ボクガココニイル理由ヲ
あっ、黒い
これ、黒い?
577 名前:たまごのきみ(終) [sage] 投稿日:03/05/21(水) 01:28 ID:ASGAQFft
静かに蓋を閉めた、私の意識を占領した思いは
クッキーを作る時、どうしてきみだけを使うんだろう?
(4)
なんでもかんでもを、いっぺんに
紙の上に絵の具でスタンプしていったら
最後にはどろどろの、とろとろの黒になる
あれは黒い、ような、きみだった
(5)
きみはスマイリーでいいんだよね
いつも朝食には白いお皿の上で、笑った絵になっていてね
(6)
単純だ、きみで作った、スクランブル
(7)
殻は、宇宙人の置いていった不可思議な
岩みたい
その見えない中に、きみがいつもいる
(0)
どのたまごの中にも、きみがいつもいる
578 名前:名前はいらない [] 投稿日:03/05/21(水) 13:34 ID:RuCGvsHC
れっつあげ☆
580 名前:ドン亀 ◆YdTp8oxx7. [] 投稿日:03/05/21(水) 22:38 ID:Q/YaO8ad
>>563-565
「中」っつーより「外」のような。。。文章はやや説明的かつ平凡。
しかし、「どこまで求んで行きたい」「加護」等、造語のセンスが凄まじい。
小鳥の心の読める神格者、単なる第三者、どちらともつかない中途半端な視点はもどかしいな。
>>568
うむ、ポエジイーとかいうやつは、感じた。が、後半になるにつれて
視点が近くなってくるはずなのに、かえって像がぼやけてしまう感じするる。
一読目、主人公は小学六年生なのか? とか、なぜだか誤読してしまった。
「何度も塗り替えては~」「絶対に、自分とは絶対で~」←オーバーだと思う。
>>567-568
「雨がやんだら、やるよ」とか言いながら、やるべきこと一日延ばしにしつづけて、
雨が一生やまなかったら困るよな。あるいは、かえって安心したりするかもしらんけど。
同じようなフレーズがリフレインしながら、実は徐々に変化してんだな。内容も、文章も。
ただ、抽象的な言葉も手伝って、どうにも固くて読みにくい印象は拭えねぇな。。。
>>569
なぞなぞめいてて、歯がゆいな。
「思い出の鉛筆」の思い出を描かないその意図は、なんじゃ?
タイトルからすると5連目が肝って感じするが、ここもよくわからん。
背景が思いっきり省略されてる感じだ。かといって、一行ごとのテンションゆるいから、
ひたすら「何が起こってんねん!?」としか、感じなかった。うーむ。
>>570-571
もう、好き勝手にそのミョ~なのの字の言葉の遊びのをたのしませてもらったぜ。
じゃあ、のの中から芽が出たらあになるんじゃないか! とか。
しかし、べつにのである必然性とかないよな、とかいう疑問さえのの字を書いてしまう。
パワーだ! 何のパワーだかわからんけど。それでも正直、パワーかな? 感じたの!!
でも、もうちっとギュッとしてくれたほうが、もっと感じたかもな。へへへ。
581 名前:無題 [] 投稿日:03/05/21(水) 23:10 ID:4sM+qBFl
目を醒ますと やはり 同じ朝
外に出れば やはり 同じ人
夜になれば やはり 同じ一日
ツマラヌ人生と 他人は言う
ツマラヌ奴らと 僕は思い
ツマラヌ自分と 決め付ける
だから 僕は眠る
目を閉じれば そこは 違う夜
夢を見れば そこに あの人
陽が差し込むと やはり 幻
クダラヌ自分と 決めるのは
クダラヌ言い訳 逃避だけ
そんな自分が嫌だから
クダラヌ世界を 飛び越える
だから 僕は会いたい
眼を見れば 僕を 解き放つ
声を聴けば 僕は 蘇る
陽が照らす顔 僕を 生かす
583 名前:名前はいらない [sage] 投稿日:03/05/22(木) 00:32 ID:/yoVOn0n
>>555
未成熟(→モラトリアム)感を醸す同語反復過多という手法で
徐々にたかめてきたテンションの最高潮に達した最終連冒頭2行が
滅却(←呼吸難)(←虚しさとしての「皮」のラベリング)、退行(←蛹)そして防衛(←鎧)
などのみならずそれらに相反する
実(み)への同化による自己充実のための衝動をも表現し強い印象をのこすのなら
むしろ実(み)よりも「皮」のことをうたっていると思います。
584 名前:山崎渉 [(^^)] 投稿日:03/05/22(木) 02:37 ID:R3rNNKvM
━―━―━―━―━―━―━―━―━[JR山崎駅(^^)]━―━―━―━―━―━―━―━―━―
585 名前:名前はいらない [] 投稿日:03/05/22(木) 06:20 ID:0X5Gcdu0
age
………………………
『中』ッ!
それは発電機である!
鶏卵の中身は何だッ!!
黄身ッ!!!
否ッ!!
ヒヨコの素である!!
鶏卵の中身は何だッ!!
ヒヨコッ!!!
否ッ!!
黄身である!!
例え同じ中身であっても!
視点が違えば意味が変わるッ!!
一概に言い切ることは不可能ッ!!
そのものの真の意味など無くッ!!
観測者の見解で決定されてしまうッ!!!
俺は自分自身を漢の中の漢と思っているッ!!
しかしッ!
今聞いてる奴の中にいる筈だ!!
俺を三枚目だとか阿呆だとか暑苦しいとか思っている奴がッ!!
ふざ けン なッ!!!!
587 名前:見た目とのギャップに悩む者への詩(2/3) [sage] 投稿日:03/05/22(木) 21:08 ID:SlztF9GK
上っ面しか見えない貴様らには俺の漢らしさはわかるまいッッッ!!!!
しかし人間、物理的に上っ面しか見ることができないのも事実ッ!!
ならば物理的に見せるまでッ!!
人に優しくッ!!時に厳しくッ!!
熱い心とテーマソングを胸にッ!!
俺の漢度を見せてやるわッ!!
貴様も漢らしさを存分にアピールするが良いッ!!
ええいッ!
話 は 最 後 ま で 聞 け ェ ィ ッ ! ! !
四六時中アピールするなぞうざったいわッ!!
俺は選挙カーが嫌いだッ!!!
戦略的不可欠とはいえ非常にやかましいッ!!
誰が貴様なぞに入れるかァッ!!!!
当選するなら格好良く当選しろッ!!
つまりッ!!
内面から光り輝くオーラでッ!!
市民を熱に当ててしまうのよッ!!
真のカリスマなら可能ッ!!
そして漢も然りィッ!!!
真の漢ならばッ!!!
「漢気」が視覚的に見えてくるッ!!
「ダンディ・オーラ」が具現するのだッ!!!
そして奴らは漢らしい行動をごく自然とこなすことができるッ!!
奴らこそジェントルマン紳士ッ!!!
ダンディッ!!
セクシィッ!!
588 名前:見た目とのギャップに悩む者への詩(3/3) [] 投稿日:03/05/22(木) 21:09 ID:SlztF9GK
しかし奴らとて余裕は無いッ!!
オーラを絶やすまいと心の中で必死に発電機をこいでいるのだッ!!
そう!自転車のペダルをこぐと発電するアレだッ!!
どんな誘惑にも負けずにこぐッ!!
苦しいときに薄ら笑いでこぐッ!!
努力無しに漢にはなれんのだッ!!
貴様の中には何があるッ!!
熱い漢の魂かッ!?
全然見えないぞッ!!
思いっきりこぎまくれ!!!
強く早くこげばこぐほどッ!!
貴様のオーラは強く明るく光るッ!!
やれッ!!
空回りしない程度になッ!!
(逆回転で勢いよくこいでも眩しく光るのは秘密だッ!!
俺達の約束だぞっ!!人、それをニヒリズムと言うッ!!)
589 名前:名前はいらない [] 投稿日:03/05/22(木) 21:12 ID:jDRt5LeH
かっけー(* ´∀`)
590 名前:「 」を声にして [] 投稿日:03/05/22(木) 23:45 ID:gnkq86Pv
彼はしゃべれなかった
意識した言葉は喉元にさえ出かからず
ただ胸の底にある水面を逆さのお椀とさせるのみ
生まれつきだった
イジメにもあった
しかし彼は頭が良かった
この不治の病を治そうと 自らが医師になると 小学校の時分に決めてしまい
背が縮んでしまいそうな勉強の末 みごと名高い医大へと進学した
ここで彼は (陳腐覚悟で)運命としか表現のしようがない女性との出会いを果たしました
そう それがこの私なのです
私もまた彼と同一の境遇で 心拍数を同調させるようにしながら引かれ合ったのです
大学の二年生 落葉樹も恥らうように赤らめる 秋の夕暮れのことでした
それからというもの愛を知った二人は毎日が大火事だった
お互いが初めての恋人で 闇雲に上下に振られ 栓を抜かれた直後のビール
その発泡の勢いが惜しげもなく披露されて テーブルやベッド カーテンなどに浸透していき
次の瞬間には アルコール臭いそれら場所へ火の灯るマッチが幾本も投げ込まれていた
彼は勉強が手につかなくなり
私に至っては 幼年からの趣味であった小説制作だけに従事し
しまいには揃いも揃って単位取り損ね 留年することにまでなってしまった
591 名前: [] 投稿日:03/05/22(木) 23:45 ID:gnkq86Pv
この日 彼は渦巻きに落ちていた
悪い成績なんか鍵が紛失したような金庫へ閉じ込め 沈没船の宝とともに眠りにつかせていましたが
この非常事態を 鍵のありかを いつも ぼんやり視界の末端に認めていたのでしょう
不真面目だった、当然の報いか 水分をかきわけるように上向き加減で両手が訴えていました
私といえば 彼ほどの痛みはなかった
医大に来て良かったこと それは彼との出会いだけしかなかったから
医大に来た動機は彼と同一でしたが
小説家になりたいという想いがしだいに実りを迎え あと少しで収穫の季節だったのです
喫茶店の客が私たち二人しか存在しなくなるまで 無為に顔だけを突き合わせていました
◇
しばらくして私たちは金銭的な理由でなく同棲し始め
蜂蜜が主食に似た生活を営んでいた
とある日 そのアパートで
私はまたいつものように原稿用紙を別世界へと仕立て上げていました
こんなことは同棲する以前から良くあったことなのですが
医師になる夢から 他の医師の卵たちから 蟻さんと象さんほどの落差を感じてしまったせいだろうか
彼は夢を求める私の隣りで かじるアンパンに羨望という唾液を滲ませていました
また一つ快い音 鳴らし 私が会話部分を 」 で閉めたとき
前触れなく彼が騒ぎ出した
大発見だ、これだこれだ しきりに両手が叫び
もうこれしかない 私の頬へ口づけました
592 名前: [] 投稿日:03/05/22(木) 23:46 ID:gnkq86Pv
それ以来 彼も作家を志すようになりました
ジャンルは SF だそうです
もちろん主役を彼自身に設定し 名前も本名を使用しています
そして作中の一場面 彼は肉づきの良い声でこう述べます
声を俺のものに、自分のものにしたんだ
だいだい一週間前、近所にある古本屋で『病気が治る本』というのを見つけてね
それを昨日、読了した
そのとき!
本当にすごいんだ、
本の中から 「 と 」 がありったけ脱出してきたんだぜ! 宙で舞い踊るんだ!
そしてさ 「 は俺の頭のてっぺんに、 」 は足の裏にへばりついてきやがる
ひっぺがそうとしても全然ビクともしない、もう俺は錯乱状態だったよ
で、俺はうわーって悲鳴上げてた、そう、声が出たんだよ!
誰か助けてくれーって、俺、しゃべってたんだよ!
これってさ、きっと奇跡だと思う
だって机の上にあったはずの、あの本を探してもどこにも見当たらないんだぜ?
そうとしか言いようがないじゃん
今では私も影響されて 自分自身を小説の中に登場させたりしています
◇
二回目の大学二年生が終わろうとしていた頃
黄色い花びらにくるまれて 私は赤ちゃんを産みました
593 名前: [] 投稿日:03/05/22(木) 23:47 ID:gnkq86Pv
彼も私も医大を中退し 彼は広告代理店へ就職しました
私は育児に追われる毎日となり 小説どころではなくなりました
彼は彼で仕事が大変そうでしたが よほど作中の自分をしゃべらせるのがおもしろかったのでしょう
処女作という名の産卵のため 河川を逆流する鮭となりながら執筆に励んでいました
とある新人賞の応募も間近に控えていたことも 彼をそう駆り立てた原因かもしれません
しかし
新婚旅行はハワイだとこの頃から決まっていましたが 現在もまだ行けていません
はてさて いつになることやら
◇
我が子が一つ年をとった少しあと
彼の処女作『ひとのさえずり』が最優秀作品に選ばれ 世間から脚光を浴びました
会話部分がとても読みやすい トキの羽毛の柔らかさと色を想起させる優しい文体で
誰にでも親しめるSF小説として評価されたようです
そうなのです 名声というなかなか発することができない声まで 彼の手は掴んだのです
まあでも これはおまけでしかありませんね
そして今日も彼は
開いて
「
言葉を入れて
」
閉めて
彼自身をしゃべらせる
小説に産声を与える
おぎゃあ
594 名前: [] 投稿日:03/05/22(木) 23:48 ID:gnkq86Pv
私のおなかの中にも赤ちゃんいます
二人目です
彼はまだ知らない
あした教えよっと
彼が書いた小説を何とはなしに手に取る人たち
彼がしゃべれないなんて思わないだろうな なんて思いながら
ずっと好きだから
595 名前:青い壜の中 [sage] 投稿日:03/05/22(木) 23:57 ID:XLc9OFCb
毛穴から差し込む星のような灯りに
私の体内は青く沈み
濡れた石の手触りの 人の形のがらんどうで
ただ半透明に揺れる昔の犬や 姉や 男 同級生の幽霊の列が 遠くまで続いている
横になって 遠く
鼓動を聞いてた筈の 午後だった
ラベルの剥げ落ちた 青い小壜を抱いて駆ける
ああ やっぱり心臓のかけらも
脳みそもなにもない ただ天窓のように 明るく濡れた
眼球の向こう側に揺れる 日曜日のTV 新婚さんいらっしゃいのそのうしろ
私の窓の中には ガラス製の青い空
白く剥げ落ちた 真昼の月
596 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [] 投稿日:03/05/23(金) 00:01 ID:m8TqWI67
しめきりでーす。
これから審査に入ります。一応26日くらいまで。
どなたさまもヨロシクね。
597 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [] 投稿日:03/05/23(金) 00:40 ID:m8TqWI67
今回は後ろから寸評。
>>595 青い壜の空虚は良い。小道具が使い古し風なので一工夫を。
>>590-594 視点をことばの追求だけに絞れば面白かったかも。
>>586-588 最終2行の気紛れさが微笑ましい。前半は冗長か。
>>581 「会いたい」の対象(あの人)がピンボケに感じる。
>>575-577 ポエジーは凄い。が、予定調和的な展開が残念。
>>576-574 ことばの爽やかな疾走。最後に照れが入ってしまったか。
>>570-571 展開はうまい。こじんまりとしたナンセンス、かな。
>>569 「揺れ」の感動を伝えてほしかった。ペンシルロケット?
>>567-568 ことばの硬さが気になる。テーマにとらわれすぎか。
>>566 4連め、脱線しているか。ことばのみずみずしさが、よい。
>>563-565 この後からが、詩だと思う。扉が開いてるのに籠から出ない鳥。
>>557 仕方なく迷宮を楽しんでみるのはどうかと。ドリフ、いいね。
598 名前:581 [] 投稿日:03/05/23(金) 01:09 ID:EqxOVTIT
>>597
ありがとうございます。
「中」に拘りすぎた結果ですな。
素直に反省。
ってかもっと練ればイイ話か。
599 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [] 投稿日:03/05/23(金) 01:15 ID:m8TqWI67
>>555 中味を濃くしたいなら、前半からトップギアで。最後だけ坂道。
>>552 これでいいのか?これでいいのだ。あとはコメントなし。
>>550-551 やわらかい考察は好き。あまり納得はいかないけど。
>>549 もう一歩踏み込んだ表現がほしい。
>>547-548 美しい板書は一つの芸術かもしれない。着眼点は、よい。
>>545 アツくなってる感じは分かる。中途半端に複雑な印象。何でリーチすんの…。
>>544 ちょっとした愛情は微笑ましい。ポエジーには届かなかったか。
>>541 ことばも出ない杜撰さ、だなあ…。いい意味でも、悪い意味でも。
>>539 いい感じだけど、妙なことばのデコレートが気にかかる。
>>538 何か無気味だね。フレーバーを排除しているためか。
>>537 中の人は、別にお腹じゃなくてもいいような気が。
>>535-536 「洗濯機」である必然性は?もう少し具体的な情景描写があってもいい。
600 名前:名前はいらない [] 投稿日:03/05/23(金) 01:39 ID:3VwC84lV
600
601 名前:【投稿作品一覧】 第35回 お題「中」 [] 投稿日:03/05/23(金) 20:22 ID:/WTmNgDk
>>535-536 彼
>>537 心優しきいじめられっ子
>>538 メッセージ
>>539 クリィム
>>541 なかデラ
>>544 酸っぱさを越えて
>>545 国士無双
>>547-548 もののことわりB
>>549 内側
>>550-551 中なかなか
>>552 中とは
>>555 葡萄の季節
>>557 無題
>>563-565 鳥が空を飛んでみたら。
>>566 六年間の呼吸
602 名前:【投稿作品一覧】 第35回 お題「中」 [] 投稿日:03/05/23(金) 20:23 ID:/WTmNgDk
>>567-568 六月の旅人
>>569 振動
>>570-571 へへへ
>>573-574 「スラッシュ・ドット・スラッシュ」
>>575-577 たまごのきみ
>>581 無題
>>586-588 見た目とのギャップに悩む者への詩
>>590-594 「 」を声にして
>>595 青い壜の中
以上、24作品。
603 名前:☆ アナウンス ☆ [] 投稿日:03/05/23(金) 20:26 ID:/WTmNgDk
審査機関は 5/23~5/25 までの3日間です。
審査員の方々、よろしくお願いします。
604 名前:名前はいらない [] 投稿日:03/05/23(金) 20:29 ID:3VwC84lV
おつ。
605 名前:しいな まほろ ◆tYbIWmaS5o [sage] 投稿日:03/05/23(金) 22:01 ID:tSw+DSKU
【3点】
ごめんなさい。なしで...。
【2点】
>>595「青い壜の中」最初の二行がすごく綺麗です。
青い空虚の心情がすごく伝わってきました。
「新婚さんいらっしゃい」の出しかたはちょっと醒めるかも。
【1点】
>>535-536「彼」磨かれて、蝶になって、でも人間は美しい?「男の選択肢は」←おもしろい。
>>537「心優しきいじめられっ子」自分より中の人が心配。中の人がちょっと見えたかも。
>>539「クリィム」うん、クリィムの感触だ。
>>544「酸っぱさを越えて」自分だけがわかってあげられるんだ、好きなひと。
>>555「葡萄の季節」最後の「待つんです」ってのがよかったです。
>>566「六年間の呼吸」あの頃見ていた、生きていた、世界。
>>570-571「へへへ」ひらがながかわいい。
>>573-574「スラッシュ・ドット・スラッシュ」全然わからないので。降参点。
606 名前:ドン亀 ◆YdTp8oxx7. [] 投稿日:03/05/24(土) 02:38 ID:VDRlivhA
やべぇ。。。締切24日だと思ってた!!!
は、早く全作品の寸評を終わらせないと。。。
>>573-574
うーむ。それをタグの使えるところに貼って見たら、どんなんなるんだ?
ドリームキャストの俺を除け者にするな!!!!!
そういう風にして見て初めて完成品になるのなら、俺には読めねぇ。。。(涙
>>575-577
前半は、食卓の風景と内面世界の風景とがオーバーラップしてる感じで、とてもいいな。
>>575以後は、ちと冗長じゃねぇかな。
結局、最初から最後まで同じ情景を描いているようで、ちと不満だった。
同じ情景ならそれで、もっと短くしたほうが締まると思ったぜ。
>>581
なんで「無題」なんかな。気恥ずかしいんかな。
テーマとしては、よくある「夢の世界に逃げたい、でも夢の世界が現実に
現れてくれれば、ぼくは救われる」系かな。
つーか、これも鳥篭の作品みたいに「中」っつーより「外」じゃねぇのか。。。
ふぅ。あと三つか。。。あと三つ寸評したら、ぼくは死ぬんだね、ママ。。。
あな、おそろしや、丑三ツの激辛呪い。。。
607 名前:霧都 ◆SNOW/oy/Uw [sage] 投稿日:03/05/24(土) 07:15 ID:HsbiAiG4
おはようです。人生このくらいのものよね、の土曜日。点数置いて行きます。
>>573-574 「スラッシュ・ドット・スラッシュ」 3点
>>547-548 もののことわりB 2点
>>586-588 見た目とのギャップに悩む者への詩 2点
>>590-594 「 」を声にして 2点
>>535-536 彼 1点
>>541 なかデラ 1点
>>550-551 中なかなか 1点
>>575-577 たまごのきみ 1点
>>595 青い壜の中 1点
608 名前:たもい ◆P6tSlrTfiY [sage] 投稿日:03/05/24(土) 22:15 ID:48B7e5ws
瑕にヤンヤも言わせてね(ぺこ。
>>535-536 彼
閉じこもり?・モラトリアムからの脱出景色(かなぁ)は、沢山見てきた。
「うん、皆そんな景色言う」で詩として、、、「~なった」「~している」
「~した」が、読むにつれ案外だるくなくリズムにすら感じる不思議。技?
説明し過ぎも「死の淵に発芽しては、流されていく」としたら何が変るんだろう。
>>537 心優しきいじめられっ子
ぁぁ、、、どぉして、、、「中の人」仮にオリジナルだって言っても
やっぱりニチャン用語だもの。それ割り切って活かしてる、でもないよね。
「中の僕」「中身」かなぁ、いえ、わかりません。惜しいんです。
>>538 メッセージ
「あなた(私)を傷つけた人(私)」だよね。
ん、葛藤とか自己嫌悪あるよね生きてたら。自殺する気?
SOULの解放出ておいでで、BODYが消えたら何処へ出ようか。
分らなくもない、自分から自分を守ろうか発言は、崖っぷち感ひしひしも。
>>539 クリィム
最初どうしてカタカナにしたのかなぁって、読んでみてはいはい。
くりぃむ・クリームじゃないね。ギズモ、グレムリンになっちゃったとか
ホラー映画のタイトルみたい。相手の中でデコされてく自分とか、
そして執着してる、しあいっこ?泥単語抜きで、ここまでの粘着感かぁ。
609 名前:たもい ◆P6tSlrTfiY [sage] 投稿日:03/05/24(土) 22:27 ID:48B7e5ws
>>541 なかデラ
最初ドキドキ「何その雑誌、女性向け?」。
落ちがあるのは詩じゃないとか思わない。それ以外の部分で感じたの、
これって、、、小話?「乙女の聖域」「未知の少女の香り漂う」で曖昧逃げしてるかも、
いっそグロイ想像詳細に聞かせても。んー、エロならエロく遠慮なくカモンです。
>>544 酸っぱさを越えて
十代?最後連とか素直、、、見た目で選んだわけじゃない。って
すこーし整理されてないの感じるの「輝く紅玉は、どうせ不味い」
→「ほら、素朴な津軽が甘かった」→ところが「紅玉やっぱ凄かった」
ではないんだ。甘い津軽で良いんじゃない?とか意地悪心がチョコマカしちゃう。
>>545 国士無双
ありがとう程良いヒント。麻雀かぁ、私全然だ知識。
役満貫調べたら、中華料理みたいな名前ズラリ。この作品の醍醐味わからずながら
最後の二行とか感じた。一見最悪なおじさん描写の固定観念も、人によるなぁって
格好良く見える不思議(全余談。中(ちゅん)がどうなんだろう、、、ギブ。
>>547-548 もののことわりB
上手、楽しい話だね純文学チックえっと、「語られた全て」を教えて。
って「尊敬」よね?わかるな、全てを見ちゃうよそして説明なんて出来ない。
好きな物の悪口言われるの嫌いだな、話してるたった今に限っていうならば、
対象の是非よりも「私がそれを好き」と言う事実のが、重要だと思うの。
ん、中と外に分ける必要ないかも、中も決め付けて尊敬しちゃえ。
>>549 内側
ミ○・プルーンソース?ん、この作者さんに言うことじゃないかも(だから、あまりは気にしないで)
即効思い出したん、怖いって連呼せずに恐怖見せて欲しいとか、前にほざいたな私ごときと。
たまにそれがお見事もあるの怖い怖いの連呼、こちら発狂しそうになる。
もしならなきゃ、とても軽いのね。実は取り扱い注意形容詩かも。
{610 名前:ドン亀 ◆YdTp8oxx7. [] 投稿日:03/05/24(土) 22
最終更新:2006年07月18日 02:26