らき☆ロワ @ ウィキ

「狂気の沙汰ほどおもしろい…ッ!」

最終更新:

Bot(ページ名リンク)

- view
だれでも歓迎! 編集

「狂気の沙汰ほどおもしろい…ッ!」  ◆75Ilw0PY2s



紳士、淑女、そして少年少女の皆様…。
大変長らくお待たせいたしました、これより再び物語の螺子を巻きたいと思います。
今回司会を勤めさせていただくのはこのしがない、哀れな道化師でございます。
血生臭いこの演劇に少しでも笑いを、とのことでありまして…、ククク。

さてさて、前座にそう時間を費やすわけにはいきません。演目をご紹介いたしましょう…。
舞台は豪華客船の一室。極上のスイートルームの中、出てくる役者は二人。
タバコの臭いが部屋を埋め、水上に浮かぶその部屋はあたかも捕らえられた独房かのようでございます。
ミステリーにはうってつけの舞台でございますが、残念ながら今回は名探偵も殺人鬼も登場はしません。
最も…ククク…今回はですが。
だが落胆されることはありません。それ以上のスリル、そして恐怖、そして何より…。
おっと、失敬!これ以上は演劇そのものを見て頂いた方がよろしいでしょう…。

螺旋のように複雑に絡み合った二人の運命。
男は彼を知っている。少女は彼を知っている。男は彼を知らない。少女は彼を知らない。
悪戯のように仕組まれたこの状況…ッ!まるで神が興味をもったかのように、この男と少女に…ッ!

長々と蛇足を述べましたが何はともかくこの演劇をお楽しみください。
それでは幕を開けましょう。
赤木しげる、そして南春香。二人が奏でる物語を…ッ!



          ◇  ◆  ◇




肺一杯に煙を溜める。その怠惰と強欲を濃縮したかのような味を幾らか楽しんだ後、口からゆっくりと吐き出す。
空気中に溶けるそれを見つめる。
儚いその一瞬の美しさに男は見惚れるわけでもなく、少女へと目線を向ける。
淀みなく話を進める彼女の表情。意識せずとも、もはや彼の中の本能のような部分が彼女の心理を映し出す。
その目に映ったものは何か。

ただ確かなのはそれはとても大きな、彼女の年には相応しくないほど巨大な感情だろうと言うことだけだ。

少女の言葉が途切れる。所々言葉が詰まったのは彼女の年相応の死への苦しみだろう。
だがそれでも彼女は話しきる。そうして沈黙だけが二人を支配した。

混沌。男が思ったことはその二文字に集約された。
例えるならば自分が通った殺し合いはルールと言う制約がある麻雀。あくまでノーマルの。
しかしながら彼女の話したそれはあまりにも無茶苦茶。
例えるなら机に牌がバラ撒いてあり、暴力でも何でもいいから役を揃える麻雀。そんなアブノーマルな。

彼の表情が微かに変わる。少なくとも先ほどの『生』を放棄していた彼とは。
『赤木しげる』がしてきたこと、そしてその混沌の世界の殺し合いを聞き。
そしてやはり思った。おもしろい…、と。
ぶれることなく立っていた彼のその柱に触れたのはやはりもう一人の彼か。
しばらくの後少女が尋ねる。
赤木さんの…殺し合いはどうだったの、と。

しばらくの沈黙。さざなみだけが二人の耳を突く。
母なる海、その真ん中に抱かれ、少女はただただ返事を待った。
タバコを咥えなおした彼はゆっくりと煙を吐き出す。幾らかその動作を繰り返す。

十数分がたった。

沈黙に耐えられず、少女が口を開きなおそうとしたのを見計らったように男は言葉を口にした。
少女は耳を立てた。
過剰な形容詞を乗せることなく、あくまで客観的に経緯を語る。
そこには誇らしげな感情を込めることもなく、悲壮感を漂わせるわけでもなく。

淡々とした話が終わった。視線を少女に向ける。
驚愕と感動と呆然。其々が3対1対6でブレンドされてるようかの表情。
僅かに口端を吊り上げると男は机でタバコの火を消す。

窓まで歩いていくと闇に染まる海を眺める。
その瞳にそれ以上の闇を宿しながら。
硝子に映る自分の顔を見つめる。
その脳裏に何処までも広がる漆黒を抱きながら。

背中越しに少女の声を聞く。
やっぱり赤木君…ううん、赤木さんは凄いわ………、との言葉を。
そして。
やはり来たか、と男は誰ともなしに呟く。予想通りの頼みを少女がしてきたから。
彼女は頼む。
そんな『赤木しげる』ならば今回の殺し合いを止めれるだろう、だから手伝ってくれ…との言葉を。

少女は期待していた。一方で諦めもしていた。
男との会話で『赤木しげる』、その人間性がわかった。理解できない、ということがわかった。
そして彼はぶれない。折れない。壊れない。
それがわかった以上、彼女はこの頼みが快諾されることはないだろうと思っていた。

それ故に。
いいだろう、男は呟いた。
その言葉に驚愕する少女を尻目に、だが、と条件を付け加えながら彼は振り向く。
その手にあるものは六発式リボルバーの拳銃とトランプ。

男は。
笑った。
そして口を開く。

「三つの選択肢をお前に預けよう…。
ひとつは今すぐ扉をくぐって俺のことなんか忘れ、この場を立ち去る。
もうひとつは俺と賭けをする…。そこでの選択肢はふたつある。」

「全てを運に任せるこの拳銃か、己の運命を掴み取るためのこのトランプか。
賭けるものは互いの命…ッ!ただ賭けるだけじゃない、己の手を汚す、その覚悟も賭ける…ッ!

「銃を選ぶならば弾を一発込める。そして銃口を相手の眉間につけ引き金を引く…ッ!
五回終わった後、俺とお前が生き残っていたならお前の要求を呑もう…。」

「トランプを選ぶならば…そうだな、競技はお前が決めればいい。ポーカー、ブラックジャック、神経衰弱…。なんでもありだ…。
お前が勝った時は、一緒だ、要求を呑む。
だが俺が勝ったならば…俺を殺してもらおう、その拳銃で…ッ!」」

「どっちを選ぶのもいい…。沈黙を貫くのもいい…。
だがな…今こうしてる間も、ククク…お前の大事なお仲間が死にかけてるかもしれないぞ?」

「いつかなんていうな…。今言え…ッ!南春香!
そこにお前の…狂気が、あるッ…!」

呆然とする少女が目にしたのは男の目。
そこには一点の曇りもなく、ただ無限に広がる闇が、そこにあった。

【A-7/豪華客船内スイートルーム/1日目-黎明】
【南春香@カオスロワ】
[状態]:健康
[装備]:ふじおか(くまの人形)@カオスロワ 
[持物]:基本支給品一式、不明支給品(1~2個)
[方針/行動]
 基本方針:ゲームに乗らない。仲間を集めて主催を打倒。
 1: 決断する。
 2:仲間と合流する。特に千秋とは絶対合流する。
[備考]
 ※5期最終話エピローグ後からの参戦です。
 ※龍に変身できますが、幾つか制限されているようです。
 ※赤木しげる(19歳)と情報交換をしました。

【赤木しげる(19歳)@漫画ロワ】
[状態]:健康 
[装備]:マイルドセブンワン@現実
[持物]:マイルドセブンワン1カートン(実質8個)@現実、六発式リボルバー拳銃+弾(12/12)@現実、
    トランプ@現実、基本支給品一式、
[方針/行動]
 基本方針:何もしない。興味がない。
 1:少女の返答 を待つ。
[備考]
 ※死亡後からの参戦です。
 ※現段階ではこの部屋を出る気はありません。
 ※いつ死んでもいいと思っています。
 ※南春香と情報交換しました。





          ◇  ◆  ◇


いかがでしたか?お楽しみ頂けたでしょうか?非常に面白い、これだから殺し合いは、人間はおもしろい…ッ!
『赤木しげる』彼ほど特殊な人間はいないでしょう。
生きるか、死ぬか。殺すか、殺させるか。
生物としての最も根元にあるその欲求…ッ!本能すらBETするこの男から目が放せません…。
そして…少女はどう動く?
その選択一つで彼女自身が抱いた希望の芽を潰しかねない。自らの手を汚す羽目になるかもしれない。
そして…死ぬかもしれない。

ククク…悪魔とはよく言ったものです…!いや、悪魔すらもう少し人間味があるのではないでしょうか?
自分の命を賭ける、それも勝ったほうに!
彼にとって命とはその程度…ッ!
そしてそれが彼、『赤木しげる』が『赤木しげる』あるため…ッ!
おもしろい…ッ!これだから殺し合いは…バトルロワイアルは、やめられないッ!

それでは…ここはひとつ、二人に倣いまして皆様もBETしませんか?一種の余興です、何も硬くなることはありません…。
ひとつ、少女が逃げることにBET。
ひとつ、赤木しげるが死ぬことにBET。
ひとつ、南春香が死ぬことにBET。
ひとつ、赤木しげるが南春香に協力することにBET。
ひとつ、二人とも死ぬにBET。

どうですか?ククク…おもしろいでしょ?狂気の沙汰ほどおもしろい…ッ!

おっと…どうやらお喋りが過ぎたようで…申し訳ありませんが時間のようです…。
続きを、と言いたいところですがこればかりはどうしようもありません。
長い間、この道化の戯言にお付き合い頂感謝します。
それではまた次の演目にてお会いいたしましょう。その時舞台に立っているのは果たして誰でしょうか…?
フフフ…それでは、その時まで…御機嫌よう…。


036:パラレルワールドって怖くね? 投下順に読む 038:変態に縁のある女
036:パラレルワールドって怖くね? 時系列順に読む 038:変態に縁のある女
010:赤木しげるはシゲラナイ 南春香 045:切り札はキミの中
赤木しげる(19歳)


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
ウィキ募集バナー