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作品





紅葉



雨あがりの古びた公園
枯れ葉の匂いが目にしみる
火傷したように赤いからだを
ぼんやり 揺らす

それも ほんのひと時のあいだ

虫眼鏡での観察に飽きたお日様が
ふいに涼しい風を運んできて
僕らは 静かに萎びていく

どうか明日も 明後日も 秋になりますように


409 名前:紅葉[sage] 投稿日:2006/09/05(火) 23:32:07 ID:6TvQcwFT


【コメント】

434 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2006/09/10(日) 01:28:24 ID:Jo/J40o5
>>409 :紅葉 :
  どうか……秋になりますように。って、せつない。秋満開。
  2点

440 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/09/11(月) 00:04:52 ID:Kdy+524c
>>409 紅葉
ぼくはこの詩は評価したくて、というのも最終行のことばに魅力を感じるんだ
よね。1行だけの魅力というのも、また詩のひとつの側面だと思います。

939 名前:し ◆FCXRNaWgHs [sage] 投稿日:2006/09/11(月) 03:10:36 ID:sLkTcmKs
409 紅葉 書きました
ななほしさん、カノープスさん、ありがとうございました


【得点】 2点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:2点





アキちゃんの思い出~思いつくままに~



木の枝の先
細くなり行き
絹糸で繋ぎ留めている
赤い柿

とにかく私の見ている前ではお昼ごはんを食べなかった古畑アキが最近太めにな
っているように思えるのは夏休みが終わってアキちゃんの恋も終わったからなん
だろうかと考える私のシンパシーなどよそ目に芋は日に日に肥えて行くのだった

アルバイトで毎日見ていたアキちゃんが制服を着て私の前で点滅するようになっ
て消えてふたたび現れる時の彼女の横方向への変化は私を無口にさせパラパラ漫
画のカボチャは気づかぬ間に縦皺をひとつずつ増やして大きくなって行くのだった

そんなんじゃお嫁さんに貰って貰えないよ
アキちゃんは21歳で結婚すると決めていたので

アキちゃんは19歳にして中学生の下校集団に溶け込んだ

関西空港の二階をトイレを探して歩き回りながらハネダ空港の詩が書きたいなぁ
と考えていた時に左足の不自由な私がエスカレーターではなく階段を使って降り
て行くところを見かけて目で追いかけている時に手摺りに体重を預けてふと視線
をそらすと誰も見ない暗い柱の陰に薄汚れた茄子がスクーターに跨がって落ちていたこととか

思い出せば思い出は限りないのだけどそのほとんどが誰かについての思い出であ
って私は単なる視点でしかなかったこととか

口を塞がれた飛行機の狭苦しいトイレの中で荒い息は犬の口臭と熱さでプラステ
ィックな一面の白が壁なのだと思い当たりながら舌を出せとお前の赤い舌を出せ
と昨日まで知らなかった男の声が言うのが私の舌のことではないようでそれでも
宮古島の土を初めて踏んだ頃には涙を頬に感じた

芋は転がして洗っちゃ駄目よ生きているのだからと教えた母の言葉が宮古島のビ
 ーチに転がる色とりどりの芋を眼前にして思い出された

鮫を捕りたいとツアーの昨日まで知らなかった道連れに言ってみたのは本気じゃ
なかったように思えたけれど叶うわけのないことを口にする時の私はどこかに本
気を含んでいるのかもしれない(捕った鮫は殺さずに飼い馴らし背に乗ってやっ
て来た海の向こうへ帰るのだ)紫芋のカステラをお土産に

紫芋のカステラを死にもっとも近いほどに少食だと思っていたアキちゃんがほと
んど一人で食べ尽くしたと聞いた時は信じられないような胸に晴れた日の秋空が
広がるような思いがしたものだった

自分の体型など無頓着で気にしたことのあまりない私がアキちゃんの1グラムの
増減を心配するのは少食で口数少なくけれどあかるく笑うアキちゃんのあかるさ
だけが膨れ上がって行ってしまうように思えて木についたまま熟れ過ぎた柿は早
く誰かが取って食べないと烏につつかれて内臓のように垂れ下がるのだった

私の目に映らないものは知れないけれど
夜の池のほとりで一人おむすびを食べていたアキちゃんは
池に映る満月でも見たのだろう
おむすびを食べる手を止め白い学芸会のようなドレスを着て
池の中心までふらりと歩き出して
留まるでもなく引き返すでもなく山を越え
そのままあちら側まで行ってしまった


今年は冬が早いというので春を迎えると同時に壊れてくれた火燵の替えを早めに
買っておこうと車に乗り少し走り出したところに誰も住んでいない家があって庭
の柿の木に垂れ下がっていた熟れ過ぎた実は烏がつつくこともなく今では黒く固
くしぼみその中にかつては果実があったことすらも私に感じさせないのだった

木の枝の付け根
しっかりと重みを支え
落ちることさえなかった
黒い柿


                            (了)


410 名前:アキちゃんの思い出~思いつくままに~[] 投稿日:2006/09/06(水) 13:23:38 ID:UOsm5GHh
411 名前:アキちゃんの思い出~思いつくままに~[] 投稿日:2006/09/06(水) 13:27:37 ID:UOsm5GHh
412 名前:アキちゃんの思い出~思いつくままに~[] 投稿日:2006/09/06(水) 13:30:02 ID:UOsm5GHh


【コメント】

434 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2006/09/10(日) 01:28:24 ID:Jo/J40o5
>>410-412 :アキちゃんの思い出~思いつくままに~ :上手いなぁと感じるんだけど、せつなさばかり募るのは何故だろう。結節も少々無理筋のような
  2点

440 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/09/11(月) 00:04:52 ID:Kdy+524c
>>410-412 アキちゃんの思い出~思いつくままに~
秋というより、終わってしまった夏の思い出、かなあ。ところどころ好きな表
現がありました。アキちゃんと旅情の関係が今イチ不明。


【得点】 2点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:2点





秋っぽい



僕は秋っぽい人間だ

現代詩手帖を四ヵ月だけ購読した
妻の顔に毎日違うグラビアアイドルの顔を貼った

馬にそっぽを向かれるほど秋っぽい
子供さえいなければすぐに家など出て行くほど秋っぽい
だが女ではない
だが秋っぽいのは女だ
僕は女っぽい

秋っぽい女子高生が三人並んで橋を歩いて来たので
僕はマイクを彼女らに向けて
秋っぽいですかと聞いてみた
(マイクがあれば何でも出来るものだ
ということをその時発見した)
答えは「はぁ」だった
秋っぽいと思った
なんとなくだけど

僕と同じ匂いを感じる対象は女子高生だけにとどまらなかった
見知らぬ人様の家の窓辺に寝っ転んでどこも見ていない目をしている雑種
その人いやその猫のことも僕は秋っぽいと思った
庭に植えてある何かの木の黄色い葉っぱがひゅらりんと落ちるたびにやや遅れて葉っぱを目で追い掛ける
なんだなんかつまんないと目を元に戻したその前を再び葉っぱがひゅらりんと落ちる
また目で追い掛ける
やっぱなんかつまんないものだったひゅらりん
ひゅらりんまた追い掛ける
そのへんが秋っぽいと僕は思った
なんとなくだけど

ここで春っぽい人が蝶々の飛ぶ頭に浮かんだその疑問を口にした
それって春っぽいのとどこが違うのかいって
葉っぱと桜の花弁の違いだけじゃないのかいって
三分かけて口にした
違う
春と秋は似ているように見えるが
もっとも遠いところにあるのだ
全然違う
たぶん
春っぽい人は詩なんか書かない
春っぽい人は絵を描く
そこが違う
たぶんだけど

なんだかつまらない説明のような
ひとりごとのような詩になってしまった
まぁいい
そこが秋っぽい
だからいいことにする
なんだか男っぽい

ところで僕はこの詩を書き続けることに秋てきた
飽きてはいないので最後まで書
やっぱり書くのやめた
秋っぽいとはどういうことなのかをうまく説明できそうにないからだ
それをうまくできるのは冬っぽい人だからだ
だから僕はこの詩を終わらせよう
おそらくは冬っぽい人であるところのカノープスさんとかに任せて
おそらくだけど

ばいばい寝るね


413 名前:秋っぽい(1)[] 投稿日:2006/09/07(木) 13:53:37 ID:0QHt8gMA
414 名前:秋っぽい(2)[] 投稿日:2006/09/07(木) 13:56:34 ID:0QHt8gMA


【コメント】

434 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2006/09/10(日) 01:28:24 ID:Jo/J40o5
>>413-414 :秋っぽい :詩の中でも最後まで書くといってない。矢張り未完。なんだろう。読後感も秋の風の中……かなぁ
  1点

440 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/09/11(月) 00:04:52 ID:Kdy+524c
>>413-414 秋っぽい
「飽き」から「秋」への自然な移行とか、秋なんだかどうだかよく分らない秋
の情景だとか、意外な巧さを感じて面白かったです。うーむ…いや、任されて
みるのも、ちょっといいかも。

931 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2006/09/08(金) 01:13:03 ID:X7vVAbOF
個人的に気になった作品を一つ

本スレ413-414 秋っぽい
これはつらつら書いてるような形式だが正直うまい。
勢いに面白さもあり、前半惹きつける物があった。
ただやはり長さに比例してパワーが落ちていく感は否めない。
もっとも残念なのが〆の一行。
投げ出すのは作風に合っていて良いのだが、投げ出し方が弱い。
しかし投稿作品の中では良いポジションにいることは確か。


【得点】 1点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:1点





高房には筆の過ち



暑くもあり 寒くもなし

食べたくもあり 食べたくなくもなし

だるくもあり だるくなくもなし

動きたくもなし 動きたくなくもあり

風の向くまま 気の向くままに

生きてる仏のような人

そんな人に私はなりたくもあり なりたくなくもなし

生きてるんだか死んでるんだかハッキリしろ

誰かに映し問いかける

私はキチット文を読めと答えた

そこではタイトル道理の高房が

お父さんになっていた

人生なるようにしかならないね  チャン チャン



415 名前:名前はいらない[] 投稿日:2006/09/07(木) 18:41:00 ID:xeGYia8N


【コメント】

434 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2006/09/10(日) 01:28:24 ID:Jo/J40o5
>>415 :高房には筆の過ち :まったくそのとおり。成るようにしか成らないから、詩は書いたことしか伝わらない。……だよねェ。
  1点

437 名前:娘z1 ◆666.SaoPvk [] 投稿日:2006/09/10(日) 15:38:49 ID:aCt6QZNP
>415 :高房には筆の過ち
お題が何処に描かれているのか分かりませんが、まあいいでしょう♪
背景が冬の前の秋ということで云々


【得点】 1点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:1点





秋ネコ



9月某日

我が家の庭に見知らぬネコがやってきた。
首に錆び色の鈴をつけていたので飼い猫かも知れない思ったが
あまりに人懐こく、私の足に擦り寄ってきたので、つい頭を撫でてしまった。
やはり飼い猫なのか、気持ちよさそうにごろごろとのどを鳴らしてこちらを見た。
にゃあ、という声に、日が少し翳った。

ミルクと煮干をやったためなのか、ネコは居ついてしまったらしい。
私の足元でひんやりした毛並みを擦り付ける。
風が涼しくなってくる。足元のネコに私は風鈴を片付けた。

緑色の瞳をきょろきょろさせて、
庭の紅葉を彼女(身のこなしが女らしいのでそう思った)が見やると
瞳が赤色に変わった気がした。

彼女が膝元で秋を呼んでいる。

私は薄手のカーディガンを肩に掛けて、彼女と移りゆく空を見た。
雲は少しづつ速度を増して、高い青空を駆け抜けてゆく。
庭の石榴が少し色づいて、重そうに見下ろしていた。


416 名前:秋ネコ[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 20:23:25 ID:249rjSfq


【コメント】

434 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2006/09/10(日) 01:28:24 ID:Jo/J40o5
>>416 :秋ネコ :黄色いとら猫? いや金色のネコかなぁ……擬人化? と言うか擬猫化 が、面白い。日常の何気ない観察・表現を感じる。
  2点

439 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/09/10(日) 23:38:42 ID:ktSDR7xk
2点
>>416 秋ネコ
たたずまいが好き。ネコの瞳に秋を感じる表現は面白いね。ネコは視線を逸ら
す習性があるから、微妙な表現ではあるけど。終わり方も、秋を匂わせる程度
の適度な体温で、すんごい好みでした。

935 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2006/09/08(金) 18:21:37 ID:3bKWQVao
本スレ416 秋ネコ

題材は面白い。秋を呼ぶネコと言う童話のような題材である。
ただ時間の経過が短すぎるような気がする。
9月某日から始まるこの物語は、たった一日で全てが秋の装いになってしまうが
出来ればネコと私が触れ合い経過していく中で、ネコが秋を呼んでいるという
予感と実感を読者にも分かち合って欲しかった。
ネコと私の距離が近く感じるほど、最終連の静けさが余韻として生きてくるので
短さが大変惜しい作品である。

942 名前: ◆Wani6uvhK. [sage] 投稿日:2006/09/11(月) 22:09:55 ID:ZTQ3umHh
審査員・批評の皆様、投稿者の皆様お疲れ様でした。
イタチ小娘さんチャンプオメです!
次のお題、、、難しいですよ~・・・・

え~と、今回は「秋ネコ」を書きました。
ななほしさんCanopusさん点数ありがとうございます。
>>935さんコメントありがとうございます。
じぶんでも気に入った作品で、大満足です。


【得点】 4点(準チャンプ作品)
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:2点
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.:2点





夏休み



えっちゃんの左手のすぐそばでぼくの右手が汗ばんでいる
ふたり足をぶらぶらさせて縁側に座って
今にも消え入りそうなほっそい三日月が通りすがりの味気ない雲に隠れるたびに
することのないぼくは冷たい麦茶をちびちび飲んでいた

シュウがさ
子犬のシュウが足元にじゃれてきたから軽く頭を蹴って笑いながらえっちゃんを見たらさ
「可哀相なことしないの!」ってマジメな顔で怒られちゃうし

それでぼくはまた月を見上げて
ただもう氷を何個も何個もガリガリガリガリかじってた

鈴虫かなんかが鳴いている

えっちゃんは明日東京に帰る


417 名前:夏休み[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 22:26:35 ID:U+sf5I5l


【コメント】

434 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2006/09/10(日) 01:28:24 ID:Jo/J40o5
>>417 :夏休み :手をつないでないのね。うんうん、妄想、もうそう?
  こんなことでは子供は知恵熱を出すことはないだろうと、……どうなんだろう? もう、いない昔の子供の俺の場合は……無かっただろうなぁ……あったような気もしてきた。……こんなこと、
  3点

943 名前:あばらや ◆61ynRipd12 [sage] 投稿日:2006/09/11(月) 22:30:40 ID:Nr/HwUjL
どもども、初投稿です。「夏休み」書きました。
ななほしさん、娘z1さん、Canopusさん、
審査ありがとうございました。
“休憩雑談”の「夏の終わり」「別れ」のお題で思いついた、
加齢臭漂うオッサンの妄想でございました。
チャンプの方おめでとさんです。
投稿者の方々お疲れ様でした。
またよろです。


【得点】 3点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:3点





rebirth



きつい上り坂をこえて いま緩やかな下り坂に差し掛かる

僕はオリーブ色の鞄と ひどく清潔な意識をたずさえて
それとは何も関わりのない街の光彩の上を踏みつけてゆく

日々は僕の喉もとを滑らかに通り抜ける そこに摩擦熱はなく
そして建材も豊かに明日は建設されてゆく 僕の意志に依らない速さで

銀杏並木の木漏れ日を車列が縫って行く 街路はひととき黄金色にかがやく
僕は重なった赤い櫨の葉で足を滑らせる そして何もなかったように再び歩みだす   

小さな違和がふと 気泡のように冷えた油のなかを浮かびあがった

僕は季節を 秋をうしなっていた
なぜそう思うのかは分からないが 僕は秋をうしなっていた 

季節は僕を避けて世界を巡っている 僕の生活は季節の息遣いの外側にあるようだ
暑さや寒さを知覚し今こうして枯葉を踏み締めながら しかし季節は僕へ歩み寄らない

世界はその時々の屈折率で輝き燃焼する その熱は僕の指先をわずかに融かす
冷えた油のなかで僕は僕の道を舗装してきた 平坦で何の遮蔽のない道を


その舗装された道から次から次へ気泡が立ち昇る 踏み固めた足元からもぽっかりと
この道を持ち上げようとする力が何なのか 僕は少しだけ気付いてきている

銀杏並木を抜けると道は駅のロータリーへと続く 日々の轍はそこへと続いている
しかし僕は立ち止まって足元の枯葉を拾いあげる 大きな楓の葉だ 

所々破れて 骨のように葉脈を無残に浮き出させながら
僕はこの何の変哲もない枯葉のなかに なぜか懐かしい声を聴いた気がした


かえではね カエルの手に似てるから かえでって呼ばれるんだよ


いつ 誰から発せられたものかもわからない そんな声が僕の頭のなかではじけると
僕はこの破れた楓の葉脈のなか そのなかの迷路へと誘い込まれていった

眼にまばゆい黄金色やそこかしこに滲む赤色 僕がその色彩のひとつひとつに触れると
僕の中から凝り固まった過去の記憶がいま豊かに溢れ出してくる

母に手を引かれ秋祭りを歩いた記憶  真っ赤な空に花火の音
小学校の仲間と焚き火を焚いた記憶  火の立たなかった落葉

恋人と寒い公園で別れ話をした記憶 掌だけ暖めた熱い缶コーヒー
そして走る列車の中から見た果てしなく深く青い空 生き方を変えられると頑なに信じた若い頃

僕は過去と対面した 秋の名を借りた過去 日々に埋められていった過去と
空っぽだった季節の器に 僕自身が注がれて満たされてゆくのを感じた

きつい上り坂をこえて 緩やかな下り坂を降りてゆく

そこから広がる街の景色に 僕は僕自身の秋をひとつひとつ置いていった
風が摩擦する速さで これからの日々は満たされた秋で染まりゆくだろう


そして 僕はまだあの楓の迷路のなかを歩いている
赤色と黄金色の光彩のなかを 踏みつけることもなくゆっくりと


418 名前:rebirth 1/3[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 22:43:38 ID:3HMJkVNz
419 名前:rebirth 2/3[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 22:44:11 ID:3HMJkVNz
420 名前:rebirth 3/3[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 22:44:59 ID:3HMJkVNz


【コメント】

435 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2006/09/10(日) 01:32:54 ID:Jo/J40o5
>>418-420 :rebirth :預金残高を眺めるような秋かなぁ……満足感を感じる。……かなぁ? 再誕生? する気の満足感??
  2点

938 名前:MORGEN ◆.nITGbUipI [] 投稿日:2006/09/11(月) 01:40:54 ID:dq+ci3Y9
418-420 rebirth
無味無臭の日常のループからふと喪失感を自覚し、記憶の再生が行われる。
隠喩や作者の一歩引いた位置からの情景描写など見るべき点は多い。
しかし文節の切るポイントや、過去のエピソードの若干の弱さなど、練りの
甘さが感じられる所が残念である。欲を言えば秋にはたと自覚する喪失感は
秋だけを失ったものであったのか、秋の色彩や大気の匂いをスイッチにして、全ての
季節を感じる心を失っていたのではないか?と言う所まで言及してみて欲しかった。
やや単調さを感じる作風なので、秋から発生する全ての季節の色彩を怒涛の勢いで
流し込んでもらえたら、更に読者の興味を引き付けられたのではと感じる。


【得点】 2点
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:2点





秋小僧



秋小僧は
ひとびとに
失ったものを
思い出させます

ゴミ箱や
クレヨンの汚れや
ハンカチの染みなどを
ベランダからこっそり見ています

成長というものが階段をのぼってゆき
その後を秋小僧が追いかけて
ゆかいな旋律をえがいていきます

晴れ渡っているのになぜか虚しくなるような
目を細めるといいようのない誰かの顔を思い出し
物思いにふけっていろいろなことが浮かび
洗濯の順序をおもわず間違えてしまう

思い出というものが階段をのぼってゆき
その後を秋小僧が追いかけて
うつくしい旋律をえがいていきます

晴れ渡っているのになぜか悲しくなるような
目を細めると小さいころのあなたが浮かび
物思いにふけっていろいろなことが浮かび
洗濯物をたたむ手がおもわず止まってしまう

ああ ああ
秋小僧
私の皺をこれ以上
くしゃくしゃにさせないで
あなたの短い足のスキップが
私の胸を痛ませる
あなたの愛くるしい笑顔に
たえきれないの

でも秋小僧
また来てちょうだいね
うつくしい旋律をえがいてね
私の皺を刻みにきてね
きっと、きっと
また、きっと


421 名前:秋小僧 1/3[sage] 投稿日:2006/09/07(木) 23:59:49 ID:PlwgMcIJ
422 名前:秋小僧 2/3[sage] 投稿日:2006/09/08(金) 00:00:19 ID:PlwgMcIJ
423 名前:秋小僧 3/3[sage] 投稿日:2006/09/08(金) 00:00:53 ID:PlwgMcIJ


【コメント】

435 名前:ななほし ◆lYiSp4aok. [] 投稿日:2006/09/10(日) 01:32:54 ID:Jo/J40o5
>>421-423 :秋小僧 :なんとなく寂しい秋に感じる充足感、……かなぁ。と、いうよりも、しあわせなのかもしれない。
  2点

437 名前:娘z1 ◆666.SaoPvk [] 投稿日:2006/09/10(日) 15:38:49 ID:aCt6QZNP
>421-423 :秋小僧
流れの中で立ち竦む描写の繰り返しが心地良いです。
こられを読んでいますと、冬の前の秋において
感慨深げに物思いに耽る余裕のようなものを感じられ、お題を上手く表現しています。
“うつくしい旋律”という言葉がまた良く
秋は繰り返される四季の中のひとつであり、その四季も繰り返される歳月の単位である。
それをそのまま表現したのしょうが、描かれたそれはほのぼのとしていて温かくなるような気分になる。
壱レス目の始まりの感慨が“秋らしく”て良くて、問題は参レス目です。
最後は好みになりますが、終わり方がどうも・・・・・・♪
参レス目の出来具合によってはより良い作品に仕上がっていたと思うの

941 名前:快楽童子 ◆plhXCa4.HY [sage] 投稿日:2006/09/11(月) 21:27:13 ID:mCrgk/+J
今回久方ぶりに投稿しました。
審査員、投稿者のみなさんおつかれさんです。
「秋小僧」を書きました。

審査で指摘があった通り、最終2連は少し練りこみが足らなかったですね。
自分でも納得いかぬまま0:00の数字に怯えて、
投稿ボタンを押してしまいました(快д楽)


【得点】 5点(チャンプ作品)
  • ななほし ◆lYiSp4aok.:2点
  • 娘z1 ◆666.SaoPvk:2点
  • Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点




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最終更新:2006年09月12日 22:26