パトリック・コーラサワーは、一人思案していた。
当人に似合わない事この上ないが、動くこともなくじっと考え続けていた。
上司であり妻であったカティ・マネキンが知れば熱でも出したかと思いそうな光景だが、当人は至って真剣である。
外見や言動の為に誤解されやすいが、パトリック・コーラサワーという男は、極めて優秀なMSパイロットである。
AEUの最上位の10人と認められるパイロットでなければ与えられない、擬似太陽炉搭載型モビルスーツ。GN-Xを受領した10人の内の一人であり、
出る度に撃墜され『不死身のコーラサワー』等と揶揄されても、配置換えを行われる事なく最前線に置かれ続け、
弱卒を連れて行く余裕など微塵も無く、文字通りの最精鋭で当たった対ELS迎撃戦に於いては、一万倍以上の数に加え、ELSが次々と地球の兵器に擬態し、
味方が次々と擬似太陽炉を暴走させての自爆に追い込まれて行く程の劣勢の中で、味方からの援護もないまま最後の局面まで生き残っていた。
同時代に生きた英霊達……ガンダムマイスター達やグラハム・エーカーといった面々と比べれば、
派手さは無いものの生存能力という点では比類無く、高い技量と併さって実に使い易いパイロットだった。
要するに、パトリックコーラサワーという男は“パイロットとしては”極めて優秀ではあった。
パイロットとしては。
では指揮官としては?
失格である。
当人の高いセンスが幸いして小隊長クラスなら勤まるものの、それ以上は危ういものである。
加えて当人が自分で考えないで出来る他人に思考を丸投げする為に、前線の部隊指揮官以上の事が出来無い。
良い指揮官に恵まれれば、その技量と強運をフルに活かせるが、指揮官に恵まれなければそれまででしか無い。
つまりパトリック・コーラサワーというサーヴァントの強さは、良くも悪くも上司────聖杯戦争ではマスター────次第なのである。
ではそのマスターである
白菊ほたるは、パトリック・コーラサワーというサーヴァントを充分に活用できるかといえば────全く期待できない。
何しろ荒事とは全く無縁の小娘だ。戦闘において的確に指示を下す事も、今後の身の処し方を考える事もできるはずが無い。
コーラサワーは考えた。どうすれば良いか考えた。
手っ取り早い手段としては、生前のように“信頼できる人物を見つけて丸投げする”というものだが信頼できる人物が見つかるまでどうするのか?
これが問題だった、
出会えることに関しては、コーラサワーは『生きている時に大佐に出逢えたように、今度もまた逢えるだろう』位にしか考えていない。
自身の規格外の強運を全く考慮する事なく、出会えると信じているところは、パトリック・コーラサワーのコーラサワーたる由縁の事だった。
だが、未来の出会いなど、現在のコーラサワーには意味がない話である。
兎に角当座をどう凌ぐか、その事について、コーラサワーはひたづら考えていた。
生きている頃なら知恵熱待った無しだった事だろう。
そうして考えに考え抜いた結果────。
。
「大佐なら帰る方法と、この戦いを起こした奴を倒す事と、何よりも民間人を守ろうとするだろうな〜、と」
記憶にあるカティ・マネキンの言動を全て掘り起こし、“大佐ならどうするか”を行動の指針とする事に決めたのだった。
そして現在、コーラサワーは蒼穹を飛翔している。
カティ・マネキンなら、この事態にどうするか?この疑問に対してコーラサワーの出した答えは三つ。
ほたるのような民間人を戦闘に巻き込む黒幕の打倒。
民間人に危害を加える輩の殲滅。
ほたるのような、巻き込まれた民間人の保護。
カティ・マネキンのなら、この三つを行動方針とするだろう。
この事をほたるに話して同意を得ると、コーラサワーは早速宝具を使用し、GN-XⅣを駆って飛び立った。
目的は街の地形の把握。及び敵性勢力の釣り出しである。
尤も情報を収集する事を失念していたため、無為に街上空を飛び回るだけだったが。
この場合の情報とは、街に流れる噂を指す。
何処其処で怪しい影を見た。何処其処で人が行方不明になった。
こうした噂を丹念に集めた上で吟味すれば、効率良く目的を達成できたのだろうが。
ましてや、初日に昼間から行動を起こすような者が居るわけもなく、コーラサワーは虚しくほたるの元へと帰投したのだった。
「……………なんだありゃ?」
佐藤和真の家の屋根の上に陣取り、周辺の警戒と索敵に当たっていた
空条承太郎は呟いた。
視線の先に有るのは、コーラサワーが駈るGN-X。
「あの高さであの大きさ………やれやれだぜ…面倒な奴が居るもんだ」
百戦錬磨という言葉ですら追いつかぬ戦闘経験を持つ承太郎だが、空を飛び回る相手や、デカブツ相手は殆ど経験がない。ましてや療法を兼ねている相手など絶無。
敵対した場合、どう対処し、どう仕留めるか。
考えている間に、GN-Xは蒼穹の彼方へ消えて行った。
E-1/住宅街1日目 昼(12:05)】
【空条承太郎@ジョジョの奇妙な冒険】
[状態] 健康
[装備] 無し
[道具] 無し
[所持金] マスターに依存
[思考・状況]
基本行動方針:マスターを護る
[備考] GN-Xを確認しましたが、大雑把な大きさくらいしか把握していません。
「………居るわけないか」
破壊されつくしたビルの屋上でコーラサワーは呟いた。
夜間になり、合流したほたる共々索敵を続けていたコーラサワーは、センサーにビル群から強力な魔力反応を建築、即座に急行した先で見たものは、
白と青のカラーリング、黄色く光る眼、そして頭部の二本の角。
────ガンダム⁉︎
あの形状は間違いない。見覚えの無い機体で、尚且つ小さいが、ガンダムタイプのMSは複数存在するし、大きさに関してもコーラサワーの駆るGN–Xも小型化しているのだから、アレはガンダムで間違い無いだろう。
「マスター!アイツのステータスの確認を!!」
「えっ!?は…はいっ!」
高揚する気持ちを抑えて、ほたるにステータスを確認させる。後は交渉に有利な場所に陣取って────。
刹那。ほたるがステータスを確認する間も無く、敵として戦い、アロウズやELSとは共闘した因縁深い存在に気を取られたコーラサワーのGN–Xを、飛来した高エネルギー体か捉えた。
「のわああああああう!?」
「きゃああああああああ!?」
被弾した場所とタイミングが悪く、ほたるとコーラサワーの悲鳴と共に、GN–Xは堕ちていった…。
そして三十分後…再度GN-Xを駆り、苦労して探し当てたビルの屋上に現れた二人は破壊跡しか見つけられなかった。
「ひどい……」
ほたるの呟きも尤もで、上空から見下ろすビル群は、複数のビルの屋上どころか最上部が吹き飛び、高熱で溶けていた。
その威力は最初に戦ったアーチャーの比では無い。
戦闘の痕跡に緊張するほたるを余所に、コーラサワーは腕を組んで思案していた。
────GN-Xを一撃で破壊する威力といい…GN-Xが有るからって油断はできねぇな……。
召喚直後に戦ったアーチャーといい、先程GN-Xを落とした奴といい、相当な火力を持つ者がこの戦いに複数召喚されたらしい。
────やっぱり大佐の真似は疲れるなぁ……。
其処まで考えたところで、コーラサワーは疲れて考えることを止めた。
やはり自分には、考える事よりも行動する方が合っている。
「早く見つかんねーかな。大佐みたいに信頼できる相手」
大佐並なんて存在しないから其処までは期待していないけど。
【D-2/破壊されたビル群の上空1日目 夜(23:05)】
【白菊ほたる@アイドルマスターシンデレラガールズ】
[状態] 健康、GN-X搭乗中、魔力消費(小)
[令呪]残り3画
[装備]
[道具] なし
[所持金] 普通
[思考・状況]
基本行動方針:無し
【ライダー(パトリック・コーラサワー)@機動戦士ガンダム00】
[状態] 健康、GN-X搭乗中
[装備] 拳銃
[道具] 無し
[所持金]
[思考・状況]
基本行動方針:大佐ならどうするか考えて行動する
1.民間人を戦闘に巻き込む黒幕の打倒。民間人に危害を加える輩の殲滅。ほたるのような、巻き込まれた民間人の保護。
2..ガンダム!?
3.GN-Xが有るからといって油断は禁物
[共通備考]
一日中飛び回っていたのでランサー(空条承太郎)以外にも見られたかもしれません。
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最終更新:2023年10月13日 11:09