ラクス「わざわざ家に来てまでなんの用ですか~?脳筋センパイと捕りに行ったカブトムシくんの観察で忙しいんですけど~?」
アセビ「ああ、レオンさんが遊びにいくと言っていたのはそういうことだったんですね…」
ラクス「あたしはオトナなのでしょーがないから付き合ってあげたんですよ、あたしってばやさしー♡」
アセビ(…持ち帰って飼って眺めてる時点で子供っぽい気が…)
ラクス「それで、よわよわおねーさんはカブトムシくんよりあたしを楽しませてくれるんです?」
アセビ「…楽しいかはわかりませんが、少し買い物に付き合ってほしいんです」
ラクス「買い物?」
アセビ「はい、水着を買う必要がありまして…海辺に向かう依頼を受けることになったんです」
ラクス「おねーさん、水着どころかもしかして一人で服も選べないんじゃないですか~?芋女♡服を買いに行く為の服なさそう♡なさけなーい♡」
アセビ「うう…た、確かに服を選ぶのも苦手ですが水着というところが更に問題でして…」
アセビ「そ、それに少なからず私服で会ってるじゃないですか!流石に服がなくて行けないなんてことはないです!」
ラクス「ふーん…でもおねーさんのおでかけ服自分で選んで買ってないでしょ?」
アセビ「…ど…どうしてわかったんですか…?」
ラクス「初歩的な推理です、この辺りの流行りと少しズレてるわりに妙にこなれてるというかダサくないので」
ラクス「おねーさんの経歴と照らし合わせて考えると、まああっちの大陸で見繕ってもらった服をそのまま着てるとかそんなところでしょう?」
アセビ「ず…ズレてるんですか…?気づかなかったです…」
ラクス「ま、浮いてるというより上手く外してると思われる範囲だと思いますよ~?」
ラクス「それで?服を選べないよわよわおねーさんだから水着も選べない~♡ってことなんです?」
アセビ「ええっと…そもそも海に行ったこともないので…どこに水着が売ってるのかすら正直怪しくって…」
ラクス「あー、そういうことですか」
アセビ「なのでラクスさんに相談したいな、と」
ラクス「…相談する相手間違ってません?」
アセビ「エリカさんはもう帰省してしまいましたし、師匠に相談できるような話でもありません…それに」
ラクス「?」
アセビ「せ…せっかくですからその…ラクスさんとおでかけしたくって…」
ラクス「ふ、ふーん…ま、まあ確かに?あたしとおねーさんは同じ穴の狢と言えなくもないですし?ある意味適任みたいな?」
アセビ(これは…照れてる…こっちまで恥ずかしくなってきた…)
ラクス「あたしもどこかで海にいくつもりでしたし?しょうがないから付き合ってあげちゃいます」
アセビ「本当ですか…!ありがとうございます、嬉しいです…!」
ラクス「今からでいいんです?」
アセビ「はい、ラクスさんさえよければ今からでも」
ラクス「じゃあちょっと準備してくるんで待っててください、紅茶でも淹れさせましょうか?」
アセビ「い、いえ、お構いなく」
ラクス「はーい、この辺が水着コーナーですよー♡」
アセビ「…たくさん種類があるんですね…」
ラクス「あっ、これなんかいいんじゃないですか~?」
アセビ「な…なんですかそれ…下…着…?」
ラクス「えー?おねーさんいっつもこんな凄いのつけてるんです?見かけによらずだいたーん♡」
アセビ「ち…違います!ものの例えというか…下着にしても布面積が狭すぎます!」
ラクス「はー、お約束お約束♡これは極端だとしても下着くらいの露出度は普通ですよ?」
アセビ「そういうものなんですか…?」
ラクス「気になったやつがあったら一応試着したほうがいいと思いますよ、試着室…はそこですね、店員さん試着室借りますね~♡」
アセビ「試着…?」
ラクス「…えっ、おねーさん試着という概念すら知らないんですか~?ドン引き~♡」
アセビ「流石にそれはないです…が水着の試着ってどうすれば…?」
ラクス「上はともかく、下はつけたまま重ねる感じですよ~♡ま、確かに最初は戸惑いますよね」
アセビ「なるほど…なんというか…ゴワゴワしそうですね…」
ラクス「ですからあたしは手持ちの下着で一番布が少ないやつにしてきましたよ~♡」
アセビ「…えっ」
ラクス「あれあれえ?想像しちゃいました?へんたーい♡」
アセビ「こほん、と、とにかく試着の仕方はわかりました、ありがとうございます」
ラクス「じゃああたしも水着とか服とか見てきてもいいです?」
アセビ「はい、付き合わせてしまってすみません…」
ラクス「決まりました?」
アセビ「はい、この競泳水着?とやらにしようと思います」
ラクス「うーん…地味」
アセビ「うう…ですがあまり肌を出しすぎるのも恥ずかしいですし…」
ラクス「…まあ確かに、あたしたちは露出控えめのほうが多少は楽ですしね」
アセビ「…そう、ですね」
アセビ「…ラクスさんはどんな水着を買ったんですか?」
ラクス「海に行ってからのお楽しみでーす♡」
アセビ「…?ラクスさんも依頼を受けてたんですか?」
ラクス「受けてませーん♡…なによ、夏季休暇は長いんですよ?…いっしょに行ってくれたっていいじゃない」
アセビ「…!私なんかでよければ、喜んで!」
この後アセビはかき氷を奢らされた。
最終更新:2022年08月07日 19:33