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番外編『極めて近く限りなく遠い世界で』

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番外編『極めて近く限りなく遠い世界で ◆nkOrxPVn9c


月が落ちて朝日が昇る。
夜行性を除く全ての生物は活動を始める時間だ。
遥か昔からこの惑星にて行われてきた日常っである。
それは人も例外ではない。
文明というものにより時や場所によって差が現れるが、行動理念は同じである。
そしてこの家に置いてもそれは変わることはない。


「お兄ちゃん朝だよー!」

いまだに夜が離れない部屋の中に快活な声が響き渡る。
彼女の名は赤木イチゴウ。 何故か猫の耳としっぽがついた可愛らしい少女だ。
イチゴウは部屋に電気をつけ、カーテンを開けてベッドに寝ている人物を起こしにかかる。

「早く起きないと遅刻しちゃうってばー」

小さな身体で懸命に男の身体を揺する。
しかし自分よりも一回りも二回りも大きい男に刺激を与えるのは容易ではなく、白髪の男は中々起きそうにない。

「そこまで寝ているなら私にも考えがあるもんねー」

すると彼女は男のズボンに手を伸ばし(ry



☆ ☆ ☆

「今日もまた退屈な日常が始まる」

男、赤木しげるはそう嘆きながら近所の公園を散歩していた。
別に成績は問題ないし、何回か休んだ程度で進級に響くほどでもない。
しかしあのまま家にいれば妹にろくでもないことをされただろう。
よって妹、赤木イチゴウに無理やり起こされて学校に向かうことになった赤木しげる、通称アカギは公園にいた。
懐に秘めた煙草を取り出してライターで火をつける。
学校に行く気が湧かないときは大体こうやって過ごしているのだ。
ちなみに弟も暇なときはここでこうしているらしい。
何故中学程度の弟ができるのかは、この公園が曰くつきだからだとか。
どうしてだか知らないが地面にはピエロみたいな派手な格好をした男が赤くなった尻を抑えて倒れているがどうでもいい。
そして男とも女とも取れる『黒幕』と書かれた男も重なるように倒れているけど更にどうでもいい。
それに群がっているなめくじとかわけわからない生物が『ざまぁwwwwww』とか言っているけど物凄くどうでもいい。
今もなお、金髪で白スーツの男が青ツナギの男によってトイレで連行されている。

『この変態野郎絶対殺って・・・・・・』
『ヤるだなんてうれしいこと言ってくれるじゃないの』

               _,,-i、
              _,,―''"`  ゙l,                        __
        _,,-‐'″      ゙l、                         /| `゙'''ー-〟
    ,,,,-‐"`         _   |、                     ,i´l゙     .l゙
 .,,-''"`       _,/"|   ,li、                       丿 .l゙     ,l゙
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 `ヽ   .,,-'"` ,,,-, ,l゙   │ ゙l、                 ,/   ,|    ,i´
   ヽ ,/  ./′ ゙ッ′  丿  .゙l                 ,/   ,l゜   │
    ゙'ヽ、   ヽ      .,/_,,,,,,,,-←i、  ,,-‐i、         丿    l゙    ,l゙
     `'-,、  ゙i、   .,,/` ゙l  |  .゙l  ゙l  ゙l .,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,ィニ,,,,,,,、 .|   ./
       `'-、 ゙l   ゙レ、 ゙l  .゙l  .゙l  |  .| .l゙゙l             |  .|   │
         `''-|    | \ │ .゙l  ゙l .|  .l .| ,←―――――-r",,-“',,,Z″
          /    |  `'i、l,--←'''''゙l /  .l│l゙        ,,-ンシ广゛ l゙
         丿    .|   ゙'ミヽ.__,,,,-'"  .,iト|│      ,,/ンシ'゛ .l゙   .|
           ,i´    /     `!|、    ,l゙l゙|.l゙     ,,r'/シ'".,,/゙~゙゙二''"
         `'ヽ,、 .,/       ゙゙l,_,,,,-''"` ||,l゙    .,,/゙lソ'゙,,-'"_,,,-‐'″
           `'ヘ-,,,、      `'i、   ,lリ   .,,,ji!'彡‐,ン‐'"
               `゙''ー-_   `ヽ  .l|" ,,,il|リニン''″
                   `゙'''ー-,,,,\ ,リ,,,終゙‐'゛
                        `゙'"゙'゙″

『恥ずかしがらずに入れてみろよ』
『KILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILL
KILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLKILLやめろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!』
『しょうがないやつだなぁ・・・・・・お前のそれを俺の肛門に挿れるの手伝ってやるからよ』


妙な会話やら叫び声やら歌声やらをBGMにベンチで一服を済ます。

「歌声だと?」

叫び声しかしないと思ったが耳を澄ませば確かに聞こえてくるのがわかる。
野太い声だが決して野蛮ではない、とても逞しい声。 そう、例えるなら草原に佇む百獣の王か。

「失礼しました、うるさかったですか?」

公園の林の中から一人の若い男性が出てきたのだ。
声を聴いてみるとさっきの歌声はこの男のものらしい。
立ち上がって彼の疑問に答える。

「いや、どちらかと言えば心地よいものだった」
「それは良かった。 実は俺、歌が趣味で暇なときはよくここで歌っているんです」
「そうか、だが歌ならばカラオケなりなんなり歌うところが用意されているはずだが」
「そうなんですけど自然に囲まれているところだと解放感があるんですよ」

別に俺は歌手でもなんでもないから彼の感情はよくわからない。
だが俺が賭博に惹かれるように、彼も歌に惹かれたのだろう。
これ以上は理由を聞く必要もないので適当に会釈をしてベンチに座り直す。
そして『いさじ』と名乗った男は再び林の中に戻っていった。

『ゆらり、ゆらり、揺れていーる、漢ー娘のピーンチ』

野太い歌声をBGMにしながら再び一服をしてくつろぐ。
だがそんな安息の時間は長く続くことがないのは知っている。

「よう白髪。 まぁたこんなところで油売っているわけぇ?」
「まあな」

突然肩に手を置いてきた警官に投げやりに答える。
こいつはジョセフ・ジョースター、警官の癖に服装は私服だったり、煙草に対して何も言わないと、やたら不良染みた男だ。
馴れ馴れしい口調で話してくるが、実際こいつとの付き合いは結構長いものとなるから当然だ。
こいつとの出会いについてはまた別の機会にする。

「ガキは学校行っている時間だぜ。 お前もさっさといけや」
「・・・・・・」
「おいおいつれねえなぁ、まあいいや気をつけな」

そろそろうるさくなってきたのでここで去ることにしよう。

「あんたこそこんなところでサボってないで交番いけよ」
「っ! 言ってくれるねぇ・・・・・・」



☆ ☆ ☆ ☆

「暇だな・・・・・・」

流れる雲を見送りながら呟く。
当然このまま授業に行っても遅刻で、
授業に対しても興味が湧かないから今日はこのまま屋上で過ごすことにしたのだ。
さっきの公園以外に行くところは思い浮かばない。
この時間帯は雀荘行ってもまともなやつしかいない。
精々休みを持て余しているサラリーマンがいるぐらいだ。

「どうやら先客がいたようだな」
「お前か」

クラスメイトの川田が扉を開いてやってくる。
するとたちまち鼻を軽く動かした。

「また煙草吸ってきたな? 生活指導のやつがうるさいから気をつけろよ」
「学校には持ってきてないから疑われようがない。 通学中に臭いがついたとでも誤魔化しておけば大丈夫だろ。
大体お前も人のこと言えたもんじゃない」
「ははは、そうだな」

もっとも今は足を洗っているそうだが一度知ったうまい汁の味は忘れられないもの。
そこを指摘すると案の定乾いた笑みを浮かべた。



「やっぱりここにいた」

扉が開いてまた新たな来訪者が現れる。
薄茶色のロングヘアーに校則に近い長さのスカートを履いた、純潔を絵にしたような女。
まるで自分とは対極である。

「また授業サボったのねアカギさん」
「別にあんたには関係ない」
「確かにそうだけど・・・・・・」

言葉につまる目の前の女、名は南春香
マンションのすぐ隣の部屋に住んでいる姉妹の長女だ。
そのためか、こうして会うたびに何かにつけて関わろうとしてくる。
世話焼きだとは聞いていたからどうやら自分は世話を焼かれているらしい。

「まあいいよ。 せっかくだから一緒にお弁当食べてもいいかな?」
「別に構わないが」
「じゃあ俺はお邪魔みたいなので先に降りるぜ」

川田がどうしたわけか勝手に屋上を去る。
何をしにきたのだろうか。


☆ ☆ ☆ ☆

「じゃあそろそろ授業行こう」
「・・・・・・ああ」

勝手に授業に参加させられるはめになってしまった。
別に言い返す気も湧かないから了承することにしよう。
今日の5時限目は村雨担当だったか。
少しは面白くなりそうだ。

「にゃー!」

扉を開けて階段を下りようとしたそのときだった。
突然南春香に猫が飛びかかってきたのだ。
その拍子に彼女は階段から転げ落ちることになる。


「大丈夫か?」
「うん、ありがとうアカギさん」

幸い、落ちる寸前に腕を引いて彼女の身体を支えたため、
落ちることはなかった。
さてこの猫がニャーニャーうるさいので罰を与えるとするか。
と思ったが猫は南春香の尻に抱きついたのだ。
引き離そうとしたが頬を赤らめた南春香の手により遮られる。

「アカギてめぇ!!!」
「あ、三村くん」

声の主を振り返ってみるとそこには風紀委員の三村がいた。
何故だか知らんが怒っている。

「てめぇ授業サボったあげくに憧れの春香さんといちゃいちゃしているとはどういうことだぁぁぁ!!!」
「それは違うわ三村k」
「行くぞ」

南春香の言葉を遮り、彼女の腕を引っ張ってその場から去っていく。
こういう輩には何言っても無駄だ。 何か騒いでいるけど無視。
気づいたら南春香の尻に張り付いていた猫はどこかに消えてしまったが。


「おのれアカギ・・・・・・ん?」

「顎と春香さんのフラグktkr」
「何やってんのフラグビルドさん?」
「Chain-情さん、貴方とのフラグの作り方を考えていたんですよ♪」
「え!? それって・・・・・・」

「彼女欲しいorz」



☆ ☆ ☆ ☆


「アカギさんよかったのあれで?」
「ああ」

南春香とともに教室へ向かって歩いている。
どうやらまだ彼女はさっきの出来事を気にしているらしい。
あのように感情に身を任せた輩には何を言っても無駄なのだ。
それを説明するがどうにも納得してくれそうにない。
そんなとき、廊下の向かい側から見知った顔と鎧が歩いてきた。

「おっす顎」
「あんたか」
「あんたか、じゃないでーよくもウチの授業サボってくれたなぁ・・・・・・」
「黒井先生落ち着いてください!」

黒井は怒りをこめかみに浮かべ、右拳を震わせている。
隣にいる鎧は大量の荷物を抱えた鎧が彼女を落ち着かせようと説得していた。

「そないなこと言ってもなーエルリック、こいつはウチの授業をサボったんやで。
今回はテストに出る重要な内容だと先週忠告したばかりなのにや。
だからウチは口で言ってもわからんやつに鉄拳制裁をすることにしているんや
そもそも最近の生徒は教師を甘くみすぎで・・・・・・」
「あのぅ先生・・・・・・」
「なんやエルリック?」
「もういません」
「なんやてぇぇぇぇ!!!」

『にゃーにゃー』

「あ、大人しくしてなきゃダメだよ!」
「エルリック、その猫どないしたんや・・・・・・」
「この子はさっき屋上の方からやってきて・・・・・・後で野に帰します」
「よろしい」




「というわけでBADANが滅んでもずっと平和が訪れるわけじゃないんだ」

黒井を適当に巻いて午後の授業。
今は村雨による社会史を受けているところだ。
テーマは社会に置ける正義と絶対悪とその影響。
それをとあるヒーローと悪の組織に代えて説明されている。
BADANといえば近年まで世界を揺るがしていた組織の名前だが、仮面ライダーなる存在によって滅ぼされている。
しかし平和になった時代に仮面ライダーはどうなるのだろうか。 そして大きな悪が消えたところで平和というものが訪れているのだろうか、
村雨が問うそれは、何故だか妙に説得力を帯びてしまう。
ククク・・・・・この男の過去に一体なにがあったんだろうな・・・・・・っ!


キーンコーンカーンコーン(口で言いました)


「お、もうこんな時間か。 じゃあホームルームに移るぞ」



☆ ☆ ☆ ☆

「ねえねえヒナギク、学校終わったしどこか遊びにでもいかない?」
「ごめん奈緒、今日生徒会があるから無理」
「相変わらず真面目ね・・・・・・いいわ、適当に男誘っていくから」
「呼ばれた気がして来たお、3Pするお」
「「帰れ」」


「やっと授業が終わった~デュエルしようぜ遊戯さん!」
「望むところだよ十代くん。 それじゃ決闘開始の宣言よろしくね、ウッカリデスさん」
「デュエル開始ぃぃぃぃぃぃぃ!!!・・・・・・ふぅ、ジャッジも大変です」


「あれ?ゆたかは・・・・・・」
「どうしたんだみなみ」
「6/さんゆたかがいないの。 何処いっちゃったんだろう・・・・・・」
「先に帰ったかも知れないなぁ。 じゃあ探してみっか」
「うん」


「学校が終わったしサイトと一緒にああサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイトサイト」
「これから誠くんと一緒にああ誠くん誠くん誠くん誠くん誠くん誠くん誠くん誠くん誠くん誠くん」


授業が終わって教室が騒がしくなっている。
生徒達は各々帰り支度を始め、これからの予定について話し合っていた。
一部妄想に耽っている輩もいるが。
だが俺には関係ない、さっさと家に帰って

「アカギさん、これから夕飯の買い物行くんだけどできれば手伝ってくれないかな?」

要するに荷物運びをしろということか。

「ひゅーひゅーお二人さん熱いねぇ」
「こらこなた、冷やかしているんじゃないの」

今度は泉と柊が湧いてきた。
熱い? 何を言っているんだ泉は。
何やらからかってくる泉に対して柊が軽くどついている。

「ねーねー春香さん、私達も買い物につき合わせてよー」
「あんたったらまた勝手に・・・・・・」
「かがみんもお菓子買い込んでおきたいくせに」
「いや、私はその・・・・・・」
「二人とも着てもいいわよ」

こいつらまで同行することになったのか。
騒がしくなりそうだ。





「たーすーけーてー!」
「ゆたかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「ゆたかたんを抱きかかえたまま逃走しているわけだ俺は。
でも追いかけてくる相羽兄が邪魔なわけだ」


なんだこの騒ぎは。
廊下から出た俺達は小早川を連れ去るキョンとそれを追いかける相羽タカヤを発見した。
ちなみにこの相羽タカヤ、本妻がいるのにやたら小早川に気をかけていたり、
もしかしたらロリータコンプレックスかも知れないので、
D(デンジャラス)ボゥイのあだ名をつけられている。 色々な意味で危険な男だ。

「キョン! あんたこんなところで油売ってないでとっとと部室に来なさい」
「あーハルヒ勘弁してくれ・・・・・・」
「けひゃひゃひゃ、うっさいこのロリコン」

しかし俺達がどうにかする暇もなく、キョンは涼宮によって捕獲される。
キョンは相当の変人だがこの涼宮も昔はそうだったそうで、妙な笑い声はそのときの名残だろう。
たまに昔のことを指摘されては赤面しているとか。


「大丈夫かゆたk」
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「なんだ!?」
「僕だよ兄さん」
「シンヤ貴様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

また小早川の悲鳴が上がる。
振り向けば相羽タカヤの弟、相羽シンヤが小早川を抱えているではないか。
やたら兄である相羽タカヤに勝負を仕掛けてくるのだ。

「ゆたかを返してほしければパンツレスリングで勝負をしようじゃないか兄さん」
「望むところだぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「おじさんも混ぜてもらうよー」
「ならばこの前原圭一、審判を担当しよう」
「負けた方がメイド服を着るということで。 なお勝敗に関係なくゆーちゃんにはメイド服を着てもらいます」
「助けてみなみちゃ~ん・・・・・・」

園崎にダブル前原が乱入してきてわけがわからなくなってきた。
このままでは巻き込まれそうなので、呆けている南春香達を連れて外に出ることにする。



☆ ☆ ☆ ☆

「かわいいなぁロリスキーは。 よ~し乳首ダブルクリックしちゃうぞ~」
「爆弾ったらこんなところで・・・・・・いやぁん♪」

「かがみ、流石は魔性の女・・・・・・」
「なるほどーああいうフラグの建て方もあるんですね」
「(僕もああやって積極的になればフラグビルドさんともっと仲良くなれるかなぁ・・・・・・)」



爆弾にロリスキー、そして彼女らを何故か恨めしい顔で見ていた三村を一瞥しながら校門を出る。
と同時に泉が突然何かを言い出した。

パピヨン!」
「はぁ?」
「どうしたの泉さん?」

意味がわからないが恐らく固有名詞なのだろう。
電柱を指差しながらその単語を連呼している。

「違う違う、もっと愛を込めてパピ☆ヨン」
「パピ☆ヨン!」
「あんたはまた妙なやつと知り合いになったな・・・・・・」

電柱から飛び降りてきた蝶マスクの男。
どうやらこいつはパピヨンというらしい。
極めて妙なコスチュームに柊と南春香はなんともコメントしずらそうだが、
泉とパピヨンは知り合いらしく、何やら談笑を始めている。

「でさー今日はそんなわけでアカギ達に付き合うことになったんだよねー」
「そうか泉、だが貴様はこれから俺と一緒にこの蝶マスクを探しに秋葉原に行くのではなかったのか?」
「あっ!? そうだった!」

どうやらあの蝶マスクは店で売っているものらしい。
妙な趣味の店もあるものだな。
用事を思い出した泉は俺達に謝罪の言葉を述べる。

「ごめん春香さんの買い物に付き合うことができなくなっちゃった」
「大丈夫よ泉さん。 でもできれば今度は付き合ってほしいな」
「まったくあんたってやつは・・・・・・」



☆ ☆ ☆ ☆

「雑食動物の肉なんてまずいっていうwwwwww特売日の牛肉とか豚肉とか買い捲るっていうwwwwww」
「ブルァアア!ブルァアア!ベリーメロン!」
「犬の肉が売ってませんねぇ・・・・・・」
「犬は一部の地方では今でも食べられているそうですね。
ちゃんと食用の犬が存在しているみたいです。犬の肉とはそもそも(以下省略」
「長いですよラララー。 さてここで落語を(ry」

近所のデパート、『スーパーベジータ』に入るなり喧騒が聞こえてくる。
どうやら今日は特売日らしく、緑の恐竜やらサラリーマンやら冒険家やらピンクの髪の女子高生やらピンクの着物の男やら
多くの買い物客で賑わっていた。

「ところでどれぐらい買うんだ?」
「そうねぇ・・・・・・あまり多くはないんだけど」

家が隣だからとはいえ、流石に大量の買い物袋を持たされるのは避けたい。
南春香の家族構成は三人姉妹に一匹のペットだからそれほど多くはないと思うが。
『セール実施中』と書かれた棚から一つ一つ野菜を手に取って買い物袋に入れていく。
人参とじゃがいもと玉葱、今日はカレーか?

「肉が特売日みたいなんだけど買わなくていいの?」
「柊さん、肉は既にほとんど売り切れているわ」
「あ、そうだった」
「ところでそのお菓子はどうするの?」
「あ゛」

南春香の問いに柊は言葉が詰まったようだ。
彼女の買い物袋には大量のポテトチップスやヨーグルト、アイスクリームなどが入っていた。
家族にでも食べさせるつもりなのだろうか。

「いやこれはその・・・・・・」
「あ、お姉ちゃん」

幼い声がした。
聞き覚えがある声の方角を振り返ってみると、柊の妹であるつかさと白いアザラシがいたのだ。

「どうしたのこんなところで?」
「ゴマちゃんが冷蔵庫のプリン食べちゃったから買いにきたんだよ」
「なんだとぉ!?」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

単に菓子を買いにきただけなのか。
それだけなのにどうして白いアザラシはそこまで落ち込んでいるのだろう。
何故だかつかさから一種の狂気が感じられた。

熱血王子さん、早くプリンを買わなきゃいけないね」
「お姉さまのためにプリンを買わなきゃ買わなきゃ買わなきゃ買わなきゃ買わなきゃ」

柊つかさに非常に似た人物と自分に良く似た声の男(女?)がいた気がするが気にしないことにする。



「それじゃあアカギさんそろそろ帰りましょう」
「そうだな」

柊かがみはつかさとアザラシと一緒に帰っていった。
南春香も今晩の夕食の買い物を終え、自分と一緒に帰るところだ。
どうやら夕食は弟、妹とともにご馳走してくれるらしい。
そして店を出ようとしたのだが、そこにハプニングは舞い降りるものだ。



              ,.-'''"´|o|`"'-、
             ./  _,.-H-、_  ヽ
            ,;'  ,r'"  |o|  `'i、 .';,
           .| ./ メ、ヤ .|o|7 ,y;;;ヾ |
           | .|;:Y  `y |o|t, i':::::;;;| |
           | |;: ト、__,.ム;|o|;'r-'tイ;;| |
           | |;: ゞニヲノ´|o|ゞ'ニヲ',;;| |
           | .{;:ト、Y~ と|o.D ;,メ,;;;} |
           'i, 'i;:ゞ,'ー-,_L」_,.-' ソ;;i' |
            .ヽ ゞ .~'-ニL]ニ-'"ソ.ノ
             ノ`'-.,ゝ j|o| .,∠,-<
         _,.-''"-,_  ヾ<~二~ ツ-ー'~'-、__
     __,.-''"~      ~ t'-'´  .「 ̄ ̄|   ~~"''-,_
   r'"          r'"    |_,.-'"~ニ⊃ /V'i,  ヽ,
   i'           /    ,r'"   ニろ /::::G::'i, r' .'i,
  .|           i'    _/ヾ   そ   ̄ ̄~~.i;; ト,
  |           i;  ._,-'  Ji,.-''"       i;; i:::i,
  .|        ,,::;;;;;;;;/,.r'{    ,.;'"      ,,,,,, /;; .i:: .|
  |       ,,,,,;;;;;;;r'~  ゝ,_/      "~~  {;   |:: |
  |      ""   {::    ノ            i'  .i':: .|
 |         ,,...ノ;;::_,.ソ";;;           .ト-';;i':::: .|
 |        ::;;''トー";;;;;:''"            i'::::  |  |
「このデパートは今から我らデルザー軍団が乗っ取らせてもらう」

透明なカプセルでむき出しの頭を覆った妙な白タイツの男が集団を引き連れてデパートを襲撃しにきたのだ。
男の隣にいるハートマークの髪型の男やウェディングドレス姿の男や蛙男や銀髪の男は側近なのだろう。

「かがみは俺の嫁ぇぇぇぇぇぇ!!!!!! ということで結婚してください!」


      ハ,,ハ
     ( ゚ω゚ )  お断りします
    /    \
  ((⊂  )   ノ\つ))
     (_⌒ヽ
      ヽ ヘ }
 ε≡Ξ ノノ `J
「というか俺はかがみじゃねえ」
「うそーん」

蛙男が柊かがみらしき人物にばっさり切り捨てられた。
柊かがみではないと言い張っているが本当のことなのだろう。
第一柊かがみはつかさとアザラシとともに帰宅したはずだ。
出口から出て行く姿も確認した。




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     l:.イ:.!:.:.:.:.:.:./|:.:.|:.:.:.:./!:. /l:.:.|:.:.:.:|:.:.:.:|:.:.:.l:.:|:.:.|:.:.:.|:.:.:.:.:∧  |  |:.:.:.:.:.:.|がんばってるのわかるけどデパートは戦場じゃないんだよ
     l/|:.:|:.:.:.:.:/.:.|:.:.|:.:.:/‐l/-|:.:ハ:.:.:ハ:.:. |:.:.:.|: |:.:.|:.:.:.|:.:.:.:/ |   | l:.:.:.:.:.:.:,  みんなが楽しくお買い物しているところで暴れるなら
       V',:.: /:.:.:.|:.:.l:.:.:.|<圷示 ∨|ー-|:./」_:|:.:.|:.:./:.:.:/  :|   | |:.:.:.:.:.:.:',   お買い物の意味、ないじゃない ちゃんと、戦場でやろうよ
       !:∨:.:.:.:.:|:.:.|、.:|l ゞ='   ヘ| 'イ圷示/|: /:/'^レ   ∨  |:.:.:.:.:.:.:.:',   ねぇ、私の言ってること
        |:.:.:.:.:.:.:. |ヽ| ヽ|    ,    ゞ=' ′|/:/|r;/      \. |:.:.:.:.:.:.:.:.:',   私のお買い物、そんなに間違ってる?
        |:.:.: / ̄ ̄\ヘ.    ′       /イ:.:.|/、   ___ヽ|:.:.:.:.:.:.:.:.:.:',
        |:/      /|:.:\  ` `     / |:.:/  「|Y´     \:.:.:.:.:.:.:.:.:.',  少し、頭冷やそうか……
      /       //|:.:.| \__ .. イ |,|/  l|:| |      ∧:.:.:.:.:.:.:.:.:',
     ./       /〈. Vリ   | \_>'′  l      |:| |         ∧:.:.:.:.:.:.:.:.',
   ./       / \\  l| !ニニ}   /    ,./ |           \:.:.:.:.:.:.:',
  /.        ;' //  | |::|    /'     \ |           \:.:.:.:.|
 「 \         /  \\   .|/⌒ニニニ/      〉〉 |        /  〉:.:.:|

「じゃあ行こう、スバル、フェイトちゃん、シグナム」
「(逆らえるわけがない)はいー」
「こうなったなのはは止められないね・・・・・・」
『いくぞラスカル殿』
『当に準備はできている』
「あれは衝撃のアルベルト・・・・・・いざ尋常に勝負!」


「ランキング作成人よぉ、この世界に神なんていないんだよ!」
「神と人の違いが力の差だけならば、神の存在など不要だ!!」
「人は小さな力で精一杯生きている! だから私は人に憧れる!!」
「それが貴様らの答えか・・・・・・ならば全力でかかってこい!!」


なんだか入ってくるときよりも騒がしくなっていた。
白い魔術師が杖で砲撃をしまくっていたり、それを白タイツの男が幻術とやらで避けていたり
剣士の女とハート頭の男が白兵戦をしていたり、
大量の怪人達を金髪の女と鉢巻つけた女がぶっとばしていたり、そこに銀髪の男が立ちふさがっていたり、
竜に乗った男がクラスメイトの6/っぽいウェディングドレス姿の男と戦っていた。
この状況に慣れない(慣れたくもないだろうが)一般人は怯えたり逃げ回ったりしていて、デパート内は混沌と化している。

「アカギさん、私達はどうしよう・・・・・・」
「どうしたもこうしたもないだろう、さっさと帰るぞ」



☆ ☆ ☆ ☆

「そういえば見ないな・・・・・・」
「誰が?」

自宅であるマンションの階段を歩きながらてなんとなく呟いた独り言に南春香が反応する。
見ないというのはマンションの隣の家に住んでいる朝倉涼子のことだ。
結婚して姓が長門になっているはずだが何故かみんな朝倉と呼んでいる。
まあ最近産まれた赤ん坊に『門倉雄大』とつけているのだから、
ひょっとしたらあの一家は子供にも自分と違う姓をつけるのが家訓となっているのかもしれない。

「いや、朝倉涼子のことだ」

疑問を浮かべた南春香に返答する。
いつもなら通学していると突然現れて世間話に持ち込んでくるはずなのだが、
今日は何の音沙汰も見せない。

「そういえば朝倉さんなら・・・・・・」


~回想中~

『おはようございます朝倉さん』
『ああ春香ちゃんおはよう』
『どうしたんですかおしゃれしちゃって』
『実はねー今日は有希が遊園地に連れていってくれるんだ』
『それはよかったですね。 それにしても長門さん休みはとれたのですか?』
『聞いてよー、有希ってば有給をとるためにいつもの三倍のスピードで働いてくれたんだよ』
『そうだったんですか』
『春香ちゃんもいい嫁・・・・・・もとい夫をゲットしなよ』

『涼子、支度できたから行こう』
『あっ、有希今行くねー』

~回想終了~


「っていうわけで一家三人で遊園地行ったのよ。 だから今日はいないわ」
「ほう・・・・・・」

長門有希の勤めている企業は上場中の中小企業らしく、
中々プライベートな時間をとれないらしいのだ。
通常の三倍で働いたとなるとその反動もそれ相応のものがあるだろう。
それに耐えて家族サービスをするなど中々の根性の持ち主らしい。

「それじゃあアカギさん鍵出すから持ってて」
「ああ」

南春香は、懐に締まった自宅の鍵を取り出すために自分の持っている買い物袋を渡す。
左手のレジ袋と今受け取った買い物袋で両手が塞がった。
ガチャリと音がして家の扉が開かれる。

「ただいまー」



☆ ☆ ☆ ☆

「ハルカ姉さまお帰りなさい」

出迎えたのは南春香の妹である南千秋と

「お兄ちゃんおかえりー」
「お前も来ていたのか」

妹であるイチゴウだ。
何故か猫耳と尾がついているが一応妹ということになっている。

「あらイチゴウちゃんも来ていたのね。 これから夕食の用意するけど一緒に食べていく?」
「(ライバルの料理の腕前、見せてもらおうか)食べる食べるー」

イチゴウは元気よく答えるが何か呟いていた気がする。
たまにこういう仕草を見せるが一体なんなのだろうか。
妹の姿を見るなり自分にいたもう一人の兄弟のことを思い出す。

「そういえばあいつはどこいった?」
「それなら中にいるよ」
「あらちょうどいいわ。 夏奈も帰ってくることだしみんなで夕飯食べましょ」
「おい顎、春香姉さまの料理が味わえるんだ。 感謝しろよ」
「こら千秋、アカギさんにそんなこと言わないの」
「ごめんなさい姉さま」

顎というのは俺のことだ。
理由はわからないけど南千秋からは姉とは違ってやけにドライに接してくる。
嫌われることをした覚えはないのだがな。

「ぴ?(訳:なんでチアキは大きい方のアカギを嫌っているんだろう?)」
「にゃー(恐らくハルカがアカギを好いているからじゃねえの?)」
「ぴ!?(なんでそうなるのさ!? 好きならそれでいいじゃない)」
「にゃー(人には独占欲というものがあってだな、特別な好意が自分以外に向けられていると人は嫉妬してしまうものなんだ。
ハルカの好意が自分以外の第三者に特別な好意が向けられることで、自分がハルカから見放されていく気がしてしまう、
そんな不安がチアキの心を侵食してしまうのだろう。 実際はそんなことはほとんど無いのだがどうにも人は悪い方向へと考えてしまうものさ」
「ぴぃ(人間ってわかんないね。 好きなら好きでそれでいいのに・・・・・・
チアキとアカギが仲良くなってくれればいいなぁ)」
「にゃー(いまだチアキがハルカにしか特別な好意を持っていないのが原因だな。
だが何かきっかけがあれば絆が生まれるかも知れん)」

どっかから入り込んできた猫(額にマジックでV3と書かれている)がペットであるピッピと会話をしているように思える。
ぴ、やにゃー、の一言にどれだけの意味が込められているのかは知らない。



☆ ☆ ☆ ☆


「今日は遅かったな兄貴」
「少し買い物に付き合っていてな」
「せっかくだから久しぶりに何かを賭けないか?」
「それはいいが賭けるものなんざあまりないぞ」

食卓にて席につき、弟と会話を交わす。
こいつも苗字が苗字なのでアカギと呼ばれている。
そういえば最近こいつ相手にギャンブルをしたことがなかったな。
数年前まではよく金銭やら掃除当番やらを賭けていたのだが、
近年どうにもやれる機会がない。

「アカギさん!うちでそんな話をしないで」
「ふむ、すまない」

この女と関わるようになってからだろうか。
数年前ここに引っ越してきてから家が隣だと言うこと、そしてクラスがやたら同じになることで、
自然と交流を持つようになったのだ。
イチゴウが勝手にお裾分けを持っていたり遊びに行ったりしたこともあったみたいだが。

「どうしたのアカギさん?」
「いやなんでもない」

少し考えに耽っていたところは傍から見れば呆けているように見えたのだろう。
南春香はやや不安そうな顔をして覗き込んでくる。

「お兄ちゃんこそ究極だよ!」
「いや姉さまこそ至高だろう!」

食事中にも関わらず喧騒が聞こえてきた。
賑やかとは離れた意味のそれだ。
騒ぎの主は二人の少女。
何やら口喧嘩をしているそうだ。
この家はたまにこういう騒がしさもくるから困る。

「だからお兄ちゃんより素晴らしい存在はいないのだよ!」
「そんなはずないだろう、姉さまこそこの世界で最も美しい存在だ!」
「お兄ちゃんのほうがかっこいいに決まってるよ! 顎とか鼻とか!
それにそっちがこの世界で一番ならこっちはこの宇宙で一番だもんねー」
「なんだとー! なら姉さまは東西南北中央不敗&縦横ななめ異次元不敗に加えて全次元ナンバー1だ!」
「へぇ……どうやら力の一号を持つ私を怒らせてしまったようだね」
「お前こそマムクートなめんなよバカ野郎」

世界も宇宙も意味としては同じ気がする。
喧嘩の理由はわからないけどこのままではこのマンションぐらいは軽く消し飛んでしまうだろう。
まだ食べ終わってないがそろそろここを出る支度をするべきか。

「あなたたち……」
「「え?」」

考えている間に南春香が動き出した。


 必殺、アイアンクローフロムキッチン対面式!!
           __
 .   プチ!  , '´// )ヽ  プチ!
  ~"    . ( ((_(ノノ_ リ)   ~"
 .;""`^.~" 人|  _  |ノ.;""`^.~"
    "・゜。゜⊂ フ∠ ⊃"・゜。゜
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      ∪∪        ∪∪
      

「まだ食事中でしょ?」
「「すいません・・・・・・」」

なんか二人の頭がはじけとんだ気がしたけどそんなわけでもなかった。
南春香が両手をクロスさせ、二人の頭を鷲掴みにしている。
その光景に猫とピッピと南夏奈が唖然としている。

「ククク・・・・・・狂気の沙汰ほど面白い」

そして弟が微笑する。
思わず俺も口元が緩む。
こんな日常が続くのもたまにはいいかも知れない。

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