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作品





狭い視野を持ち、嘘をついて



あいてと
まいにち
はなして
いたのに
わたしは
ことばが
よみとれ

あのとき
ああせず
こうして
いたなら
おれたち
かわらず
いつまで
も?

オトサン
オカサン
アニヤン
ドウニモ
オカネガ
タリナイ
ボクニハ

首など切りませんよせっかくの刃物と
命がだいなしになるではありませんか
己を憐れむのもいやみなものです
空見て道見て泣いているのも一時のこと
それでも切るなら
そんな甘えたことを自分に許すのなら
誰も知らぬ谷間の川で
からくれないに 水を


279-280 名前:狭い視野を持ち、嘘をついて 1/2[sage] 投稿日:2006/08/03(木) 23:24:06 ID:6vz9mrOk


【コメント】

290 名前:ボルカ ◆TcCutL/5sw [] 投稿日:2006/08/05(土) 14:55:20 ID:eV5BwmWL
>>279 狭い視野を持ち、嘘をついて 2点
  イントロダクションがイイです。
  私たちは生きている以上、つねに「ありふれた抒情」の洪水の中で生活してい
る。不用意に詩にしようとすれば、それはダサダサの演歌になってしまうけ
ど、だからと言ってソコに真実の生活がないということではない。
  むしろあるのだ。
  ということを、私は思うのですが、この詩の冒頭は、5文字や、7文字で
はなく、4文字の繰り返しを使うことにより、陳腐であることから私たちの
抒情を救助しています。
  母と兄に金の無心をした挙句、狭い視野を持って肉親を恨み、嘘をついて
失踪し、今にも死ぬのであろうと、老いた母を心配させている「語り手」。
  だが、迷惑をかけないために、死のうとしてナイフを買うとき、その金
は誰の金なのか、と思えばいかにも馬鹿馬鹿しく、むしろ橋のように一列に
並んで、小川を塞き止めている紅葉のような死体でありたい。
  と、書いてしまえば、これを演歌以外の何に出来るか、と想うわけですが、
こういうことは実際の人生に起こりますし、それについて抒情することは、
文学の現在などよりもずっと大切なことであると私は思います。
  思いの深さと、それを語る端正な姿勢に2点。

292 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2006/08/06(日) 03:16:30 ID:fcGD/YIU
>>279-280  狭い視野を持ち、嘘をついて
  襖を明けて覗くような……無垢な緊張? かなくれないをグーぐる検索してしまった。
  2点

297 名前:娘z1 ◆666.SaoPvk [] 投稿日:2006/08/06(日) 14:24:26 ID:UDKwmXks
>>279-280 狭い視野を持ち、嘘をついて
もうね。題名が映画の題名みたいでどうも頂けない。詩の題名でこういうのあるのかなあぁ。まはいい
作品全体の構成に変化があるのはいい。
只、濃縮が過ぎるような気がするけど、この作品ならこうでなくてはいけない。
理由なんてのはなくて、メーセージと主張そのものが単純なのだからこれでいいのでしょう。
最終行の“からくれない”が血なのか夕陽なのか
どっちなのだろん

299 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/08/06(日) 21:02:28 ID:lEkw0fjW
>>279-280 狭い視野を持ち、嘘をついて
最終行をはじめとした小粋さがステキ。首をくくらずに…なるほどねえ。
ただ在原業平を出すんだったら、伊勢物語をからめるとか、アクロスティック
にするとか、もう一工夫あってもよかったんじゃなかろか。

304 名前:娘z1 ◆666.SaoPvk [] 投稿日:2006/08/08(火) 21:24:58 ID:74oVK35Y
>279 狭い視野を持ち、嘘をついて  は三段構造になっており試みとして面白い
内容はそんなにないと思うけど、其処にも工夫があり、ひらがなカタカナ本筋となっている。
アキさせない♪

304 名前:娘z1 ◆666.SaoPvk [] 投稿日:2006/08/08(火) 21:24:58 ID:74oVK35Y
>279-280 と比べるとアイディア、面白さ、創意工夫の点で軍配を持っていかれてしまう。

318 名前:虫 ◆Yh5.nC8OlA [] 投稿日:2006/08/10(木) 21:31:07 ID:GKoMG3jL
狭い視野を持ち、嘘をついてを書きました。
次のお題は「選ぶ」で願います。
(過去のお題と重複していなければいいんですが)

871 名前:虫 ◆Yh5.nC8OlA [sage] 投稿日:2006/08/12(土) 00:00:21 ID:RWS5CmdV
「く くり」の作者の方、おめでとうございます。
「夢くぐり」はどなたの作だったのか…4連目が特に好きでした。
1連目と4連目だけの2連構成でも良かったぐらいに。

読んでくださった方、評を下さった方、ありがとうございます。
ポルカさん、読み込んでくださってありがとうございました。
ひとの生は傍から見れば愛しく見えますが、当事者としてはそうでもない。
「ありふれた抒情」という言葉が嬉しかったです。
ななほしさん、「襖を開けて覗くような」という表現にはっとしました。
そんな詩が書ければ嬉しい。
娘z1さん、くくるのは血のつもりでした。題は確かに映画のタイトルみたいだ…。
Canopusさん、最初は落語の龍田川の入水をやろうかと思ったんですが、
てこずったので変えました。恥ずかしながら伊勢物語は素材にできるほど
読んでいません。評ありがたかったです。業平に気づいてもらえなかったら
意味不明な詩でちと恥ずかしいなと思っていたので。

Mater、大木人さんでしたか。久しぶりにお名前拝見して嬉しかったです。


【得点】 6点
  • ボルカ ◆TcCutL/5sw:2点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:2点
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.:2点

【決選投票】 7点(チャンプ作品)
  • 娘z1 ◆666.SaoPvk:1点
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.:2点
  • ◆mint///ltQ:1点
  • ボルカ ◆TcCutL/5sw:3点





夢くぐり



マンホールは 知らない世界への入口
そんなものの蓋が どこの道端にもあるので
入口の扉は ありふれているのだなと思った
ひかりのくには その向こう側にあって

扉を開けてみようとしたことは 何度もあった
小さくてか弱い腕では びくともしないので
マイナスドライバーを使ったり 家のシャベルを持ち出したり
大人に開けてもらおうと思ったことは 一度もなかった
友達にも頼まなかったし 教えなかった
自分の手で開けてみたかった

そしていつしか
マンホールの蓋を易々と開けて入っていった
作業服姿のありふれたおじさんを見た日からか
だんだんと それでもだんだんと
わたしの中から消えていった その向こう側を見たいという気持ち

爪にラメ入れたりしない
爪伸ばさない
いつでも力仕事できるように備えておく
なんのためだか忘れちゃったけど
あたし上手に工具使える
あたし上手にスコップで土掘れる
ひかりのくにとか信じて宙ばっかり見てるあの娘らとは違う
地に足着けて地で飛ぶんだ
地に足着けて地を食べるんだ

そんなわたし(あたし)になったのは
きっとマンホールの蓋のせい

出会うヒト 出会うひと
みんな胸に おおきくて重い鉄の蓋
開けてみたってしょうがないし 開けてみたくもない
どうせその向こうはありふれた鼠色の世界

そんな風に自負しながらわたし(あたし)は
マンホールの向こう側を見たことがなかったのだった

ゆめをくぐり
くだらないゆめをくぐり抜けたつもりで
まだゆめのなかにいる

つづきだけが 目の前にある
つづきだけが 延々と
未来のあたしが わたしをわらい
未来のわたしが あたしをわらい
けっして わらい終わることがない

マンホールの中に落ちても きっと終わらない
そこに何があるかは 未だ知らないけれど
そこがまったく意味のない 絶望の底だったとしても
これだけは 知らなくてもいえる
マンホールの中には まだ蓋がある
下にはなくとも 上に
わたしの知らない町へ (そこもゆめなのだけれど)
くぐりつづける


282-283 名前:夢くぐり[sage] 投稿日:2006/08/04(金) 18:33:38 ID:jU375zi7


【コメント】

291 名前:虫 ◆Yh5.nC8OlA [] 投稿日:2006/08/05(土) 20:54:42 ID:J9aRO+Xa
>>282-283 夢くぐり 3点
現実の裏に別の現実があるんじゃないか、その角を曲がる道は
見たことのない場所に通じているんじゃないか、という気持ちを
ガキのころ大事に抱えていた自分には、直球ストライク!な作品。
今の地図にぴったりと重なる、でも主要な川が増えていたりして
歴然と違う奇妙な地図なんかが売られてたら即買いするけど、
なんでそんなものを買ったかという説明はきっとこの詩がしてくれます。

293 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2006/08/06(日) 03:17:43 ID:fcGD/YIU
>>282-283 夢くぐり :夢と優しさがあふれているかなぁ……つつみこむ夢は誰もがくぐって……ふわ~り 
  3点

297 名前:娘z1 ◆666.SaoPvk [] 投稿日:2006/08/06(日) 14:24:26 ID:UDKwmXks
>>282 夢くぐり
まるで童話みたいで、マンホールの蓋を未来と希望に重ね合わせて、マンホールを中心に描くそれは面白い。まは、マンホールの蓋を上から開ければ、日の当たらぬ場所への入口となるし逆もある。
作者は両方を表現したかったのだろうけど、いまいちに描き方だと思う。なんせ始まりは地上だから。
それはそれでいいとして、マンホールに未来を投影させるというのは、
扉と違って、随分、マイナス的なイメージを醸しだしますね。
または冒険的というイメージを出すこともできるけど。うわぉ

304 名前:娘z1 ◆666.SaoPvk [] 投稿日:2006/08/08(火) 21:24:58 ID:74oVK35Y
>282-283 夢くぐり は眼前に聳えるそれをマンホールに見立てる比喩は
面白い。かつ分かり易い。けれど、説明がクドイように感じられてしまう。

304 名前:娘z1 ◆666.SaoPvk [] 投稿日:2006/08/08(火) 21:24:58 ID:74oVK35Y
>282-283が先の作品に勝つには、この面でない面で勝たなくてはいけない。
というかより優れていないといけない。

872 名前:匿名希望[sage] 投稿日:2006/08/12(土) 11:10:42 ID:hZooGmkt
「夢くぐり」書きました。
絶望の歌を書こうとしたのですが、
たらたらと説明っぽくなってしまったばかりか、
希望の歌だとばっかり読まれちゃった気がします。
精進します。ありがとうございました。


【得点】 6点
  • 虫 ◆Yh5.nC8OlA:3点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:3点





リング



―病める時も健やかなる時も

永遠を信じられた若い日
ころころ変わるから心なのだと思い知らされた真昼の月

情というのは不思議なもので
愛と憎
振り子のように
振り幅が大きければ大きいほど
とてつもない変化にさらされるのだ
御しきれない火薬庫を抱えたような苦しさ

騙し騙し過ごす日々に
やがて振り子の動きも穏やかになり
あたたかな灯ともる夕暮れがおとずれる

この指がくぐったのは
私の情熱
私の時間

―病める時も健やかなる時も
―いたわる時もいさかう時も
笑って笑って笑って泣いて
とにもかくにも
二人一緒に過ごしてきたね
二つの心が暮らしてきたね
この一つのほの白い月の下


287 名前:リング[] 投稿日:2006/08/04(金) 22:48:56 ID:AvfBdedV


【コメント】

293 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2006/08/06(日) 03:17:43 ID:fcGD/YIU
>>287 リング :誠実なカンジがあふれている。こんなふうに誓ってほしい……かなぁ
  2点 

297 名前:娘z1 ◆666.SaoPvk [] 投稿日:2006/08/06(日) 14:24:26 ID:UDKwmXks
>>287 リング
全体的に何を訴えたいのかが良く分らない。
というかこんだけの文章が必要かどうかさえも懸念事項。つうか最後のオチがいただけない。
なんか不思議な感じを抱きます。最終連は必要ない気もする。
でもね。文章の綴り方語句一つ一つは、私のコノムところだから。もっといいの読ませてよ♪
えへへっ

873 名前:あぶく ◆OPBYKkBBNQ [sage] 投稿日:2006/08/12(土) 23:13:07 ID:+1FxLjvf
『リング』書きました。
審査員の皆さん、ありがとうございました。
次回はもっと評をいただけるようなものを書きたいです。
虫さん、チャンプおめでとうございます。
《空見て道見て泣いているのも一時のこと》
途方に暮れた様子が身につまされました。
ありがとうございました。

876 名前:穢土 ◆34law0hz56 [] 投稿日:2006/08/13(日) 01:24:24 ID:H1e4HbM9
あぶくさん
お久しぶりです
見てないコテを久しぶりに見付けて得した気分ですわ♪
よしなしに


【得点】 2点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:2点




夕焼け



夏の夕焼け
風が吹いてきた
今日は涼しい
蛙が鳴いている
蝉も鳴いている

夕焼けのなか
田んぼや線路や店が
ぼんやり
黄色く照らされる
ピンクと茶色がまざった
古い写真のように

家路の途中
自転車に乗ってくぐる
何年も何年も前の
ずっと昔の景色のなかを

  セピア
  セピア色って言ったっけ
  こんなの


288 名前:夕焼け[sage] 投稿日:2006/08/04(金) 23:08:21 ID:y2dH0pTy


【コメント】

293 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2006/08/06(日) 03:17:43 ID:fcGD/YIU
>>288 夕焼け :ほほぉ~ゆうやげがセピア色に見えましたか? まだ、想い出の夕焼け風景は見たことがないけど……これで、この先見るかも。
  2点

297 名前:娘z1 ◆666.SaoPvk [] 投稿日:2006/08/06(日) 14:24:26 ID:UDKwmXks
>>288 夕焼け
文章そのものは優れているとは思わないけれど、描かれているその背景が大好きなんだな
みんな多くの人が好きなんだろうけど、この夏の夕焼け、セピア色ってのがいいのよね~
でお題が使用されている箇所も取って点けたようなヤリ方なのだけど、
作者の訴えたいことが此処に描かれえている。
“夏の魔物”という言葉があるけど、夏ってやっぱし、、、何だかね。そういうものなのかしらね

299 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/08/06(日) 21:02:28 ID:lEkw0fjW
>>288 夕焼け
最終連で持ってるね、この詩は。2連めの古い写真のくだりは不要だと思う。

866 名前: ◆notePDkbPQ [sage] 投稿日:2006/08/08(火) 22:35:27 ID:+8J8GkSy
忙しくて来れなくなりそうなので、取り急ぎお礼デス。
「夕焼け」書きました。ななほしさん、ありがとうございます。何となく、感じたのです、あの時。
娘z1さん、ありがとうございます。私は下手なので、見たものが面白かったかどうかで、
きまってしまいますね。Canopusさん、ありがとうございます。感傷をたらたら書くより、これで
やっぱり良かったです。感覚で書いたものは、コントロール悪くてこわいですけど。
審判の皆様お疲れさまです。

868 名前:娘z1 ◆666.SaoPvk [] 投稿日:2006/08/10(木) 23:49:03 ID:OptoqyVU
>>866
わっ!(゚б゚||)!!! noteさんでしたか
私!下手だなんて云ってませんよ♪
それにnoteさんの詩は
もはやnoteブランドだと思っているくらいなんだから
も~ヽ(^∀^)ノ


【得点】 3点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:2点
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点




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最終更新:2006年08月22日 21:01