さて、前章では、シュレーディンガー方程式を導いたわけですが、
この章ではシュレーディンガー方程式のもっとも簡単な例である、井戸型ポテンシャルの中の電子について考えましょう!!
この章ではシュレーディンガー方程式のもっとも簡単な例である、井戸型ポテンシャルの中の電子について考えましょう!!
流れ

図のように空間を考えます。すなわちポテンシャルエネルギーU(x)が
図をよ~く見ると何か井戸っぽい感じがしませんか?
では、まず井戸の底、すなわちU(x)=0の部分を考えます。
ハミルトニアンHは
今U(x)=0の時を考えているので
です。だからシュレーディンガー方程式は
変形して
と、置くと
この式はめっちゃくちゃ有名で、この微分方程式の解は
です。(実際に解になっているかどうか各自試してみてください!)
次に境界条件を考えます。
x=0,x=aの所でポテンシャルエネルギーが無限大になるということは
を意味します。(※なぜこのようにするかはこの章の後の方でわかってきます)
よって
ここで
とすると、
となって物理的に意味がない。
したがって
したがって
と、すると
すなわち
よって、
ところで、さっき
と、置いたので
さてこれでとりあえず一次元シュレーディンガー方程式が解けたわけですが、
先ほどから頻繁にでてくる波動関数ψ(x)とははたして何なのでしょうか?
先ほどから頻繁にでてくる波動関数ψ(x)とははたして何なのでしょうか?
実はこの波動関数の2乗は電子の存在確率を表しているのです!
より正確に言うと
が、x~x+dxに電子が存在する確率に比例するのです!(←ここ重要)
こう考えるといろいろとうまくこじつけることができます。
こう考えるといろいろとうまくこじつけることができます。
じゃ、とりあえずさっきの一次元井戸型ポテンシャルについてもう一度振り返ってみましょう。
一次元井戸型ポテンシャルでは、ポテンシャルエネルギーU(x)は、
一次元井戸型ポテンシャルでは、ポテンシャルエネルギーU(x)は、
でした。
ポテンシャルエネルギーとは、電子が感じる壁のようなものです。
x=0~a以外では、U(x)=∞ですので、電子の目の前には高さが無限大の壁が立ちはだかっているようなもので、電子はその領域にはいけません。
x=0~a以外では、U(x)=∞ですので、電子の目の前には高さが無限大の壁が立ちはだかっているようなもので、電子はその領域にはいけません。
したがって、x<0,a<xの領域では(存在確率)=ψ(x)の2乗=0となり、したがって、x<0,a<xの領域では
となります。
また、x=0,x=aのところは壁と平地の境界となるわけですが、
この境界で突然電子の存在確率が大きく(不連続に)変化してしまっては不自然です。
したがって、x=0,x=aでは
この境界で突然電子の存在確率が大きく(不連続に)変化してしまっては不自然です。
したがって、x=0,x=aでは
となります。
規格化
また、確率といえば忘れてはならない重要なことが一つあります。
それは全確率は1であるということ。
これは、古今東西変わらない事実でしょう。
それは全確率は1であるということ。
これは、古今東西変わらない事実でしょう。
先ほど、
が、x~x+dxに電子が存在する確率に比例するのです!と、言いました。
ですからこれを全空間で足し合わせると1になります。
これを式にすると
ですからこれを全空間で足し合わせると1になります。
これを式にすると
これに、井戸型ポテンシャルで導いた
を代入してみます。
(ここで波動関数が0の所は積分しても0なので考えていません。)
よって
これより、波動関数ψ(x)は
以上で一次元井戸型ポテンシャルについて波動関数が解けました。
添付ファイル