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作品





>哀・戦士<



398 名前:名前はいらない[] 投稿日:03/03/02 19:42 ID:OHDKrDUF
<哀・戦士>
誰もがこころのささえにするのは 
男は女 女は男

戦う男たちは愛する女たちを 愛する女たちは戦う男たちを
想い空のもう片方へ向けて歌う
重い鎖を引き摺りながら叫ぶ
愛が答えだと ジョンもずっと歌ってる

闘う男たちは愛すべき女たちを 
愛される女たちは志に往く男たちを
誰もがこころのささえにするのは
愛ゆえに人は哀しみ傷つかねばならないから
それならわたしは愛などいらない
いいえ 
愛以外のなにものもいらない





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ほほ杖をつく女



400 名前:ほほ杖をつく女[] 投稿日:03/03/02 23:35 ID:XVDEiaGQ

どんなふうに過ごしたって一日は一日
のんびりと生きるのさ ほほ杖ついて
別の世界 見ている女
楽しいから ほっぺたがつりあがる

そりゃあ都合いい展開は 名もない市民の助け合い
  ……… 救いひとつも無い
風に乗れる 天使なら ほほ杖はつかないさ
無理にムダして 出してる贅沢のアジ



あの人 がさつだから いやじゃないけど
見えない何かの力が 私の動きをじゃましている
  ……… だ♪ か♭ ら† ≒⌒∂ ………
ちょっと今は ほほ杖ついて
自分と あなたと 世界の
ひろさを見ているの






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わたしはそのひとが好きだった



401 名前:わたしはそのひとが好きだった[sage] 投稿日:03/03/02 23:58 ID:WAGpSIES
屋上の手摺を歩くひと
きれいだった
男だったのか女だったのかも覚えていない
死の側を歩くとき
性別は抜け落ちてしまって
わたしはそのひとを好きになった
だからこんなにも胸の中に刻みつけられている

  ☆

手摺というものは生き物で
その頃はわたしの胸の上までの背があった
わたしのとなりにいた鳩が
ついておいでとでもいうように、それを越えて
岩橋くん家の赤い屋根まで飛んでいった
その向こうには兄の通う中学校が
玩具みたいにころがっていた

手を引っ張る男の子がわたしは嫌いで
同じように兄とも一緒に歩きたくなかった
ひとつぶん、漫画の物語が
考えついて組み立て終わるほどの時間をかけて
わたしは兄の中学校のすぐとなりにある小学校まで歩いた
そこから自分たちの住むアパートを探してみても
不思議とこちらからは見つけられないのだった


402 名前:_[sage] 投稿日:03/03/03 00:00 ID:28UubfqF

その屋上から紙飛行機を飛ばす男の子がいて
手摺は彼が近づくと萎縮するほどだった
彼の腕は大空に届いていた
彼の投げた紙飛行機は、赤い屋根の上で浮き上がり
一番遠くの青い山のなかへ吸い込まれていった
わたしが真似して投げた紙飛行機はといえば
赤い屋根までも届かずに、すぐ眼下の中庭にある松の木にひっかかったのだった

するとからかうように夕焼けが降りてきて
わたしの顔はまっかになった
そのひとの背中は焦れたように黒くなった
六年生の順子さんの声が聴こえていたけれど
姿はどこにもなくて、風と
わたしとそのひとだけが、そこにいた

ひょいと手摺の上に飛び乗ったのだった

手を広げて歩くそのひとは
前からくる強い風に押されながら
向こうへ転べば、いってしまう
こちらへ転べば、戻ってしまう

「転んで」と
わたしは願った

死の側を歩くときにだけ
わたしはそのひとを好きになったのだから


403 名前:_[sage] 投稿日:03/03/03 00:01 ID:28UubfqF

夕日の匂いが焦げるようにきつかった

  ☆

久しぶりにそのアパートを訪れて
屋上に出れば、手摺はわたしの腰のあたりまでに縮んでいる
そこで一通の手紙を眺めた
二つ年上の順子さんは、中学高校を通じての合唱団の先輩で
昔はあんなに可愛かったのに、写真のなかでは肉まんおばさんみたいだ
くたびれたツルツルの白い顔のとなりに、胡瓜みたいな男のひとが写っている
 ーー小学校の時からの腐れ縁、ついに結婚しました

ありふれた笑顔のそのひとを、夕日に染めて見つめれば
手摺の上を歩いたひとの背中が甦る

戻ってきたの
こちら側に

あなたはただの男になってしまった、きっと手を引っ張る

わたしは心を引っ張るそのひとこそを
好きだった




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東京タワーbaby



404 名前:東京タワーbaby[] 投稿日:03/03/03 00:07 ID:F6KpRTKJ
おいらのでっかい東京タワー
工事中の東京タワー
激しく上下に動いてた エレベーターも
今では止まったまんまさ

使えないぜ東京タワー
工事中の東京タワー
オマエのアンテナを 感じさせたいのに
電波も発射できないぜ

オマエの中に 届けたいから
何度でも 角度を変えて発射したのさ
爆発しそうなのを堪えて
二人 エレベーターで 高く高く いかせて
東京タワーbaby




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化粧 22



405 名前:化粧[] 投稿日:03/03/03 01:04 ID:iT3lhS0/
口紅をつけた
僕は

グッピーのように
孔雀のように

鏡のなかで
誇らしかった




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ノース



406 名前:ノース 前[sage] 投稿日:03/03/03 03:12 ID:US5vfz9i
性別選択の自由権を行使しますか シナイ 了解しました

かんしゃしています こころから

オス・メス・オス・メス・オス・メス・オス・メス・オス・メス・
オス・メス・オス・メス・オス・メス・オス・メス・オス・メス・
三三三三二二二一一一

ボン

このなにもない つるつるのからだを

識別不能シキベツフノウ管理人体制カンリニンタイセイ不能フノウコード9 9 999 9 99 99999…

あいして くれました


このいっしょうで、おわる
このからだを


407 名前:ノース 後[] 投稿日:03/03/03 03:12 ID:US5vfz9i
そして超越ではなく退化だと
その自由なくちびるからおっしゃってくださって

ありがとう
抹消シマス

しあわせでした
やすらかでした


あなたのすべてを 残すことは できない けどザッザザー…この世にうまれザッそしシュゥゥウ忘れないザァァァで…わたしはあなたでガァァァーァァあなたゴォォォウゥはわた


プツン




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欠片花「男」



408 名前:欠片花「男」[] 投稿日:03/03/03 13:42 ID:j4OubnOI
片割れです
砕け花「女」を探しています

美しい花を咲かせます
咲かずに枯れることもあります

水を与えすぎると根が腐り枯れます
水を与えなくても枯れます

吹雪の中投げ捨てれば枯れます
しかし、たまに生き延びるものもいます

香しい香りを出します
悪臭を出すものもいます
前者には蝶が、後者には蝿が
たかります

しかし、結局
欠片の形が逢わねば
花は一つになりません




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男の正常な死にざまだ



410 名前:男の正常な死にざまだ[] 投稿日:03/03/03 15:28 ID:MjKrDGMF
雀の茶色い頭
が放り投げられる
窓の外
よりも早く
僕の膝は床に崩れ

床を這うなめくじ
がじっとりと
姿を液に変えていく
そのイメージが
僕の交通網にはびこった

女の子のスカートの
中側にバーベキューの網を張る

僕の涙
が燃料となって
蒼い炎が内腿を焦がしていくのを
顔に彼女の脂汁がふりかかってくるのを
僕は壁のなかから覗き見ていた

カビの住み家となった丸太んぼうの老人が
椎茸
と一言
声を濡らしながら枯れていった

涙なんて窓から投げ捨てろ




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人造弥勒



411 名前:人造弥勒[sage] 投稿日:03/03/03 22:01 ID:DKzxEmES

五十六億七千万年後 

我々が夢見た 完全な女は ついに降臨せず

ただ 宝殿の骸は 体中の隙間に 自ら水晶を詰めていたと

死因はおそらく 寂死であろうとの 噂 

女子高生の嬌声が やたら耳につく

末法の世の 春である





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最終更新:2006年09月15日 02:44