勇樹とクリフォードが見たのは、ディガウドのマザーが卵を孵化させようとしている光景だったのだ。
勇樹「・・・アイツが親玉か。」
クリフォード「コイツを倒せば、ディガウドを根絶やしに出来る筈だ・・・。」
勇樹たちは物陰に隠れて様子を伺っていた。
マザー・ディガウド(以下マザー)「よく来たな、我が子よ。さあ、私の栄養の糧となりなさい!」
シュッ!ザクッ・・・
ディガウド「うおおおおお!」
グチュグチュグチュ・・・
クリフォード「!?」
一瞬、クリフォードは目を疑った。マザーは、仲間のディガウドに尻尾を突き刺し、エネルギーを吸収しているのだ。
勇樹「成程・・・そういう事か。」
クリフォード「どういう事だ?」
勇樹「マザーは人間を食べなくても、部下のディガウドに人間を喰わせておき、そのディガウドを吸収して自分のエネルギーにしているって事だ。」
クリフォード「そうか・・・道理でディガウド達の活動範囲が広がらないのはその為だったのか・・・。」
マザー「どうやら人間の手練が二人ほど此処にいるようだな・・・!」
勇樹「・・・気づかれたか」
クリフォード「・・・チッ。」
マザー「さあ出てきなさい!私を殺しに来たのだろう?私は逃げも隠れもせん!!!」
マザーの前に勇樹とクリフォードが現れた。
マザー「出てきたカ、人間。さあ、私を倒して、人間共に平和を取り戻してみセよ!!」
勇樹「望み通り、倒してくれる!」

地下2階では、勇樹達に随伴し残った連邦兵が、多数のディガウドと戦闘を行っている。
連邦兵I「数が多すぎる!」
連邦兵K「諦めるな!隊長の約束を破るわけにはいかない!」
ディガウド「ガァァァァ!!」
連邦兵I「うわあああああ!!」
ディガウドの一体が、連邦兵Iに向かって襲い掛かってきた。その時!
ビュウウン!
ディガウド「うぎゃああッ!!」
飛び掛ったディガウドは、ビームによって殲滅された。
連邦兵I「え・・・?」
磐田総司令「撃てぇぇぇぇ!!」
バババババババババ
ディガウド達「ギャアアアアアアア!!」
弾幕がディガウド達に当たり、一瞬の内に一掃された。
磐田総司令「大丈夫か?!」
連邦兵K「あ・・・だ、大丈夫です!」
磐田総司令「さあ、勇樹特務隊長の元へ急ぐぞ!」
連邦兵達「了解!」

そして最深部では、マザーと戦う勇樹とクリフォードがいた。
勇樹「『サンダースマッシャー』!!」
バシュゥン!
マザー「ぬがぁぁぁぁぁ!!!」
勇樹が放った電撃魔法は、マザーに対して大きなダメージを与えた。
クリフォード「くらえっ!」
バァン!
クリフォードは、猛毒性の液体を塗った弾丸をマザーに撃った。
マザー「うぐぅ・・・毒と電撃・・・私の弱点をついてくるとは・・・!あぁぁぁ!!」
ドシャアアアン・・・
マザーは倒れた・・・。そして同時に駆けつけてきた磐田総司令達。
勇樹「総司令!」
磐田総司令「勇樹特務隊長、クリフォード隊長。良くやった。」
勇樹「総司令・・・人間の科学は、災厄しか生み出せないのかな・・・?」
磐田総司令「それは、歪んだ心を持つ人間が、科学に手を出した結果なんだ。『科学の力では尊い犠牲も必要』と言われるが、それは単なる言い逃れにしかすぎない。」
勇樹「そうだよな・・・。」
磐田総司令「残っている卵の処理をしろ!一つ残らずだ!」
勇樹「犠牲もあったけど、やっと・・・平和になるのか・・・。」
勇樹は喰われて死んでいった仲間たちの事を思いながらも、事件は解決し安堵した。
ググ・・・
磐田総司令「勇樹!危ない!!」
勇樹「っ?!」
マザー「・・・まァァだァァだァァァァァァ!!!!」
死んだはずのマザーが動き始めたのだ。不意をつかれ、勇樹は回避・防御する事は出来なかった。
クリフォード「死に損ないが!!!」
バァン!バァン!バァン!
クリフォードは銃を撃つが、マザーの勢いは衰えない。絶体絶命・・・その時!
ドスッ・・・!!
「うあああああああ!!!」
勇樹「あ・・・ああ・・・先生ぇぇぇッ!!」
磐田総司令は、勇樹を庇ってマザーの攻撃を受けてしまった。そして、腹部が尻尾によって貫通されてしまったのだ・・・。
マザー「チッ、外した・・・!」
勇樹「貴様ガァァァァァァァ!!!!!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・・
勇樹は力を解放し、覚醒した。
勇樹「滅せ・・・『幻夢零』!!!」
ブンッ!ズシャアアア!
マザー「ぬぅおあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
マザーは巨大なセイバーウェーブに飲まれ、消滅する
勇樹「・・・先生!先生!!しっかりしてください!!」
磐田総司令「勇樹君・・・私はもう、ダメかもしれない・・・。」
勇樹「何弱気なことを言ってるんですか!!今からでも間に合います!」
勇樹は回復魔法を使おうとしたが、磐田総司令の手に掴まれてしまう
勇樹「放してください!でないと、先生が・・・!」
磐田総司令「勇樹君・・・実は、私は余命を宣告され、今日が私の命日になるんだ・・・。」
勇樹「え・・・?」
磐田総司令「地球連邦軍の時代に、私は科学テロ事件を捜査していた。だが、テロリストの攻撃で毒を浴びてしまい、余命3年を宣告されてしまった。今日でその3年目になったのだ・・・。」
勇樹「そんな・・・!」
磐田総司令「そこでだ、新たなる総司令の座を・・・勇樹君に与える事にする。君なら、この世界を平和に導く事が出来るはず・・・!」
勇樹「先生!!」
磐田総司令「・・・只今をもって、深澤勇樹特務隊長を・・・時空連邦総司令に任命する!!」
勇樹「・・・!」
磐田総司令「・・・後は・・・頼んだぞ・・・」
磐田総司令は、息を引き取った。
勇樹「磐田せんせぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!」
勇樹は絶叫した。その声は、地上に届くほど大きかった。
クリフォード「勇樹・・・」

地上・生物研究所入口
連邦兵Q「研究所内のディガウドは全て殲滅、処理しました。」
勇樹「了解。地下室の資料を全て回収しろ。兵士の遺体もだ。」
連邦兵Q「了解!」

これが、勇樹が総司令になった悲しき話であった・・・。

そして、場所は変わって、磐田元総司令の墓標。
勇樹「というわけだ。」
美希「ハニーにとって大切な人を失ったんだね・・・。」
クリフォード「勇樹、久しぶりだな。」
勇樹「クリフォード!元気にしてたか?」
美希「ハニー、この人誰?」
勇樹「紹介するよ。この人が、かつて僕の同僚だった・・・」
クリフォード「クリフォード・エヴァンスだ。よろしく頼む。この娘は?」
勇樹「そういや紹介してなかったか・・・。この子は、俺がプロデュースしているアイドルの・・・」
美希「星井美希。宜しくなの!」
クリフォード「もしかして・・・勇樹の彼女かな?」
勇樹「ま・・・まあ、そんな感じだな。クリフォードも墓参りに?」
クリフォード「ああ、磐田司令には色々お世話になったからな・・・。」
クリフォードは、花束を墓標に置いた。
勇樹「先生・・・世界の平和を必ず守ります・・・!だから、見守ってて下さい・・・!」
勇樹も、花束を墓標に置いた。
勇樹「そうだ、何か食べていかないか?俺、奢るからさ。」
クリフォード「・・・いいのか?じゃあ、お言葉に甘えて・・・。」
美希「わーい!ハニーのご馳走なの~!!」
こうして3人は、レストランへ向かい、仲良く食事をとった。

END...

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2012年08月17日 19:04