作品
訴訟
だまされたと認めたくなかっただけだ
いつ死んでもおかしくない歳になって
ものごとを認める蛮勇を
俺はやっとのことでかきあつめる
焼け焦げて歯をむき出す死者は
戦死者ではないのだと
あれが必要で且つ取るに足らない犠牲だったと
俺たちも加害者だと
そうだ自ら望んでうつくしい国を誇らしく思い
死を重ねて充実した生に高揚した
と、同時に
うんざりしていた
加害者で被害者で
個人的な罪と国の罪を同列で語るほど
俺は傲慢で自虐的であった
すまない!!!
神に向けて懺悔するのではない
まだそこいらにいる
うち捨てられてきた死者と
グザグザで死にかけの俺たちに
あやまる あやまれ
730 名前:訴訟[] 投稿日:2006/11/02(木) 22:30:21 ID:o9Q3F5pB
【コメント】
88 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2006/11/08(水) 02:42:28 ID:nYiuluRq
>730
戦争を知らない世代が戦争を語る傲慢ってか。
知らなきゃ語っちゃダメなんて言わないけど、ねえ?
公園のベンチに腰掛けて
広場の噴水を眺めていたら
ぼくの周りを取り囲むように
一群の鳩が舞い降りてきた
ぼくが噴水から鳩の頭へ
鳩の頭から噴水へ
いたずらに視線を泳がせていると
さっきまで
誰もいなかったはずの広場に
女がひとり立っているのが目についた
まさか空から来たわけでもあるまい
苦笑いを噛み殺し
なにげない素振りで腕時計を見ると
午後四時五十五分
午後四時五十六分
なんとなく視線を広場へ戻すと
男がひとり女の方へ向かっているのに気がついた
男はわき目もふらず
まっしぐらに歩いてくると
いきなり女の顔面を殴りつけた
鈍くつぶれる頬骨の音が
あたりに響き渡ると同時に
鳩が一斉に飛び散った
まるでトランクケースの中身をぶちまけたかのようである
しかし飛び立ってみたはいいものの
他に行くあてがあるわけでもないので
結局鳩はまたぼくの周りを取り囲むように舞い降りてきた
まるで逆回転再生のフィルムである
気がつくと広場には
女の姿も男の姿も見当たらず
射し込む西日がただただ水盤へ吸い込まれてゆくばかり――
タチの悪い幻でも見たのか
ふいにどこかから
ぼくの顔面に豆鉄砲が撃ちこまれ
それが何かの合図のように
鳩が一斉に飛び散った
ちょうどそのとき時計台が五時を知らせる
すると残されたベンチに人の姿はないのである
731 名前:公園のベンチに腰掛けて[sage] 投稿日:2006/11/04(土) 00:25:23 ID:eLZxmGJw
732 名前:公園のベンチに腰掛けて[sage] 投稿日:2006/11/04(土) 00:33:34 ID:eLZxmGJw
【コメント】
88 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2006/11/08(水) 02:42:28 ID:nYiuluRq
>731-732
シュールだねえ。鳩の多い公園=上野公園 です。僕の中では。
ギャラリーがいないのが不服かな。鳩の動きは上手くかけてると思うよ。
103 名前:んなこたーない[sage] 投稿日:2006/11/19(日) 02:45:02 ID:Sgg9sIE3
公園のベンチに腰掛けて書きました
2、3度書き直したんだけど、
頭のなかにある映像がどうしてもうまく文字に移せなくて、
あれ以降文章読本のたぐいを手に取るようになってしまいました
Real Prayer
雨が降ったので
私の部屋は上昇するエレベーターになった
窓を叩く音が大きくなるのは雲が近づいているせい
布団を窓際に敷いて
少し開いたカーテンの隙間から暗い空を眺めていると
私を閉じ込めた立方体が上昇していくのがわかる
こつん、こつん、と心臓が私の内側を叩く
世界が変容していくことで
私は怯えから開放されていく
ほのかな高揚が手足の隅々まで駆け巡る
雨はますます強く私の部屋を叩く
ここまでくると月の引力が強まってくる
月と地球の引力の均衡点に吸い寄せられながら
私は柿の木の根本で眠るシロのことを考えた
遠くにありながら
私はシロをとても近くに感じる
電気カーペットのタイマーが切れる前に
私の頬を眠りの柔らかな尻尾が撫でた
私は眠りに落ちながら
雨が私の体を透り抜け瓶に貯まっていく音を聴いていた
739 名前:Real Prayer[] 投稿日:2006/11/05(日) 20:53:09 ID:4ozl88pN
【コメント】
90 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2006/11/08(水) 22:57:11 ID:nYiuluRq
>739
嘘が見当たらないよう。
初冬のコタツでミカン食いながら雑誌読んでたらウトウトして
現実と夢の境がなくなった。的な?感じ?なのか?な?
【得点】 1点
些細な
距離を縮めようと思った
距離を縮めたかった
些細な事と思った
離れていくのが怖かった
重ねる事に躊躇いはなかった
膨らむ事より失う事の方が怖かった
縮んだ距離の前に
目の前のリアルに、
膨らんでいった些細な事柄は
本当に些細なものでしかないと思った
ふわりとした笑顔、その眼差し
繋いだ手、その体温
アルトな声、特別な呼び方
その全ては僕に向けられていた
些細な事は本当に些細な事で露呈した
繕う間もなく謝る間もなく追う間もなく
夢のような日々は文字通り霧散した
自業自得に憤りも無い
君が見てたものは僕ではなかった
僕が創り上げたもの、その虚像だった
浅はかにも慢心していたことは否定できない
今更、今更と悔やむも悔やみきれず
さりとて怨むこともできず
責め句は胸に刺さるのみ
せめて
せめて慰み納得させようと己へ吐こうとする嘘は嘘と呼べる代物ではなく
もはや一人では嘘も吐けないことに漠然と愕然として呆けるのみだった
740 名前:些細な 1/2[] 投稿日:2006/11/06(月) 12:21:26 ID:FctM3Chi
741 名前:些細な 2/2[] 投稿日:2006/11/06(月) 12:22:09 ID:FctM3Chi
【コメント】
90 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2006/11/08(水) 22:57:11 ID:nYiuluRq
>740
嘘八百言ってで女に近づいたんですがバレて捨てられました。とても悲しいです。まる。
折角「嘘」って文言を書かなかったのに最後に二行で台無しにしてね?
ウソツキ鶏の生態観察
ウソツキ鶏の朝は早い 太極拳体操にこりはじめた
ウソツキ鶏が赤い花柄寄せ上げブラをしている
とりあげてパッチワークの壁掛けを作る
ウソツキ鶏が書いている本の題は「彼氏の日記」
書いてあるのは彼女による彼氏の記録
ウソツキ鶏が校庭で逆立ちをしている
上手だが、おしりが丸見え
ウソツキ鶏から送られてきた白い薔薇
かゆくなる虫がついていた
ウソツキ鶏のサングラスをかけると世界は薔薇色に見える
ワイン一本 チーズひとかけらとリンゴ一個の幸せは薔薇色の世界と同値だ
ウソツキ鶏はくしゃみが嫌いだ
くしゃみをすると嘘がばれる
ウソツキ鶏が泣いたので、今日は学校がオヤスミだ
ウソツキ鶏が散歩にいっているあいだに
こっそりと詩を書いた
744 名前:「ウソツキ鶏の生態観察」[sage] 投稿日:2006/11/06(月) 21:34:52 ID:8wcN1g5L
【コメント】
762 名前:208+ ◆HAYATOo7aM [sage] 投稿日:2006/11/11(土) 23:00:11 ID:VP/RGe0o
>>744
1点
面白い。
90 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2006/11/08(水) 22:57:11 ID:nYiuluRq
>744
あんね。封神演義の白鶴童子を思い出した。藤崎竜のやつ。
それはそれとして
”ワイン一本 チーズひとかけらとリンゴ一個の幸せは薔薇色の世界と同値だ”
この部分は好き。
あとウソツキ鶏は何で泣いたんだろ。
【得点】 1点
うんこの世界
ケルランケルラン ぽてぽてそ
(いやあ くさい ちかよるな)
ケルランケルラン ぽてぽてそ
(おまえは いったい なんなのだ?)
秋風にさらされたうんこが
まったく茫 としています
その横ではちいさなミハエルシューマッハが
最後のラップを走ろうと
死んだ女の骸のまわりを飛びはねる
罪人みたいな格好で
《BUu-N BUUUU Buu-…
…Un…》
と、くさい飯食わせるなあ いつもまったく同じ毎日
かあさん今日のスープ不味くないか?あらいつもと
同じよ それがぜんたい不味いんだよ!いつもと同
じいつもと同じいつもと同じいつもと同じいつもと同じ
いつもと同じいつもと同じいつもういい加減うんざりだ
俺達には新しい家庭の味が必要なんだと言って頭
豆腐のようにかちわって創る「幸せな家族」。
《BU……n Buuu… Buuu…
N ゆん》
羽音は小さくたしかにひびきがしゃーん。がしゃん。
ん。んん。びゅーんととび出る眼球の美しい妻の真
っ白な肌が新婚旅行でいったあのグァムのリゾート
の真っ白な浜辺 いや違うなもっと偽りと虚無と矜
持に満ち溢れた ビルディングのやわらかそうな白
い素肌に砕けたガラスの欠片をずさ、ずさ、とおよそ
12回程すゎっぴんぐしてそこからどくどくあふれだす
あの血の凝固した暗い赤。
《BUUUN! BUUUUUUUUUUU
UUNNNN!》
つよい大気の固まりから生まれた震えは
信じられないほど高く沈んで
ZUSA、ZUSA、ZUSA、ZUSA、ZUSA、ZUSA、ZUSA
あの蒼鉛みたような空にただよう
昨日食べたスープの湯気みたいな雲に
かすんでいっちまいそうだあ。そうだあ。そうだあ。
《BU……n Buuu… Buuu…ん》
羽音は小さくしかし確かに響き
そして耳から消えていった
やがてわたしの体内で食された理性の塊が
うんことなってこの地球上にあらわれた
ケルランケルラン ぽてぽてそ
この暗く縮んだ 欲にまみれた世界のなかで
ケルランケルラン ぽてぽてそ
笑い、明るく恬然と影を残して
ああ わたしもいずれ
おまえの好きな原始生命の光のあわになって
この世界にいっぱい溶けてゆくことができるのだろうか
それとも 理性のつく嘘で真っ白くなったこの世界では
もうそれすら許されないことなのだろうか
ああ うんこ
わたしのうんこよ
おまえはもうたくさん食べられた。
745 名前:「うんこの世界」1/2[sage] 投稿日:2006/11/06(月) 21:57:27 ID:m2GrPbfg
746 名前:「うんこの世界」2/3[sage] 投稿日:2006/11/06(月) 21:59:14 ID:m2GrPbfg
747 名前:「うんこの世界」3/3[sage] 投稿日:2006/11/06(月) 21:59:49 ID:m2GrPbfg
【コメント】
764 名前:Canopus ◆DYj1h.j3e. [ ] 投稿日:2006/11/14(火) 00:21:18 ID:b4XbD6R+
>>745-747 うんこの世界
これは迷った…ヤケクソな明るさに。
766 名前:葉土 ◆Rain/1Ex.w [sage] 投稿日:2006/11/15(水) 18:46:28 ID:MW2oAM2p
>745-747 うんこの世界 1点
すごく巧い、「うんこ」という単語を例えば「詩」であるとか「言葉」であるとか
なんかまあ、形而上的な単語に置き換えてしまうとしみじみいい詩だと思った、
であえて、なぜそこで、うんこ を作者が選び取ったかを考えるに、
嘘ー>言葉(あるいは詩)->うんこ という連想をしたんだろうななんて。。。
やや自虐的なユーモアに溢れてますね。
で、ケサランパサランって化粧品だよね?あたしよう知らんけど、、
飾ってもしょうがないってな気分かな?
90 名前:名前はいらない[sage] 投稿日:2006/11/08(水) 22:57:11 ID:nYiuluRq
>745-747
ヽ( ・∀・)ノ● ウンコー
【得点】 2点
- Canopus ◆DYj1h.j3e.:1点
- 葉土 ◆Rain/1Ex.w:1点
まーくんポエム
まーくんはいい子です
必要のないまーくんのお金は
恵まれない人に募金をします
赤い羽根募金では5円を入れてあげました
近所の神社では1円を入れてあげました
広島に旅行した時は樽募金に500円を入れてあげました
まーくんはいい子なのでいっぱい募金をするのです
ユニセフが募金をしていてまーくんは100円を入れました
そして領収書を下さいって言ったらお姉さんが困っていました
ハンバーガーショップでスマイルくださいと言った時の笑顔よりも可愛かったです(^ω^)
748 名前:まーくんポエム[sage] 投稿日:2006/11/06(月) 23:52:45 ID:bbMqWfvy
【コメント】
>748
>750で補足説明されなきゃ訳分かんないよね。
それを込めてこそじゃね?作品として失敗じゃね?
最終更新:2006年11月21日 00:32