多色の連鎖構築
不定形を追求してきて、一つ解ったことがあります。複雑な形であればあるほど、多くの色を必要とするということです。
自在に組まれた多重折り。しかし実現させるためには4色を必要とします。
折り返し底上げからのめくりで回収したり、後乗せで土台のキーを繋げたりといったテクニカルな連鎖構築。これも多色が要求されます。
凝った形になればなるほど、4色で構成しなければ困難ないし不能となってきます。
Tomさんの全連鎖理論なんてものはその最たるもので、4色の助力無しには事実上不可能な話と言えます。
例のブロマガに掲載されていた以下のシミュに関しては、よくぞ4色の範囲内で実現できたものだと感嘆するよりありません。
逆に言いましょう。多色がバラけるツモ、特にゾロが中々出現しないような時こそ、テクニカルな積みへのアプローチが有効です。
ここでシンプルな積みを目指そうとするとかえって余分なぷよが生じやすく、その対応に追われることになりやすいわけです(個人的な経験則)。
ただし、闇雲に難しい形を目指そうとするよりは、余分なぷよを仕込みとして有効活用するような考えのほうが良いかもしれません。
そして、多色がバラけるツモとは、即ちツモ補正が掛かっている状態と同じです。
ネットぷよの一時代を築いたぷよFクラシックにおいて、ふぃあねさんに代表されるような不定形の名手が複数名現れたという事実は、この事と無関係ではないのかも知れないと思うわけです。
少色の連鎖構築
さて、ツモ補正がない状態においては、特定の1色が来ない状態、さらに言えば特定の2色ばかりが集中的に来ることすらザラです。
つまり、少色です。
逆説的かも解りませんが、ツモ補正が無い、とは、ツモ補正があるときよりも少色なんです。
少色には多色と違う困難さがありますね。タブーによる制約の増加。
このような状況下においては、いわゆるシンプルな積みにアプローチするのが有効です。多色ツモで許されるような凝った事はあまり出来ないと考えるべきです。
とはいえ、まだ3色であれば工夫の余地も残されてはいますが。
問題は2色です。2色ツモの時の制約は実に強烈です。しかしツモ補正のない状況下においては、2色ツモへの対策もまた必要になってくるわけです。
市松模様の法則
手っ取り早く言ってしまいましょう。2色ツモは「市松模様」で捌きます。
以下の2色のみで構成された大連鎖。市松模様以外の何物でもありませんね。むしろそうする以外の工夫の余地などどこにもありません。
これ自体はネタの類かも分かりませんが、これを実際のツモ捌きに活かすことはできるということです。例えばツモが特定の2色に偏りそうな雰囲気を察知したら、とりあえず市松模様を意識した先置きをしてみる。
同色を斜めの位置関係に、がポイントです。
同色の斜めの位置関係。どこかで聞いたことある言葉ですね。
赤緑の大量出現を察知した2色置き
これまでのまとめ
- 多色(4色)ツモの時はその多色を捌けるように工夫を凝らす。不定形勢はその発想力を大胆に発揮すべし。
- 少色(3色以下)ツモの時はシンプル、スタンダードな形、伸ばし方を意識する方が良い。
- 2色ツモの時は市松模様状にぷよを並べていく。
これらをツモの状況に応じて使い分け、積みにメリハリをつけてみては如何でしょうということなんです。テクニカルな形もシンプルな形も両方やればいいわけです。一つの本線の中に簡単と複雑の両方が内包されるという面白い状況。シンプル、スタンダードな積みを目指すプレイヤーにとっても、テクニカル、アヴァンギャルドな積みを目指すプレイヤーにとっても、互いに深みが出せるようになるのではないかなと思います。
自分の場合、ぷよを通で始め、対戦は2ぷよでデビューしました。
クラシックを買ってその対戦環境に飛び込んだ時、当初はツモ補正のある環境にうまく順応できませんでした。ツモ補正なしの少色の感覚に順応していたからだろう思います。
無理に不定形をやり過ぎてスランプ化していたときに、4色ではなく3色でとこぷよしてみたら、かえってというか案の定というか中々苦労しました。多色で扱うべき形を3色で扱おうとしたからだろう思います(同様に、4色でのとこぷよに煮詰まっている方は、3色でのとこぷよ練習をオススメします)。
そうして経験的に得た感覚が、今まで書いてきた事に繋がっています。
さて、
市松模様の法則には続きがあります。当初その話も盛り込もうと思っていたのだけれども、かなり巨大な記事になりますし、これまでの話とはテーマが異なってくることもあるので、分割して次回に話を回そうと思います。
最終更新:2015年12月12日 13:30