ロックバイソン/アントニオ・ロペス
◆少々気弱だが、情に厚い重戦車ヒーロー
クロノスフーズに所属するヒーローで、能力は「肉体硬化(頑強な皮膚)」。動きが他のヒーローより鈍重だがその分持ち前の巨体とパワーで活躍するも、時折ドジを踏む事もありランキングは下位に甘んじている。
虎徹とは学生時代からの腐れ縁かつ親友。少々気弱でヘタレな所もあるが友情に厚く、TV版では虎徹が参加するヒーローイベントの応援に駆けつけたり、マーベリックの洗脳が解けていないバーナビーが虎徹に繰り出した蹴りを、立ちはだかって受け止めたりしている。
◆ベテランヒーローの威厳もへったくれもない迷走の数々
ところが、TV版に比べライジングでは彼の美点よりも弱点である「ヘタレ」の部分ばかりが無駄にクローズアップされている。
ヒーローとしての自分の立ち位置について模索するのはいいが、それが他社のそれも若手ヒーローの決めゼリフをパクるというのは、模索ではなくただの迷走である。
仮にも長年活躍してきたベテランヒーローの考える事やする事ではないし、先方の会社からも「ウチのヒーローの真似をするな」とクレームが来るだろう。
実際、ライジング冒頭のトレーニングセンターでひたすらキース(スカイハイ)に謝罪するアントニオと、そんな彼に恐縮しながらも、ロックバイソンの迷走(という名のパクリ行為)に関して自分の会社で話題になっていると、関連記事の掲載された雑誌(見出しに『Rock Bison in Hot Water After Stealing Famous Pose!(ロックバイソン、スカイハイのお決まりポーズをパクり、苦境に陥る)』とスカイハイのポーズをパクるロックバイソンの写真付き)片手にキースが語るシーンがある。
キースに謝罪をするアントニオ。wiki以外への転載禁止 |
その他にも、ライジング版KOW掲載の『ヒーローの一日』では、他社の設備を利用しようと潜り込む(込もうとした?)など、ヒーロー以前に人としてどうなんだという描写が悪目立ちしている。
更に、ライジング版KOWの箱に見切れているロックバイソンの姿が確認されている(ちなみにTV版及びビギニング版KOWの箱の中と箱の差込口で、それぞれ折紙サイクロンが見切れているので、おそらくそれを盗用しているものだと思われる)。
また、そんなヒーローとしての方向性について迷走するロックバイソンの姿を見て、二部リーグのヒーロー(以下、
二部ヒーロー)達が馬鹿にして嘲笑するシーンがある。
相手は人口2000万人の大都市に8人しかいない一部リーグのヒーローで、彼らの大先輩なのだが。
(同時にロックバイソンを嘲笑する姿を見て、二部ヒーローの指導もしている虎徹が、彼らを窘めるどころか全くのノーリアクションなのも、何処か不自然である)
TV版でも二部ヒーローとのシーンがあるが、そちらはロックバイソンの素顔を知らないゆえ、ヒーロースーツのWTとバーナビーには挨拶をしたが、私服のアントニオの事は判らずスルーしてしまい、それに対してアントニオが落ち込むというものである。
(虎徹の「お前の顔を知らないからだろ」の台詞の通り、二部ヒーロー達は決してアントニオの事を軽んじた訳ではない)
◆脚本家のお墨付き?公式公認いじられ芸人ヒーロー!
ライジングDVD及びBDの特典のドラマCDでは、シュテルンビルトを去るライアンの代わりに主役として出演する?という話が持ち上がるも、結局それはただの酒の席の戯言で、「どうせ俺は」と(まるで某COHのドラマパートを彷彿とさせるような)ひたすら惨めな彼の姿が収録されている。
また、ロックバイソンについて脚本家の西田氏が以下の発言をしている。
ロックバイソンがああいうキャラになったのは、こういうデザイン画(桂画集1P167より。ヒーロースーツのロックバイソンの顔出し デザインが、サンライズ内では大受けで桂氏も気に入っていたが、TV版監督のさとう氏が凄く嫌がったという経緯がある) あったからかもですね。「コイツはいじっていいな」って思わせる何かがあった(笑)
(桂画集1内の対談より西田氏のコメントを抜粋) |
これらの事から、西田氏は「ライジング」上では彼の弱点を取り上げる事で笑いを取ろうとしたのが窺える。
(前作の「ビギニング」作中でも、ロックバイソンを【いじられキャラ】のように扱う描写が幾度か見られた)
こうした手法は、日本のバラエティ番組でお笑い芸人をいじる形によくあるが、いじられる事で視聴者に顔と名前を覚えて貰える芸人側の旨味や、制作側が「コイツは面白いリアクションをしてくれるから」と番組が盛り上がる事を期待して行ういじりとは、明らかに異なるものである。(ロックバイソンは、ヒーローであって芸人ではない)
しかも、前作の「ビギニング」同様「ライジング」内でロックバイソンを【いじった】後のフォローは皆無で、実質投げっぱなしで何も解決されないまま、ただ彼というキャラクターを貶めただけになっているのは、いささか問題であると思われる。
最終更新:2015年12月23日 16:09