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赤木しげるはシゲラナイ

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赤木しげるはシゲラナイ ◆EKhCqq9jsg



 彼は、何もしたくなかった。

 あの良い意味で最悪だった勝負を終え、あの世でゆっくりする予定だった。
たぶんあの勝負は俺たちの勝利で終わったであろう。
そう考えながら彼はタバコをふかす。

 さて…… 自分はなぜまた殺し合いに呼ばれたのか……
いやそんな事はわかっている。おそらく選ばれたのだろう。
この主催は活躍を知っているからこそ、
自分達を呼んだのであろう。認めたくはないが。
名簿を見た限り、知っている人物は何人もいた。
そして自分と全く同じ名前があることも知った。

 彼は決めた。この殺しにあいには一切関わらない。
つまり勝つための行動をしない。

彼は…… 生きる事に興味がなくなっていた。

☆ ★ ☆ 

「ねえふじおか? どうしてまたこんな事をしなくちゃいけないんだろうね?」

 南春香はふじおかを抱き共に──ふじおかとは妹が大切にしているくまの人形である──
豪華客船内を歩いていた。

 彼女は一度これと全く同じような展開(と言っても色々と混沌としていたが)
を経験していた。
そのとき彼女は数多くの仲間を失い……
数多くの仲間と共に世界の崩壊から救った。
その後彼女は弟と妹と平穏に、何事も無く生活していた。

 がその平穏も長く続かなかった。

「千秋に赤木くん、アナゴさん、6/さん、柊さん、朝倉さん、長門さん、遊戯くんって、
最後一緒に戦った人みーんないたね、やっぱりあいつが言ったとおり、
みんな参加者だったのかな? 」

 上記の人物は南春香と共に世界を救った仲間達であり、
同時にこの殺し合いに参加している人物でもある。
ちなみに一番初めに言っている千秋とは、彼女の妹である。
そしてアイツとは…… もちろん主催者のことを表す。

 そこで南春香は考える、奴らは前回の主催者の仲間で、
私たちに復讐をするためこの殺し合いを仕組んだのではないかと?
しかしそれではおかしい事が幾つかある。
一つ目はわざわざこんなことをしなくてもいくらでも復習するチャンスはあるということ。
二つ目は参加者が多すぎること。各所で色々なことがあったとしても、
直接手を下したのは9人のみ、だけど名簿を見る限り
この殺し合いにはそれ以外の人が多くを占めている。
しかも志半ばで散ってしまった仲間の名もあった。
これでは復讐ではない。ただのやり直しだ。

南春香はここまで考えたが、如何せん情報不足。
これ以上考えることをしなかった。この後はもっと専門的な知識を持つもの
例えば長門さんや朝倉さんなんかはそうだろう。
また赤木くんやアナゴさんなら鋭い直感で幾つか感じ取ってしまうかもしれない。
今考えをまとめるよりもこれらの人たちと接触してからでも遅くはないだろう。

 と言うわけで今現在南春香は豪華客船内を散策している。
武器も持たずに? と思う方もいるかもしれないが、
彼女は──笑わないで聞いてほしい──竜に変身できる。
だから不意打ちされない限りは彼女は死に達する怪我を負う事もないのである。
最も幾つか制限もされていそうだが。

 数分歩いたころであろうか、南春香はこの場所が他とは違った臭いをしていることに気がついた。
比喩ではなく、本当に違う臭い──あまり好きではない臭いだが──がしたのだ。
 南春香はこの嫌な臭いに覚えがあった、がうまく思い出せない……
考えながら臭いの元のほうに歩き気づく。

「あ、これタバコの臭いだ」
 彼女は思い出す。仲間達の中で唯一タバコを吸っていた人物と全く一緒の臭いだと言うことを。
そしてその人物とは。
「赤木くん? 」
 赤木しげる。上気されたとおり南春香と一緒に行動した一人であり、
彼はリーダー的存在であった。
年は妹より少し上だけど、冷戦沈着で誰よりも大人っぽく、妹にとってお兄さんみたいな存在であった。
そして、タバコを吸っていた。

「もしかしたら……」
もしかしたらこのタバコを吸っているのは彼かもしれない。
そしたらとても心強い。彼なら主催者を倒す策をたくさん持っている。
だけど、喫煙者なんてものはこの世に何人もいる。
このタバコの臭いの元に彼がいるとは限らない、
むしろこの殺し合いに乗っている悪党かもしれない。

 そうこう考えているうちに、春香は臭いの元の部屋──スイートルームだった──の前についた。
この扉に入るべきか…… 彼がいる確率はそう高くはない。
ここでこの扉を開けなくても何の問題もない。

 彼女は少し悩んだ結果部屋に入ることにした。
最もドアを少し開けて中の人物を確認してからという方法をとるつもりだ。
これなら中にいる人物が危険人物であったとしても色々対処できるからである。
彼女は扉を開けた。その先にいたのは……

「赤木くん……!」

かつて共に戦った赤木しげるがそこにいた。

「赤木くん! 久しぶり!」
 南春香は目の前にいる赤木しげるに近づきながら、
うれしそうに話しかける。
「赤木くん…… 本当にどうしてまたこんな事に…… いやそれより早く……」
 南春香は色々と話したいことがあったが頭の中がうまく整理が出来なかった。 
そんなことでアタフタしていると、南春香が来てから一言も口を開けていない赤木しげるが
春香の話をさえぎるように口を開く。
「なあ」

そしてもう一言。

「あんたは……? 誰だ?」

「え……?」
 南春香の顔が、先ほどまでとは変わって深刻な顔つきになった。
「誰って…… 私は南春香よ?」
「知らないな…… 少なくとも俺の記憶…… 『赤木しげる』の記憶では、
『南春香』と言う名前は聞いたことがない」
 南春香の問いに対してアカギは冷たく、そして的確に答える。
「え…… でもあなたは確かに……」
「少し勘違いをしているよ。 名簿をちゃんと見てみろ…… しっかりな」
 南春香は取りあえず不思議に思いながらバッグに入っている名簿を取り出し開いた。

「そこに書いてあるとおり…… 『赤木しげる』と言う名前は二つある…… 
できれば同姓同名の赤の他人であって欲しかったんだが…… でもやっぱり俺だったか……」
 確かに赤木しげるの名前は二つあった。もちろん春香も一度見た時に疑問に思った。
同一人物がこの場所にいると言うことも考えていた。
が彼女が以前見た別の同一人物はどれも雰囲気や性格が異なっていた。

しかし目の前にいる赤木しげるは雰囲気は自分の知っているのと一緒だった、
ひとつ違うところがあるとすれば……
「少し、私が知っている赤木くんより背が大きいかな」
「そうか…… と言うことは今の俺より若い俺か」
 目の前の赤木しげるは、少し背が伸びていて大人になっていた。

「赤木さん…… でいいのかな?」
「クク、別に何でもかまわないさ」
「じゃあ赤木さん、とりあえず情報交換しましょうか?」
 南春香は目の前の赤木しげるが自分の所にいた赤木しげると
違うことを確認した上で彼に話しかける。
「そのあとここを出て、みんなが集まりそうなところに行って、
一緒に戦う人を探しましょう?」
 南春香は自分の意見を述べた。いやこれは普通の人間ならば簡単に考え付き、
行動に移したいと思っていることだ。

 そう普通の人間ならば。

「悪いが南春香…… だったかな……? 俺はこの部屋から何があろうと一歩も外に出ない。
いや、もっと簡単に言おう、俺はこの殺し合いに参加はしない、生き残る努力をしない」
 赤木はタバコを吸いながらハッキリこう言った。
と同時に南春香は混乱する。言っている意味がわからない。
いや、もちろん意味はわかっているが、うまく理解できない。

「え……? それって…… ここが禁止エリアとなったとしても、
誰かが襲撃してきたとしても?」
 南春香はとてつもなく動揺している。
「ああそうだ。俺にとっての殺し合いはもう終わったんだ。
だから俺は何もしない、情報収集も、交流を深めることも、もちろん人を殺すこともだ……!」
「どうして……? どうしてそんなことを言うの?」
「前回の殺し合いで全部すんだことだ……
俺は『赤木しげる』として命を賭けて主催の打倒に奔走した……
そこで俺は…… 100%とは言えないが…… うまくやりとげ……
『赤木しげる』としての人生を終えた。だから俺にとっては…… これは無意味な余興にしか感じない
前回の俺を否定するような…… 馬鹿な出来事には付き合うつもりはない……
だから俺は何もしない…… 自分を生かす努力をしない……」

 赤木にとってこれは無意味なことであった。
すべてを賭けて戦った一度目の殺し合いより緊張感が劣り、
そして何よりも『赤木しげる』がしてきた事を全て否定するようなことは絶対にしたくはなかった。

「だから俺と情報交換をしても意味がない。悪いがこれは俺の下らない意思さ……
 わかったか? だからさっさと俺のバッグを持って出て行ったほうが得だ」
赤木はそういって南春香を追い返そうとする
「いや、ちょっと待って…… 私もここに残るわ」
「え……?」
がしかし南春香自身はここに留まるつもりだ。

「だって…… 私が知っている赤木くんは絶対にこんなことは言わない」
「だったらそいつの方が人間として出来ているってことだろう」
「違うわ…… そんなことを言っているんじゃないの…… 
私の知っている赤木くんはあまり自分の生き方や価値観を話す人じゃなかった、
興味があるの、赤木さんが歩んできた殺し合いの事はもちろん、
赤木さん自身の事も。私が知っている赤木くんは全く自分のこと教えてくれなかったから、
だから私はあなたを知ってみたいの」
 南春香は赤木しげると行動していたが、何も知らなかった。
いや教えてくれなかった。だから気になっていた。
赤木が何を考えいるのか。家族はいるのか。どのような趣味があるのか。
『赤木しげる』と言う不思議な人間の事をただ単純に興味本位で聞きたかった。

赤木は少しキョトンとし、少し間があいたあと口を開いた。
「ククク…… どうやら『赤木くん』はとっても人望があったようだな……
こんな事聞かれるとは思ってもいなかった。 ククク…… 構わないよ、
ただその前にあんたのところの殺し合いと『赤木くん』について語ってもらうのが条件だ」
予想外の事を言われて思わず苦笑いをしながらこう言った。
と同時に南春香も微笑む。そして自分の話をする事に同意した。

 違う世界から来た2人の経験者。
男は自分を保つために放棄し、女は皆を守るために行動する。
全く正反対の考えを持つ彼ら。
しかし今2人は同じ人物に対して興味が沸いている。
その人物の名は……


【A-7/豪華客船内スイートルーム/1日目-深夜】

【南春香@カオスロワ】
[状態]:健康
[装備]:ふじおか(くまの人形)@カオスロワ 
[持物]:基本支給品一式、不明支給品(1~2個)
[方針/行動]
 基本方針:ゲームに乗らない。仲間を集めて主催を打倒。
 1:赤木しげるに自分の話しをする。
 2:その後彼の話を聞く。
 3:仲間と合流する。特に千秋とは絶対合流する。

[備考]
 ※5期最終話エピローグ後からの参戦です。
 ※龍に変身できますが、幾つか制限されているようです。


赤木しげる(19歳)@漫画ロワ】
[状態]:健康 
[装備]:マイルドセブンワン@現実
[持物]:マイルドセブンワン1カートン(実質9個)@現実、基本支給品一式、不明支給品(1~2個)
[方針/行動]
 基本方針:何もしない。興味がない。
 1:『赤木くん』についての話を聞く。
 2:その後自分の話をする。

[備考]
 ※死亡後からの参戦です。
 ※現段階ではこの部屋を出る気はありません。
 ※いつ死んでもいいと思っています。


009:イノセント~罪を負いしままで~ 投下順 011:めぐりあう双星
009:イノセント~罪を負いしままで~ 時系列順 011:めぐりあう双星
南春香 037:「狂気の沙汰ほどおもしろい…ッ!」
赤木しげる(19歳)



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