ここは、俗に言うファンタジー型RPGの世界である。
その中でも定番な魔法、時として人を困らせる魔物……
この世界でも人々は様々な職業に就いているが、この世界では
魔物を撃退する職業の人気が高い。
[魔導師]や[近衛兵]もそれらの職業に含まれる。

ガシャ……
「今日もお疲れさん」
「……ああ」

時刻は夕方。
この近衛兵は、ちょうど建物の見張りを終えてきたらしい。
……今の時代、魔物退治だけが仕事という訳ではないようだ。

「ホントお前って仕事熱心だよな……食いに行くか?」
「お前がサボり癖なだけだろ、仕事しろ」
「まあそう言わずに、オレも今さっき交替したところだし、なあ?」
「(絶対暇だからって抜け出してきただろ……)」
「よし決めた、さっさと行くぞー」
「おい待て……」

どうやらこの二人、結構仲が良いらしい。
仕事熱心な男……ジェイドは嫌々ながらも(というか半ば引き摺られつつ)、大通りから外れた小さな店に入った。

カランカラン…
扉を開けると、初老の男が椅子に座っていた。
「いらっしゃい……お、また来たね」
「へーい、オレはいつものでお願いします」

ただぼんやり眺めているジェイド。
「ん?どうしたんだ」
「……知り合いか?」
「おう、此処のマスターだぜ」
「はじめまして、君は……ケインの親友だね?」

どうやらサボリ癖の男……ケインと言うらしい。

そういうわけで、二人はマスター自慢の料理を食べつつ、とり止めの無い話をした。


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最終更新:2012年09月13日 18:19