夜。町外れの丘の上には、一本の大きな木がそびえ立っている。
「アイツ」は一人、寂しそうに俺が来るのを待っているに違いない。
……それにしても、いつの間に余計な噂が広がってやがるとは。
早く「アイツ」を迎えに行かないと……
__ザッ
「……!!」
……俺と「アイツ」の他に何者かが居るらしい。
場合によっては護衛の仕事をする必要がありそうだ。
「……出て来い」
木の後ろ……何者かが現れる。
微かな月明かりが黒い影を映し出す……
……黒い、男……また「アイツ」を奪おうとするのか……!!
渡してなるものか。俺の大切な者を、黒い男なぞに!!
「ここから立ち去れ……!!」
最終更新:2013年04月21日 15:44