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作品





黒い巨音



62 名前:黒い巨音[] 投稿日:02/08/10 23:22 ID:65ZuDoIA
糸巻ボビンの
転がる音は
コロコロコロ

それが
ゴロゴロゴロ
に聞こえる
小さな世界がありました

そこに住む人たちは
塵の砂利で
小さな広い駐車場を作って
たくさんの蚤のような車を
いっぱい集めて

遊園地で遊ぶのです
毎日 毎日
木屑やオガ葛の
質素な遊具で
ぶらんぶらんしたり
ぎっとんばっとんしたり
楽しく遊んで
暮らしているのでした
(下へ続く)


63 名前:黒い巨音[] 投稿日:02/08/10 23:23 ID:65ZuDoIA
(上からの続き)
ある日
それまでは遠くにしか見たことのなかった
巨大な黒いゴムのボビンが
駐車場の坂を
降りてくるのが見えた
と思った瞬間に
それは駐車場も遊園地も
包み込んで
潰して行きました

私が昔おばあちゃんから聞いた話
覚えているのは
ここまでです

その時の音は
(コロコロコロ)
どんなものだったでしょう?
(ゴロゴロゴロ)
私には勝手な表現などできません
(      )

それでもなぜか
私は聞いたような覚えがあるのです
その煤臭い漆黒の車輪の音を

そして 今
家の前
坂の上
その向こうのほうから




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記憶



68 名前:記憶[] 投稿日:02/08/11 16:33 ID:CgTlTkkR
お姉ちゃんは颯爽と小回りして
カーブを大きくまわっている僕に
振り向きもせずに友達の方へ
やがて僕が曲がりきった時
お姉ちゃんはいなくなっていた

補助輪がきしむくらい
全速力で走った
たばこ屋の角を曲がる時
補助輪があるのに転んだ
いつもならそれだけで泣くのに
不安で仕方ないから
また起きて全速力で走った

いつもの公園に
いつものお姉ちゃんと友達
ホッとして近づいていったら
お姉ちゃんも友達も
ちょっと嫌な顔をした





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脱輪



69 名前:脱輪/1[] 投稿日:02/08/11 16:53 ID:N20daATl
脱輪して、います
8月の田舎道、たんぼの、
ど、まんなか、で

都会の人間なので
四輪駆動では、ありません

ですから
車は進みません

脱輪して、います
8月の田舎道、たんぼの
ど、まんなか、で

渋滞していて
高速道路を、とおくはなれて

ですから
車が通りません


70 名前:脱輪/2[] 投稿日:02/08/11 16:54 ID:N20daATl
脱輪して、います
どうしようも、ないの、です

焦りすぎた、の
かも、しれま、せん

どうしよう、も、
ない、
から
逃げて、いたのに

脱輪して、しまった
の、です

こまりました




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ミロのヴィーナスであればどれだけ良かったことだろう



71 名前:名前はいらない[] 投稿日:02/08/11 20:13 ID:09e/8R0W
「ミロのヴィーナスであればどれだけ良かったことだろう」

いつかの時代に
私は時間を司る象徴であったようで
時に始まり終わりは存在しませんでした

現代の暦が誕生して
車軸を失った私は
ただただ堕ちてゆくばかりの
回転だけを能とするものに成下がりました

更に解かれて幾つかの部分にされた私の
原型など残るわけもなく
現在では想像だけの恐竜模型のように
たいへん情けない姿を皆様に晒しているのです




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無題



74 名前:名前はいらない[] 投稿日:02/08/11 23:38 ID:2wW5wPOn
車輪がないとどこへも行けない
僕の車輪なのか 
僕は車輪なのか





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ダツリントン



75 名前:ダツリントン[] 投稿日:02/08/11 23:40 ID:Opz2fqEO
豚が坂道を転がっていく
  ころころ ぶぅぶぅ
豚の姿は車輪のようだ
  ぐるぐる ぶぅぶぅ
もがいた豚はドブに落ちた
  ぼっとん ぶぅぶぅ

脱輪豚 脱輪トントン
どんどん落ちてく豚地獄
転がり落ちてく豚地獄
もがいてみても豚地獄
抜けられない豚地獄
自業自得の豚地獄
逃げられない豚地獄
這い上がれない豚地獄

困ったぶぅ




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蝉車輪



77 名前:蝉車輪[sage] 投稿日:02/08/12 08:59 ID:Q51f7OZq
夏の終わりの昼下がり

片羽根なくした油蝉
残った羽根をばたつかせ
空回りする車輪のように
アスファルト路面を
どこにもいけず
ただその場をぐるぐると
ひたすら回る
ただ回る
くるったように回り続けてる
ギーギー
油の切れた歯車のように
バタバタ
風に叩かれる扉のように
路面と摩擦する苦鳴は
せつないほどに
鼓膜を叩く

それは喚き散らす蝉の泣き言

私は車輪です
二度と走れない
壊れてしまった車輪です
空回りするだけの車輪です
ブレーキはありません
でもいつか動きは止まるでしょう
そして二度と回ることはないのです


78 名前:蝉車輪・続き[sage] 投稿日:02/08/12 09:01 ID:Q51f7OZq

やがて回転は緩やかになり
泣き声も静かになりだしたが
たしかに止まることはなかった

しずかにもらす最後の言葉

でもあんたの一生だって
そんなもんでしょう
意味なんて蝉の空回りほどにも

ない

その通りだったから
まだ回り続けてる蝉車輪
そっとつま先で抑えて
力を込めてやった
くぐもった音を立てて
回転はようやく止まった

もう
夏も終わろうとしていた




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車いすと私



80 名前:車いすと私(1)[sage] 投稿日:02/08/12 12:00 ID:R66PTEIL

私は小学生だけど
自分だけの四りん車を持っている
速さは時速2キロメートル
エンジンはないから

これに乗ってどこでも行く
病院に行かない日は
学校へいく
小学生だから

お母さんは車いすの一部
車いすはお母さんの一部
そんな感じがする
べつの人に押してもらうと
どこかちがうから

最近お母さんはこしがいたそう
後ろからささえてもらって
歩きたい時もあるけど
がまんしている
かわいそうだから


81 名前:車いすと私(2)[sage] 投稿日:02/08/12 12:01 ID:R66PTEIL
年はこせないでしょう
去年の秋
先生が母に言った
変な話だ
だって今はもう7月だから

今度の夏休み手じゅつする
頭を全部そった
せっかく生えてきたのに
もったいないな
しょうがないか
生きるためだから

行きたいところ
いっぱいあるから




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最終更新:2006年11月05日 10:50