石井「水野さん!水野さん!…」
石井「あれから僕は何度か公園に行った。だけど 水野さんの姿はなかった。何もかもが終わってしまったんだ。僕は すべてを失った…」
絶望の石井 その頃、夏子は!?
夏子「…でね この前ね、石井さんと一緒にご飯食べに行ったあとに公園行ったんだけど、でポケカもお教えてもらったんだけど、私のバッグの中に大量のダメカンがあったり、なんか手紙とか…もしかしたら石井さんが犯人?…というわけなの」
樋口「んーなるほどね。僕が思うにそいつのことは忘れた方がいいんじゃないかな」
夏子「ひーくん…」
樋口「なっちゃんの言う通り明らかに犯人だよその男。とはいえもうストーカー被害は続いてないんでしょ?だったらもう忘れていいんじゃないかな」
夏子「彼は私の幼なじみの ひーくん。物心ついた時から家が隣同士。困った時はいつでも相談にのってもらっているの。今日は石井さんのことで相談にのってもらっていたんだけれど…」
夏子「でもね、今更だけど 私思ったの。石井さんのこと犯人だって決めつけたけど、よく考えたら石井さんってとても不器用なの。私の隙を見て私のバッグの中に大量のダメカンを入れるなんて石井さんには無理だと思う…もう少し話を聞くべきだったのかな?」
樋口「いやいやいや…だってピタッと止んだんでしょ?ストーカー被害。それってその石井って男が犯人だっていう証拠じゃない?話なんてもう聞く必要ないよ」
夏子「そうかもしれないけど…」
樋口「まあでも、そんなに気になるなら連絡してみたら?」
夏子「でも…連絡がつかなくて」
樋口「なるほど…それじゃあもう仕方ないんじゃない?だって連絡の取りようないんでしょ?」
夏子「うん。既読にすらならないの」
樋口「なっちゃんはやれるだけやった。それでダメならもう終わりだよ。そもそも連絡が取れないなんておかしくない?多分犯人っていうのが図星でなっちゃんから逃げたんじゃないかな?」
夏子「私から逃げる?」
樋口「うん、警察沙汰になるのを恐れたんだよ」
夏子「じゃあやっぱり石井さんが…」
樋口「うん、犯人で間違い無いと思うな。 …よかったね、事が大きくなる前に気づけて。まあストーカー男を警察につき出せなかったのは残念だけど、もう忘れよう。今回はこれで万事解決ってことで」
夏子「…うん、わかった。ありがとうひーくん」
樋口「なんでも相談してよ。なんたって僕たちは幼なじみなんだからさ」
夏子「うん、でも…もう一個の悩みは多分ひーくんには解決できないと思う」
樋口「悩み?」
夏子「実はね、今私普通にポケカが楽しいの!この前なんか対戦相手がほしすぎて自分一人でポケモンカードジムに行っちゃったくらいで。でもその時思ったの。私ってシャッフル?が下手だなって」
樋口「シャッフルってカードをカットするアレ?」
夏子「分かるの?」
樋口「うん、まあね。なんなら僕が教えてあげようか?」
夏子「うれしい。ありがとうひーくん。お願いします。」
樋口「よし、じゃあいくよ」
ポケカで使えるシャッフルの仕方とは?
樋口「まずは通常のヒンズーシャッフル。トランプとかでもよくやるね。」
樋口「次にオーバーハンドシャッフル。欧米とかではよくやる混ぜ方だね」
夏子「へー」
樋口「次にディールシャッフル。ポケカの公式大会では対戦前にすることが推奨されているよ。」
樋口「そして次にするのがファローシャッフル。別名パーフェクトシャッフルと呼ばれているよ。まあ僕くらいになるとかなり混ぜることができるよ。ほらね。」
夏子「ほんとだ」
樋口「そして最後にリフルシャッフル。カードを傷つけるおそれがあるから初心者にはあまりオススメできないんだけど…こんな感じかな」
樋口「複数の混ぜ方をやることで、相手にちゃんと混ぜましたよってアピールすることが大切で、通常のシャッフルだけだとうまく混ざってないことがあるからね」
夏子「そうだよね」
樋口「よし、じゃあやってみようか」
夏子「はい」
夏子「う〜ん、シャッフルってなかなか難しい…でもひーくんさ、ポケカやってないのにシャッフルそこそこできてすごいね。どこでそんな技術身につけたの?」
樋口「…まあ紳士のたしなみってやつかな。これからも石井とかいう男に代わって僕がいろいろポケカのこと教えてあげるよ。手取り足取りね。」
夏子「うれしい!ありがとうひーくん。…あ!私バイトだったんだ。そろそろ行かなきゃ。じゃあまたね、ひーくん」
樋口「じゃあね。行ってらっしゃいなっちゃん」
夏子「行ってきまーす」
茶良井沢「面倒かけたな」
樋口「まったくだ。君があんな男に負けたせいで僕の計画に狂いが生じた。当初は君があの男を倒して、そこに僕が現れて君を倒す。そういう筋書きだったのにさ」
茶良井沢「うっせーな、もう過ぎた話だろ」
樋口「まあな。君は二度目のバトルでは勝利した。それは計画通りだ。彼は彼女にストーカー犯として認知され、もう二度と出会うことはないだろう。」
茶良井沢「てめぇの仕業だってバレないように邪魔な奴は消すってか?ハッ!相変わらず根暗な野郎だぜ。怖ぇ怖ぇ」
樋口「フッ…怖いのは君の方じゃないのかい?聞いたよ、ついに人間やめたんだって?なんだか悪いね、そこまでさせちゃって」
茶良井沢「はぁ?別にてめぇのためじゃねぇ…つまんねぇ事言ってると潰すぞ」
樋口「潰す?君の異能の師匠であるこの僕をかい?」
茶良井沢「俺の眼は進化した。今ならてめぇだって…!」
茶良井沢、絶対催眠魔神眼を仕掛ける。
しかし刹那、樋口の眼が妖しく煌る。
茶良井沢「ぐぁ!」
樋口「その程度でかい?」
茶良井沢「くっそぉ… これでもまだ届かねぇのか…」
樋口「君は仕事を果たした。だから僕に刃向かったことは忘れるよ。でもね、覚えておいてねダンくん。君は所詮、僕の実験動物にしか過ぎないってことを」
茶良井沢「くっそぉ… 樋口!いつか絶対にてめぇを超えてやる!」
樋口「フッフッフッ…」
ついに現れた黒幕 石井はどう出る!?
次回につづく!
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