139 :1:05/01/31 23:20:29 ID:4Svs9o2w
「ナナッシくん、いますか?」
モラーラがナナッシの住処を尋ねたのは、太陽が一番高く上ったころだ。
「だれもいませんね」
この時間は、男達は狩りや採集に出かけているし
女達は、最近村に引かれた水路で、麻を洗っている時間だ。
子供達は、丘に遊びにいっているだろう。
「干し肉を作る葉っぱや木を分けてもらおうと思ったのですが・・・困りましたね」
モラーラはこんな時間に何をしているかと思えば、干し肉をつくっていたらしい。
干し肉はただ単に、天日で干しただけのものより、煙で燻したものの方が日保ちも良く
独特の香りと味がついて、なれると病み付きになるのだ。
その、干し肉作りをいってに引き受けているのが、このモラーラだったりする。
最近では、狩りの獲物が取れると、真っ先に一番良い部分を押さえたりもしている。
「おや?この葉っぱは見たことが無いですね」
そこにあったのは大量の葉っぱだ。しかもちょうど良く葉っぱだけ。
生乾きで、干し肉を作るにはちょうど良い感じだ。
「これだけ沢山あるのですから、少しもらっていきましょう」
モラーラは葉っぱの山から、一抱え分だけもらって自分の住処に戻りました。
140 :1:05/01/31 23:42:59 ID:4Svs9o2w
139の続き
モラーラの住処の隣には、小さめの穴があいています。
人が住むには小さすぎるのですが、干し肉を作るのはちょうど良い大きさです。
いつものように、肉を薄くきって、木の枝に刺します。
枝に刺した干し肉は地面つかないように穴の脇に、枝をさしておきます。
沢山の干し肉を穴の中に刺したら穴の入り口で、小さく火をたきます。
そして、その上に、こんもりと葉っぱを乗せるのです。
「げほげほげほ」
ここからは、体力勝負です。
鹿の皮をバッサバッサと振り回して、洞窟の中に煙を送り込んでいきます。
煙を封じ込める仕組みや、煙突、炉といった技術の無い彼らは
こんな無茶なことをして、干し肉を作っているのです。
「げほげほ!!げほ!」
いつもは、苦しいだけの煙のはずですが、今日はなんだか違います。
頭がぼんやりします。それだけでなく、煙をもっと吸いたいと思ってしまいます。
「けほけほ・・・アヒャヒャ・・・けほ・・・アヒャヒャヒャ」
ついには、鹿の皮を振るのをやめて、煙の中に頭を突っ込んでいます。
深く吸いこめば、吸いこむほど、頭の中がふんわりと、気持ち良くなります。
12歳のお下げで眼鏡っ子の美少女が難しいことを延々と話してくれます。
23歳の裸眼で同人をやっていそうな文型女性も難しいことを延々と話しています。
気がつくと、日はとっぷりと暮れていました。
そして、モラーラは思いました。
「あの葉っぱの煙を吸いこめばネ申に会えるのでしょう」
次の日から、麻の葉を求めて森をさまようモラーラが目撃されましたが
いっしょに麻の茎も持ってきてくれるので、だれも止めませんでしたとさ・・・
めでたし、めでたし??
最終更新:2005年05月09日 23:26