アルカデス

アルカデス

概要

この作品における最大の謎にして、主人公リョウガにおける旅の目的。しかし、同時にポケモンのパワーバランス・友情や絆・魅力や活躍・タイプ相性・特性・使用する技といったポケモン要素やストーリー展開において、全ての元凶であり、物語全般の問題点・不満点として槍玉に挙げられることがある。

肩書きは、謎の戦士→最強のB戦士→勇者→伝説のB戦士→全知全能の究極戦士。
物語が進むごとに少しずつ設定が変わっていくのが特徴で、章ごとにほぼ全ての陣営が明らかになっていく展開とは真逆に謎ばかりを生み、最終章となる決戦編まで、徹底して存在自体が伏せられていた。一般人に尋ねても存在自体を知らない人が多く、重要アイテムである光の羅針盤を露店で売り飛ばしても誰も反応しなかった。
ただしB戦士であることは作中に明示されていないにも関わらず、「前回のあらすじ」であっさりバラされた。

世界中をまたにかけ、悪者を倒しているらしくリョウガにとっては家族であり目標であり師匠でもあるらしい。ハリルにとっては欲望の塊で故郷を滅ぼし、父親の命を奪った仇でもあるらしい。彼?の力を借りると永遠に戦いの場から離れられない宿命を背負ってしまうらしい。出会うには、光の羅針盤を手に入れ、本物のBURSTハートを6つ台座に装着する必要があるのだが、6つ装着してしまうと後戻りは出来ず、強制的にアルカデスの住む聖地へと連れて行かれてしまう。





明かされた謎 ネタバレ注意! 
その正体は、一人の人間を指す名前ではなく、代々力を受け継ぐ者のこと。前任のアルカデスからその名を引き継いだ者が、次のアルカデスとなり、強大な力を得られる。

その力は、「世界を変えることができる」と言われているが、どのように使うかは継承者の判断に委ねられており、歴代のアルカデスたちも、平和な世界を作ろうと尽力したり、逆に私利私欲のために力を振るったりと、その行動は様々だったらしい。

ただし、強い力を得られる分、その代償も大きく、力を使い果たすと、体が石化してしまうが、救済策は一切無い。死亡と同じ扱いをされており、リョウガと共に戦ったり、家に帰還することは叶わなかった。
サビンが「永遠に戦いの宿命から逃れられなくなる」と語っていたのは、恐らくこのことを指していると思われる。
現在のアルカデスはガリュウだが、既にGGとの戦いで力を使い果たして、石化してしまっている。
次代のアルカデスへの引き継ぎは、石となった前任者に触れることで行われる。
また、代々管理人を務める者がいるらしい。

だが、この説明の中にはポケモンのポの字*1も出てこず、ガリュウを信じてBURSTハートに入ったはずのゼクロムのことが一切顧みられなかったため、アルカデスの力を得たガリュウが用済みになったゼクロムを(閉じ込めたまま)ポイ捨てしたという疑惑が浮上した。にもかかわらず、リョウガは呑気に「やっぱ親父は最高だぜ!」と絶叫し、読者を呆れさせた。

特に管理人との一戦は生身による殴り合いで行っていたため、ポケモンと全く関係のない内容を複数に渡って行われ、その間はBURSTすら使用不能の結界も加わり、ポケモンが1ヶ月以上一コマも登場しなかった。ポケモンを名乗りながら、ポケモンそのものを蔑ろにし続けた漫画の最終章・決戦編を象徴する展開となった。

17タイプのポケモンの技が使えるというが、様々な種類のタイプのポケモンを育てているトレーナーならできるような力であり、石化することを考えるととてもすごいとはいえない。単純計算でも普通のポケモンが5匹いれば、全てのタイプの技を使える。技マシンを揃えた*2上級トレーナーならば、多彩な技をポケモンたちに覚えさせてカラフルに飾ることが出来る。しかし作中では万能こそ無敵・無限の力を持ち絶望的な強さに、対抗手段は無いという扱いをされていた。

なお、17タイプと言うのは連載当時の名残であり、連載終了から1年も経たない間にポケモンのタイプに新たなフェアリータイプが加わることになった。このフェアリー(妖精)こそが、アルカデスの要素や作中の世界観が、本来のポケモンとはかけ離れている*3ことを思い知らされる。特に、単色フェアリータイプの進化系の公開情報は、多くの新要素を最初に伝えてきたコロコロ誌上ではなく、女子向け雑誌の「ちゃお」で先行公開されたのが決定打となった。

アルカデス(フロード最強体)

リョウガが後を継ごうとしたが、フロードによって力を奪われてしまって誕生した現代のアルカデス。そして、この漫画におけるラスボス
その結果、最強体にアルカデスと絶望的な戦力差と演出を狙ったはずだがアルカデスの力に潜む危険な副作用を徹底して描写していたために、逆にフロードは力を使い果たすと石化する死亡フラグが立ってしまった。その力の全容は全知全能であり、全17タイプのポケモンにBハートを使わずに変身する力のことであった。しかし絶大な力を使うたびにほろびのカウントが進むので、その気になれば単に逃げ回っているだけでも容易に勝利できると思われる。

永遠の塔へと場所を移し、地上全てを消去する世界の粛清を行おうとした。
最後の戦いではリョウガを一方的に追い詰めるも、世界の力を受けてからの殴り合いに負ける。最後まで世界の平和や粛清だのを求め続けた果てに力を近い果たして石化。その後は管理人に回収される。

アルカデス(フロード最強体)十七番変化
  • ノーマル→ウォーグル(兼任)
  • ほのお→エンブオー
  • みず→ダイケンキ 「激流放射(アクアエミッション)」
  • でんき→ゼブライカ 「電撃切裂(ライトニングスラッシュ)」
  • くさ→ジャローダ
  • こおり→ツンベアー 「吹雪絶叫(ツンドラスクリーム)」
  • かくとう→エンブオー(兼任)
  • どく→ダストダス
  • じめん→ゴルーグ 「大地昇拳(グランドアッパー)」
  • ひこう→ウォーグル 「鉤爪翼風(クローウインド)」
  • エスパー→ランクルス
  • むし→シュバルゴ 「鋭針突刺(エギーユスプリッグ)」
  • いわ→ギガイアス 「岩盤落下(ロックドロップ)」
  • ゴースト→ゴルーグ(兼任) 「幻惑連撃(ダズリングマシーン)」
  • ドラゴン→サザンドラ
  • あく→サザンドラ(兼任)
  • はがね→シュバルゴ(兼任)
今までの敵(戦ってないのがほとんどだが)の全ての能力が使えるという王道な能力なのだが、
変身したポケモンのほとんどが、BHS編前後に登場したB戦士のポケモンだったせいかラスボスとして迫力に欠ける部分も。また中途半端に兼任が出ているところにもやっつけ感がある。


不満点・問題点


作中において、ポケモンを超える人間キャラの頂点とされているため、過剰なまでにポケモン要素を蔑み、試練においてはBURSTすら無効にする結界まで張る。人間同士生身のバトルを呼び込み、ポケモンで行う必要のない演出を立て続けに作り出した。さらにバトル内容やその後諸々により、ただでさえいろいろな説によって弱体化されていたのに、フロード無能説を決定的にしてしまい、トドメの烙印を押されることになった。

これら全ての不満点及び問題点は、物語の最高潮に行われたため、もはや修正もテコ入れも不可能な状況に陥り、ストーリーの破綻も含めているため、連載が終わってなお、深い傷跡を残している。

一つのポケモン世界の象徴とされる存在、ゼクロムとレシラムでさえも、作中のオリジナル要素(人物)を最強にするための踏み台にするという姿勢は、多くのファンの反感を買うことになってしまった。
変身においてはBURSTハートを使う必要が無いため、原点のポケモンはおろか、ついにオリジナルの要素すらかませ犬にした。

パワーバランスの破壊

ポケモンにおける野生や進化、伝説といった強さランクを無視して、パッケージのレシラムの放置と放棄による徹底無視に加え、同じくゼクロムは主人公の父に放棄された疑惑に、最終進化ポケモン軍団によるフルボッコ+相性を無視した展開を徹底した。ポケモン要素無しにしても、現時点で全ての戦力が無意味となり、主人公以外が通用しないまでに力がハイパーインフレ化していた。

本来の世界観だと、ゼクロムVSアルカデスは立場が逆であり、主人公側が使う御三家最終進化ポケモン達で究極の戦士と自分達しか伝らないバトル描写により、読者との隔離を生んだことも要因である。裏話では作中オリジナルで究極ポケモンのBURST戦士を考えていたらしいが、本家から却下されたという逸話がある。その代わりに、17タイプの力を強調する案が採用されたらしい。

ストーリーの矛盾・問題点

かといって設定を熟読して見ると、ガリュウがアルカデスとなっても、アルカデスではない過去のフロードとは相打ちに終わり、自分だけが石化する犬死に終わる。さらに力を使うたびに石化に近づくハイリスクハイリターンがあり、腕に自身があればノーショットでラスボスを撃破して、石化する間抜けな最期とたいして強くない設定の粗が発見されている。

あまりにも大きすぎるリスクから察するに、本来はリョウガがアルカデスになる予定があったことが伺える。最後の段階に来てせっかくだからフロードにしようと、急遽設定を変えたのではないかとも推測出来る。この説が正しければ、最終章までもその場気分でストーリー*4を作っていたのではないかと思われる。

フロードは、レシラムのBハートを使うための肉体である、最強体を得るために全てを築き上げてきたと説明し、「私の究極の姿を……」とまで強調していた。この時点ではレシラムを、アルカデスになるための仮の姿や道具などとは言っていなかった。さらに聖地へ向う決戦前夜では、宿敵アルカデスと対面することを楽しみにしていた。ポケモンの設定でも、レシラム・ゼクロムの上に立つイッシュ図鑑のポケモンは、続編で、レシゼクどちらか一方と融合してフォルムチェンジを果たしたブラックキュレム・ホワイトキュレム以外に存在しない。
これまでの作中での描写からは、フロード最強体が本来対峙するラスボスのような存在とされていたが、それだけでは終盤での絶望感が伝わらないと判断され、厳しい条件をクリアして現れた隠しボスが、ラスボスを瞬殺して急遽登場して戦うことになったのだろう。

Bハートを6つ集めておらず努力も苦労もしていないフロードがアルカデスを受け継いだことによって、物語自体が破綻してしまい、アルカデスの資格を得る試験での修行が全て無駄となった。魔王が願い事を横取りするのとは違って主人公の夢を打ち砕いたことによって、1年掛けた物語の到達点や達成感、成長要素といった基盤の全てを無駄なものにしてしまった。

今までのストーリーの流れでは、最終進化軍団のBHS→伝説のポケモンのB戦士→パッケージ伝説のポケモンと、本来のパワーランクを歩んでいた矢先に急遽ランクを逆転させ、最後までもう登場しないと思われていたポケモンたちの融合形態が次々と登場し、なかには二度目の融合形態まで披露されたため、非難の声がネット各地の掲示板に飛び火した。

友情や絆の問題点

力のインフレにより、リョウガはたった一人で最終決戦へと向かう。戦いにおいても仲間達が回想や夢の中に現れるといった展開も無く、ポケモンたちの出番も元気を与える以外に無い。圧倒的な敵だからこそ、メイン5人のB戦士全員が力を合わせて戦うというようなこともなかった。

ポケモンやトレーナーの扱いについて

聖地は秘境なのだが、野生のポケモンがなぜか一匹もいないという謎の世界観。この設定のため、ポケモン不在が4話以上・1ヶ月に渡って描かれることになり、ポケモン未登場の記録を更新した。

永遠の塔においては、まるで選ばれたもの以外を拒む異常気象が立ち込めており、登ろうとしたポケモントレーナー達が膝をつくという展開があり、弱体化によって飛べなかったリョウガが翼による飛行能力を初披露してトレーナー達を踏み台にした。ポケモン本来の技やとくせいも全て無視される。特にみずはでんきに弱いと説明を入れながら、軽々と真逆の展開を最終決戦と2回に渡って行っていた。リョウガが必殺技を放つが、両方とも相手がでんきに弱いタイプに変身したアルカデスにヒットするものの、ダメージを受けた様子も無いような描写で、何事も無かったかのように戦闘を再開する。本来の展開なら、弱点となる攻撃を受けても「ある程度は克服している」「鍛えている」で解釈が可能だが、煙からの無傷!のような反応であり、相性を超えて弱点をも耐えうる最強ボディのような描写を伝えたいのだが、重要な要素を無視しているために読者には伝わらなかった。

ポケモンの攻撃は、基本的になんらかの状態異常やステータス低下(通称:デバフ)が含まれていることが多いため、まともに受けるのは非常に危険な行為*5である。他のポケモン作品では、受けるよりも回避する独自の設定・指示が入ることも少なくは無い。



  • 「謎の剣士」ってソース何? 「謎の戦士」は新連載予告で確認できたんだけど、それより前にも何らかの発表があったって事? -- 名無しさん (2019-09-12 13:44:08)
名前:
コメント:

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2021年08月31日 20:40
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。

*1 前回から引き続きポケモン未登場で、この話ではB戦士としてのポケモンも一回も登場しなかった異例の回だった

*2 BWからは、一度入手したわざマシンの使用が無制限になったため、相手や状況に合わせてわざをカスタマイズする戦術が可能となった。

*3 妖精のファンタジーと、作中の厳つい戦士と世紀末の対比。さらに該当するポケモンの多くがお姫様・キュート・ヒロイン・ピンクカラーといった可愛らしい要素を持つ。

*4 アオリ文でアルカデスの森編と紹介された矢先に、前ぶりも無く突然出た用語、永遠の塔へと舞台を移される

*5 ダメージは防げても、行動不能系の状態異常を浴びるとそれだけで戦闘が長引く。