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作品





わすれもの



リルケの言う神さまはぼくのお父さんだ
神さまは左手をなくされたけどお父さんは左手を持っている
お父さんはおちんちんを見せながらぼくの頭にふわりと手を置いて
神さまの左手のたましいはココに宿っているんだよ邪悪なんだよドス黒いんだよ

なるほどと納得したことを覚えているあれから10年が経つ
お父さんは帰ってこなくなった
風が吹けば飛んでしまうほどぼくのからだは軽いだろうし
お父さんのおちんちんとぼくのおちんちんは違う
秋になると寂しくなって風が重くておとうさんのおちんちんは黒かったことを思いだしたりして
ドタマと手足に分断されたぼくの感覚機能がうなだれているのを感じる
ぼくがひどく鈍感なのは
神さまの左手がどこかでひどく神さまに怒られているからに違いない


414 名前:わすれもの[sage] 投稿日:2006/03/20(月) 01:57:32 ID:lr+fVyt9


【コメント】

39 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/24(金) 19:38:43 ID:ZyJzjJd4
414:わすれもの
珍妙な味付けの話でありました
リルケから お父さん ぼくの連鎖に何故だかセンチメンタルに誘われてしまった
真面目に読んでしまうけれど幼少の頃に風呂場であった話だとすれば
あながちへんてこりんな話でもあるまい でもなんたる発想 笑
汚れたものという「左手」の概念を考えれば理性を働かせている図でもあるし
直感が働く無制御の心境になればその左手さえも
左手ではなくなるはずで
きっと文面には現われていないけれど
未熟を察して 比較対象に近接
この発想には純然たる閃きの導きが通っているよう

52 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 03:12:36 ID:QNaW+FBZ
414 『わすれもの』 リルケはよく知らんのよ…ちんちんは作者のオリジナ
ルだと思うけど、神の左手が第六感につながる根拠とかよく分らなくて、この
作品を正確に鑑賞できでないかも。ちなみにぼくは左手でナニをいじ(後略)






公僕心中



   あじわう
   ふれる
   かぐ
   きく
   みる

   珍味のみくだすことなく
   歓喜に浸れず
   アイも匂わず
   ねぎらいも聞けない
   その先には 空腹が待っている
   未来が見える

   見える?
   明日のことはわからない
   見える?
   朝日は しずしずと
   遠慮なく

   消えていく今日の夜の暗闇
   明日があらわになる
   見えるとしか云い様のない
   明日が
   青い陰りから  しらじら
   遠慮なく
   すみません すみません
   おしつけは  容赦無く

     青い淡いあしたが窓の外から
     浸入してくる
     閉じた瞼の暗がりは
     青い陰りに浸される
     すっかり今日が消えたら
     明日が見えるの?

   ぴくっと動く瞼
   心は語り 心は聞いて
   ワタシは  私になる準備に余念ない
   聞こえる?
   覚醒と聴覚は関係付けされて
   聞こえる?
   社会の空気を積み上げる

     朝げの味噌汁
     体が動く  敷布がふれる 
     人間がたっているのは 奇跡に近い
     ヤジロベェひとつ こんな自然はない
     心は語り  心は聞いて
     意欲を
     好意を
     行為を
     更衣を
     高位を
     意識する


   振り返る?
   後遺を
   心はまっ暗闇みを
   振り返る
   みえない
   きこえず
   ふれようもない心中
   公の光り 暗い影のように
   私の ワタシらしい中心

      身体の心は判らない
      あなたの心わからない
      わたしの心わかってる?

   人間の心はわからない
   それでも平気で日が暮れる


415-418 名前: 公僕心中 ◆SiAo0Tv4MA [] 投稿日:2006/03/20(月) 02:23:36 ID:NDrEin+i


【コメント】

45 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/25(土) 02:45:47 ID:7uJSgjZ7
415-419 公僕心中
心の内をそっと覗き込んでみるとそこにぽつぽつとあるもの
点描でそっと繋いだような作品だね
五感 感覚  視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚 
これらは私という内なる世界をもたらす発端の 触手の最先端みたいで 
はっきりしていなそうで 本当ははっきり何かを掴み取っているんだね
五感について丁寧に書き綴っていて たゆたう心中に同調して
そのまま生きていければ 心地よいのかもしれないけれど
やはり 自分と 他者の感覚 受け取り方は心のクローンとならず
差異が生じるもので そんな蓄積が また静かに積もって
心中の在り処を認識させて いるんだね
バランスについての表現が直感というか この自分という中心を見つけることにおいて
やはり 重要で デリケートな調子で何の前触れもなく 湧き上がる思いを
しっかりつかみ取ってるなと感じたよ
漠然としたあるべき姿としての私を追行しつつ 
他 無くして 感 あらず
そして その 他 をそっと見つめたときに起こる 感覚を映しているんだなと思った
この作品は 心がしんと静まり返っている時間に読むとね
密集にある 隠された落とし穴にはまったような心地よさがあるよ

52 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 03:12:36 ID:QNaW+FBZ
415-418 『公僕心中』 明日という未来の予感を感じるために、どんどん
インナースペースに入り込んでいく。その過程が丁寧だね。いちおうの終着点
をどこに置くか、そこでの発見にもうひと工夫ほしかったかも。



【得点】 1点
  • 玉こんにゃく ◆IVVTBUqDhU:1点





moved



ここまでの運命は視えていたの
未知なる勘の示すままにこの人生,歩んできた



でも急に揺さぶる存在に変化した貴方
何時になく動揺したから羅針盤が暴走しちゃった
もう先の運命が視えない
気持ちが錯綜する
気晴らしに読んだ恋愛話は
刹那くて泣いてしまった



この迷走から抜ける為に
お願いだから最後にもう一度だけ働いて
この縁,手繰り寄せてもいいですか?


419 名前:moved[sage] 投稿日:2006/03/20(月) 10:27:17 ID:DKkPE7hc


【コメント】

34 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/24(金) 06:23:50 ID:ZyJzjJd4
419 moved
恋病を持病とし一途に直感のみで世を渡り歩く女は可愛いけれど
恐く狡い存在でもある
大抵その執念ともいうべき愛着からくる直感で動き回る女が
生活エリアにいることが幸せと思う瞬間と
地獄と思う瞬間があることと思う
勘の示すままに歩んできたという人生
しかし 最終連で同意を求めている
 >この縁,手繰り寄せてもいいですか?
実際これはもう手繰り寄せはじめているのだけれど
やわらかに縛り包める技ともいえる
同意を求め可愛いやつめと思う反面
直感 勘にて動き回っていいですかの免罪を得る手段でもあり可愛くこわぁい
女の勘を感じました

52 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 03:12:36 ID:QNaW+FBZ
419 『moved』 第六感、というより、自分の気持ちに正直に、という印象
が強いね。

95 名前:ミミン ◆4fCTWDhugY [sage] 投稿日:2006/03/31(金) 23:21:42 ID:erUok+wD
『moved』を書きました,ミミンです(笑)
審査員の皆様,今回は延長もあり大変お疲れ様でした(>_<。)
この詩は図らずも3部作となった内の一つです(苦笑)共通項は【狡い女】爆笑
また参加させて下さいm(_ _)m





Vampire's gloss nude



一つ目の額縁の中は空で 金色の縁取りの外は生臭い生活そのもの
二枚並んだ肖像画 パパとママ 色気づいた年頃になった 僕
未だに微笑さえ苦手で 笑わない子を貫いているから見守っていてね
ずっと優しく微笑むだけの パパ ママ おはよう 木枠に金色の塗装
いつまでも剥げ落ちないようにフランネルで綿埃を拭い取る
月曜日の儀式 
月曜日のみ 同居人のいない屋敷から一人家出する
時々様子を窺いにくるのは身寄りがなく遠い親戚の 小母様のみ
暇つぶしお節介家政婦なだけで 僕が居ようが居まいが
僕のトランクスを平気で洗濯し ゴミを集め 
何を望み求めているのか 魂胆 不明瞭な働きをして
僕の生活を滞り無いものにしてくれるんだ ママ

「煙草が無いぜ買ってこいよ」
誰も居ないキッチン 椅子に向かって呟くと捲り忘れたカレンダーが落ちた
冷蔵庫の右側面にマグネット一つで留められていたのか 
生命保険屋の粗品 社名が煩いカレンダー 拾い上げて
生ゴミ三角コーナーに突き刺す 星形マグネットは冷蔵庫の中
ウインナーのパッケージを留めて冷やしておくよ パパ

エイチツー エスオーフォー sulfuric acid 
ガラス瓶の中で揺れる朝
「奴を半殺しにする為に計画などいらない出たとこ勝負だ」
陳腐な終章 昨晩に記した小説もどきを破り捨てた手で
おろし立て 固めのブラシを前歯に押し当てる 
おぼえたばかりの煙草 ヤニを溶かし落とす 研磨剤入り歯磨き粉に咽る
紫煙は僕に愁いの表情を演出させる格好のアイテムと 覚えたから 
間違っても 咽るなどと失態は他人の前でもしない
珍しく良く寝つけた朝の目覚め 
いつもより丹念に歯を磨き終えてカラリン コップに歯ブラシを突き立てる

ミルの取っ手を軽く握り マホガニーの木目が細やかに渦巻くつまみ豆を擂る
モカの粗挽きをサイフォンに落とし入れ 
硝子越しに アルコールランプの炎が水を突き上げるのを見ていた
歯磨き後に飲むコーヒーは不味くて良かったから 
水の沸点 上層の円筒形の硝子で起こる対流 モカの粗挽きの茶色の攪拌を楽しんだ
目一杯肺活力を使って アルコールランプの炎を消す
僕は自由を知っているようで 不自由 
不自由を蓄積し 自由が束縛無しには存在しない事を知った
いってくるね バーイ 額縁の外

歯科に通いなさい 小母様はそう僕に言いつけて微笑んだが
口腔外科の相談窓口にももう用事はない
インプラント義歯 矯正治療 僕の歯並びを否定した大人達 さよなら
八重歯の乱ぐいによって僕が困ることはないと知ったから
ヴァンプとあだなを付けられて 皮肉られる僕の外見的要素に恥じたりしない
ドクターは診察台に横たわる僕の唇を冷たい指で押し上げて
随分と長くて尖った八重歯だね 
レントゲンを見ながら 抜くより矯正して歯の先を少し削ろうかと提案して
僕に薬品臭いパンフレットをくれた 早速
僕は読破し図書館の隅にそれを無断で寄贈した

劣等万歳 
月曜日 校舎は風景画の中 無関係な息吹 
色白 華奢な体 声変わりもしないで ハスキーなままの声
女に生まれたら良かったのにね クールビューティと
僕が好意を持っている事 隠すままの美形 スタイル良しな女の子に言われ
鏡に映る僕を 視界から抹殺する方法を考えて眠れなかったのは先週の金曜日
遺伝に因る ママ譲りの劣性

劣等万歳
手立ては僕の両眼を潰す事から 思いついたが
無口 無表情 薄毛 流行の俳優とは正反対を地で行く切れ長サムライフェイス
  演劇部で侍役やってくれよ 脇役足りないしはまり役だぜ
お前古くさい顔だよなと 僕が尊敬していたガタイの良い先輩に言われ
八重歯の出所と因果関係のみ分からないまま 金縁眼鏡をへし折った卒業式
パパ譲り 僕の遺伝子

港に近い 海を背に廃墟になった工場 朽ちた匂いは潮風に巻き取られて
サイケなヘアーセットを乱すだけの旋風 こんにちはと
モミアゲ ワックスで捻り上げてロングなままオールバック
メタルブーツ 黒地にマルチカラードットシャツで日中からまた朝が来るまで
洒落込んだ馬鹿な男になって踊るのだ
一週間に一度 月曜日に入り浸る 僕が
今日は硝子の瓶を大切に抱いて 時空を歪ませて響くその中
音響効果抜群のクラブ DJはフェイクファーストールに巨大鳥の巣のような
ヘアピース 横目でちらりと素通り
靴裏の摩擦と幾十もの薄い影を落として
人込みを抜ける 床は艶かしくオイルが染みて
ヒール跡に研磨された模様の灰色花柄に見えた
WCまで長い廊下にずらりと蝋人形が並ぶ 
ピエロ 紳士 淑女 平民 老人 若人 成金 醜女 ライトアップされて影を宿す
奥の部屋には逃亡を企て 灯台下暗しと言わんばかりに
この工場 人形を作っていた会社だったという そして
現在 元々の社長が沢山の美人をはべらせて潜んでいるという
先週の月曜日
喚きながら乱入してきた男がそう告げた 消音銃だからとまるでアクセサリーのように
チェーンで首から下げた汚れたスニーカーを履いた初老が
奪い取られた きっと 女の名前を絶叫しながら 
踊るしかなかったんだ そうだよね パパ ママ
あの男も蝋人形になって いつかここに並ぶんだと
紳士が差し出している先の折れた薬指に触れながら 蝋の光沢を僕の手に移していると
染みズラのガマ蛙 イカした仕立てのサイドベンツ スーツ姿の男がWCより出てきた

直感で奴がその元社長で 女をはべらせている亡者だと僕は確信した
「額縁の外で僕は生きるよ 見ていて パパ ママ」
僕が蝋人形との間の壁 寄りかかっていたせいか
ガマ蛙は僕に気が付きもせず 油切った脳天パゲに間接照明のオレンジを集めて 
僕の前を通り過ぎた

背中から飛び掛り 僕はゴルフや格闘技の匂いのするガマ蛙に劣等感を抱きながらも
蝋人形よりも蝋人形らしい 僕を誇り 一発股間に後ろから蹴りを入れて
ガマ蛙を床に跪かせた 四つん這い
僕はポケットに蓋をきつく捻りいれた硝子瓶を
まるでフェロモン入りのパフュームを取り出すように手にとり
内ポケット弄るガマ蛙の動きを止めるように 背中を踏みつける

「護身に拳銃なんて オッサン ダサいよ」
ガマ蛙は横目で僕を睨み付け 銃口を僕に向けた
「何が望みだ 少年 おまえこそ薬品? 舐めた真似しやがって」
ダサいね ガマ蛙 四つん這いの利き手逆 脇腹 蹴り飛ばせばシッキューン
自分の顔面打ち抜いちゃうんだぜ
凶器は自分の為に使うんだ オッサン 

明日はちゃんと登校するよ ママ
パパ 僕は必ずパパ以上の地位と名誉を得るために勉強する
僕にはガマ蛙ほど今は装飾品無いけれど
奥の部屋にいるはずの美女達を今に平伏せさせてやる
クロコダイルのベルトが腰に似合うようにはなりたくない
僕は 蝋人形の 老人の髭を叩き落として シャツを脱ぎ着せた
色白に生んでくれてありがとう ママ
乾燥した日に唇を傷つける程に鋭利な八重歯
実態 この体 姿 劣等の不利を生かすすべ
歩きながら叫びを殺した 透明な液体を胸に擦り込み
間髪入れず襲いくる 瓶から床に流れ落ちる白い煙と共に歩む
薄暗く遠くから スローテンポなテクノがこだましてくる
全裸だぜ 僕 
色白に生んでくれてありがとう 肌が焼け溶ける跡に真っ赤な花が咲くよ
劣等万歳
蝋人形のセクシーポーズ真似てから
瓶ごと 突っ伏しているガマ蛙目掛けて投げると 小さな弧を描き 
光は床に霧を這わせた
ドアを開けて 額縁の中 僕は劣等を捨てる


420-424,426 名前:Vampire's gloss nude[] 投稿日:2006/03/21(火) 00:07:29 ID:TPS6xg2F


【コメント】

60 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 21:01:44 ID:QNaW+FBZ
420-424 『Vampire's gloss nude』 彼なりの『ライ麦畑』なのかな。面
白いと思うのが、テイストが連ごとに欧米風、日本の小市民風、ホラー風味、
ハードボイルドと異なって、さらに少年の性格も微妙に変化していくとこ。

79 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/03/28(火) 12:31:33 ID:nt8R/lR7
>>420 :Vampire's gloss nude
力作。もうなんか、ホテルカルフォニアとか、すごいよく出来たミュージッククリップとかそんな映像が眼に浮かぶような作品。
同じバンパイア作品でも、クリストファー・リーじゃなくて、もっと現代のやつね。
ああ、こういうの書ける人が羨ましい。。。
蝋人形の廊下が秀逸。ガラス瓶に入ってた液体は聖水なんだろうか?
額縁の世界が一連めの伏線を拾って、一種の自殺でありながら伝説への帰還という風情。
美しかった。

83 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/29(水) 01:07:45 ID:ukx9dVXb
>>420-424Vampire's gloss nude
書きました 
審査お疲れ様です そして評ありがとう〔ぼく0点だからもう書き込んじゃう〕
今回お題を出した当の本人でしたので 書きたいものを書きたいように
直感という勢いで書いてみました
詩情を物語化で全体隠喩 オムニバス化 小説の超推敲版なんで
詩でなくなってしまったのですが これが本来 
私の書きたい世界観なんです

5連投して投稿制限がかかってしまい 
ラストを投稿しないまま眠ってしまって Ⅵがないままの形になってしまって
次の日投稿するわけにもいかず ちょっとへこんでましたが
どこかにはフルでUPしようとおもってます 笑
というかもうUPしたいから早まり書きしてるんだけど 笑

~今回おもしろい作品がたくさんあったので楽しかったな~

読んでくださってありがとうございます






六人の男達



一人めの男は私に絵を捧げた
二人めの男は私に歌を捧げた
三人めの男は私に料理を捧げた
四人めの男は私に香水を捧げた
五人めの男は私に体を捧げた

やがてやって来た六人めの男は私に何も捧げなかった
ただ彼の纏っていた空気だけがその場に残っていた。


425 名前:六人の男達[sage] 投稿日:2006/03/21(火) 08:41:20 ID:8q47Rwuh


【コメント】

34 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/24(金) 06:23:50 ID:ZyJzjJd4
425 六人の男達
五人から捧げ物を受け
六人目 何気なく関心を奪われている状態が簡潔で 物語の序章の様
何も捧げないで通り過ぎた男の雰囲気を感じたのは五感全てで
もしくはそれ以外の何かが働いたからであって
シックスセンスという考え方をきちりもって書き切っている
表皮的な言葉の羅列で新しい表現などはないのだけれど
はっきりしていてよい
与えられる(情報や物質的なものを五感を無意識に働かせて受け取る)ものと
自ら察知するの違い
しか~し体を捧げたの節は触覚だとしたらかなりドライ 笑
ずばっと直感イメージで日常から抜きとった言葉であるなら
作者さんはかなりクールな目を持っているとみた
男を使い言い当てているシックスセンス

60 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 21:01:44 ID:QNaW+FBZ
425 『六人の男達』 テーマに忠実に、カッコよくまとめたところを買いた
い。「捧げた」というのが意味深だけど、もちっと工夫すると、その部分が活
きてくるような気がするね。

92 名前:即興詩人 ◆WPwyFssiro [sage] 投稿日:2006/03/31(金) 07:53:13 ID:Dh6XHHt9
「六人の男達」書きました。
正直自分的にはいまいちだったんだけど
思いの外高評価で嬉しいです。
解説はしない主義なんで、解説はしません。
大体意図した通りに読んで貰えたみたいだし。
だけどひとつだけ言っとくならば、
僕は野郎だったわけですがw



【得点】 2点
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点
  • シオン ◆poetsyov/2:1点

【決選投票】 2点(準チャンプ作品)
  • シオン ◆poetsyov/2:1点
  •   ◆UnderDv67M:1点





牝犬



寂しいよって牝犬が啼いて
それはもう、どうしようもないことなのだけれども
くぅーん、くぅーん、きゅい きゅうい きゅい と
黄昏のおぼろげなスピードが一層速まってしまう 一番星

家の明かりがぽつんぽつんとつく頃には
もう諦めた牝犬の
顔を隠して座り込んだその場所が
いくら座り続けても温まらないのは
何かが熱を奪い取ってしまうからで
それは、黄昏の中で彼女が呼び出してしまった何か

口あけないで 舌垂らさないで
こっそりと隠した牙をぐきっと噛んで
灰色の何かがよりそってくるのは
自分のあずかり知らぬことだから
いない振りを
そこに見えない振りを
触られたことなどない振りを して

ようやく温まった地面の上で
ぼやぼやの尻尾をくるみこみ 目を閉じる
影のそのまた影の尻尾を
踏みつけてしまわないように
物言わぬ犬の影ふみ遊びが続く明日が
待っているから


427 名前:牝犬[] 投稿日:2006/03/22(水) 09:50:45 ID:aIsDUiXI


【コメント】

43 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/25(土) 01:55:34 ID:7uJSgjZ7
427  牝犬
 >くぅーん、くぅーん、きゅい きゅうい きゅい
とても印象的な鳴き声 何故だか読み始めから胸が高鳴った
始まりの4連にて 一気に引き込まれ 
ほんの僅かな時間の流れを捉えたものであるのに
時の経過が 日暮れの傾斜と影が互い違いに噛みあって作られて いく推移のようで
口の中が熱く温む感覚と やけに外界の温度との差
密度が景色と犬の輪郭にそって溶け合っているのだけれどぼやけたりしないで
子を産む個体としての「めす」の姿が何の飾りもなく 存在しているようでもあった
犬といえど 牝 
このシチュエーションは牝でなくては当てはまらないように思えるし 
孤独という存在に付きまとう影 この物言わぬ犬の背筋が見えるようだな
そうして生きていくのが当たり前だから と
そんな牝犬の背にそっと近づいてほお擦りしたくなったのだけど
きっとはんぐりと腕を噛まれて見つめられちゃうんだろうななんて思った
当然として性を書き出している弱そうで強い「必然」を感じた
ナチュラルでありながら模造のモチーフ魂を自ら吹き込んだのと思った

60 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 21:01:44 ID:QNaW+FBZ
427 『牝犬』 犬が犬として生きるためにしずかに闘っている、そんな厳し
さをぼくはこの詩に感じた。それは犬そのものというよりも、軽い擬人が入っ
ているようにも感じた。

93 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/03/31(金) 19:41:32 ID:WUHzJLIh
チャンプになられたお二方おめでとうございます。
審査してくださったみなさんありがとうございます。
あまりにもべたな詩だったんで封印してしまおうと思っていた牝犬であります。
竹輪さん、カノープスさんありがとー。





落ちる



  ふと
       顔を上げた 時
       時間は
                 流れ を 
       ゆ るや かに
    僕の目に
       映った
                    君に 心 
          奪 われ た



429 名前:428[] 投稿日:2006/03/22(水) 19:57:07 ID:ThkJKBV7


【コメント】

35 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/24(金) 06:29:23 ID:ZyJzjJd4
429 「落ちる」
428の投稿より429の配列の方が生きている
時間が白い炎になってスローになる瞬間を体験したのは酔っ払っての幻覚だったのだけれど
出会いの直感で目が合ったり見た瞬間スローモー
そういった出会いには必ず何か巻き起こる(巻き起こす)前兆でもあると思っている
無駄の無い言葉と行間 文字間にただよう空気 空白が良い
言葉にならなかった情感がそのまま言葉の間にあるようなブランクの使い方
雰囲気を醸し出してている
視覚によるストップモーションに近い
瞬間を直感でとらえたもので優しい気持ちが放出されているよう シンプルで好きな形態

60 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 21:01:44 ID:QNaW+FBZ
429 『落ちる』 タイトルとレイアウトから察するに、読者に何らかの連想
を惹起させようという作者の意図を感じさせる。が、あまりはっきりとはしな
いなあ。心そのものの描写を試みたんだろうか。





Sexth sense



シーズンオフ 海沿いのホテルは喧騒から逃れる恰好の隠れ家
現実逃避と言われれば黙ってうなずくしかない これが現実
重々承知の一人旅よろしく
期待していたはずもないアバンチュール
出会ってしまった ブルー・アイ

白い壁にゆらりゆらゆら 妖しげなダンスを踊る影ふたつ
開け放たれた窓から 流れる波の音楽に混じり
甘く切ない吐息の歌声は 盛りの過ぎた ベルベット・ローズ
ソファーの上 こぼれた花びら
風に誘われ はらりはらはら

海星のように のけぞる肢体
ふと視線落としたその先
昨夜のワインボトル ころがったままで
カーペットに咲く大輪のダリア
珊瑚のように かたまる死体

汗ばんだ身体をなぞる指先は
ひんやりとした海蛇
水圧をかけられたように息ができない
なのに舌を絡めてくる 海の底 引きずり込む瞳で
夜の闇が溶けるまで 何度も何度も高波にさらわれ 砂浜に打ち寄せられる
百戦錬磨のブルー・アイ


この世にどんなの未練を残したの?・・・


430 名前:Sexth sense[sage] 投稿日:2006/03/23(木) 04:46:07 ID:2hR0zuLo


【コメント】

33 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/24(金) 01:47:35 ID:ZyJzjJd4
430 Sexth sense
誰かしらはSex senseを大胆不敵に書き出してくるかと思いきや なく(少ししょんぼり)
Sexthときたのはやはり発想からよいと感じる
語彙の繋げ方 海にまつわるイメージ
完全に内容から見てとっても単純に語呂が似ているという使いまわしではなく
セラピストの略の語意で使ったのだとわかる
刺激より読感に癒しの潤いを残す 海から連想したモチーフの生かし方がうまい
興奮度より癒しぎみな表現が勝ったのは作意というより
けだるく陶酔 麻痺したくている漂いをメインにしているからではなかろうか
海星の動きの描写が印象的であっさりしていながら生々しい
(多分人間同士のアバンチュール妄想に自然を重ねたのが決め手)
癒された 

37 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/24(金) 19:33:16 ID:ZyJzjJd4
430 Sexth sense(☆読み足りなかった追加評>>33
失礼 肝心な部分を読み逃していた
 >この世にどんなの未練を残したの?・・・
お相手は青い目の亡霊でしょうか?
それとも海にて水死する程に溺れ狂う愛欲なのでしょうか
最終連の意味の解釈によってモチーフの重さがかわりますね
生きたものの小さな死が繰り返される情景に
アバンチュールのお相手は生きていない実質存在のありえない流動的なもののよう
そして視線の先に色があるのだけど全体が青写真 
もしかしてこれはそのままSex senseでもあるのではなかろうか 死の匂いが付きまとう生命の営み
虚ろに疲れている今 読んで気が付いたので追評

60 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 21:01:44 ID:QNaW+FBZ
430 Sexth Sense セイレーンの伝説が頭をよぎったよ。死と海底は似てい
るかもしれない。前半のなまめかしさをそのまま海底に引き継いでいく心づも
りだったと思う。行き着いてない面はあるが、イメージとして面白いと思う。

101 名前:玉こんにゃく ◆IVVTBUqDhU [sage] 投稿日:2006/04/02(日) 10:09:53 ID:mbn7fVbN

「Sexth Sense」 書きました

どうしても映画「Sixth Sense」のイメージが強くて。。。
実体験を元にw ふくらませていったのですが 盛り上がりに欠けるという指摘は
そのとおりでございましたなぁ

ありがとうございました




鏡のなか



午前12時に静かに降りしきる闇のなか
古い鏡が僕を呼ぶ

僕ははっきりと熱を保ちながら
それを伝播させる手立てを持たない

鏡のこちら側に
何か大事な
きっと大事な忘れものをして

黒髪の少女は少しだけ眉をひそめ
無言を抱きしめて僕を見つめている

白磁の顔に漆黒の瞳が深々と
鏡の奥に沈んでいる

君へかける声は戒められている
小さな身じろぎが朝を呼んでしまう

だから無言のただなかで
幾度も君へ語りかけてきた
もう何十年もそうしてきたように

僕は君を 君は僕を見ている
君のその瞳は言葉ともとれない予感をかかえ
音叉のように共鳴している
君は僕の・・・

しかし黒髪の少女は何ひとつ応えることをしない
ただ無言の中かなしげに眉をひそめて

朝陽が静かに
しかし乱暴な仕方でここへ侵入すると
少女は霞んで やがて消えていった
そして鏡の前には僕ひとりが取り残される

叶うならこの鏡の中へと入っていって
君と言葉を交わしたかった
その手を握り その熱を確かめたかった

そんな願いを遊ばせながら
僕は午前12時が訪れる度に鏡の前に立った
そうやって ただただ少女を見つめて
心の中で語りかける日々を続けた

そしてもう数えることもやめた午前12時
いつものように鏡の前に立った
今日はどんな話をする? 


しかし 少女はそこにいなかった


僕に混乱が訪れた
一体何が起こったのか理解できなかった
ただ鏡には彫像のような僕の姿だけがあった

それから午前12時になる度に僕は鏡に立ったが
少女が浮かぶことは二度となかった

午前12時
鏡に立つ
君はいない

午前12時
鏡に立つ
君はいない

午前12時
鏡に立つ
君はいない・・

そして僕に笑みが浮かんだ  
僕は近くにあった椅子を掲げると
力を込めて鏡へと投げ付けた


                (今ハモウ昔ノコト
                (午前12時ノ鏡ニ浮カブ少年ニヒトリノ少女ハ恋ヲシタ
                (無言ヲ携エ タダタダ悲ゲニ少年ハ夜毎浮カンダ
                (少女ハ心ノ中デ幾度モ幾度モ言葉ヲ重ネタガ
                (募ル思イニ耐エ切レズ   
                (少女ハ夜ノ神ニ願イヲ立テ 
                (全テヲ捨テテ鏡ノ世界ヘト旅立ッタ


僅かな傷を付けただけで鏡は割れなかった
するとその傷からまばゆい光が滲んでくる
目を洗う明るさ 身体を融かす暖かさだ
それはゆらゆらと揺れながら大きく僕を飲み込もうとしていた

大きく僕に希望がともった
この向こうに君が

鏡という壁を乗り越えて
君の声を聴ける
君を感覚できる 

僕に迷いは存在しなかった
僕は光のなかへ進むと自分をなげこんだ



                (無言ノママ
                (悲シゲニ
                (鏡ヲハサンデ
                (少年ト少女ハ見ツメアウ
                (ズット
                (ズット



432-435 名前:鏡のなか[sage] 投稿日:2006/03/23(木) 23:13:54 ID:8aCL7tbG


【コメント】

35 名前:メタリック竹輪〔Remodeling〕 ◆o0rnnbHBHo [] 投稿日:2006/03/24(金) 06:29:23 ID:ZyJzjJd4
432-435 鏡のなか
  ホラーにありがちな設定なのだけど類似ない不思議な縁
  鏡の中にいる女は鏡の中 過去の記憶に準え今映る
  その鏡を覗く男は悲しげな女に恋をする
  そのミステリアスな部分に焦点を当てずに行為にしぼって描いた所が妙で
  心中を書いたわけではなさそうだけれどはかなさを感じる
  思いと隔て 果てには鏡の中に迷いもなく誘われる男
  一見純粋な感情そうだがなんとも破滅的 感覚というものは視覚からもっとという欲求の高鳴りにしたがって触覚に意向する
  この状況と流れを見るに鏡の位置付けと存在は
  他人同士がいきなり出会って謎めく無念を背負い込んだ女に引かれていく恋愛の隠喩とも取れる
  鏡は肉体と肉体の隔たり 鏡に存在する女と鏡を覗く男
  別なものである認識が五感を刺激する発端になることこれを書き抜いている部分が技巧的
  女に破滅的にのめると自分が培ってきたものを失う瞬間を気付かず
  そうでありながら冷静に凝視しているこの鏡に対して対となった二人の間には 喪失の補完を求めているというより出会いの妙の色が濃い
  光と打ち砕かれぬ時間の霹靂が揺れ動くまま 読後やたらと喪失感に苛まれる
  そこに何かしら得体の知れない感覚が存在していると思う

60 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [sage] 投稿日:2006/03/26(日) 21:01:44 ID:QNaW+FBZ
432-435 『鏡のなか』 描写の大部分を雰囲気づくりに費やした印象です。
ストーリーはけして複雑ではないので、この内容は2、3連程度にさせてしまっ
て、あとは世界のひろがりに描写を割いてみるのも手かな、と思いました。

79 名前:リーフレイン[sage] 投稿日:2006/03/28(火) 12:31:33 ID:nt8R/lR7
>>432 :鏡のなか
鏡の国のアリスを踏まえた作品。
微妙なとこなんだけど、時間経過がポイントなんじゃないかな、何十年も鏡を見つめていて、鏡の中にいる
少女・少年はやはりそのまんまの姿。。幻想譚であります。
何十年も見詰め合った末の結末であり、ダイビングと思うと、その情念は凄い。





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最終更新:2006年09月03日 20:15