合成獣(キメラ)が哭く夜 ◆B00Kx53zOs
少年には、嗅覚がなかった。波が打ち放つ磯の香りに、感慨は抱かない。
少年には、視覚があった。黒一色に染まった広大な海を眺め、嘆き佇む。
少年には、記憶があった。以前にもこんなことがあった、という記憶が。
少年には、視覚があった。黒一色に染まった広大な海を眺め、嘆き佇む。
少年には、記憶があった。以前にもこんなことがあった、という記憶が。
島の北東端に、少年はいた。
二メートルにも及ぶ巨躯を持つが、れっきとした少年だ。
十四歳になっておそらく初めて見る海に、少年は感動を覚えなかった。
二メートルにも及ぶ巨躯を持つが、れっきとした少年だ。
十四歳になっておそらく初めて見る海に、少年は感動を覚えなかった。
少年の名はアルフォンス・エルリック。
少年の魂が宿った、鋼の鎧であり――錬金術師だ。
◇ ◇ ◇
「……?」
『ここ』に送られたアルフォンスに、言葉はなかった。
あるのは、戸惑いと困惑と混乱と既視感と謎。
自分がここにいる、という現実に、アルフォンスは動揺していた。
あるのは、戸惑いと困惑と混乱と既視感と謎。
自分がここにいる、という現実に、アルフォンスは動揺していた。
それというのも、己の置かれた境遇――『殺し合い』という『ゲーム』の『駒』――を味わうこと自体が、二度目だからである。
断っておくが、彼は戦闘狂でもなければ殺し屋でもない。故郷では旅の錬金術師として、比較的平和な日々を送っていた。
その平和な日々というのも、生きるか死ぬかの殺し合いに比べれば、という前提あってのものではあるが。
断っておくが、彼は戦闘狂でもなければ殺し屋でもない。故郷では旅の錬金術師として、比較的平和な日々を送っていた。
その平和な日々というのも、生きるか死ぬかの殺し合いに比べれば、という前提あってのものではあるが。
少し、思い出してみよう。
この、海が一望できる港に放り出される以前、『道化師』と『怪人』に洗礼を受けるよりももっと前、そこに謎は隠されている。
アルフォンスは、そこで……殺し合いを、していた。
この、海が一望できる港に放り出される以前、『道化師』と『怪人』に洗礼を受けるよりももっと前、そこに謎は隠されている。
アルフォンスは、そこで……殺し合いを、していた。
「あれ?」
思い出してみたところで、アルフォンスは疑問を抱く。
殺し合いをしろと宣告された以前より、アルフォンスは殺し合いをしていた。
つまり、この殺し合いは二度目なのである。
状況や舞台、境遇などにいろいろと差異はあるが、これは紛れもなく――『螺旋王』が企てた実験と同種のものだった。
殺し合いをしろと宣告された以前より、アルフォンスは殺し合いをしていた。
つまり、この殺し合いは二度目なのである。
状況や舞台、境遇などにいろいろと差異はあるが、これは紛れもなく――『螺旋王』が企てた実験と同種のものだった。
「どういう、ことなんだろう」
アルフォンスには、それがわからない。
螺旋王に拉致され、殺し合いをさせられていた。
かと思ったら、今度は道化師と怪人に拉致され、殺し合いをしろと言われた。
これらの事実に、繋がりが見出せない。
第二の殺し合いが始まったというのならば、第一の殺し合いはどうなったのだろうか。
螺旋王に拉致され、殺し合いをさせられていた。
かと思ったら、今度は道化師と怪人に拉致され、殺し合いをしろと言われた。
これらの事実に、繋がりが見出せない。
第二の殺し合いが始まったというのならば、第一の殺し合いはどうなったのだろうか。
「僕は、たしか……」
記憶をより鮮明に探ってみるが、どうしても拉致の瞬間が思い出せない。
思えば、螺旋王に拉致されたときの記憶も不鮮明だった。
殺し合いをしていたら、いつの間にか別の殺し合いに参加を強いられた。
俄かには信じがたい夢のような現実が、アルフォンスの思考を鈍らせる。
思えば、螺旋王に拉致されたときの記憶も不鮮明だった。
殺し合いをしていたら、いつの間にか別の殺し合いに参加を強いられた。
俄かには信じがたい夢のような現実が、アルフォンスの思考を鈍らせる。
「僕は、あのときも、こういう風に……」
アルフォンスは記憶の詳細を洗う作業を中断し、まず身の回りの把握に努めようと意思を改めた。
鎧の巨体では背負うことも難しい小さなデイパック。第一の殺し合いでも配られていたそれを、探り始める。
中に入っていたものは道化師や怪人の説明どおりのもの。そのほとんどが、第一の殺し合いでも支給されていた。
大きな違いは、武器だろうか。
鎧の巨体では背負うことも難しい小さなデイパック。第一の殺し合いでも配られていたそれを、探り始める。
中に入っていたものは道化師や怪人の説明どおりのもの。そのほとんどが、第一の殺し合いでも支給されていた。
大きな違いは、武器だろうか。
「これは?」
参加者に一個から三個の範囲で分配されるという支給物資。
武器や防具等、殺し合いに活用すべき品が配られている。
アルがまず手に取ったのは、手の平に納まるほどの長方形の木箱。
厚さはなく、蓋は軽く持ち上げるだけで開いた。
中に入っていたのは、十二本にも及ぶ白色のチョークだった。
武器や防具等、殺し合いに活用すべき品が配られている。
アルがまず手に取ったのは、手の平に納まるほどの長方形の木箱。
厚さはなく、蓋は軽く持ち上げるだけで開いた。
中に入っていたのは、十二本にも及ぶ白色のチョークだった。
「僕が錬成陣を書くのによく使っていたやつだ」
原材料は、炭酸カルシウムと水。石膏や貝殻を使う場合もある。
教師が黒板に字や図を書く際用いられるのが一般的だが、これはアルフォンスのような錬金術師にとっても馴染み深いものだった。
使用用途は、主に錬成陣――錬金術を行使する際に必要な図式――の作成。これがなくては、即興での錬金術も難しい。
兄のエドワード・エルリックは例外で、錬成陣を用いずとも錬金術を行使できたが、アルフォンスは違う。
もしこれから先、本当に殺し合いをしなければならないというのなら……必要不可欠な道具でもあった。
教師が黒板に字や図を書く際用いられるのが一般的だが、これはアルフォンスのような錬金術師にとっても馴染み深いものだった。
使用用途は、主に錬成陣――錬金術を行使する際に必要な図式――の作成。これがなくては、即興での錬金術も難しい。
兄のエドワード・エルリックは例外で、錬成陣を用いずとも錬金術を行使できたが、アルフォンスは違う。
もしこれから先、本当に殺し合いをしなければならないというのなら……必要不可欠な道具でもあった。
「これは……なんだろう?」
続いて出てきたのは、少々華美ではあるが、良家の女中などが作業着とする給仕服だった。
男性であり、そもそも鎧以外の肉体を持たないアルフォンスには、まるで無意味なものと取れる。
男性であり、そもそも鎧以外の肉体を持たないアルフォンスには、まるで無意味なものと取れる。
(そうだ、僕は……)
アルフォンスは、肉体を持たない。鋼の鎧に魂を定着させただけの存在であり、その中身は空洞だ。
それというのも、幼少期――病死した母を蘇らせようとして、兄と共に錬金術最大の禁忌を犯してしまったことが原因である。
あの忌まわしい惨劇によって、兄は右腕と左脚を、弟は肉体全部をあちら側に『持っていかれた』。
元に戻る方法を探すことが旅の目的であり、その旅はまだ終わっていない。旅の途中で、二度の殺し合いに巻き込まれた。
それというのも、幼少期――病死した母を蘇らせようとして、兄と共に錬金術最大の禁忌を犯してしまったことが原因である。
あの忌まわしい惨劇によって、兄は右腕と左脚を、弟は肉体全部をあちら側に『持っていかれた』。
元に戻る方法を探すことが旅の目的であり、その旅はまだ終わっていない。旅の途中で、二度の殺し合いに巻き込まれた。
(僕と兄さんの旅は、まだ終わっていないんだ)
鎧に魂を定着させる血の刻印は、アルフォンスの首元、その内側に刻まれている。
手で首の辺りを摩ってみると、首元を覆うようにして、鋼の環が装着されていた。
隙間はなく、まるで溶接されているようでもある。頭部を外したとしても、着脱は不可能だろう。
手で首の辺りを摩ってみると、首元を覆うようにして、鋼の環が装着されていた。
隙間はなく、まるで溶接されているようでもある。頭部を外したとしても、着脱は不可能だろう。
(こんなもののために、僕らの旅は足止めを食らっている)
ならば、錬金術で首輪を破壊、もしくは錬成してみてはどうか――とも考えたが、すぐに打ち消す。
錬金術の工程でまず先頭に来るのは、『理解』である。対象となる物質の性質を理解できなければ、錬金術は成立しない。
材質程度なら触った感触でなんとなくあたりがつけられるが、中身となると別だ。
爆弾と一口に言っても、その原材料となる物質は無数に存在し、未知の技術が使われているとも限らない。
要するに、『よく知らないもの』に対して錬金術を行使するのは、危険なのである。
錬金術の工程でまず先頭に来るのは、『理解』である。対象となる物質の性質を理解できなければ、錬金術は成立しない。
材質程度なら触った感触でなんとなくあたりがつけられるが、中身となると別だ。
爆弾と一口に言っても、その原材料となる物質は無数に存在し、未知の技術が使われているとも限らない。
要するに、『よく知らないもの』に対して錬金術を行使するのは、危険なのである。
(もっとよく調べられれば、外せると思うんだけど)
心中でぼやき、アルフォンスは再び給仕服に目をやった。
見ると襟元にタグのようなものが添えられており、そこにはこう書かれている。
対弾・対刃装備、と。軍部で普及している防護服と同じようなものなのだろうか。
調べてみると、たしかに一般の衣服と作りが違った。デザインの意図はわからないが、防護服には違いないようだ。
とはいえ、防護服より強靭な装甲を持つアルフォンスにとっては、やはり無用の品である。
見ると襟元にタグのようなものが添えられており、そこにはこう書かれている。
対弾・対刃装備、と。軍部で普及している防護服と同じようなものなのだろうか。
調べてみると、たしかに一般の衣服と作りが違った。デザインの意図はわからないが、防護服には違いないようだ。
とはいえ、防護服より強靭な装甲を持つアルフォンスにとっては、やはり無用の品である。
「えっと、もう一つ……」
アルフォンスが三つ目に取ったそれは――薄っぺらい本だった。
表紙を飾るのは女の子と思しき二人の絵。
やたらと目や頭が大きく、身体のバランスがどこか異質に見えたが、もっと異質だったのは、
表紙を飾るのは女の子と思しき二人の絵。
やたらと目や頭が大きく、身体のバランスがどこか異質に見えたが、もっと異質だったのは、
「は、裸……?」
それは、裸の絵だったのである。
いや、具体的に言えば全裸ではない。
片方は上着を胸の辺りまで捲り上げて乳首を露出し、ミニスカートを膝まで下ろし小ぶりな臀部を向けている。
もう片方は同じように乳首を露出させ、こちらは元からミニスカートを脱ぎ取っていた。
それら痴女としか思えない二人が、女同士であるにも関わらず、お互いの体を絡め合っている。
いや、具体的に言えば全裸ではない。
片方は上着を胸の辺りまで捲り上げて乳首を露出し、ミニスカートを膝まで下ろし小ぶりな臀部を向けている。
もう片方は同じように乳首を露出させ、こちらは元からミニスカートを脱ぎ取っていた。
それら痴女としか思えない二人が、女同士であるにも関わらず、お互いの体を絡め合っている。
「そ、そんなまさか……!」
中を開いてみると、さらに驚愕した。
そこには、二人の女の子が互いの裸を絡め合うに至った経緯とその先が、赤裸々に綴られていたのである。
それは思春期の少年にとって壊滅的インパクトを与える絵図であり、そして同時に理解した。
これは、俗に言う『エロ本』というやつではないだろうか。
そこには、二人の女の子が互いの裸を絡め合うに至った経緯とその先が、赤裸々に綴られていたのである。
それは思春期の少年にとって壊滅的インパクトを与える絵図であり、そして同時に理解した。
これは、俗に言う『エロ本』というやつではないだろうか。
「ぼ、僕にはまだ早すぎるよ!」
と言いつつ読み進めていくアルフォンス。
いったいこんな本が、殺し合いの場でどう機能するというのだろうか。
男性が日ごろ抱えている性欲を発散させるため――としても、気が利きすぎだろう。
そもそもどうして絵なのか、どうして写真ではないのか、どうして女の子同士なのか、アルフォンスの脳がぐらんぐらんと揺れる。
十四歳の少年には、なにもかも刺激的すぎた(余談ではあるが、魂だけの存在である彼は三大欲求が欠如しているので、この本でいかがわしいことを想像したりはしない)。
いったいこんな本が、殺し合いの場でどう機能するというのだろうか。
男性が日ごろ抱えている性欲を発散させるため――としても、気が利きすぎだろう。
そもそもどうして絵なのか、どうして写真ではないのか、どうして女の子同士なのか、アルフォンスの脳がぐらんぐらんと揺れる。
十四歳の少年には、なにもかも刺激的すぎた(余談ではあるが、魂だけの存在である彼は三大欲求が欠如しているので、この本でいかがわしいことを想像したりはしない)。
と、そこで。
「あ、れ?」
ふと目に入ったエロ本の文面に、アルフォンスは違和感を覚えた。
どこかで見たような字面が、ページを捲るたびに浮かび続ける。
どうやら名前であるらしいそれを、アルフォンスは確かに覚えていた。
どこかで見たような字面が、ページを捲るたびに浮かび続ける。
どうやら名前であるらしいそれを、アルフォンスは確かに覚えていた。
「こなた……もしかして、こっちの青い髪の女の子! こなたさん!?」
こなた――エロ本に記載されていた人名に、アルフォンスは驚愕を覚える。
驚愕を覚えたのも束の間、
驚愕を覚えたのも束の間、
バッサ、バッサ、
と鳥のはばたきのような音が聞こえ、反射的に北の空に目をやった。
するとそこには、到底鳥とは思えぬなにかが、
するとそこには、到底鳥とは思えぬなにかが、
(ノ(ノ:: `゛''ィ.,_`゛''ィ..,_ /ニYニヽ _,.ィ''"´_,.ィ''"´ ::ヾ)ヾ)
ミ,,(ノ(ノ./ /`゛''ィ., (ヽ /( ゚ )( ゚ )ヽ /)ィ´_,.ィ'"´\ \.ヾ)ヾ),,ミ
ミ,,(ノ(ノ::. /:: (((i ) /::::⌒`´⌒::::\ _,.( i)))\ ::\ .::ヾ)ヾ),,ミ゙
゙ミ,,(ノ(ノ./ :: /∠_| ,-)___(-,|_ゝ \ :: \.ヾ)ヾ),,ミ゙
゙ミ,,(ノ(ノ(ノ( ___、 |-┬-| ,__ )ヾ)ヾ)ヾ),,ミ゙ バッサバッサ
ミ,,(ノ(ノ(ノ(ノ/.| `ー'´ /´\ヾ)ヾ)ヾ)ヾ),,ミ"
゛ミ,, (ノ ,.` | / `、ヾ) ,,ミ"
なにかが……なにかが……なぁにこれぇ?
◇ ◇ ◇
∩
( ⌒) ∩_ _
シュ /,. ノ、 i .,,E)
,、 ,、 / / ゚)゚), -、 / /"、
_n , - (゚(゚ ))> ./ /⌒ヽ_''_) ノ' ゚)゚), -
( l ( '_,r'⌒゙i / /ヽ_,,__ \/ /⌒ヽ_''_)
\ \ ∠_ ,,ノ ( / ヽ_,,__ \ n
ヽ___ ̄ ̄ ノ ヽ |  ̄ \ ( E)
/ / \ ヽ フ / ヽ ヽ_//
( ゜w ゜)「(なんだろう、アレ……空から飛んできて……は虫類……それとも、合成獣(キメラ)かな?)」
( ゜w ゜)「って、あ、アレ!? なんか、空気が変わった!? 空気っていうか世界観!?」
/ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/ ⌒`´⌒ \
| ,-) (-、.| 鎧がなにか喋ってるっていう
| l ヽ__ ノ l |
\ ` ⌒´ /
( ゜w ゜)「あっ、言葉は通じるんだ……えっと、あなたは?」
/ \Y/ヽ キリッ
/ (ー)(ー)ヽ
/:::::::⌒` ´⌒:\
| ,-) ヽ__ノ(-、| まずは自分から名乗るのが筋ってもんっていう
| l |r┬-|| |
\ `ー'´ /
ノ \
( ゜w ゜)「そ、そうですね。僕、アルフォンス・エルリックっていいます(どうしよう、意外と常識人なのかな……)」
/ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/ ⌒`´⌒ \
| ,-) (-、.| でっていうだっていう
| l ヽ__ ノ l |
\ ` ⌒´ /
/ニYニヽ
/ (・)(・)ヽ
/ ⌒`´⌒ \
| ,-) (-、.| 趣味は殺戮っていう
| l l |
\ ` ⌒´ /
( ゜w ゜)「……は?」
/ニYニヽ
/(。)(. ゚)ヽ
/::::⌒`´⌒::::\
| ,-)トェェェェイ(-、| 好物は人肉っていう
| l .|-┬-| l |
\ `ー-'´υ/
( ゜w ゜)「えっと……冗談……ですよね?」
./ \Yノヽ
/ (0)(―)ヽ
/ ⌒`´⌒ \ キリッ
| , -) (-、.| 冗談、ですよね?
l ヽ__ ノ l |
\ /
/ ノ Y ヽヽ
o゚((●))((●))゚o
/:::::::⌒`´⌒:\
ミ ミ ミ .| ,-) (-| ミ ミ ミ
/⌒)⌒)⌒. | l ヽ__ノ l| /⌒)⌒)⌒) だっていうwwwww
| / / / \ |r┬-| / (⌒)/ / / // バ ジョークでもウソでもないっていうwwwww
| :::::::::::(⌒) | | | \ ゝ :::::::::::/ ン
| ノ | | | \/ ) / バ
ヽ / `ー'´ / / ン
| | l||l 从人 l||l l||l 从人 l||l
ヽ -一''''''"~~``'ー--、 -一'''''''ー-、
ヽ ____(⌒)(⌒)⌒) ) (⌒_(⌒)⌒)⌒))
( ゜w ゜)「そ、そんな……まさか、本当に人を――!?」
/ ニYニヽ
/ ( ゚)( ゚)ヽ
/ ::::⌒`´⌒:::\ ペローン
| ,-)___(-|
| l |=================================> !( ゜w ゜)
\ `ー'´ /
というわけでいただきますっていうwwwww
/ ニYニヽ
/ ( ゚)( ゚)ヽ
/ ::::⌒`´⌒:::\ !?
| ,-)___(-|
| l |========================================> || ( ゜w ゜)「壁を……!」
\ `ー'´ /
/ ニYニヽ
/ ( ゚)( ゚)ヽ
/ ::::⌒`´⌒:::\ 脆いっていうwwwww
| ,-)___(-|
| l |============================================||==>( ゜w ゜)「あっ……!」
\ `ー'´ /
◇ ◇ ◇
「――ぐっ、あ!?」
アルフォンスの絶叫が、夜空に霧散する。
突如として飛来した人語を介する合成獣(キメラ)は、殺戮と肉食を訴えアルフォンスを攻撃してきた。
その槍のように鋭く突き出された舌に対し、アルフォンスは咄嗟に足元に錬成陣を描いて壁を作り上げた。
コンクリートの地面に錬金術を行使し、自身を守るため即興の盾としたのである。
しかしその壁は、でっていうなる合成獣の舌によって容易く突き破られ……アルフォンスの体を貫通する。
突如として飛来した人語を介する合成獣(キメラ)は、殺戮と肉食を訴えアルフォンスを攻撃してきた。
その槍のように鋭く突き出された舌に対し、アルフォンスは咄嗟に足元に錬成陣を描いて壁を作り上げた。
コンクリートの地面に錬金術を行使し、自身を守るため即興の盾としたのである。
しかしその壁は、でっていうなる合成獣の舌によって容易く突き破られ……アルフォンスの体を貫通する。
「うっ……」
「脆すぎるっていうwwwww 所詮は見掛け倒しだったっていうwwwww」
「脆すぎるっていうwwwww 所詮は見掛け倒しだったっていうwwwww」
珍妙な緑色の体躯を、爆笑と共に小躍りさせるでっていう。
鋼を突き破る舌はうねうねと蠢き、今もなお、地に片足をついたアルフォンスに狙いを定めようとしている。
殺し合え、と言われ早々に敵と相対してしまった――アルフォンスは事実を汲み、早急に打開策を練り上げる。
鋼を突き破る舌はうねうねと蠢き、今もなお、地に片足をついたアルフォンスに狙いを定めようとしている。
殺し合え、と言われ早々に敵と相対してしまった――アルフォンスは事実を汲み、早急に打開策を練り上げる。
「うん? おまえ血が出てないなっていう。舌触りもなかったっていう。もしかして……」
「うおおおおおおおっ!!」
「うおおおおおおおっ!!」
訝るでっていうの言葉を最後まで聞かず、アルフォンスは足元に新たな錬成陣を描き上げた。
すると、放電現象を思わせる火花がバチッと鳴り、アルフォンスからでっていうに向かって、地面が隆起を始める。
まるで背後の水波のごとく、二人の距離を埋める地面が突起物と化して駆け抜けた。
すると、放電現象を思わせる火花がバチッと鳴り、アルフォンスからでっていうに向かって、地面が隆起を始める。
まるで背後の水波のごとく、二人の距離を埋める地面が突起物と化して駆け抜けた。
「おっと、危ないっていう」
でっていうはこれを、余裕の貫禄で回避してみせる。その、わずかな隙。
アルフォンスは攻撃の結果も見届けず、でっていうとは反対方向に逃走を図った。
アルフォンスは攻撃の結果も見届けず、でっていうとは反対方向に逃走を図った。
「あ、逃げやがったっていう」
背後ででっていうの耳障りな声が響くが、振り返らない。
懸命に脚を突き動かし、遁走に徹する。
アルフォンスが戦闘を放棄したのは、なにも戦力差を考慮してのことではなかった。
どうしても確かめなければならない懸念を――まだ、晴らし終えていなかったのだ。
懸命に脚を突き動かし、遁走に徹する。
アルフォンスが戦闘を放棄したのは、なにも戦力差を考慮してのことではなかった。
どうしても確かめなければならない懸念を――まだ、晴らし終えていなかったのだ。
「あんな怪物がいるなんて……!」
アルフォンスは走り続けながら、左手に掴み取っていたデイパックの中を探る。
そこから取り出したのは、此度の殺し合いを興じることとなった参加者の名簿。
先ほどのエロ本で感じ取ったほのかな違和感を、正確なものへと変える名が、そこにあった。
そこから取り出したのは、此度の殺し合いを興じることとなった参加者の名簿。
先ほどのエロ本で感じ取ったほのかな違和感を、正確なものへと変える名が、そこにあった。
「泉……こなた……!」
泉こなた。
支給されたエロ本の中で『なぜか』女性と性行為に及んでいた少女であり、アルの既知する人物でもあった。
支給されたエロ本の中で『なぜか』女性と性行為に及んでいた少女であり、アルの既知する人物でもあった。
「どうして、こなたさんが……他にも……!」
名簿に目を走らせると、知った名が次々と頭に飛び込んでくる。
相羽シンヤ、小早川ゆたか、衝撃のアルベルト、スバル・ナカジマ、Dボゥイ、柊かがみ、柊つかさ、結城奈緒、ラッド・ルッソ。
実際に知人というわけではないが、名前は知っている。唯一、スバル・ナカジマとは会話をした覚えもあった。
兄のエドワード・エルリックや、マース・ヒューズといった名は記載されていない。でっていうの名は、確かにあった。
相羽シンヤ、小早川ゆたか、衝撃のアルベルト、スバル・ナカジマ、Dボゥイ、柊かがみ、柊つかさ、結城奈緒、ラッド・ルッソ。
実際に知人というわけではないが、名前は知っている。唯一、スバル・ナカジマとは会話をした覚えもあった。
兄のエドワード・エルリックや、マース・ヒューズといった名は記載されていない。でっていうの名は、確かにあった。
「やっぱり、これは……!」
背後からでっていうが追って来る様子がないのを確認して、アルフォンスはやや速度を緩め、確信する。
この殺し合いはやはり――『二度目』なのだと。
今回の名簿に記載された名には、『一度目』の殺し合いに参加していた者の名も混ざっていた。
この殺し合いはやはり――『二度目』なのだと。
今回の名簿に記載された名には、『一度目』の殺し合いに参加していた者の名も混ざっていた。
「だとしたら、こなたさんが危ない……!」
その中でも、泉こなたは最も縁が深い。
自身の稀な体が原因で、非常に慣れていない彼女を傷つけってしまった経験がある。
記憶の中の彼女は、強く怯えていた。ヒューズやスバルといった仲間を得ても、彼女の怯えは払拭し切れていなかった。
自身の稀な体が原因で、非常に慣れていない彼女を傷つけってしまった経験がある。
記憶の中の彼女は、強く怯えていた。ヒューズやスバルといった仲間を得ても、彼女の怯えは払拭し切れていなかった。
「探さなきゃ……」
この二度目の殺し合いは、いったいなんなのか。
一度目の、螺旋王が企てた実験との繋がりはあるのだろうか。
疑問と謎がアルフォンスの脳を侵食していき、少年はわけがわからぬまま、夜道を突っ走っる。
一度目の、螺旋王が企てた実験との繋がりはあるのだろうか。
疑問と謎がアルフォンスの脳を侵食していき、少年はわけがわからぬまま、夜道を突っ走っる。
◇ ◇ ◇
/ノYヽヽ
/(0)(0):::ヽ
./ ⌒`´⌒ ::\ どういうわけだが知らないが
| )ノ(、_, )ヽ, (::::| あいつの中身、空洞だったっていう
|.l ,;‐=‐ヽ l :::| 鎧なんか喰っても美味くないっていう
\ `ニニ´ ::::/
/`ー---―´\
/=Yニ ヽ
/(-)( 0) ヽ
/⌒`´⌒ \ チラッ
|-) (-、 | だからあいつをこっそり追って
| ヽ__ ノ l | 近づいてきた人間の肉を喰うことにするっていう
\ `⌒´ /
/ ニYニヽ
/ (●)(●)ヽ
/ ⌒`´⌒\
/ ,-) (-、\
| l __ l | 高良みゆきを喰ったせいか
\ ` ⌒´ / 知恵が回るようになったっていう
,,.....イ.ヽヽ、___ ーーノ゙-、.
: | '; \_____ ノ.| ヽ i
| \/゙(__)\,| i |
> ヽ. ハ | ||
|
\ __ /
_ (m) _
|ミ|
/ .`´ \
/ニYニヽ
/ (0)(0)ヽ
/ ⌒`´⌒ \
| ,-) (-、.|
| l ヽ__ ノ l |
\ ` ⌒´ /
/ニYニヽ
(ヽ /( ゚ )( ゚ )ヽ
(((i ) /::::⌒`´⌒::::\
/∠_| ,-)___(-,|___ もう一度喰えばさらに賢くなるっていうwwwwww
( ___、 |-┬-| ,_ ) なぜか一度喰った奴らもいるみたいだしお得だっていうwwwww
| `ー'´ /´ //
| / ( i)))
ヽ)
__ rr‐-、
l´ li |l、_i
. lー‐' ! i l
l | l | 優勝するのはどうせ俺様っていうwww
. | | | │ ___ .__ さあ、鎧を追い始めるっていうwwwww
l L_. _/ ̄ヽ !r´ i´ 〉
/⌒'| / ̄ヽi ̄ヽ /ニYニヽ / ', | ,|Y | /
r‐'i | | | |. /( ゚ )( ゚ )ヽ | | ! `´ l |
| ! ' ! ! l、 /::::⌒`´⌒::::\ ! ' | !
! ,! | | ,-)___(-、| | ' |
| ヽ | | l |-┬-| l | | /
. \ | \ `ー'´ / ! /
. \ / _/ ヽ、 ヽ /
\ |--‐┬=''´ `Tー‐┬ | | ザッザッザッ
【A-7/港付近/1日目-深夜】
【アルフォンス・エルリック@アニメキャラ・バトルロワイアル2nd (アニ2)】
[状態]:鎧胸部に貫通傷、困惑気味
[装備]:チョーク(1ダース)
[持物]:デイパック、基本支給品一式、対弾・対刃メイド服@やる夫ロワ、こなた×かがみのエロ同人誌@オールロワ
[方針/行動]
基本方針:事態の把握に努める。
1:でっていうから逃げるため南下。
2:泉こなたを探し出し保護する。
【アルフォンス・エルリック@アニメキャラ・バトルロワイアル2nd (アニ2)】
[状態]:鎧胸部に貫通傷、困惑気味
[装備]:チョーク(1ダース)
[持物]:デイパック、基本支給品一式、対弾・対刃メイド服@やる夫ロワ、こなた×かがみのエロ同人誌@オールロワ
[方針/行動]
基本方針:事態の把握に努める。
1:でっていうから逃げるため南下。
2:泉こなたを探し出し保護する。
[備考]
※アニロワ2nd 091話「ひとつ屋根の下」より参加。
※アニロワ2nd 091話「ひとつ屋根の下」より参加。
【でっていう@やる夫がバトル・ロワイアルに参加しているようです (やる夫ロワ)】
[状態]:健康
[装備]:なし
[持物]:デイパック、基本支給品一式、ランダム支給品1~3個
[方針/行動]
基本方針:優勝っていうwwwww
1:鎧を追いかけて近づいてきた人間を喰うっていうwww ステルスマーダーっていうwwwww
2:高良みゆきをもう一回喰ったらさらに賢くなる気がするっていうwwwww
[状態]:健康
[装備]:なし
[持物]:デイパック、基本支給品一式、ランダム支給品1~3個
[方針/行動]
基本方針:優勝っていうwwwww
1:鎧を追いかけて近づいてきた人間を喰うっていうwww ステルスマーダーっていうwwwww
2:高良みゆきをもう一回喰ったらさらに賢くなる気がするっていうwwwww
[備考]
※オプーナ戦直前からの参加。
※オプーナ戦直前からの参加。
002:笑いと歌と二人の決意 | 投下順 | 004:愛しい人のために |
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アルフォンス・エルリック | 036:パラレルワールドって怖くね? | |
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