アニエス・ジュベール
◆姉御肌の敏腕TVプロデューサー
視聴率が低迷していたかつての「HERO-TV」を主にエンタメ性を前面に出す事で盛り返し、今なお番組を盛り立てる「HERO-TV」の敏腕プロデューサー。
「HERO-TV」放送中はGPSで常にヒーロー達の現在位置を把握し、指揮下に置く。
視聴率至上主義であるが故に、ヒーロー達に無茶な指示を出すこともある。
またジェイク事件でのジェイクとの交渉や、マーベリック事件での「HERO-TV」を利用した犯罪暴露など、彼女自身も体を張った番組への貢献を厭わない。
決まり文句は「ボンジュール、ヒーロー」、口癖は「視聴率」「グングンきてるわ」(それぞれが独立しての場合もありまた合わさる場合もある)など。
◆消えた職業倫理
ライジング中盤、ヒーローおよびアニエスを始めとした「HERO-TV」関係者達は、シュテルンビルトの女神の伝説になぞらえたような一連の事件から、フェスティバルの
当日に犯人が襲撃に来ると予測していたにもかかわらず、警察や街の行政・フェスティバルの実行委員会等の機関には犯人の襲撃について一切知らせていない事が窺える。
(※これについての詳細は「
作品の設定について」を参照のこと)
TV版での彼女は、確かに視聴率や「HERO-TV」を第一に考えるあまり、自身を含めたスタッフの身の安全をおざなりにしかけたことがある。
だがこの時点での彼女は、反発心はあるもののワイルドタイガー(WT)に諌められて引き下がる度量は持っていたはず。
アニエスに限らずライジングの「HERO-TV」には、全体的に職業倫理の低下が感じられる。
◆アニエスの権限とは?
かつてアニエスは、七大企業のヒーローだけでは対処しきれない軽犯罪を担当する存在として、「
二部ヒーロー」を企画・提案した。(TV版第14話より)
だが彼らはライジングにて、親会社社長であるシュナイダーの鶴の一声で、突如廃止となる。
二部ヒーローに対する権限は一体どこに、誰にあるのか?(※これについての詳細は「
作品の設定について」も参照のこと)
またフェスティバル当日、犯人による襲撃によりシュナイダーが危機に陥った際、一時的にだがアニエスの裁量で「HERO-TV」での勝手が許される。
ここで彼女は二部ヒーローおよびWTの一時的な復帰をねじ込んでいるが、そもそもヒーロー活動に関する許可はすべて司法局が関わるもの(原則ヒーローの出動には司法局のGOサインが必要)であり、復帰に関しても同様ではないのだろうか。
さらに事件後、WTと二部ヒーローの本格的な復帰はアニエスの「私が認めまぁす!」の一声で決定的なものとなる。
一介のTV局の制作プロデューサーに過ぎない彼女の権限とは、否、「HERO-TV」が持つヒーローへの権限とは一体なんなのか。
一連の流れを見るに、ヒーローの管理その他を束ねる司法局の権限や意向を無視し、軽い口約束で施行が許される実にいい加減なものに見える。
◆「グングンこない」ライジング
先に述べたように彼女の口癖は「グングンきてるわ」のはずだが、ライジングではそれが発せられることはなかった。
何より視聴率を気にするような素振りは消え、それどころかシュナイダーによる自社優先の横槍やゴリ押しに従うなど、番組の面白さよりも親会社社長への恭順をとる様子が垣間見える。
前社長のスキャンダルを暴露(マーベリック事件において、洗脳が解けていないふりをしつつ密かに通信を復旧)したような気骨や、またそれを「HERO-TV」で放映し高視聴率をたたき出すようなちゃっかりとした有能さはどこへ行ったのか。
ちなみに、口癖の「グングンきてる」とはアニエスの中でのマイブームという裏設定がある(ニュータイプ2011年11月号対談より)。
となればアポロンメディアの鳴り物入り新ヒーローであるライアンも、わざわざシュテルンビルト全体を巻き込んで自己プロデュースしたヴィルギルの復讐劇(という名のテロ)も、どうやらアニエスの琴線には全く触れなかったようだ。
最終更新:2015年06月09日 06:24