「機動戦士GUNDAM SEED―Revival―」@Wiki

メサイア攻防戦直後

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そこは静かな所・・・・
ボロボロの鉄屑と化したMSの残骸で埋め尽くされた海。
その海の中を腕とスラスターを失ったMSが、静かに漂っていた。
ZGMF-X42S・デスティニー。コックピットの部分も大きく損傷したその機体の中には、
意識を失った黒髪の少年がいた。左腕には大きな金属片が突き刺さり、左の頬にも深く刻まれた傷が見える。
まだ彼は生きているのか、それとも死んでいるのか。このままでは間違いなく死ぬだろう。
そのとき、二機のMSが少年の入った機体に接近してきた。
二機のMSは漂っている機体を見つけると、一瞬驚いたようにその動きを止めた。
どうする・・・こんな物があるなんて聞いていなかった。そんな会話が通信でされているのだろうか。
しばらくすると、二機のMSはそれぞれがデスティニーを抱えるように持って撤退を始めた。

痛む左腕と左の頬。シン=アスカが目を覚まして最初に感じたのは、その二つの痛みだった。
(ここはどこなんだ・・・・)
白い殺風景な天井を見上げながら彼は上半身を起こす。ぼんやりとした頭のまま、シンはふと聞こえてきた
聞き覚えのある声に気づいた。慌ててそちらに目を向けると、小さなデスクの上に置かれた映像媒体からその声は流れていた。
そこの映っていたのは、優しげな微笑を浮かべるピンク色の髪の少女と、短い金髪の少女。
(ラクス=クライン・・・・アスハ!?)
何でコイツらが・・・呆然とするシンの目にさらに二人の人物が飛び込んできた。
短い茶色の髪に優しげな瞳。他の2人同様にその少年は微笑んでいた。
だが、それ以上にもう一人の男の姿が彼に耐えがたい苦痛をもたらした。
(キラ=ヤマト・・・・それに・・!)
蒼い髪に緑の瞳。一時は憧れを抱いたこともあった男。だが、そいつは自分たちを裏切った。
そして・・・
「思い出した・・・俺は・・・」
寒いわけではないのに体に悪寒が走った。自分は撃たれたのだ、この男に。アスラン=ザラに!
硬直したまま動けないシンの目の前で、優しげな笑みを浮かべた歌姫は言い放った。
「皆さん・・・世界は救われました。もうデスティニープランが発動することはありません。
 議長は我々が捕らえました。平和が来るのです・・・」
シンは最後まで聞くことはできなかった。考えるより早く絶叫しながら、彼の右手は画面の中で微笑む女に振り下ろされていた。
その一撃で画面にひびが入り、無理な力出したため左腕に激痛が走った。だが、体の痛みよりも心が痛かった。
議長は負けた・・・おそらくレイも、ルナもミネルバの皆も。あの人を上から見下ろし、神の視点で物事を見る連中に。
「う・・うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」
あふれ出す悔しさを抑えきれず、彼はその場に崩れ落ちると、獣の様に咆哮しながら泣いた・・・

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