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  • 最優秀助演男優賞ノミネート

ラノベ・ロワイアル @ wiki

最優秀助演男優賞ノミネート

最終更新:2007年11月26日 14:18

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だれでも歓迎! 編集

第527話:最優秀助演男優賞ノミネート 作:◆lmrmar5YFk



『あまり考えすぎない方がいい。どうせこのゲーム自体が狂ってるんだ』
モトラドの運転席で、ハンドルを握ったままベルガーはそう言った。
……でも私は分かっている。狂っているのは世界でもこのゲームでもなく、私自身なんだと。

『ふと思ったんだけどさ……お前ってもしかして人を殺したいだけじゃねぇのか?』
にやにやとした表情を浮かべて、悠二を殺した青年はそう訊いた。
……あの時はまだ鼻で笑えたけれど、今はそれすら出来ない。
彼の言ったことが正しかったのだと、身をもって知ってしまったから。

『貴方は吸血鬼だよ。もう人には戻れない』
穏やかな瞳で私を見つめて、きれいな髪の少女はそう告げた。
……ああ、本当に彼女の言った通りだった。
私は、吸血鬼なんだ。人にもフレイムヘイズにも、もう戻れない。


   *     *     *


シャナは呆然と木立の向こうを見ながら、その場にぺたんと尻餅をついた。
意識しての動作ではなかった。自分でも気がつかないうちに、下半身から力が抜けていた。
剥き出しの脚に、湿った土の感触がじっとりと纏わりついて気持ち悪い。
「あ……っ」
口を開いた途端、嗚咽が漏れた。
咽喉に込みあげる不快感を無理やり押しとどめて、シャナは頭を上げる。
たった今起きた事象を確認するのが怖かった。
夢ではないかと、本気で願った。
けれど、心を決めて見上げた先にあったのは、予想したとおりの光景だった。
平和島静雄の遺体は、首から盛大に血液を噴き上げて、伸びた木の枝の上に逆さまに引っかかっていた。
手足は好き勝手な方向にあっちこっちと折れ曲がり、捩れて、枝の間にぶらんとぶらさがっている。
ホースを滅茶苦茶に振り回したような勢いで溢れる血が、四肢を、頭部を、赤黒く染め上げていく。
その鮮やかな血の奥で、既に物を感じさせない空虚な瞳が、ぽっかりと、こちらを見つめていた。
「――――っ!!」
真っ直ぐにこちらを見るその瞳と、視線が合った。
シャナは恐怖で全身が強張ったが、視線の先にある平和島静雄の遺体からは一ミリたりとも目が逸らせない。
そのまま彼の躯を見つめながら、寒気に震える肩へと両腕を回した。
身体の芯がひんやりと氷のように冷えていき、腹の底から何か気色悪い感覚がせり上がってくる。
妙にべっとりとする嫌な汗が首筋から噴出し、同時にぷつぷつとした鳥肌が皮膚の上一面に立った。
「死んだ……?」
最初に口を突いて出たのは、疑問形だった。
理由が分からなかった。
確かに力は抑えていた。殺さないように加減した。あのくらいで死ぬはずなんて、ない。
そう自分自身に言い聞かせ、とっくに傾いている精神の均衡を何とか保とうとする。
けれど、何を言おうとも、目の前の事実は覆せない。
「……死んだ」
二度目は断定形でそう言って、変えようのない事実を自分自身に教えた。
水が綿に染み込むようにゆっくりと、その言葉がシャナの脳に確かな理解となって吸収されていく。
そして、その重みがすっかり脳内で情報として処理されると、三度目にシャナは言った。

「違う。死んだんだじゃなくて……、『殺した』」

身体中の空気が、するすると抜けていくようだった。
脚に力は入らず、何も思考する気にならず、泣く事すら思いつかなかった。
脳内を巡るのは、ただ『殺した』という耐え様のない現実だけだ。
シャナは全身を襲う震えに耐えながら、蚊の鳴くような声を上げた。
「どう、して……?」
唇の間から、同じ言葉ばかりが何度となく繰り返し繰り返し呟かれる。
さながら壊れたオルゴールが同じ旋律をなぞり続けるように、シャナは「どうして」と問い続けた。
「どうして」「どうして」。何度尋ねても、答えは誰も返してくれない。
当然だ。ここに居るのは自分と死体だけなのだから。返事などあるわけがない。
そう頭の端では理解しているのに、シャナはその問いを止めることが出来なかった。
その姿はまるで、そうしていればいつか目の前の死体が起き上がって返事をしてくれるのではないかと期待するかのようだ。
ただひとつの言葉を口にしながら、シャナはぼんやりと港で出遭った青年との会話を思い返していた。
『お前が悠二を殺した──殺される理由としてはそれで十分だ!』
『謝ったところで悠二は戻ってこない! 殺したのはお前だ』
自分は確かに、あの派手な刺青の青年にそう投げつけた。
だってアイツは、悠二を殺したから。私の大切な大切な、誰より何より大切な悠二を殺したから。
だから、何を言っても構わないと、そう思って、私は彼にそう叫んだ。
だったら、そう。きっと、私はセルティにこう言われるんだ。
『お前が静雄を殺した──殺される理由としてはそれで十分だ!』
『謝ったところで静雄は戻ってこない! 殺したのはお前だ』
その光景を想像して、悲しくなった。思い浮かべなければよかったと、心から思った。
或いはそんなことはないかもしれない。セルティは、私と違って大人だ。
敵と間違えて私が斬り付けた後でさえ、セルティは『こんな見た目の私にも原因はある』と、自分が悪いかのように謝ってくれた。
その後私は、バツが悪くてろくに話しかけようともしなかったのに、吸血鬼化した事を知ったら親身になって心配してくれた。
悠二の遺体を一緒に埋葬し、その亡骸に手を合わせて祈ってくれた。

――セルティは、優しい人だった。

瞳は開けたままなのに、目の前が真っ暗になった。
取り返しのつかないことをしてしまった、と今更実感した。
心の底で澱のように積もった想いがふとした拍子に舞い上がり、シャナを激しく苦しめる。
どうしよう。どうしよう。
完全に吸血鬼になってしまった時点で、皆の元には戻らないと決めていた。
今の自分は、皆と居ても、いつ欲望のままに誰かを襲いだすか分からない。
だから、一人で居ようとそう決めた。
……でも、このことを黙っていていいのだろうか?
セルティに真実を告げなくてはいけないのではないか。
許してもらえなくてもいい、殺されても仕方ない。
それでも一言、「ごめんなさい」と謝らなければならないのではないか。
シャナは、未だぼたぼたと血を垂れ落とす静雄の死体を見ながら、怯えた様に「どうしよう」と言った。
その言葉に応えるかのように、静雄の乗った枝が重さでぎしぎしと揺れた。


   *     *     *


――ガサリ。
背後の草叢を左右に掻き分ける音が、耳の痛くなるような静寂の中に響いた。
突然のその音に、シャナは無意識的に身体を反応させ、両足に力を込めた。
先ほどまで重石でも括り付けたように重苦しかった脚は、戦士としての矜持を保つかの如く鋭く動いた。
すぐ脇に転がっていた神鉄如意に手を伸ばし、前へと構えるのも忘れない。
すばやく立ち上がって後ろを振り返れば、一人の青年が驚いた顔でこちらを凝視していた。
いや、青年の視線はシャナの存在を素通りしていた。
彼が真っ直ぐに見つめているのは、シャナの後ろのモノ――物言わぬ静雄の死体だった。
「シズ、ちゃん……?」
どこにでもいそうな外見の、とりたてて変わったところのない平凡な青年だった。
死体を仰ぎ見る彼の、ジャケット越しの肩が小さく震えている。
動揺しているのだろう。青年は身体の震えを必死で抑えるかのように、コートの内側に腕を伸ばした。
彼は、シャナの方を軽くちらりと見てから、何か重大な決意をしたように首を頷かせた。
その姿に、それまで呆然と仁王立っていたシャナも、思わず口を開いた。
「……どうするつもり?」
手にした神鉄如意は構えたままで、シャナは青年に尋ねた。
青年はシャナに振り返り、「ちょっとね。このままだと、キツいから」と、よく分からない返答をした。
一歩、また一歩。彼はよろめくような足取りで、恐々と静雄の死体へ近づいていく。
多分に怯えを含んだ表情なのは、その死体のあまりのグロテクスさゆえだろうか。
緊張で乾燥した唇を、伸ばした舌でぺろりと湿らせて、彼は静雄の身体が引っかかった木へ身を寄せる。
その遺体をゆっくりと慎重な手つきで持ち上げると、青年は静雄の身体を横抱きにして、場所を移動させた。
シャナが立っているそばの、小さな花が幾つか咲いている場所まで運ぶと、彼は静雄の身体をそこへ横たえた。
そして、立ちっぱなしのシャナに落ち着いた声で頼んだ。
「墓を作りたいんだけど、よかったら手伝ってくれないかな? ……知り合いなんだ」


   *     *     *


水を含んだ土はやわらかく、浅い穴なら手でも割かし容易く掘る事が出来た。
静雄の遺体を身をかがめる様な姿勢で穴の中に入れて、上から再び土を被せ直す。
青年のその作業を、どうしてかシャナは手伝っていた。
無言で黙々と地面を掘るのは、心を落ち着かせるのに丁度よい。
ざくざく、ざくざく。手で掬った土を静雄の遺体にかけながら、シャナは隣にいる青年を見た。
静雄の知り合いだと名乗った青年は、シャナが静雄を殺めた事に気づいてはいないようだった。
むしろ、無残な死体を偶然目撃してしまった被害者くらいに思っているらしく、しきりに「気分は平気?」などと尋ねてくる。
その押し付けがましくない心配の仕方はセルティとよく似ていて、シャナはまた、泣きたくなった。
静雄を埋葬し終えると、青年は目を瞑り、墓の前で両手を合わせた。
シャナもそれに倣いたかったが、自分にそんな資格はないと思って止める。
代わりに、静雄が『由乃のものだ』と言った十字架を彼の墓の脇へと供えた。
黙祷から目を開けた青年は、長いため息の後、
「こんなものしかないけど、持っていこう」
と、静雄の胸ポケットに入れられていたサングラスを取り出した。
先ほどの衝撃が原因なのか、サングラスのレンズは、既に両方ともひび割れていた。
けれど青年は、壊れたそのサングラスを、包み込むように慎重な手つきで掌に乗せる。
「何で?」
「シズちゃんにはさ、俺のほかにもう一人、親友が居るんだ。
セルティって言ってね、見た目はちょっと変わってるんだけど、
シズちゃんとは俺なんかよりずっと気が合って、しょっちゅう一緒にバイクで走り回ったりしてたんだ。
……だから、シズちゃんの遺品って言うのかな。もしどこかで逢えたら、渡せたらと思って」
しんみりとした口調で、どこか寂しげに「難しいだろうけどね」と付け加えた青年を見て、シャナは思わず声を上げていた。
「……その人なら、知ってる」
「えっ?」
「多分、まだマンションに居ると思う」
言いながら、シャナはデイパックから折りたたまれた地図を取り出す。
皆が拠点にしているC-6のマンションを指で指し示して、縋るように言った。
その声は、咽喉の奥から必死に絞り出したような細くか弱い、けれどひどく切実な声だった。
「だから、行ってあげて」

シャナは、自分のしたことを正当化するつもりも、無かった事にするつもりもなかった。
けれど今、自分からセルティに逢いに行くことは怖かった。
心の準備が出来たら、必ず謝りに行く。
でも、今はまだ、セルティに逢いに行けるだけの勇気がない。
……だから、せめてもの代償行為として、この心優しい青年に、想いを託すことにした。


   *     *     *


「シズちゃんってば、最後の最後まで俺の予想を裏切ってくれちゃったねぇ?
 でも、まさか、いい方に裏切られるなんて思わなかったけど、いや、本当に」

折原臨也は、笑っていた。
腹の底から、胸の奥から、愉しくて愉しくて嬉しくて嬉しくて仕方なくて笑っていた。

まったく、神に感謝したいような偶然だった(もっとも、彼は筋金入りの無神論者だったが)。
地下道を東に抜けた臨也は、探知機を使って人を探しつつ、このD-8の森へと足を踏み入れた。
そこで、探知機上に二つの光点を発見しのだ。
臨也は、誰かが居るはずの場所から少し離れた木々に身を隠し、そこに居る二人の姿を確認した。
驚いたことに、その片方は静雄だった。
「……探してる相手にはなかなか逢えないってのに、殺したいほど憎い相手は一日で2度も逢うんだもんなぁ」
苦笑しつつそう呟きながら、臨也は二人の観察を続ける。
静雄と赤髪の少女は、どうやら情報交換をしようとしているらしかった。
しかし少女のあの態度では、恐らく交渉決裂だろう。あれじゃぁシズちゃんは、すぐキレるに決まっている――。
臨也の予想したとおり、二人はじきに戦闘になった。
まあ、当たり前だろう。静雄相手にあんな強固な態度をとれば、争いになるのは目に見えていた。
「あの子がシズちゃんを殺してくれたら、最っっっ高なんだけど」
朗らかな笑顔でそう思いつつ見ていると、なんと少女は静雄相手に五分の戦いを始めた。
嬉しい誤算だ。
このまま目の前で静雄が死んでくれたら、これ以上の幸せはないんだけど、と、臨也は二人の戦闘に目を凝らす。

少女は、強かった。静雄の攻撃をうまく受け、流し、隙を狙って自分の攻撃を叩き込む。
剣速の鋭さ、太刀筋の正確さ、そして何より細身の身体から繰り出される圧倒的なパワー。
あれでは、流石の静雄でも殺られてしまうかもしれない。
「ああ、そうならないかなぁ」と願った臨也に、天は味方したらしかった。

少女は、本当に静雄を殺した。
その瞬間、臨也は彼女に向けて盛大な拍手をしたくて堪らなかった。
心からの賛辞と共に、彼女にバラの花束でも手渡したい想いでいっぱいだった。
けれど、少女と静雄のやり取りの中には、それ以上に考えねばならないことが存在していた。

赤髪の少女は、静雄が自身の名を答えた途端、それまでの容赦のない攻撃から一転、殺さないよう攻撃の手を加減し始めた。
即ち、交戦していた相手が『平和島静雄』という名前だと分かったことで、彼を『殺してはいけない相手』だと認識したことになる。
外見ではなく、名前で敵か味方かを判断した根拠は何か。
初めて遭遇した、それもその時点で戦闘中の相手を殺してはならないと考えた理由は何か。
それは、静雄を直接知る誰かから、彼が信頼に足る人間だと教えられていたからではないか?
恐らく彼女は、その誰かから、静雄の名前のみを聞いていたのだろう。
或いは外見や服装も教えられていたのかもしれないが、トレードマークのサングラスをはずし、血塗れでボロボロの格好だったために、そうとは気付かなかったのだろう。
では、果たして、少女に静雄の名前を教えたのは誰か。
可能性は二つある。
静雄がこのゲーム内で出会い、信頼しあった相手か、元からの知り合いかだ。
しかし、前者の可能性は限りなく低い。
さっきの様子を見ても分かるように、静雄のあの性格では、まともな交渉や団結など不可能に近いからだ。
ならばその『誰か』とは、静雄を元から知る人間――つまり、セルティでしか有り得ない。
そう、彼女は、セルティと出逢っている――。

そう分の悪くない、賭けだった。
そして臨也は、賭けに勝ったのだ。
少女に不審を抱かれることなく、彼女からセルティの居場所を聞きだすことが、彼は出来た。

解除装置の使用は高い代償だったが、二つの点において、大きな役割を果たしてくれた。
一つは、あの赤髪の少女に、より強い罪悪感を植えつけた点だ。
交戦前後の様子から、彼女が禁止エリアに気付いていないのは明白だった。
『禁止エリアに気付かなかったため起こった事故』と『自分が力加減を誤ったことで起こった殺人』。
どちらがより罪悪感に苛まれるか、答えるのは容易い。
そして悩めば悩むほど、人は単純になり、思うまま動かしやすくなる。
もう一つの利点は、静雄の遺体を自分の手で手向けられた点だった。
あれだけ壮絶な死体を見て、怯まずにその墓を掘ってやるという行為は、『無二の親友の死を心から悼む青年』という馬鹿げたキャラクター設定を、相手に違和感なく受け入れさせられる。
それに、一度埋められた死者を掘り起こして死因を確認出来るほど、セルティは冒涜的な女性ではない。
少女本人が事実を誤認し、目撃者も唯一自分しかいないと言う状況で、静雄の死の真相を見抜くのは誰であれまず不可能だろう。
――これで自分は、『静雄の死の真実』というセルティに対する絶対的なカードを手にしたまま、彼女に逢えるというわけだ。

それにしても、と臨也は思う。
シズちゃんの死体を見て、ちょっと興奮しすぎたかもしれない。
演技には自信があったのに、堪えきれない笑いが込み上げて、思わず肩を揺らしてしまった。
仕方ない。何せ、あの瞬間も、今も、楽しくて仕様がないのだから。

「さぁてと、セルティの居場所は分かったし、シズちゃんは死んだし、まったく幸運ってのは一気にやってくるもんだねぇ。
ああ、最高だ。 本っっっっ当に、笑いが止まらなくて困るくらい最高の気分だよ?」



【D-8/草原/1日目・21:00】

【折原臨也】
[状態]:脇腹打撲。肩口・顔に軽い火傷。右腕に浅い切り傷。(全て処理済み)
[装備]:光の剣(柄のみ)、銀の短剣
[道具]:デイパック(支給品一式・パン6食分・水2000ml)、探知機、禁止エリア解除機
    ジッポーライター、救急箱、青酸カリ、スピリタス1本、静雄のサングラス
[思考]:同盟を組める人間とセルティを捜す。クエロに何らかの対処を。人間観察(あくまで保身優先)。
    ゲームからの脱出(利用出来るものは利用、邪魔なものは排除)。
    残り人数が少なくなったら勝ち残りを目指す
[備考]:クエロの演技に気づいている。
    コート下の服に血が付着+肩口の部分が少し焦げている。

【D-8/旅館の前の道路/1日目・21:00】

【シャナ】
[状態]:吸血鬼(身体能力向上)/ダメージ軽微
[装備]:贄殿遮那 /神鉄如意
[道具]:支給品一式(パン6食分・水2000ml)
    /悠二の血に濡れたメロンパン4個&保存食3食分/濡れていない保存食2食分/眠気覚ましガム
    /悠二のレポートその2(大雑把な日記形式)/由乃のロザリオ
[思考]:もう誰も殺さないよう一人でいる/覚悟が出来たら、セルティに謝りたい
[備考]:体内に散弾片が残っている。
    手術で摘出するまで激しい運動や衝撃で内臓を傷つける危険有り。
    ただし吸血鬼の再生能力と相まって高速で再生する。
     18時に放送された禁止エリアを覚えていない。
     C-8は、禁止エリアではないと思っている。

静雄の遺体が、D-8の北端に埋葬されました。また、墓の脇には由乃のロザリオが置かれています。
20:35から21:35までの一時間は、C-8の禁止エリアが解除されています。


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第526話 第527話 第528話
第570話 時系列順 第559話
第476話 折原臨也 第529話
第526話 シャナ 第529話



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